<シート・プラスチック容器>
◇3層A-PETシートを開発 ハイバリア性で低コスト化実現
- アテナ工業 -
容器メーカーのアテナ工業(岐阜県)は、従来のアクリロニトリロ樹脂に比べ原材料コストを2分の1に抑えたA-PETシートを開発した。新開発のシートは、通常のA-PETシートの両面をハイバリア性のA-PETシートでサンドした3層構造になっている。耐薬品性や保香性、透明性でも、従来品と遜色がない。バリア剤をコーティングしない3層シートに改良したことで、リサイクル性が向上、コスト低減にもつながった。今後は、みそや漬物など、発酵を伴うような食品の透明容器用に展開する意向だ。
<シート・プラスチック容器> ◇ダックス四国の新工場稼動 OPS容器中心に生産/特例子会社で障害者雇用促進
- エフピコ -
エフピコ(広島県)は労働省・日本障害者雇用促進協会認定の特例子会社であるダックス四国(高知県)内にOPS製品主体の新工場を竣工、本格稼動した。新工場での雇用により、同グループの障害者雇用率は全国平均をはるかに上回る8.5%となった。
<その他容器> ◇半自動折り箱機発売 枠材を毎時1500個以上加工
- 家有貿易 -
インドネシアのシンゴン材を包装用途に国内展開する家有貿易(東京都)は、湘南流通加工(神奈川県)と共同開発をした側貼り専用の半自動い折り箱機「セミ・オート・グリアー」を発売した。折り箱の多品種・少量注文に対応するもので、毎時1,500個以上の折り箱枠を一人のオペレーターで加工できる。角丸形、角形、八角の折り箱枠や、紙箱枠などの形式に対応する。運転時の騒音も極めて小さく、ロスもほとんどないという。
<紙器・段ボール> ◇マイクロフルートを本格採用へ 包装軽量化狙いに4月からMDプレーヤーで
- 松下電器産業 -
松下電器産業(大阪府)は4月から、包材の軽量化を狙いに、国内外向けのポータブルMDプレーヤーにマイクロフルート段ボール(G段)製個装箱を全面採用する。同社製品としては初めての採用。マイクロフルートの採用で紙の使用量を重量ベースで約10%削減できることから資源の有効活用に貢献できるものとして注目される。同社では今後、小型オーディオ製品の包装箱を順次、板紙からマイクロフルートへ切り替えていく方針。
<紙器・段ボール> ◇小型自動落丁機を納入 「ブランカーJr」/左近紙工で1号機稼動
- レザック -
レザック(大阪府)は昨年12月、超小型自動落丁機「ブランカーJr」の1号機を左近紙工(大阪市)の平野工場に納入、稼動した。左近紙工がこれまで使用していた落丁機はセットなどに時間がかかり、大量生産には向いているが小口生産ではロスが生じるという課題を抱えていたことから同機の採用を決めたもの。同社では場所を取らず、段取り替えが不要で、誰でも簡単に扱えるというメリットは大きいと同機を評価している。
<フィルム・軟包装> ◇メタロセンPPの試作に成功 超低融点のランダムコポリマー/シーラントフィルムで10℃低温化可能
- 日本ポリケム -
日本ポリケム(東京都)はこのほど、独自のメタロセン触媒技術を用いて、超低融点のポリプロピレン(PP)ランダム共重合体(RCP)の、商業規模での試作に世界で初めて成功した、と発表した。超低融点のRCPは、従来のチーグラー型触媒では製造が困難で、近年開発が進んでいるメタロセン触媒を用いてもこれまで商業生産に成功した例はない。融点が120℃と極めて低いのが特徴で、従来品よりもヒートシール強度が10℃低い超低温シーラントフィルムを製造できる。
<フィルム・軟包装> ◇約60%に包材を削減 緩衝材なしの包装を採用/業界初のフィルム袋のみ
- 松下電器産業 -
松下電器産業(大阪府)は、ラジオやテープレコーダーなどの2,000〜5,000円価格帯の小型ポータブル商品に、緩衝材を一切使わないフィルムだけのパッケージ「省資源クリアパック」を業界で初めて採用した。新しいパッケージは2層のCPPフィルムで構成され、重量は約10g。従来のパッケージに比べ、約60%に包材量を削減、抑制を実現している。
<樹脂原料・添加剤> ◇新型の難燃剤開発 ゾルゲルシステムを構築
- 石塚硝子 -
石塚硝子(名古屋市)は、少量の添加で高い難燃性を示す新タイプのプラ難燃化材料を開発した。ハロゲン化合物を使用せず、独自の“ゾルゲル法”でハイブリットコーティングを施した無機系化合物を樹脂に添加したもの。従来の約半分の添加量で難燃化が達成できる。加えて、樹脂成形性の向上や樹脂特性の低下防止、リサイクル性の向上、トータルコストの低減などにも効果を発揮する。
