包装タイムス・バックナンバー“2000年9月度”


9月4日号ダイジェストニュース

<その他容器>
◇バリアフリー配慮の包装設計指針を規定
識別や開封の配慮事項を盛り込む

- 通産省工業技術院 -

高齢者や障害者へ配慮した包装・容器設計の指針に関する日本工業規格が、10月12日に制定される。製品を使用する際の識別性や使い勝手の向上などに配慮する設計指針を規定するもの。これを踏まえ、今後、流通業界が中身メーカーや包装産業に対し、さらに具体的な“バリアフリー対応”を求める公算は大きい。



<紙器・段ボール・紙包材>
◇紙包材の軽量化、加速の公算
花王、嵩高増す界面活性剤開発/古紙利用の促進効果も


紙業界の軽量化への動きが一挙に加速する可能性が出てきた。花王(東京都)が紙の嵩を高め、少量のパルプから高品質で軽量の紙が製造できる界面活性剤(洗剤などの主原料)「KBシリーズ」の開発に成功したからだ。低コストで手軽に軽量化が図れる。白色度、不透明度も向上したため古紙利用の促進効果もあることから、同シリーズの登場が業界に与える衝撃は大きい。同社は同シリーズが今後の有望製品との認識から、積極的な販促活動に突入する。



<紙系緩衝材>
◇新聞古紙利用の紙製緩衝袋を販売
封緘に水溶性粘着テープを使用/100%リサイクル可能に

- 日本ハイパック -

日本ハイパック(愛知県)は8月16日、波状にカットした新聞古紙を緩衝材として使用した紙製緩衝袋を商品化し、「ハイクッション」の名称で発売した。新聞古紙を再生クラフト紙で包んで貼り合わせた「再生クラフト紙/古紙/再生クラフト紙」の3層紙を製袋加工した新発想の緩衝袋。全重量の75%以上が古紙で占められており、封緘には水溶性の粘着テープを使用していることから、100%リサイクルができるという。7サイズ14種類のバリエーションが用意されており、同社では電子製品、通信販売、宅配便など広範囲な用途に向けて拡販を図っていく意向だ。



<環境・包材リサイクル>
◇容器包装リサイクルに関する意識・意向調査を実施
10社に1社が容リ法完全実施「知らなかった」/包材の「軽量化・簡素化」5割

- 農水省 -

農水省は流通加工業1,200業者を対象に、包材リサイクルに関する意識調査を実施、その結果がこのほどまとまった。容リ法が今年4月から完全施行となったものの、この調査を実施するまでその事実を知らなかったとする事業者が約10社中1社にのぼることが明らかになった。どのように包材の減量化や再資源化などに取り組んでいくか(現行も含む)の質問には、包材の「軽量化・簡素化」が5割強を占め、最も高かった。



<環境・包材リサイクル>
◇容器包装識別表示
来年4月1日から施行/施行後 2年間は猶予期間


段ボールとアルミニウム(箔・蒸着)を使用していない飲料用紙パックを除く紙製包材、飲料・しょうゆ用PETボトルを除くプラスチック包材の識別表示に関し、その識別マークのデザインとサイズ、その表記方法などが決まった。また、識別表示の義務化は、平成13年(来年)4月1日の資源有効利用促進法の執行からとしているが、勧告・命令・罰則などの規定は、施行後2年間(平成15年3月31日まで)の猶予期間を設けるとしている。



<環境・包材リサイクル>
◇シリカゲルを再商品化
ユーザーの委託を受けて

- 大江化学工業 -

大江化学工業(大阪市)は、乾燥剤「シリガル」のリサイクル事業に乗り出した。ユーザーが国内自社工場、または海外工場での製品保管用として使用後、廃棄していたものを委託により再商品化する。現在はユーザー2社から委託を受け、月産5t程度の処理を行っている。今後は、ユーザーニーズに対応する商品提供が行えるよう社内体制を整えながら順次事業拡大していく構え。



