循環経済新聞・バックナンバー“2003年11月度”
11月3日号ダイジェストニュース
◇容包プラの新ラインが稼働
富山環境整備(富山県婦中町、松浦壽一社長)は容器包装プラスチック用の再商品化ラインを増設、9月末から稼働した。洗浄工程を国内では珍しい乾式とし、排水処理の負担を低減したのが特徴。再生ペレットを原料に建材を生産する新工場も建設中で、来春の稼働を予定している。 ◇段ボールR率102%に
段ボールリサイクル協議会(東京・中央)のまとめによると、2002年の段ボールリサイクル率は、101.9%と100%突破となった。輸入製品に付いて来る段ボールケースが増えたことなどで、リサイクル率が100%を超える計算になった。 ◇山口県で建廃リサイクル工場稼働
建設系廃棄物を中心に再資源化を目指すアースリックジャパン(山口県宇部市・國弘基昭社長)は、日量640t処理能力を持つ「がれき類破砕施設」や同200t近くの「木くず・廃プラ等破砕施設」、同12tの「石膏ボードリサイクルシステム」、同120tの「土壌改良機」、同1.2tの「発泡スチロール溶融処理機」を備えたリサイクル工場の受け入れを開始した。 ◇オープン式発酵機で実績
畜産ふん尿用の発酵たい肥化プラントで高い実績を持つ日環エンジニアリング(埼玉県桶川市、岸岩夫社長)は、オープン式かくはん装置を備えた独自のシステムを産廃処理分野にも提案している。 ◇永久磁石発電装置を開発
千代田エンジ(栃木県小山市、兼子康男社長)は、強力永久磁石を使った磁力回転増幅装置を開発、実用化にめどをつけた。実験では、入力1に対して出力が10倍以上という従来にない性能を確認しており、磁力発電をはじめ、あらゆる駆動装置を動かす全天候型の新エネルギーとして住宅、工場、自動車など各分野への利用や電気式焼却灰溶融炉への応用を見込んでいる。 ◇循環経済発展モデルを確立
山西長治鋼鉄公司は持続可能な発展を目標とする段階から、循環経済理念を発展させ、企業内部の産業構造を把握して部門間の連携を取り、発展経済と環境保護の第1段階を形成し、持続可能な発展に要求される循環経済発展に適合させた。 ◇使用済みタイヤから新素材
OHC大牟田(福岡県大牟田市、古賀信友社長)は来年2月末、使用済みタイヤに含まれるカーボンブラックから新素材「ナノ・カーボン」を再生する実証プラントを大牟田エコタウンに竣工する。敷地面積は3300m2。総事業費は約6億円。ナノ・カーボンを使用した2次製品の開発・製造プラントも建設する予定。カーボンブラックと2次製品も合わせ月300tの生産を目指していく。 ◇メタノールの透過を抑制
ノリタケカンパニーリミテド(名古屋市、岩崎隆社長)は、燃料をメタノールとするDMFC燃料電池に使用する電解質膜に、有機物と無機物の複合化技術を用いた新素材膜を開発した。 ◇溶融スラグから護岸石材
各種石材製造・施工の東洋興産(仙台市、齊藤順一郎会長)は、一般廃棄物焼却灰などの溶融スラグを利用した環境景観高機能石材「トーヨーエコストーン」シリーズをつくっており、昨年来、宮城、山形などの護岸工事現場を中心に施工実績を広げている。スラグ研究者の北辻政文・宮城県農業短期大学助教授、焼却灰溶融施設をもつ民間企業などとの実証研究でも、良好な結果を得た。
11月10日号ダイジェストニュース
◇廃プラと古紙を圧縮・梱包
資源再生業者のスズキ康(名古屋市)は愛知県飛島村内に廃プラスチックや古紙を圧縮・梱包する新工場「エコワークス飛島」が完成し、10月29日、現地で竣工式を行った。従来、収集運搬が主力だった同社では、初の中間処理工場となる。11月から操業を開始し、月間1500tの処理量を目指す。 ◇アルミ箔やキャップも再生
山一金属(静岡県長泉町、大賀俊和社長)では、アルミ缶のほか、アルミ箔やキャップなどリサイクル困難物にも対応可能な加熱キルン式の再生技術を開発し、受入実績を拡大。 ◇廃瓦を砕いて舗装材の原料に
三州瓦の製造業者が集まる愛知県陶磁瓦工業組合(愛知県高浜市)は、日本道路と協力して廃瓦を砕いて舗装材の原料とする再生利用事業を計画した。同組合は、日量200t処理能力を持つ破砕の中間処理施設が高浜市内にあることから各製造業者から排出される産廃の廃瓦を同処理施設で粉砕し、樹脂で固めて舗装材にする。 ◇日量36tたい肥施設が完成
ダイイチサイクル(兵庫県津名町、前川有社長)は、日量36tのたい肥化施設を完成、11月から本格稼動に入った。主に淡路島、京阪神地域の食品加工工場などから、排水処理の際に発生する有機汚泥と動植物性残さを受け入れていく。 ◇福島工場が竣工
コンテナメーカーの瑞穂(愛知県豊川市、吉川弘國社長)は12月1日、福島工場(福島県二本松市)を竣工する。コンテナの生産に加え、プレスコンテナのメンテナンスなどを行う。ロボットやコンベアで自動化を進めコストダウンを図ったのが特徴。 ◇建設発生土等の有効利用に関する行動計画(国土交通省・平成15年10月)抜粋