<プラスチック系緩衝材> ◇大幅な軽量化と強度向上実現 環境配慮型気泡シートの新製品/「スーパーエアセル」を上市
- 和泉 -
和泉(名古屋市)はこのほど、“過剰包装の削減とごみの減量化"をコンセプトに、従来品に比べて大幅な軽量化と強度の向上に成功した気泡入りフィルムシートを開発、「スーパーエアセル」の商品名で上市した。同社従来品の標準タイプに比べて約20%、厚物タイプとの比較では60%近い軽量化を実現するとともに、強度面でも優れた特性を発揮する。主に梱包・物流段階での環境負荷低減を指向した環境配慮型の製品と位置づけ、展開していく方針。
<環境・包材リサイクル> ◇EPSのリサイクル率アップ エプシー・プラザ138カ所に増える
- 発泡スチロール再資源化協会 -
発泡スチロール再資源化協会は、1999年のリサイクル率は55%で、前年比3.5ポイント増えたと発表した。プラスチックに再生するマテリアル・リサイクルが33.2%(2ポイント増)で、自治体が行っている燃焼による熱・発電を使用したサーマル・リサイクルが21.8%(1.5ポイント増)となっている。この結果、マテリアル・リサイクル率35%を目標とする第2次5カ年計画が今年中に達成される見通しだ。なお、同協会が全国に開設しているEPSのリサイクル推進のための拠点「エプシー・プラザ」は2月29日現在で合計138カ所まで増えている。
<環境・包材リサイクル> ◇米製圧縮減容梱包機を開発 不良梱包フィルム処理向けに
- 成光産業 -
成光産業(東京都)はこのほど、米国ハーモニー社製圧縮減容梱包機「 M30HD型」を発売し、不良梱包フィルムの処理向けに展開することを明らかにした。小型ながら大型機並みのパワーを誇る同機は、米国よりもむしろ設置面積の少ない日本市場に適している。価格についても、同社ではサブシステムとして適当な水準に設定するとしている。
<ISO関連> ◇ISO9001認証取得 顧客ニーズ把握とスケジュール管理を強化
- 竹内産業 -
シート・容器一貫メーカーの竹内産業(埼玉県)は1月27日付でISO9001の認証を取得した。認証機関は英国BVQIで、対象は本社および足利工場。製造部門に加え、より営業展開を充実化させる狙いから、9000シリーズの中で設計段階を含む9001を認証取得したもの。取得に当たっては、「需要家のニーズを的確に把握し、スケジュール通りに商品化する点がポイントだった」としている。
<ISO関連> ◇本社でISO14001 認証取得 キックオフから7カ月で達成
- ザ・パック -
ザ・パック(大阪市)は、昨年12月27日付けで本社を対象にISO14001を認証取得した。同社では昨年6月9日に認証取得に向けキックオフ。7カ月での取得という目標を掲げ「環境活動実行チーム」を組織化し、自社の環境理念・環境方針に沿って活動を展開。従業員への環境意識の徹底を図るとともに、取得まで17回の会合を持つなど積極的な取り組みを行ってきた。
<ISO関連> ◇環境ISOを認証取得 九州工場・関連2工場対象/食品容器、医薬・電子関連で
- ニッポー -
ニッポー(大阪府)は2月23日付で、九州工場および関連会社2工場でISO14001の認証を取得した。対象範囲は食品、医療、電子関連などの各分野向けに供給する合成樹脂製製品の販売。同社では「限られた資源を大切に」などの環境理念を推進する中でISO14001の認証を取得した。今後も環境・品質への取り組みをさらに強化し、本社並びに海外を含む各事業所・事業部の環境・品質ISOの取得を目指す方針。
<包材流通> ◇年度内に「物産」と合併 HACCP工場9月に完成/ウナギ加工工場としては国内初
- 大五通商 -
包装・食品機材販売の大五通商(静岡県)は、今年度中に関連会社でウナギ加工販売の大五物産(静岡県)と合併する。存続会社は大五通商とし、資本金は3,000万円となる。現在の両社の年商合計は85億円で、3年後には総合食品商社として150億円を目指す。今回の合併は営業力の強化と経営の効率化が狙い。また、大五物産の本社敷地内では、9月の竣工を目指しウナギ加工では業界では全国初となる、衛生管理や品質管理を徹底したHACCP手法を採用した工場の建設が進められている。
<食品加工・関連機器> ◇通販でウナギの蒲焼を 真空パックで全国展開/電子レンジで簡単調理
- ピー・エムー・シー -
食品加工のピー・エムー・シー(大阪市)は、真空パックのままレンジで加温できるウナギの蒲焼を大手通販会社を通じ全国発売した。ウナギは調理済みの冷凍加工品を新世紀通商(大阪市)を通じて中国・福建省から直輸入し、それを同社が真空パックして販売する。レンジ食品だが、食感は柔らかく、同社では年間を通じて販売に力を注いでいく方針。