<環境・包材リサイクル>
◇再生PETの大量有効活用技術を確立
常温乾燥型塗料の原料に

- 関西ペイント -

関西ペイント(大阪市)は、常温乾燥剤塗料の原料として再生PETの有効活用技術を確立した。年間約10,000tの再生PETを使用していく予定だが、従来使用していた原料より低コストで、環境対策にも貢献できることから、将来的に塗料業界全体の約100,000tにまで新技術を浸透させ、再生使用量を増やす考え。



<包材流通>
◇包材ディーラー「売上10年前で凍結」が最大公約数の現実
東北市場・包材流通最新動向/「均一的成長の終焉」例証する躍進卸の存在


東北エリアは、とりわけここ数年小売流通業の過剰な新規出店ラッシュに大きく揺れ、包材ディーラーによる流通需要の争奪合戦も過熱が過熱を呼ぶ状況。そうした中、従来顧客衰退や包材単価の下落、ディーラーマージンの落ち込みなどにより売上10年前で凍結に見舞われた企業が多数派を占める一方、少数ながら逆風下でも展開に拍車がかかる“元気印”の企業も少なからず存在する。東北特有の現象として見逃せないのは、今や減少を余儀なくされている3次卸がまったく衰退の姿を見せていない点だろう。“元気印”の企業は均一的成長の終焉を例証し、また一方では新興パワーとして一部メーカーの直販が注目を集めているのも現実。これらを背景に、東北6県における最新版包材流通勢力図の概要をまとめた。




9月11日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機>
◇新型袋とじ機を発売
外見・使い勝手を向上

- マックス -

マックス(東京都)は、野菜や果物の小分け包装時に、袋を差し込むだけで専用のクリップで袋口をとめる袋とじ機の新機種「コニクリッパCK-231EV」を9月1日から発売した。同機は新たに袋口のカット長さを 2段階に調節できる機能を搭載し、商品の見栄えを良くするとともに操作性・安全性をさらに向上させた。



<包装機・関連機器>
◇韓国・同拾社と業務提携
超小型の液体用スタンディングパウチシーラーを国内販売

- 中央包装機 -

中央包装機(東京都)はこのほど、韓国・同拾社(京畿道)と業務提携を結んだ。同拾社が開発した液体用スタンディングパウチシーラー「NEO-S」を中央包装機が日本国内で販売することで合意したもの。同機は、高さ1m、幅・奥行きともに45cmという超小型ながら 1回に最大200mlまでを充填できる。



<フィルム・軟包装>
◇抗菌タイプ軟質POフィルムを発売
初のSIAA認定/カラー6 色を常備在庫

- オカモト -

オカモト(東京都)は9月1日から、抗菌タイプの高周波ウェルダー対応「エマソフトクリーンパック」を発売した。カレンダー製法によるEMMA樹脂単層の梨地不透明フィルムに銀系の抗菌剤を練り込んだもので、軟質オレフィンフィルムでは初のSIAAマーク(抗菌製品技術協議会認定)を取得した。パステル調の 6色を揃え、カラーものでは業界初の常備在庫としている。



<シール・ラベル>
◇カラーラベル印刷機を発売
高速高画質のオンデマンド

- キヤノン販売 -

キヤノン販売(千葉県)はこのほど、バブルジェット(BJ)方式ラインヘッドを採用したオンデマンド印刷機「P-600」シリーズの新製品「BJカラーラベルプリンタP-640L」を発売した。同機は600dpi 、4 インチ幅のBJラインヘッド搭載し、低コストでフルカラーの高画質・高速印刷が可能になった。



<物流関連>
◇ネット上に物流情報
ニチレイがシステム開発、8月から本格稼動/冷蔵倉庫業界では初


商社や食品メーカー、外食産業などの低温食品の物流業務を請け負っていることでも知られるニチレイ(東京都)の低温物流事業部は、荷主に対するインターネット活用の物流情報提供システム「NILE(ナイル)」を開発し、8月から本格稼動した。従来のEDIや自動FAX システムに変わり、在庫、入庫実績などの情報をインターネットで画面検索できるようにした。冷蔵倉庫業界でIT活用情報システムを実用化したのは同社が初。



