包装タイムス・バックナンバー“2000年11月度”


11月6日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇製造特許15億円で売却
移動式真空パック装置

- シティーボーイ -

布団や衣類などの真空パックサービスを展開しているシティーボーイ(東京都)は、同サービスで使用する移動式の真空パック装置「真空パックガードシステム」の製造特許を売却する。すでに仲介の大手総合商社が譲渡先を探している。売却額は15億円程度になる見通し。



<プラスチック容器>
◇新日化ポリマーと業務提携
東日本での「ドリップトレー」製造・販売強化へ

- 第一プラスチック工業 -

第一プラスチック工業(広島市)は、新日化ポリマー(千葉県)と「ドリップトレー」の製造・販売で業務提携した。今後、新日化ポリマーが東日本地域での製造と販売を受け持つことで合意した。第一プラスチック工業は、これまで東日本地域にも同トレーを供給してきたが、今回の提携で物流コストの削減と同地域での販売を強化する。



<シート・プラスチック容器>
◇シービーシーテックを買収
補完関係生かしプラ押出成形機の事業強化

- 住友重機械工業 -

プラスチック加工機メーカーの住友機械工業(東京都)はこのほど、押出成形機メーカーのシービーシーテック(横浜市)の全株式を取得した。両社はこれまで、一部事業を除いて基本的に市場や製品構成が補完関係にあったため、相互の販売力や技術力を統合し、海外展開も含めた押出成形機分野で業務強化するのが狙い。



<紙容器>
◇紙ボトル成形技術を開発
古紙利用で中空形状などに対応

- 花王 -

花王(東京都)はこのほど、古紙を主原料に、中空形状などのボトル容器が成形可能な技術を開発した。内面に樹脂コート層を設ければ、液体製品での使用も可能となり、世界初の技術として注目を集めている。プラボトル大手需要家の同社が開発したことで、まずは自社製品への採用が考えられるほか、同技術が持つ高い汎用性を踏まえ他社へのライセンス供与も検討しているという。



<シール・ラベル>
◇ポストラベル印刷機登場
スマートラベルへの書き込み可能

- ゼブラテクノロジーズ・ジャパン‐

ゼブラテクノロジーズ・ジャパン(横浜市)は、RF-IDトランスポンダーが埋め込まれた「スマートラベル」への印字とデータ書き込み(エンコード)が1台で行えるオンデマンド熱転写プリンター/エンコーダー「R-140」を発売した。同社製バーコードプリンターの人気機種「140XiU」の機能をベースに、高速ラベルフォーマット、印刷処理、データの書き込み・検証機能を追加した。



<物流関連>
◇レーザー光で位置決め
「イチギメクン」標準装備のフォーク発売

- 日本輸送機 -

日本輸送機(京都府)は、レーザーポジショナー「イチギメクン」を標準装備したフォークリフトを11月 1日から全国ニチユ販売代理店を通じて発売した。イチギメクンは、パレットへのフォーク差し込み作業を、より簡単・安全にすることを目的に開発した画期的な荷役サポート装置で、根元部のレーザーユニットから照射されたレーザー光がパレットのフォーク差し込み口をガイドすることで、フォークの位置決めを容易にする。



<物流関連>
◇コードの高精度印刷実現
新作成ソフトウェアツールキット/Webアプリケーションで

- アイニックス -

アイニックス(東京都)は、プラネット(横浜市)と共同でバーコード作成ソフトウェア開発ツールキット「BarStarPro DTKバージョン1.1」を開発し、11月2日から販売を開始した。従来販売してきた「BarStarPro」を Webアプリケーションでも使用できるようにしたもので、クライアントに接続されているどの種類のプリンターにも対応し、高精度なバーコードや二次元コードの印刷が可能となった。



<環境・包材リサイクル>
◇環境ラベルがJIS化
日本で本格導入始まる

環境ラベルの第三者認証「タイプI」と自己宣言による環境主張「タイプII」がJIS化された。環境ラベルがJIS 化されたことで、「環境にやさしい」などの曖昧な評価が排除され、環境負荷低減の適切な評価を示す表示方法が確立された。来年以降、各分野での採用が本格化しそうだ。