国土交通省は、建設発生土等の不適正処理の問題も含めた有効利用に関する課題について基本的な考え方、目標、目標を達成するための具体的な施策等を内容とする「建設発生土等の有効利用に関する行動計画」をまとめた。建設発生土の約9割が公共工事から発生していることを踏まえ、公共工事の発注者としての取り組みを中心に策定。また、廃棄物に分類されている建設汚泥をも取り上げ、その処理土についての対応を示した。 ◇FRP船解体試験を実施
国土交通省は3日、使用済み小型船舶の解体試験をイボキン(兵庫県揖保川町、高橋勇史社長)本社工場内で実施した。試験は2000年発足の「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」によるもの。今年度は全国10都市で解体・中間処理・セメント燃成の各試験を実施していく。今後、試験で集めた各種データをもとにコスト試算や、リサイクルシステムに必要な基準、法整備などを検討し、2005年のリサイクルシステム確立、廃船処理の事業化を目指していく。 ◇再生紙を使用した化粧型枠
再生紙と麻を混合させた骨壺の製造・販売を手がけるeco globe(エコグローブ、大阪府泉南市、長松真也社長)は、土木建築に用いられるコンクリート面の使い捨て化粧型枠に、再生段ボール80%以上を原料とする化粧型紙「ペーパーケイブ」を開発し、本格的な製造・販売に乗り出した。
11月17日号ダイジェストニュース
◇木くず等のボイラー増設
大王製紙三島工場(愛媛県伊予三島市)は、本年末に木くず・建設系廃材などのバイオマス燃料と補助燃料としてパルプに再生できない廃プラ・古紙などのRPF、廃タイヤチップ等を活用することで化石燃料を使用しない「バイオマスボイラー」を増設。月に1万4000〜1万4500t程度の廃材・木くずや残材等の受け入れを開始する。回収エリアは、四国が中心で近畿、中国地方なども一部視野に入れる。 ◇廃棄古紙を主原料に
住友商事ケミカル(東京・中央、岡素之社長)は、環境経営研究所(東京・中央、松下敬通社長)と国内総販売代理店契約を締結し、これまで焼却されていた廃棄古紙を主原料に製造された住宅断熱材やボード材、文房具などの全国販売を開始する。 ◇バイオマス戦略で木質に脚光
バイオマス・ニッポン総合戦略の閣議決定から1年が経過しようとしている。この間、製紙、セメント、エネルギー、製鉄など各社が取り組みを発表し、木くずの大幅な需要増が見込まれるところだ。複数の業者からは「秋口から急に燃料向けチップが動き出した」との情報が寄せられており、新たなエネルギー政策の影響がすでに現場にまで及んでいると見ていいだろう。木くずリサイクルの現況と見通しを、全国木材資源リサイクル協会連合会の彦坂武功会長に聞いた。 ◇木質ペレット燃料の規格化検討
木質ペレット燃料普及の全国ネットワーク形成を目指す、ペレットクラブ準備会(京都市)は、2004年4月の団体設立へ向け、作業を進めている。同会は、2000年5月から本格的な活動を開始。これまで、ペレットの燃焼装置やペレットの製造・流通・販売などをテーマとしたワークショップを3回行っている。 ◇生ごみを90%以上減容
日本製鋼所は、生ごみや家畜ふんなど有機性廃棄物の処理に、処理量が1日数トン程度までの処理規模に対応するロータリーキルン式コンポスト化装置を開発した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実用化開発助成事業で実証開発を行ったもので、処理後は90%以上の高い減容率になる。 ◇循環型社会の形成に向けたエコ・コミュニティ事業の公募結果について
環境省は、循環型社会の形成に向けたエコ・コミュニティ事業(総額5800万円)について、全国239件の応募から審査を行い、5件を採択した。 ◇調査機関のネットワーク設立
大周(滋賀県大津市、姜永根社長)は、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関で構成する「DSI(Designated Survey Institution=指定調査機関)ビジネスネットワーク」を2004年1月に設立する。中小企業やベンチャーが全国的なネットワークを構築することで、調査業務の受注獲得を目指す。 ◇屋上緑化専門の新会社設立
建築や土木防水材、内外装材などを手がけるダイフレックスホールディングス(東京・新宿)と投資事業を展開するビーエスエル(東京・渋谷)は、屋上緑化事業を行う新会社「グリーンダイフレックス」(東京・新宿)を設立し、11月から営業を開始した。 ◇埼玉で産廃炉が順調稼働