<PETボトル入り清涼飲料で広がるアセプティック(無菌)充填(市場リポート)> ◇小型PET“解禁”機に急増 ボトル内製化で生産コスト大幅に削減/パッカー主導から徐々にメーカー主導へ
清涼飲料業界で今、PETボトル入り飲料のアセプティック(無菌)充填が大きな広がりをみせている。中身の風味があまり損なわれないのに加え、通常のホットパック充填では微生物対策上、製造が難しい茶系飲料や含乳飲料などの生産が可能。商品アイテム数を増加できるとともに、耐熱ボトルより割安な非耐熱ボトルを採用できることで、生産コストの大幅低減が図れる点などが飲料メーカーから支持されている。さらに96年4月、小型PETボトルが“解禁”されたことで、無菌充填飲料市場が急速に拡大したことから、ここ数年、飲料メーカーサイドで設備導入が相次いでいる。
<表示特集> ◇改正JAS法4月から施行 鶏卵直接印字じわり浸透/容リ法、包材の識別表示が法制化へ───など
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<ユーザー>
◇配食・介護周辺事業に進出 ニチイ学館な3社で合弁/7月から試験的にサービス
- セブン−イレブン・ジャパン -
セブン−イレブン・ジャパン(東京都)は、高齢者や単身者などを対象とした配食・介護周辺サービス事業に進出する。介護サービス大手のニチイ学館、三井物産、NECと提携。4月に合弁会社「セブン・ミールサービス」(仮称)を設立し、7月から首都圏の約250店舗でテストサービスを開始する。来年5月から本格展開に乗り出し、2002年度中にセブン全店でサービスを実施する予定。
<包装機・関連機器> ◇業界最短のX線異物検出機 感度30%アップ、処理速度も5割増し
- イシダ -
イシダ(京都市)は、食品などの製造過程で混入し、従来の金属検出器では検出が困難だった金属や非金属の異物を高感度で検出する業界最高検出感度のX線異物検出装置「SLDX-500」を発売した。島津製作所製のもので、検出感度が被検出対象物によっては、従来機よりも約30%もアップしている。また、機械の全長は780mmと小型検出機とほぼ同サイズのコンパクト設計なので、既存の生産ラインを変更することなく組み込めることも注目される点。
<包装機・関連機器> ◇工業部品用包装機を発売 待ち時間生かし給袋能力2倍に
- 日精工機 -
日精工機(大阪府)は、小物商品自動包装機「NSR2」を開発、このほど本格販売を開始した。従来は給袋時に次工程までの待ち時間があったが、同機はこの間に新たに袋を取り出す工程を設け、能力をアップさせているのが特徴。ネジやナット、電子部品、ボタンなど、工業用小物部品の包装用途に向けて販売していきたい考え。
<包装機・関連機器> ◇0.1mm単位で直径計測 軸間調整、メンテ容易に
- エム・イー開発技研 -
エム・イー開発技研(京都府)は、シャフトなどのロール状機器や製品の直径が測れる直径計測に加え、通常の長さ計測ができるよう表裏面に目盛りを印刷した巻き尺「TRUE DIA DM-1000」を製品化、本格展開を始めた。ロール状の機器や製品を測る場合は、スパイラル状に巻き付けるだけで0.1mm単位の高い精度で計測ができ、作業現場での利便性を大いに高めている。
<紙器・段ボール> ◇日本紙工をグループ傘下に 株式過半数取得で資本参加
- レンゴー -
レンゴー(本社・大阪)はこのほど、国際紙パルプ商事(東京都)が保有していた九州の中堅段ボール・紙器メーカー、日本紙工(福岡県)の株式(発行済み株式総数の52.4%相当)を取得し、事実上の傘下に収めた。日本紙工は、主要取引先だった履物メーカー、アサヒコーポレーション(本社・東京)が98年4月に経営破綻した影響を受けて経営状態が悪化したため、同年末にレンゴーに対して経営支援を要請。レンゴーではその後1年にわたって段ボール・紙器の発注拡大を中心とする支援を行ってきたが、今回、同社のグループ会社として経営再建を本格的に進めていくことを決め、株式を取得したもの。
<紙器・段ボール> ◇マイクロフルート急増中 大手家電はじめ続々採用/原反メーカー5社ほか参入検討も