<ISO関連>
◇ISO9001認証取得
資材納品含めた総合サービスで

- トップ -

包装資材・機械や物流システムを販売するトップ(静岡県)は、9 月22日付でISO9001の認定を取得した。範囲は包装資材と包装・物流機器の企画・提案、納品。製造部門を持たない商社の総合サービスでの取得は業界でもおそらく初めて。審査認証機関はケーピーエムジーセンチュリー審査登録機構。



<樹脂原料>
◇アジア最大の取引サイト「ケムクロス」オープン
川下の包装材料業界にも影響

アジア最大の国際的な化学品商取引サイト「ケムクロス」がオープンした。同サイトの登場が化学業界におけるeビジネスの拡大をけん引していく可能性が大きいことから、川下の包装材料業界にとってもITを活用した電子商取引への移行を急ぐ必要が出てきそうだ。



<特集・九州ユーザー最前線>
◇環境、容リ法、高齢化社会への対応
最新動向に関心集まる

酒造・飲料メーカーや生活協同組合、量販店など、九州地域の有力包装ユーザーの環境保全への取り組みや容器包装リサイクル法、高齢化社会への対応などを紹介。



<DSJ2000(ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン)>
◇第4回DSJが盛況裡に閉幕
初の大阪開催に1,240人が参集

- 日報 -

大阪市のマイドームおおさかで開催された第4回DSJ2000(ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン)が盛況裡に閉幕した。会場を東京から大阪へ移しての初開催となったこともあり、西日本エリアからの来場者を中心に1,240人が参集。打ち抜き・抜型現場の課題とその解決策を巡って活発なやり取りが行われた。次回は2002年秋、東京での開催を予定している。



11月13日号ダイジェストニュース

<紙器・段ボール>
◇インキ非循環式フレキソグルア
超小型段ボール箱を生産可能/共進パッケージに納入

- 梅谷製作所 -

梅谷製作所(和歌山県)は、超小型段ボールケースの生産が可能なフレキソ・グルア「UPS-2.1プライムμ(ミュー)スーパー」を開発し、このほど共進パッケージ加古川工場(兵庫県)に納入した。新しい印刷方式“インキ非循環式”を採用した小型機で、最小で200×500mmのシートを加工できる。共進パッケージは、ユーザーニーズの小口化などから高まっている小箱の需要に対応するため同機の導入を決めた。



<フィルム・軟包装>
◇複合不織布の吸水シーラントを発売
吸水機能とヒートシール性併せ持つ/電子レンジ加熱時の結露を吸収

- 出光ユニテック -

出光ユニテック(東京都)はこのほど、吸水・吸油機能と自動包装機にかかるヒートシール性を併せ持つ複合不織布「ストラマイティMK吸水シーラントグレード」を開発、上市した。良好なヒートシール性を有するL-LDPEスパンボンド不織布に、吸水・吸油性を持つ吸水紙(パルプ)を熱ラミネートすることにより積層した。電子レンジ加熱対応包材のラミネート用シーラントとしてコンバーター向けに販売していく。



<樹脂原料>
◇生分解プラの新会社
インドネシアで生産へ

- トヨタ自動車 -

トヨタ自動車(愛知県)と三井物産(東京都)は来年4 月、サツマイモを原料に生分解性プラスチックと家畜飼料を生産する新会社「トヨタ・バイオ・インドネシア」を設立する。低コストの生分解性プラ用原料(乳酸)と、飼料主原料のトウモロコシに代わる飼料原料を生産するのが狙い。2002年9月に飼料加工工場(年産約10万t)を、翌年 9月に生分解性プラの生産工場(同5万t)をインドネシア国内に立ち上げる予定。



<物流・ロジスティクス関連>
◇日産自動車と三菱重工業が提携
フォークリフト関連事業で/相互補完し、競争力強化


日産自動車と三菱重工業は、国内外における広範なフォークリフト関連事業で業務提携契約を締結した。内容は、共同開発と共同購買、製品の相互補完。国際的な企業再編が進み競争激化の著しいフォーク市場で、提携により技術開発力・販売力・コスト競争力を強化し、低価格で顧客ニーズに合致した高品質製品を提供したい両社の思惑が一致した。



<環境・包材リサイクル>
◇オンライン申込、一部混乱
容リ法再商品化義務の履行委託で


容器包装リサイクル法に基づく平成12年度の再商品化義務履行委託の指定法人へのオンライン申し込みで、一部に混乱が生じていたことが分かった。指定法人の日本容器包装リサイクル協会のホームページ上で申し込みを行った特定事業者の中に、最終確認ボタンをクリックせず、入力が未完状態のままだった企業があったため、再度書類での申し込みが必要になったことが要因。