<環境・包材リサイクル>
◇透明PSトレー実験回収を開始
容器2 大手のシステム踏まえ可能性など検証

- みやぎ生協 -

みやぎ生協(宮城県)は、9 月11日から 4店舗で、現行のPSP トレーの回収と並行してポリスチレン製透明トレーおよび透明蓋の実験回収を開始する。 2店舗ではPSP トレーと同じ回収箱で、残り 2店舗では専用の回収箱を別途設けて実施し、容器大手 2社のリサイクルシステムを踏まえて回収状況などを比較検討していく。透明トレーの回収リサイクルは全国の生協で初めて。



<包材流通>
◇IT活用の滞留包材販売
ディーラーtoディーラー版登場/ホームページ「89市場」が窓口


インターネットを活用し、包材ディーラー同士が滞留在庫・不良在庫を相互販売する「包材市場」が登場した。トラスト(東京都)が創設したホームページ「89市場」を窓口に取り引きを行う仕組みで、需要家との受発注は行わない。“新市場”がどこまで成果を挙げるかは、包材業界を統一する格好のIT活用というだけでなく、業界最大級の課題となっている滞留在庫管理の解消という点からも注目される。



<鮮度保持関連>
◇保冷材JIS 制定に向け
通産、第三者参加で初会合/「工業会設立準備会」も発足

- 日本保冷材製造者会議 -

保冷材メーカー、使用者、中立的第三者で構成される日本保冷材製造者会議は9月1日、東京都内で保冷・蓄冷材のJIS制定に関する初めての会合を行った。通産省からも 2人が出席するなか、現行の携帯用保冷具のJISとの兼ね合いになどついて意見が交わされた。また、これに先立って、保冷・蓄冷材メーカー主体の全国組織設立に向けた初会合も開かれ、正式に工業会を設立することで合意。「工業会設立準備会」が発足した。



<印刷・印字>
◇輪転型デジタルカラー印刷機
“ザイコン DCPシリーズ”発売

- サカタインクス -

サカタインクス(大阪市)はこのほど、ベルギーの印刷機メーカー、ザイコン社がドルッパで正式発表した輪転型デジタルカラー印刷機の新製品「ザイコン DCPシリーズ」の取り扱いを開始した。同機は新たに改良されたデジタル・フロント・エンド機能を搭載し、作業性を向上させたほか、プリントエンジン部の印刷処理速度の大幅な高速化を実現している。



<東北特集2000>
◇予断許さぬ経済状況への果敢なる挑戦
地場産業支援の姿勢、より明確に


東北地区の包装産業と深い関わりを持つ加工食品、水産一次品、農産物などの業種は、中央資本大手の“隙間”を縫う形で新製品開発に意欲的だが、未だに景気が底を打っていないとも言われる中で、全般的には依然として厳しい状況と伝えられる。また、包装産業も東北地区内の競合相手だけでなく、他県・地区外企業との“戦い”が急速に浮上しつつある。需要家の環境配慮への機運もいよいよ高まりつつある東北包装産業の有力各社情報および動向を紹介する。




9月18日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇北関東にクリアパッケージメーカー登場
新規事業として本格参入/文具分野で受注

- 群馬ムサシノ -

ウェルダー加工メーカーとして知られる群馬ムサシノ(群馬県)がこのほど、クリアパッケージ分野に本格参入した。須賀製作所(東京都)の半自動型グルアを導入し、高透明ポリプロピレンを使ったクリアパッケージの本格生産を開始。すでに大手文具メーカーに納入したほか、他の大手文具メーカーからの受注も決定している。北関東地域でのクリアパッケージ生産は同社が初めて。