マイクロフルート段ボール市場が急速に拡大している。Fフルート、Gフルートといった個装用段ボールシートのことで、東芝電気、三洋電機などの家電・弱電業界が先行して電球や蛍光灯のパッケージとして使用したのをはじめ、先ごろソニーと松下電器産業が小型オーディオ製品の個装箱として採用。日本マクドナルドなどの食品業界や菓子業界などでも採用が活発化している。包装の軽量化、容器包装リサイクル法の再商品化委託費用の軽減が図れる点などからユーザーの注目度はますます高まっており、今後さらに需要が拡大する公算は大きい。また、原反メーカーもここにきて急増しているため、供給サイドでの競争も激化しそうだ。
<フィルム・軟包装> ◇L-LDPEシーラントの生産能力20〜30%アップ 2月から新設大型機が稼働
- 二村化学工業 -
二村化学工業(名古屋市)は、L-LDPEシーラントフィルム専用の大型3層共押出しキャスト装置1系列を導入し、2月から本格稼働した。一昨年、昨年に続き、今年も詰め替え用パウチや米袋など比較的厚手で単位使用量の大きい用途を中心に需要の拡大が続くと見込まれることから、供給能力の向上を図ったもの。機械能力が大幅にアップした新設機の導入により、既設機と合わせた2系列のL-L シーラントフィルム生産能力は従来比20〜30%増の月産1,400〜500tとなった。
<紙系緩衝材> ◇古紙原料のクッション材 春から実機プラント販売/名称は「パルフォーム」に
- 鈴木工業 -
鈴木工業(仙台市)は今春から、雑誌などの古紙を原料とするクッション材の実機プラントの販売を開始する。同クッション材は、同社と宮城県工業技術センターが古紙の再資源化研究の一環として共同開発した新素材。すでにパイロットプラントによる実施テストと昨年末には「パルフォーム」の名称で意匠登録申請も済ませたことからいよいよ本格展開に乗り出すもの。新素材はソフトタイプとハードタイプの2種類があり、梱包する商品の形状に合わせて打ち抜くことで緩衝材としての包装用途をはじめ、住宅、工事、農業などの分野にも使用できる。
<物流関連> ◇ロジスティクスセンター犬山を開設 貿易業務、物流管理を統合
- 村田機械 -
村田機械(京都市)は、3月1日付けで貿易業務と物流管理の統合・合理化を図る「ロジスティクスセンター犬山」を開設した。犬山工場に拠点を置く工作機械事業部、物流システム事業部、クリーンシステム事業部の3事業部における貿易業務を統合したもので、これにより全5事業部の貿易業務と物流管理をロジスティクスセンターに統合、集約することになり、売上げ高の50.5%を占める製品輸入の業務について合理化を図っていく。
<物流関連> ◇伊U.T.I.T社と契約締結 自動仕分け機を独占販売
- サンドビックソーティングシステム -
サンドビックソーティングシステム(兵庫県)は、伊・物流機器メーカーのU.T.I.T.ワーグナーオートメーション社と日本・アジア地域における独占販売契約を結んだことを明らかにした。サンドビックでは、流通センター向けに多くの仕分機を設置してきたが、医薬品卸業、化粧品業界などから自動ピッキングシステムの引き合いが増えていることから、世界最高水準を持ったシステムの輸入販売することに踏み切ったもの。
<物流関連> ◇NECロジスティクスの新「物流」サービス登場 6月からASP事業に進出
- NEC・NECロジスティクス -
NEC(本社・東京)とNECロジスティクス(東京都)はこのほど、在庫管理・貨物追跡・輸配送などの物流業務を総合的にサポートする「ロジスティクスASP=アプリケーションサービスプロバイダー)」サービスを構築し、ASP事業に進出する。同サービスの利用により、ハードウェア・ソフトウェアの初期投資、運用コストの削減、さらに短期間での立ち上げが可能になり、TCO(トータルコスト・オブ・オーナーシップ) の大幅な削減が実現するというもの。同サービスの提供開始時期は今年の6月からを予定している。
<シート・プラスチック容器> ◇高バリア性PET容器開発 味噌大手の採用踏まえ本格上市
- リスパック -
リスパック(愛知県)は、かねてから進めていたハイバリアPET容器「HB-PET」の実用テストを終了、このほど味噌分野に向け本格上市した。新容器は、高ガスバリア性を持つ樹脂とPET樹脂の多層化で開発されたもの。通常のPETに比べ、10倍の酸素バリア性を持つほか、耐熱性が10℃アップするなどの特徴を持つ。また透明性や剛性などの機械的強度、耐薬品性も、通常のPETと同等になっている。
<特集「中食ビジネス最前線」> ◇期待の惣菜・弁当マーケット 包装各社の開発意欲も刺激