<環境・包材リサイクル>
◇廃プラがバインダーの役割
リサイクル・プレス成形機開発

- プラコー -

プラコー(埼玉県)はこのほど、リサイクルプラスチック・プレス成形機「マルチプレス」を開発した。同機は、ポリオレフィン系の廃プラが30%以上含まれていれば、木材・古紙・繊維屑・ガラス屑・砕石・廃コンクリ・廃タイヤなどの廃棄物を分別や洗浄することなくまとめて粉砕し、そのまま溶融、加熱、冷却プレスして成形する。廃プラがバインダーの役目をし、2層から4層までの多層成形が容易に行える。



<印刷・印字>
◇インターネットでメッセージ印刷を個別対応
消費者向け“オリジナル包装”支援サービス開始

- 共同印刷 -

共同印刷(東京都)はこのほど、インターネットを利用し、需要家(中身メーカー)の商品パッケージに一般消費者の希望するオリジナルメッセージを印刷するサービスを本格的に開始した。同社の電子決済機能とオンデマンド印刷システムを活用するもので、比較的少量での注文に応じるほか、通常の名入れサービスなどに比べ短納期で対応する。



<印刷・印字>
◇自動出版システム受注開始
オンデマンドで自動化と個別対応

- 東京書籍印刷 -

東京書籍印刷(東京都)はこのほど、今年5月に開発したオンデマンド自動出版システムによる受注生産活動を開始した。顧客からネット経由で注文を受け付け、組版から印刷、製本までをインラインで一貫生産する一連の工程をすべて自動で行う。小ロット多品種の出版物に対応でき、短納期化を実現した。



<特集・植物油インキ>
◇環境配慮で品質の差別化図る
植物油インキを取り巻く最近の動き


印刷産業界は、デジタル化に対応しながらいかに品質の差別化、納期の短縮あるいはコスト削減を図っていくかが大きな課題となっている。一方、環境問題については、印刷材料や印刷物、さらに拡大製造者責任という観点から事業活動全体の環境負荷の低減が迫られている。特に来年から実施されるPRTR制度に対して、可及的速やかな対応を求められているのがインキなどに含まれる石油系溶剤だ。このため今日、大豆油などを使用した植物油インキに対して、これまで以上に注目が集まっている。本特集ではこの植物油インキに焦点を当て、さらにその将来性を展望する。



<特集・表示用機器>
◇成長市場“第2の幕開け局面”
熱帯びる各社の需要取り込み合戦/回復・拡大基調も、業界地図塗り替えの状況


製造工程から在庫管理、物流の合理化・効率化、一般消費者に向けた情報開示まで、全産業に関わる「鍵」として大きな役割を担ってきた各種表示機器の市場は、今日、いわば第2の幕開け局面を迎えている。それぞれの「鍵」に関わる市場環境が急速に変化を遂げるなか、ほとんどの機器市場で廉価タイプの普及・登場が痛烈な刺激剤となり、各市場とも「消耗戦」的様相を呈してきたからだ。各社の需要取り込み合戦もいよいよ顕在化している。“踊り場”局面、あるいは“まだら模様”市場。「鍵」を握る範囲はいよいよ広がり、その役割は重くなる一方で、各機器の優勝劣敗、さらに各メーカー(代理店)の販売合戦は明らかに新たな段階に突入したことは間違いない。ここ数年は別にして、社会経済環境の急ピッチな変化を背景に均一的な成長を続けてきた表示用機器市場も、おそらく初めて、本格的な商戦の幕が開いたといえるだろう。本特集では、代表的機器市場それぞれの特徴的な動向、さらに“踊り場局面”に臨む戦略製品を、各社の市場認識を盛り込みながら紹介する。



11月20日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇ホット販売用 PETボトルを一新
棚効率を大幅に向上

- 日本サンガリアベバレッジカンパニー -

日本サンガリアベバレッジカンパニー(大阪市)は、PETボトル入り飲料で初のホット販売対応商品として昨年話題を集めた「一休茶屋・あったかいお茶」の容器仕様をリニューアルし、発売した。対角の長さを缶製品の直径と同じ54mmにしたことで、缶ウォーマーなどにおける棚効率を大幅に向上させ、後続他社製品との差別化を図った。