<紙器・段ボール>
◇F段製の弁当容器登場
軽く、高強度で早くも引き合い/折り箱スタイルの高級感

- 野本製函 -

野本製函(愛媛県)は、マイクロフルート段ボールを使った弁当容器を開発、商品化した。表面にバリアコート紙を貼り耐水加工を施した特殊なF フルート(クラウンパッケージ製)を使用したもので、木目エンボスによる折り箱風の高級感と軽量化を実現したほか、容リ法の対象外となる点などが評価され、早くも引き合いが活発化している。当面、開発を担当した同社・名古屋工場(愛知県)が中心となり全国展開を行う。



<紙器・段ボール>
◇段ボール用製箱機を発表
単独駆動サーボモーターを採用

- 旭マシナリー -

旭マシナリー(大阪府)は先ごろ、本社工場で段ボール用自動製箱機「グルア−マスターAGM-1500-4CP.C.C」を発表した。各ユニットごとにサーボモーター(計9個)を搭載した最新鋭機で、従来のラインシャフト方式に比べて正確でスムーズな動作を実現し、精度も向上。A 、B フルートからマイクロフルート(F)まで製箱できる。



<樹脂原料>
◇生分解性の強化プラスチックを開発
表面改質した植物繊維で補強

- 千葉工業大学 -

千葉工業大学はこのほど、リューゼツランやマニラ麻などの植物繊維を補強充填剤として使用した「植物セルロース繊維強化生分解性プラスチック」の開発に成功した、と発表した。汎用プラに比べ力学物性で劣る生分解性プラの物性を改良し、さらにガラス繊維や炭素繊維を添加する方法では損なわれてしまう生分解性も確保した。「複合材料およびその製造方法」として特許申請中で、このパテントおよび関連技術を広く企業に公開する方針。



<紙系緩衝材>
◇古紙利用の緩衝材製造機
段ボールも“短冊状”にカット

- 工栄精機 -

工栄精機(埼玉県)は、段ボールなどの古紙を細長い“短冊状”に裁断し、波形を付けた緩衝材を製造する装置「DI-290型」を開発、9月中旬から販売を開始した。段ボールで“短冊状”に細かく裁断する装置は初めてという。緩衝材は、木毛のように適度なクッション性を持ち、果物や陶器、工業部品などの梱包用途に適している。



<包材流通>
◇包材業界専門のWebサイト開設
ネット版「総合商品カタログ」/今年末メーカー・包材ディーラー間で本格船出へ


包材ディーラーのよる包材ディーラーのための包材業界向けWeb サイト「TITPS-NET(ティップス・ネット)」がこのほど、開設された。掲載会員である包材ディーラーやメーカーの滞留在庫品、新製品などの情報が画面付きで提供され、利用会員は運営会社のタイアップ・インフォメーション・テクノロジー(東京都)を通じて購入する仕組み。メーカー21社、ディーラー 200社(予定)が参加し、今年12月に本格的な船出に乗り出す。



<環境・包材リサイクル>
◇一般系廃プラの高炉原料化技術開発
分別することなく脱塩素

- 川崎製鉄 -

川崎製鉄(東京都)は、容リ法対象の一般廃棄物系廃プラスチックを、分別することなく高炉原料化する一連のプロセス技術の開発に成功した。塩化ビニルを含む廃プラ類を分別せずに、そのまま脱塩素処理を施して固形化、粉砕して微粉炭相当製品「RIVER ECOAL 」に転換する。RIVER ECOAL は、高炉原料以外にコークス炉や微粉炭ボイラー、製錬用加炭剤、助燃材などの用途に利用できる。



<印刷・印字>
◇完全植物性インキ、ニスなどを開発
枚葉オフ用システムとして展開

- 東洋インキ製造 -

東洋インキ製造(東京都)はこのほど、100%植物性溶剤を使用した枚葉オフセットインキとOPニス、インラインコーティングワニス、洗浄剤を開発、VOCs(揮発性有機化合物)対応の枚葉オフセット印刷用システム「REOSTEP(レオステップ)」として販売を開始した。全製品がVOCsを除き、溶剤を大豆やその他の植物油に完全に置き換えた。特にOPニスとインラインコーティングワニスの 100%植物油使用は業界でも初。