テークアウト弁当や惣菜などの“中食分野”は、家庭での調理(=内食)や外食に対する各種の優位性で、現状さらに今後も質的・量的な伸びが期待される話題のマーケットだ。ここでも“消費者志向”は加速し、新たな購買層を開拓するために販売スタイルの見直しや、コンビニを核にした新規“デジタルビジネス”の誕生など、これまでにない展開も予想される。いきおい包装産業からの関心も高く、この分野に向けた製品開発は、容器包装リサイクル法の完全施行も視野に、いよいよ各社で活発化の様相を呈している。ここでは惣菜・弁当を中心とする“中食マーケット”の現状と、ユニークな展開を見せる需要家の取り組みなどを紹介する。
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<シート・プラスチック容器>
◇主力商品の容器を15%軽量化 3月から「マヨネーズ500g」で
- キューピー -
キューピー(東京都)は3月から、主力商品「マヨネーズ500g」のポリエチレンチューブを、従来比で約15%軽量化した容器に変更した。内容物の保存性を落とさずチューブ肉厚を薄くする成形技術などが、今回の容器軽量化では大いに貢献している。同社は「あくまで適正包装への企業姿勢を前面に考えての取り組み」としており、今後、他の容量タイプにも軽量化を拡大する方針だ。
<シート・プラスチック容器> ◇業界初の一体成形を実現 次世代ウエハー向け工程内輸送容器/サンプル出荷すでにスタート
- 信越ポリマー -
信越ポリマー(東京都)は、半導体市場の今後の主流と目されている300mmウエハー向け製造工程内輸送容器の一体成形に業界で初めて成功し、先ごろサンプル出荷を開始した。容器本体と容器内部でウエハーを支えるティース(溝部)が一体化しているため、従来の組立式のものに比べて高い寸法精度と部品点数削減を実現したほか、洗浄・乾燥工程のサイクル短縮化など、数多くの利点を備えている。
<シート・プラスチック容器> ◇食品容器に再生A-PET 3層構造で2種類発売/惣菜・漬物向けで本格展開
- 北原産業 -
北原産業(岡山県)は、“容器to容器”の再生A-PET食品容器2種類「楕円」「角」を開発、相次ぎ発売した。新型容器は、80%の再生A-PETシートをバージンシートで挟んだ3層構造。楕円型は惣菜向けで3サイズ、角型は漬物用で4サイズを揃えた。すでにエコマークの認定を受けており、早くもリサイクル容器として注目を集めている。
<シート・プラスチック容器> ◇BOPSシートなど価格修正 3月25日出荷分から10〜20円/kg値上げ
- 電気化学工業 -
電気化学工業(東京都)は、HIPSなどの食品包装用スチレンシート、工業部品包装用スチレン系シートおよびBOPS(2軸延伸ポリスチレン)シートの価格について、kgあたり10〜20円の値上げを決定した。原料ポリスチレンの値上げを転嫁するもので、3月25日出荷分からの決着を目指し、容器メーカーなど需要家との交渉に入っている。
<シート・プラスチック容器> ◇伊M&Gグループに許諾 PET樹脂発泡体特許実施権/欧州市場開拓に拍車
- 積水化成品工業 -
積水化成品工業(大阪市)は、欧州PET樹脂製造大手でM&GグループのSINCO RICERCHE SPA社(イタリア)に対し、「PET樹脂発泡体製法」の特許実施権を許諾した。同特許の実施権許諾は、一昨年末、米国原料製造大手のイーストマンケミカル社にも行っており、今回が2社目。欧米市場ではこれまで、食品・工業包装分野とも、新素材としての発泡PETの商品化が進んでいなかったが、今回の締結で欧州における発泡PET市場開拓に拍車がかかる可能性が出てきた。この特許実施権は、日本・アジアを除く世界での食品包装用に限定されており、4月1日から効力が発生する。
<その他容器> ◇植物素材容器を開発 大手食品メーカー3社が採用
- 東亜システムプロダクツ -
東亜システムプロダクツ(京都市)はこのほど、竹やアシ、ハギの繊維を主原料とした植物素材の食品容器「G・THEC(ザック)」を開発した。サンプルプラントを導入し、8月から8アイテムの生産に入る予定。さらに福井県で年産2億個のライン化を目指している。すでに大手食品メーカー3社が採用を決定するなど、早くも注目を集めている。
<紙器・段ボール> ◇G段を個装箱に採用 海外向けCDプレーヤーで
- ソニー -
ソニー(東京都)は、海外向けのポータブルCDプレーヤーの個装箱にマイクロフルート段ボール(G段)を採用し、2月から出荷を開始した。マイクロフルートの採用は同社製品では初めて。環境保全とコストダウンの2つを狙いに紙器用板紙から切り換えたもので、包装全体の軽量化を図るとともに、トータルで約2割というコストの削減を実現している。
<パッケージ印刷> ◇米国製製版装置を販売 フィルム露光方式で1%の網点再現
- スミタ -