<包装機・関連機器>
◇小分け包装機開発
ストレッチフィルム包装で

- グンゼ -

グンゼ(大阪府)は、ストレッチフィルムで小分け包装を行う「スクリュー・イン・ストレッチ包装機」を開発した。ストレッチフィルムを機械的に縦方向に2倍、横方向に1.5倍延伸させてから、紙器などの製品を2〜6個単位で自動包装する。シュリンクやマルチパック包装に比べて資材コストが安く、包装廃棄物の発生を抑制するほか、多品種小ロット生産にも適しているなどのメリットがある。



<フィルム・軟包装>
◇韓国・東レセハン社にライセンス供与
PP不織布の柔軟性改良技術/製造・販売の提携関係強化

- 出光ユニテック -

出光ユニテック(東京都)は、韓国の合繊・フィルム大手の東レセハン社(ソウル)に対して、PPスパンボンド不織布の柔軟性改良技術をライセンス供与した。同技術は、樹脂の改質などにより衛生材料向け不織布の柔軟性を改良したもの。両者はすでに国内販売に関して提携関係にあるが、今後、紙おむつなどの衛生材料向け不織布の製造は東レセハン社が、研究開発は出光が担い、販売は両社が行うという役割をさらに明確化にする方針。



<フィルム・軟包装>
◇レンジ調理加熱が簡単に
袋構造で蒸らし効果備え

- メイワパックス -

メイワパックス(大阪府)はこのほど、家庭でも簡単に野菜の電子レンジ調理が行える機能性包材「レンジで野菜」を開発、本格的な営業活動を開始した。同製品は、水分をコントロールする蒸気吹き出し口を備えた特殊フィルム袋と専用クリップをセットで使用する。加熱で発生した蒸気圧が吹き出し口部分を押し開け、自然に蒸気が抜ける構造になっており、蒸らし効果も得られる。



<フィルム・軟包装>
◇最新式製袋機を導入稼働
品質ISOを認証取得

- 日本包装システム -

日本包装システム(神戸市)は、チャックシール装置を搭載した最新型三方シール自動製袋機(トタニ技研工業製)を導入、本格生産に入った。同社は今年9月にISO9002を認証取得しており、納期短縮、品質安定化なども含めた需要家の要求に対して今まで以上に高いレベルで対応できる供給体制を構築した。今後は需要が増加しているレトルト向け包材など幅広い分野の加工を行っていく考え。



<紙系緩衝材>
◇紙系緩衝固定材を開発
95kgエアコン室外機に採用

- チヨダコンテナー -

チヨダコンテナー(大阪府)は、段ボール古紙とリサイクル天然繊維を原料とした紙系緩衝固定材「パルモテック」を開発した。工業用緩衝材として使われているパルプモールドとテックスのメリットを併せ持った素材で、しなやかな緩衝性を持ちながら100s近い重量物に対応できる。すでにエアコン室外機の緩衝材としての採用が決定、年内にも出荷予定となっている。



<プラスチック系緩衝材>
◇無架橋連続気泡のPEシート上市
リサイクル性や処理適性でウレタン製品の一部代替狙う

- JSP -

JSP (東京都)は、無架橋発砲ポリエチレン(PE)シートで、連続気泡を持つ“ウレタンライク”の新製品「ミラマット−flex(フレックス)」を開発した。従来の独立気泡型PEシート「ミラマット」に比べ、よりソフトな緩衝・復元性を持つもので、連続気泡タイプの無架橋シートは業界でも初とされる。12月に上市し、農業用資材や包装関連などの各分野でウレタン製品からの代替需要を狙う。



<物流・ロジスティクス関連>
◇文書保管システムを開発
求庫・求貨システムでの展開も可能

- NECロジスティクス -

NECロジスティクス(川崎市)は、インターネットを利用した文書保管システム「トランクメイト」を開発、11月下旬からサービスを開始する。トランクルームにおける文書保管(在庫管理)に加え、ユーザーがWeb 上で保管文書の検索や新規預け入れ、文書取り寄せ(配達)、解約・廃棄の依頼、保管用資材の要求などが行える。また、このシステムをトランクルーム事業を営む各社に応用して提供することができ、「求庫・求貨システム」としての事業展開も可能となっている。