<ジャパンパックウエスト2000特集>
◇インテックス大阪 1〜3号館で開催
9月27日から 4日間/119社、855小間の規模


大阪地域では16年ぶりとなる「ジャパンパックウエスト2000」(主催・日本包装機械工業会)が 9月27〜30日までの 4日間、インテックス大阪の 1〜 3号館で開催される。「21世紀の包装−−関西から世界に」をテーマに、 119社、 855小間の規模で国内外の包装機械・資材、包装材料加工機械、食品機械、関連機器などが展示公開される。
──────同展の見どころや各社の出展製品を紹介。




9月25日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇密閉容器で真空保存も実現
新タイプの伊製真空包装機/日本総代理店の成光産業が発売


成光産業(東京都)は、伊・オルベット社が開発した新タイプの卓上型真空包装機「MULTIPLE315」の輸入販売に乗り出した。上蓋に逆止弁タイプの吸引口を設けた専用容器を使い、スープなどの液体や型崩れしやすいギョウザなどの食品でも、ガス置換せず真空保存できるのが特徴。



<シート・プラスチック容器>
◇オールPPブリスター開発
蓋材は高透明PP、底材に「ユポ」/軽量化、リサイクルも容易に

- 出光ユニテック、王子油化合成紙 -

出光ユニテック(東京都)と王子油化合成紙(東京都)はこのほど、紙を使用しないで底材、蓋材ともすべてをポリプロピレン製品とした「オールPPブリスターパック」を共同開発した。底材に王子油化合成紙のPP合成紙「ユポ」、蓋材に出光ユニテックの高透明PPシート「ピュアサーモ」(ハードタイプ)またはPP系軟質POフィルム「ピュアソフティー」(ソフトタイプ)を組み合わせた。ブリスター形態で主流の“板紙+A-PET ”に比べて大幅に軽量化でき、すべてPP系素材なのでリサイクル性にも優れる。



<紙器・段ボール>
◇牛乳パック再生の折り箱を商品化
厚さ1mmのキットで実現

- サンキ産業 -

サンキ産業(兵庫県)は、牛乳パック古紙を原料とする環境配慮型パッケージ「ミルキット」の新タイプとして「折り箱シリーズ」を商品化した。箱の側板に従来不可能とされていた厚さ1mmの極薄キットを用い、独自成形技術(特許申請中)でケース化に成功した。簡単な組み立て方式で、資材・輸送コスト低減にも貢献する。



<フィルム・軟包装>
◇自動開孔レンジ包材を開発
積層フィルムの伸度差利用で蒸し効果/ロール供給で容器トップシールも可能

- 彫刻グラビヤ、プラスト -

彫刻グラビヤ(大阪府)とプラスト(東京都)はこのほど、ユニークな原理で自動開孔する電子レンジ加熱用パッケージ「SEIRO PACK(せいろパック)」を共同開発した。積層フィルムの伸度差を利用したもので、レンジ加熱すると包材の特定部分に小さな蒸気孔が開き、優れた蒸し効果を発揮する。袋タイプに加え、これまで困難とされた容器のトップフィルムタイプも上市。



<フィルム・軟包装>
◇完全非結晶性の無延伸PETフィルム開発
独自インフレ技術で同分野に本格参入/薄膜・腰強度・保香性など数々の際立つ優位性

- 大倉工業 -

大倉工業(香川県)は、世界初となるインフレーション技術による無延伸PET系フィルムの開発に成功した。これまでエンジニアリングプラスチックス分野で蓄積した特殊製膜技術を活かして開発したもので、同社がPET分野に本格参入するのも今回が初めて。同フィルムは、薄膜、ヒートシール性、低燃焼カロリー、保香性など多くの優れた特徴を備え、すでにテストセールスで高い評価を受けている。