スミタ(大阪市)はこのほど、米オレック社のフレキソ・オフセット印刷用製版装置「オレックプリンター」の販売を開始した。従来のフィルム露光方式を採用した製版装置ながら1%の網点再現を可能にしたもので、シャープなショルダーを持つ網点ドットを形成できる。価格は未定だが、300〜400万円になる見通し。同社ではラベル分野を中心に本格展開を図りたい意向。
<パッケージ印刷> ◇高速両面オフ印刷機を開発 両面刷りで毎時1万5,000枚を実現
- リョービ -
リョービ(東京都)は、紙器印刷に使用できる菊半裁の反転装置付き高速多色オフセット印刷機「RYOBI 680Pシリーズ」を開発した。新印刷機は4色、5色、6色の3機種があり、両面同時印刷で毎時1万5,000枚という驚異のスピードを実現。刷版の交換もボタン操作で簡単にできる。販売はリョービイマジクス(東京都、TEL:03-3257-1211)。
<環境・包材リサイクル> ◇段ボリサイクル協議会が発足 製造、利用、リサイクル団体が発起人/使用済み段ボの円滑な再商品化が目的
段ボールの製造事業者団体、利用事業者団体、リサイクル関連団体の三者が合同で「段ボールリサイクル協議会」(東京都、日本段ボール工業会内)を3月7日付けで設立した。段ボールは容リ法の再商品化義務の対象外になっているが、万一、段ボール古紙が市場にあふれ、リサイクルが困難になる事態に備え自主的に設立したもの。会長には日本段ボール工業会の長谷川薫会長が就任した。
<印字機器> ◇印刷機上で4色製版 注目のデジタルオフセット機を開発/薄紙から厚紙まで対応
- 大日本スクリーン製造/桜井グラフィックシステムズ -
大日本スクリーン製造(京都市)と桜井グラフィックシステムズ(東京都)は、印刷機上で製版し、薄紙から厚紙まで対応できる4色デジタルオフセット印刷機「トゥループレス744」を共同開発、今年10月から本格販売する。同機種は、印刷機内に製版装置を内蔵しており、簡単な操作で短時間に4色印刷の前準備が可能。デジタルデータをそのまま印刷機に取り込むため、製版から印刷までが非常に短く、短納期の印刷に適している。
<キーパーソンに聞く> ◇基礎体力増強へ再始動 株式公開視野に内容充実目指す
────静岡産業社代表取締役・渡邉吉夫氏
全国有数の広域軽包材ディーラー、静岡産業社(静岡市)が近い将来の株式公開を視野に着実な成長ぶりを見せている。近年、大手量販店を取り巻く包材流通システムの変動が顕著となる中、同社は革新的な経営戦略で競争力を増強してきた。いわゆる「ディーラーレス」の動きは、ひとつ軽包材業界に限った現象ではないが、殊に軽包材流通システムの発展段階において卸・ディーラーの果たしてきた役割は大きく、大方の流れに抗し、その存在意義を内外に再認識させてきた同社の健闘ぶりは注目に値する。そこで、同社の今後の展開について代表取締役の渡邉吉夫氏に話を聞いた。
<特集> ◇「容リ法」と包装のあり方を探る(静岡県編) ユーザーの対応事例など紹介
4月1日の完全施行まで10日余りと迫った「容器包装リサイクル法」(以下容リ法)。結論からいえば問題を山積みしたままスタートすることになるのは、ほぼ間違いない。売上規模からも対象事業者であることが明らかな企業は、容リ法への対応は早かった。一方、中小企業になると行政側の周知徹底度が低かったためか、昨年半ばを過ぎても何らの指示もなかったところもある。手提げのポリ袋や紙袋を使っているある中小小売業の社長は「3月に入った今でも、役所からも日本容器包装リサイクル協会からも、また商工会議所からも何もいわれていない」という。容リ法では「従業員が6人以上、または総売上が7,000万円を超える」という条件満たし、対象の包材を利用していれば「委託料金」の支払義務が発生することになる。例えば、従業員2人の小売店でも、総売上が7,000万円を超えれば対象事業者になるのだが、このあたりも徹底されていない。事実、本紙の調べで分かったことだが、静岡県内の代表的な都市(静岡市、浜松市、清水市、他7市)の商工会議所に対して、日本容器包装リサイクル協会が「該当する」として提示した対象事業者の数はそれぞれ30から多くて300程度だというのだ。多いと見るか少ない見るかはさておき、明らかに対象事業者であるはずの前述の社長ですらどこからも「何もいわれていない」という現実を知ると、「委託料金」を支払う義務がありながら支払わない事業所はかなりの数にのぼると推測される。こうした事態が、後々トラブルの原因になることは明らかだ。そこで本紙では、まず静岡県にスポットをあてて、県内に本社を置き、すでに日本容器包装リサイクル協会との間で契約を終えた企業を取材した。また今回は包装の新しい動きやあり方などをユーザーの視点で取材し、「静岡県編」としてまとめた。