<印刷・印字>
◇プレートプリンターを発売
簡単に表示板・銘版を制作

- 日本タイプライター -

日本タイプライター(東京都)はこのほど、プレートプリンター「MARK-300」を発売した。パソコンからデータを入力し、アクリルや塩ビなどのプラスチックプレートからラベルシートなどの印刷部材、案内板などの銘板まで幅広い媒体に直接印字できる。独自の熱転写技術により印刷品質の高耐候性・高耐擦過性を実現した。



<企業戦略・経営マネジメント>
◇急拡大するIT活用戦略
包装産業活性化の起爆剤の可能性/低成長時代を勝ち抜く選択


包装産業分野におけるIT活用の経営戦略が急速な広がりを見せている。ベンチャー企業などのニューエコノミーよりもむしろ、包装需要の大勢を占めるオールドエコノミーが競争力と経営活性化を劇的に実現する復活の切り札として、IT活用に本腰を入れ始めたからだ。積極的に「勝ち組」企業となるためにIT導入は避けられない選択肢というのが実情だろう。すでに包材の設計・開発フローから受発注の効率化、流通構造の改善などといった効果も現れ、IT導入拡大が再活性化を促す起爆剤になる可能性は意外に高そうだ。



<容器特集>
◇食品容器は堅調な伸び
流通チャネルの影響が大


業種・業界によって需要動向の異なる容器市場の最新情報を紹介する。



<環境対応包材企画>
◇環境配慮新時代に対応
“負荷低減包装”が脚光


今日、日本国内はもとより世界規模で環境負荷低減を目指した“環境配慮型社会”への転換が進んでいる。国内ではISO14001の広がりに伴うグリーン購入やゼロエミッション(ゴミゼロ化)の促進、容器包装リサイクル法の完全実施など、こと包装や物流を取り巻く環境は大きな変化を遂げている。こうした動きに対応するため包装産業界では、環境配慮型の包装資材・機器の開発、供給が活発となっている。



<出荷包装(外装)特集>
◇設備需要回復も、先行き予測は困難に
資材は高付加価値製品の開発進む


企業収益の改善を目的に、生産性の向上や合理化・省力化を志向した設備投資が各産業界で進められる中、出荷包装(外装)機器分野にも需要が戻ってきた。しかし先行きに対しては必ずしも楽観できるわけではない。なぜなら需要家の業種や地域による好不況の較差、さらにその中でも企業単位の優勝劣敗がより鮮明になる一方で、その構図はもはや容易に把握できないほど加速度的に日々変化しており、将来的な需要予測はもはや困難なものとなっているからだ。一方、資材を取り巻く市場環境は相変わらず厳しい。あらゆるコストの削減を進める需要家にとっては包材の購買費用も例外でなく、資材メーカー(ディーラー)に対する値下げ圧力はますます強くなっている。さらに廉価な輸入品が次々と市場に登場し、メーカー間の競合・価格競争が過熱傾向にある中で、自社の収益を圧縮しながらも値下げ要求を飲まざるを得ないという歪みが依然残っている。この傾向は、特に低付加価値・低価格の製品ほど強いことから数年来、各メーカーは生き残りのために自社独自の高付加価値製品の開発、販売に力を入れている。本特集では機器・資材の最新動向を紹介する。



11月27日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇真空パック装置の新型開発
書類用とごみ用の2タイプ

- シティーボーイ -

シティーボーイ(東京都)は、専用袋に入れた布団や衣類などを脱気圧縮してパックする「真空パックガードシステム」で、書類の長期保管に適した“強力タイプ”と紙ごみなど短期保管向けの“弱力タイプ”の 2機種を新たに開発、11月20日付で発売した。



<包装機・関連機器>
◇新型真空包装機の受注開始
来年1月発売の2シリーズ

- 東静電気 -

東静電気(静岡県)は、真空包装機の新シリーズ「ダブルチャンバー式」と「ベルト式」の受注活動を開始した。同社の従来の主力機種は小型機だったが、生産効率の向上を目指す需要家から連続タイプに対する要望が高まっていたため、新たに両シリーズを加えてラインアップを強化した。全国発売は1月1日から。