<フィルム・軟包装>
◇PET系のバリアフィルム発売
従来にないトータルバリア性能/ラミ加工基材として用途拡大

- 呉羽化学工業 -

呉羽化学工業(東京都)はこのほど、PETフィルムにバリア性ポリマーをコーティングしたハイバリアラミ基材「ベセーラ」の販売を開始した。シーラントフィルムをラミ加工することで軟包装やレトルトパウチ、ピロー包装などに用途を拡大している。耐屈曲性や耐引張性に優れ、耐熱性を備えているため、レトルトやボイル処理が可能。金属探知機にも使用でき、従来品にはないトータルバリア性能を有している。



<シール・ラベル>
◇インモールドラベル向け拡充
合成紙「ユポ」、円筒ボトル用を上市

- 王子油化合成紙 -

王子油化合成紙(東京都)はこのほど、円筒ボトルのインモールドラベリングに対応する合成紙ユポ「円筒ボトル用ユポラベル」を上市した。同製品は、ボトル円周をフル活用できるため、印刷面積が広くとれ、多くの情報が記載できる。また、接着が熱融着のため、粘着ラベルに比べて剥がれる心配がなく、カビが発生する可能性も低く、水回りの商品に適している。円筒ボトル用のほかにも「蒸着ラベル」「スクイズボトル用ラベル」「クーポン付ラベル」なども揃っており、ラインアップは充実している。



<物流・ロジスティクス関連>
◇高機能化して本格稼働
新世代の求車・求荷マッチングシステム/顧客への情報提供が充実

- ネットワークサービス -

ネットワークサービス(東京都)は9月20日、車両の動態管理システムやインターネットを活用した求車・求荷マッチングシステムなどで構成される「いまココ!システム」の第2次システムを本格稼働した。第1次システムの実用試験がこのほど完了したことに伴い、機能性をアップさせたのが第2次システム。顧客向けの新機能としては、加盟会員の紹介ページで当該企業の「事故率」や「ISO」・「HACCP」認証取得の有無を公開することなどが挙げられている。



<環境・包材リサイクル>
◇99年度は包材約3,000t削減
「環境活動報告2000年」を作成

- ライオン -

ライオン(東京都)はこのほど、1999年度におけるレスポンシブル・ケア(RC)への取り組みと実績を報告・公表するとともに、2000年度の行動計画をまとめた「ライオンの環境活動報告2000年」を作成した。同報告書には、環境マネジメントシステムと環境配慮型製品への取り組みなどが紹介されている。これによると、包材使用量が98年度は 6万3,218t だったのに対し99年度は 6万141tとなり、3,077 t の削減を達成したことが明らかになっている。要因は容器の軽量化と詰め替え製品の拡充と、同社ではしている。



<環境・包材リサイクル>
◇EPS油化装置を導入
広島カキ筏用浮きを処理/生成油を溶解液に再利用

- キャン・コーポレーション -

キャン・コーポレーション(広島県)は、発泡スチロール油化装置(アルプス精工製)を導入し、処理事業を開始した。当面、広島カキ筏用フロート(浮き)を主体に処理するが、魚箱や発泡緩衝材などの処理を順次手掛ける方針。処理能力は1日8時間稼動で約1,000kg。同社では1日にフロートを150個、年間3万個の処理を計画している。



<特集・東京パック>
◇東京パックが開幕
東京ビッグサイトで10月3〜7日/556社2,945小間の規模で


アジア最大の包装展「2000東京国際包装展(東京パック2000)」(主催・日本包装技術協会=JPI)が10月3日〜7日、東京ビッグサイトで開催される。18回目を迎える今回は、東館全6会場、西館2会場を使い、556社2,945小間の規模で開かれる。新規出展が多く、従来のものとは一味違った展示会になりそうだ。




バックナンバーに戻る