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<包装機・関連機器>
◇日包工衛生検査に7機種合格 昨年策定の衛生基準に準拠
- CKD/ゼネラルパッカー/イシダ -
CKD(愛知県)、ゼネラルパッカー(愛知県)、イシダ(京都市)の3社はこのほど、日本包装機械工業会の包装・荷造機械検査センターが実施する包装機械の衛生検査に合格した。3社から受検申請のあった7機種について、同センターが第41審査委員会で合格裁定したもの。衛生検査は、同検査センターが昨年4月に制定した「包装・荷造機械の衛生基準−1999」に準拠して検査され、その検査結果を審査委員会によって合否判定される。
<包装機・関連機器> ◇新型機いよいよ本格発売 自動梱包機「KS-710」/インバーター制御など新機構も多数採用
- ニチロ工業 -
ニチロ工業が新型自動梱包機「KS-710」を本格発売する。一昨年10月の初公開以来、発売が待たれていた期待の新機種で、4月から全国の支店・営業所や販売店を通じて満を持しての登場。梱包機で初めて引き締め機構にインバーター制御を採用するなど、新機構も多数採用している。
<シート・プラスチック容器> ◇6倍の中発泡PPシート開発 コンビニ惣菜容器などに展開/軽量化でフィラー製品の代替も視野
- JSP -
JSP(東京都)はこのほど、食品容器向けPP発泡シートで、6倍の発泡倍率を持つ製品の開発に成功した。同用途向けの発泡PPシートでは、すでに2〜3倍の低発泡タイプも開発されているが、6倍といった中程度の発泡は業界でも初めてとされる。PPフィラーシート成型品に比べ、同容量製品で約35%軽量化されるほか、断熱性や保温性にも優れているという特徴を生かし、コンビニ向けパスタや惣菜など電子レンジ加熱食品容器向けに5月ごろから市場展開を進める。
<その他容器> ◇非木材パルプ容器、ミニストップが弁当容器に採用 アシ100%の仕切り付き、3月21日から店頭に/ローソンも採用検討
- 三菱商事、日本ハイパック、三菱商事パッケージング -
アシ100%素材の中国製食品用非木材パルプモールド容器「ペパレ」が3月21日、ついにミニストップ(本社・千葉市)の弁当容器として店頭にお目見えした。これまでプラスチック製品優勢で推移してきた弁当容器市場の流れが、この動きによって一変する可能性も出てきたことから、この日、弁当容器業界に大きな衝撃が走った。仕掛けたのは三菱商事(東京都)、日本ハイパック(愛知県)、三菱商事パッケージング(東京都)の3社。かねてから食品用非木材パルプモールド容器の中国での生産に取り組んできた 3社だが、品質を日本市場レベルにまで引き上げ、受注に結び付けた。現在、ローソン(本社・大阪府)も同容器採用を検討しており、これも順当に決定すれば、弁当容器市場勢力図の変貌速度は一挙に加速するものと予測される。
<フィルム・軟包装> ◇ナイロン5層フィルムの新製品 セミレトルトと低温シールタイプを上市/4月の新製品説明会でも紹介
- クリロン化成 -
クリロン化成(東京都)はこのほど、ナイロン2層の汎用5層フィルムシリーズとして、セミレトルト対応タイプと低温ヒートシールタイプの2銘柄を上市した。いずれもナイロン/接着層/ナイロン/接着層/L-LDPE構成の5層共押出チューブフィルムで、従来のナイロンポリ3層品に比べて強靱さをアップし、抜群の耐ピンホール性を実現している。同社が4月に大阪・福岡・東京で開催する恒例の新製品説明会でも紹介される。
<シール・ラベル> ◇ラベルで若者に訴求 デザインは有名デザイナーを起用
- 黄桜酒造 -
黄桜酒造(京都市)は、透明ボトルとシンプルなデザインのラベルで、「若者の食卓に自然に置かれるデザイン」を意識したという純米酒「ピュア」を発売する。ラベルのデザイナーにキリンの「一番絞り」や丸井のロゴ「〇I〇I」など高品質なデザインで有名な佐藤昭夫氏、女流日本画家の山岸泉琳画伯を起用。デザインの決定にあたっても街頭で調査するなど、若者の視点を重視した。
<シール・ラベル> ◇タック販売と化工が合併 神崎工場粘着部門も統合/4月1日「王子タック」発足
王子タック販売(東京都)は4月1日、王子化工(本社・東京)と合併、また王子製紙神崎工場の粘着部門を統合し、「王子タック株式会社」として新たにスタートする。新会社社長には現王子タック販売社長および現王子化工社長の野村芳禾氏の就任が内定している。発足後はタック紙や粘着テープなど粘着関連製品の総合メーカーとしての色合いを強め、年間売上375億円を見込んでいる。