<紙容器>
◇複合飲食容器に新アイテム
ボトム57×57mmの中間サイズ

- 日本テトラパック -

日本テトラパック(東京都)は、容器本体が紙、開け口がプラスチック(ポリエチレン)で構成される複合飲食容器「テトラ・トップ」シリーズにボトムサイズが57×57mmの「テトラ・トップ・ミディ」を追加する。同シリーズは従来、ボトムサイズが70×70mmのテトラ・トップ・ベース、同47×47mmのテトラ・トップ・ミニの2種類だったが、今回その中間サイズの「ミディ」が加わったことで、用途拡大による需要増加が期待されている。



<紙容器>
◇剥がしやすさ改善
新紙製ベーキングカップを開発/独自貼合方式の採用で

- 伊藤景パック産業 -

伊藤景パック産業(東京都)は、糊(のり)接着面を縮小して剥がしやすくした新タイプのベーキングカップ「ニューボトムカップ」を開発した。紙製ベーキングカップは、カップシューやマフィンなどに使用される包装容器。新タイプは、底紙と胴紙の接着部分を重ねてからませる「カラミ方式」の採用で、糊接着面が少なくて済み、従来の物より底が剥がれやすくなった。また、底がより平面になるという特徴も兼ね備えている。



<フィルム・軟包装>
◇防虫用軟質POフィルム発売
厚手でオレンジ色の着色透明品

- オカモト -

オカモト(東京都)は、防虫用軟質POフィルム「エコロフィン防虫トーメー」を開発、発売を開始した。新製品は、オレンジ色に着色した着色透明フィルムで、虫が知覚する紫外線をある程度カットする効果があり、抗菌性も付与されている。フィルム厚は 0.3mm〜 2mmまでが揃っている。軽量、耐寒性、保温・保冷性、防音効果などに優れるほか、高周波ウェルダー加工も行えるなどメリットも多い。



<環境・包材リサイクル>
◇パック詰めのごみを処理
食リ法対応で小売業に販促

- モキ製作所 -

モキ製作所(長野県)は、スーパーやCVS などから賞味期限・消費期限切れで排出される包装された状態の食品を、パッケージと生ごみ(食品)とに分離する装置「パック分離機(M155)」を開発した。高速回転する破砕羽根で破砕し、羽根の遠心力で生ごみと包材を分離する仕組み。小規模店舗でも設置できるコンパクトサイズで、毎時 500kgの処理能力を持つ。食リ法への対応として小売業者に向けて販売促進を図る。



<環境・包材リサイクル>
◇PETボトル粉砕処理装置開発
高純度可能な湿式タイプ/1号機をJA和歌山に

- 大阪NED -

大阪エヌ・イー・ディー・マシナリー(大阪市)は、「湿式ペットボトル粉砕処理装置」を開発、1号機をJA和歌山の飲料工場に納入した。同機は、使用済み PETボトルを温水を活用した湿式処理で粉砕・洗浄し、遠心・風力分離機で脱水、再度ラベルの除去を行い、高純度のペレット(フレーク)を量産するもので、ペイント業界での採用も見込まれている。



<印刷・印字>
◇水分散性に優れる顔料系IJインキ開発
“自己分散型顔料”使用で高発色・高安定性

- 東洋インキ製造 -

東洋インキ製造(東京都)は、水に対する分散性に優れる“自己分散型顔料”を用いたインキジェット印刷用インキを開発した。自己分散型顔料を使用することで、顔料(水)系インキながら高発色・高安定性を実現した。



<企業戦略・経営マネジメント>
◇オーエンズイリノイラベル買収
拡大する米国収縮ラベル市場に対応/来年3月末、子会社と統合

- フジシール -

フジシール(大阪市)は、ガラスびん世界最大手・米国オーエンズイリノイ社の子会社、オーエンズイリノイラベル(ケンタッキー州)を買収する。12月中旬にも正式調印して全株式を取得し、来年3月末までに米国子会社のアメリカンフジシール(ニュージャージー州)と合併させ、乳製品などで成長著しい米国シュリンクラベル市場でのシェア拡大を総合力で目指す。



<第4回 DSJ(ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン)>
◇打ち抜き技術18テーマでセミナー
展示会も活発展開


第4回「DSJ2000(ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン)」が10月20〜21日の2日間、大阪で初めて開催された。メーンとなるセミナーは、段ボール部門、紙器部門、ラベル・フィルムその他部門の3つの会場に分かれ、3部門合計18テーマで開催された。併せて抜型関連機器・システム・資材の展示会が「ミート・ザ・エキスパート・ホール」として開かれた。



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