松嶋建設(さいたま市、松島一夫社長)は、埼玉県桶川市内で解体系の木くずなど日量20tを処理できる焼却施設を順調に稼働させている。ダイオキシン規制に伴う炉改造を経て、今年度から排ガス対策を徹底した新たな設備で対応しており、同規模の産廃炉としては県内でも希少価値の高い施設となっている。
11月24日号ダイジェストニュース
◇木くず再生工場が竣工
姫路環境開発(兵庫県姫路市、山本益臣社長)は11月、「木くずリサイクルセンター」(姫路市飾磨区)を竣工した。処理能力は1日当たり160t。産廃および一廃の許可を取得している。初年度は月間処理量約1500tで推移すると見ているが、来年度は早期に2000tの突破を目指す。 ◇びんR事業で石川県に進出
環境ベンチャーの日本エコネット(東京・中央、向井幸一社長)はこのほど、石川県の地場企業などと共同でガラスびんの再生事業を行う新会社「石川再資源化研究所」(穴水町)を設立し、現地工場の建設に着工した。来年4月の操業を目指す。 ◇比重差選別機を導入
産廃の中間処理、収集運搬、建物解体、土木工事などを営む丸利根アペックス(東京都三鷹市、門田康一社長)は同社のリサイクルセンターに新たに比重選別装置を導入し、11月から本格的な稼働を開始した。この選別装置は原田産業製の「SH-25」型で、従来の手選別や振動ふるいでの選別に加えて、高精度で土砂の粒度選別が可能になった。 ◇消滅型の実績多方面に
生ごみなどの有機性廃棄物を処理する一手段として、ディスポーザーと消滅型処理機をセットにしたシステムがにわかに注目を集めている。たい肥化と比べて低コストで処理できることや、残さの抜き取りが不要という利便性がポイントで、このタイプのシステムを手掛けるアースクリーン(さいたま市、小川弘社長)では、これまでに1日の処理量が150kgから1.4tまでの比較的大型の機種を約30カ所に納入。企業や自治体からの引き合いは年々増えており、2年後には年間100台の受注を目指そうという勢いだ。 ◇パレットなどを大量に処理
大原鉄工所(新潟県長岡市、大原興人社長)は、パレット、家具類などの廃木質製品や型枠材、柱材などの廃材を、低コストで丸ごと大量処理できる「スクリュー・オーガー型せん断機」を発売した。米国コーマ・インダストリーから技術導入したもので、電気容量30kWの機種でもパレット80枚を15分間で処理できる。 ◇2003年度上半期の環境装置受注状況
(社)日本産業機械工業会が大手プラントメーカーなどの会員140社を対象に調査する環境装置受注状況で、2003年度上半期(4〜9月)の数字が明らかになった。環境装置のうち、本紙ではごみ処理装置にスポットを当てて、同工業が提供する受注状況のデータを毎月掲載しているが、ここでは、ごみ処理装置のほか、大気汚染防止、水質汚濁防止、騒音振動防止の各装置を含む環境装置全体について、需要部門別と各装置別の受注状況の概要を紹介する。 ◇粗利、プラスに転換へ
サニックスは2004年3月期の第4四半期(来年1〜3月)の廃プラスチック燃料化・発電事業の売上総利益が1億4000万円のプラスになるとの見通しを明らかにした。2003年3月期の第4四半期から連続して売上総利益はマイナスを計上しているが、同事業への投資が完了したことなどが寄与すると同社は予測する。 ◇リコーが経産大臣賞に
グリーン購入ネットワーク(GPN、東京・渋谷)は11月5日、東京・千代田の砂防会館でグリーン購入フォーラム2003を開催。グリーン購入大賞の表彰式が行われた。経済産業大臣賞・大賞がリコー(事業者部門)に、環境大臣賞・大賞が星野リゾート(ホテル・旅館部門)に授賞された。 ◇「ミニ高炉」で廃棄物処理
沖縄県座間味村はこのほど、超高温で廃棄物をガス化・溶融処理する「ミニ高炉」技術を利用したごみ処理施設「座間味村クリーンセンター」が完成し、落成式を行った。同施設は製鉄の高炉原理を転用した独自の技術で、高知県北川村などで稼働実績がある。
押出成型で建材生産を構想
輸入製品の増加が原因に
無機汚泥含み日量960t処理
魚貝類残さの消滅型にも
新エネルギーとして自動車、灰溶融炉に利用も/出力は入力の10倍以上
部門間の産業連携を実現
量産実証プラント竣工へ
燃料電池用電解質膜を開発
マット貼り式で簡易施工/東北中心に実績重ねる
月間1500t受け入れへ
溶解せず「缶to缶」実現
中間処理施設の活用で
京阪神地域にも受入拡大へ
自動化でコンテナ月産1000台
建設発生土利用率、2005年度80%に
2005年めどに事業化
土木建築用途で拡販目指す
月1万4000t回収に
リサイクル製品販売開始
供給会社の設立を構想
全国ネットの団体設立へ
高速キルン式装置を開発
大手に対抗、受注獲得狙う
初年度売上3億9千万見込む
木くずなど日量20t処理
月間2000t目指す
発泡骨材などの工場建設へ
解体系廃材を高精度選別
生ごみ、汚泥処理で好事例
スクリュ型せん断機発売
来年1〜3月期、燃料化・発電事業
G購入大賞表彰式開催
ガス化溶融、スラグ活用へ