<物流関連> ◇物流システム効率化に拍車 温暖化防止への取り組みで/環境方針の中で明らかに
- 江崎グリコ -
江崎グリコ(大阪市) は3月3日、グループで作成した環境方針の中で、地球温暖化防止への取り組みとして効率的な物流システムの構築に乗り出す考えを明らかにした。共同配送の活用や配送車の積載率アップなどに取り組み、炭酸ガス排出抑制に努める考え。
<環境・包材リサイクル> ◇「その他プラ」前処理会社設立へ 大商の研究成果を実用化/2003年めどに工場建設、選別・異物除去など事業化
大阪商工会議所・環境対策委員会が98年11月から検討を重ねていた「その他プラスチック」のリサイクルビジネスが5月ごろに立ち上がる見通しとなった。容リ法に対応した再商品化の前処理工程(破砕・選別・異物除去・脱塩素など)を各事業者から一括して請け負うもので、5月に新会社を設立し、2003年をめどに大阪市内に年間4万t規模の設備を建設する計画。
<ISO関連> ◇全生産拠点で環境ISO取得 主力拠点の滋賀事業所で完了
- ダイフク -
ダイフク(大阪市) はこのほど、主力生産拠点の滋賀事業所で、ISO14001を認証取得した。認証機関はエスジーエス・アイシーエス・ジャパン(SGS)。同社はこれで、全生産拠点の環境管理体制を確立したことになる。製造や事務、生活にわたる全ての面において環境保全、使用エネルギーの削減、包装廃棄物の削減などに取り組んでいる。
<HACCP関連> ◇電解次亜水製造装置を本格販売 生サクラエビなどの鮮度流通管理に
- サツカワ -
包装関連機材販売のサツカワ(静岡県)は、少量で高い除菌効果を持ち、産地から消費地までの安定した食品鮮度管理を可能にする「電解次亜水」の製造装置の販売に乗り出した。西友グループのアイシス(東京都)が開発したもので、これまでにスーパーの店舗に並ぶカット野菜や豆腐などの食品工場で広く実用化されている。サツカワでは昨年から、県内の加工業者と生サクラエビや生シラスなどでランニングテストを行った結果、予想以上の鮮度保持効果が確認されたことから、これらの漁獲期を迎えた3月から、静岡県内を中心に本格販売を開始したもの。
<段ボールケーサー特集> ◇進化を遂げ続ける段ボールケーサー ハンドリングロボット搭載機の開発競争も活発/各社の製品と現況を紹介
商品出荷前の最終工程合理化をサポートする段ボールケーサー。食品・飲料、医薬品、雑貨など対象物に合わせて汎用コンパクト型、高速専用タイプ、セットアップ式、ラップラウンド式などさまざまな機種が人手に代わって活躍している。ここ数年は、ハンドリングロボットを搭載した機種の開発競争も活発化。需要家ニーズに合わせ進化を遂げ続ける段ボールケーサーの現況を紹介する。
<フィルムコンバーター特集> ◇需要喚起へ新開発に挑む 差別化図る製品展開に注目
景気は回復基調にあるといわれるものの、個人消費は依然停滞しており、包装資材の需要増加には高いハードルとなっている。さらに消費者の生活スタイルが変わり、嗜好がますます多様化するなかで、ニーズを的確に捉えるための新たな商品提案が包装ユーザーで繰り返し行われている。こうした状況下、フィルム関連の2次加工を行うフィルムコンバーターは、ユーザーからの受注生産に取り組むだけでなく、新需要を喚起するために各社とも懸命になって製品開発に取り組んできた。例えば、一般家庭で90%台ともいわれている電子レンジの普及に合わせ、パッケージのまま簡便に加熱・調理したいというニーズに応えて開発された電子レンジ対応パウチ。またイージーオープン包材などは、バリアフリー対応包材としても最近注目を集めている。さらに再封性や注ぎやすさ、使用後の廃棄性への評価から、ボトル代替素材として注目を集め、大きく市場を伸ばしているスパウト付き包材など、コンバーターがこれらの普及に対して果たした役割は大きい。この他にもスタンディング包材、省資源化対応など、数多くの新包材を開発、上市してきた。しかも包装ユーザーからは包装資材のローコスト化を強く求められるなかで、生産の効率化、合理化といった懸命な社内努力を行い対応を図っているコンバーター。ここではフレキシブルパッケージを手掛け、積極的な提案型営業を繰り広げている関西地区の企業にスポットを当て、製品や最新の話題に迫り今後の需要動向を探っていきたい。
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