<Part.1「アンケート調査から読む2010年の包装市場」>(2〜15面)
◇有力包装企業トップが予測する包装マーケットの今後 市場環境はさらなる激動/市場自体は「不透明」が総意
21世紀の幕がいよいよ開いた。あくまで西洋人の時間の尺度による新たな世紀とはいえ、例年迎える睦月と今年のそれとでは、誰にとっても心の張りは同じではあるまい。新世紀、包装はどのような変貌を遂げ、包装市場はどのような様相を呈するのだろうか。そこで「包装タイムス」では、有力包装企業のトップに漠然とした「21世紀」ではなく、現実的な予想が可能な範囲であろう「2010年」時点想定のアンケートを実施した。“ドッグイヤー”がますます加速する現在の社会情勢の中、10年先の予測すら困難なことはいうまでもない。しかし、偏頗な学者やひも付き評論家ではなく、激動の包装ビジネス最前線の現場に身を置く包装企業トップなればこそ、その未来予測はおそらく、独自の“勘”も冴えると信じたい。
<Part.2「循環型社会成形成に向けて」>(17〜28面) ◇4月施行、資源有効利用促進法 「紙」「プラ」識別表示義務化
現行法の「再資源利用促進法」が昨年整備され、「資源有効利用促進法」として、今年4月1日から施行される。これにより「容器包装リサイクル法」の改正第三十六条二項でいう、「容器包装を用いる事業者及び容器包装の製造、加工または販売の事業を行う者は、資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)で定めるところにより(省略)」、各種包材の再商品化を促進するための“措置を講ずる”ことが義務付けられることとなった。その義務として、現行法でいうところの「第二種指定製品」が整備法では「指定表示製品」となり、包材には識別表示マークを表示しなければならなくなる。そこで、本紙では資源有効利用促進法が施行となる直前に、識別表示の事例を紹介することにした。なお、商品(包材)サンプルは本紙独自に選んだものであり、識別表示事例はあくまでも参考程度として理解していただきたい。
<Part.3>(29〜36面) ◇ユニバーサルデザインと包装のNOW&フューチャー 多面的なアプローチに拍車が/事例改善や積極採用が加速へ
高齢者や障害者を含むすべての人を想定し、包装・容器の識別性や開けやすさ、使いやすさへの配慮に関する設計指針が JIS化(平成12年10月20日制定)されるなど、包装を取り巻く確実な時代のキーワード(キーポイント)は、すでに“バリアフリー”から“ユニバーサルデザイン”の思想へとダイナミックにシフトしつつあるとの認識も高まってきた。商品パッケージ(個包装)は現在、どこまで中身を使う側に配慮し、また今後、これに対して何が求められてくるのか。行政からメーカー、流通、包装産業まで、そのアプローチをさまざまな角度から検証する。
◇環境ラベルタイプT・Uが JIS化
環境ラベルの「タイプT」と「タイプU」が昨年 8月20日付けで制定された。「タイプT」は、環境ラベルを認定する機関(第三者)についての運営のあり方、手続きなどを定めた国際規格。環境ラベル運営団体が、例えば資源採取・製造・流通・使用・廃棄というライフサイクルの各段階ごとに、エネルギー、資源、水質・大気・土壌への排出などを考察し、設定された要求項目を満たす製品に対して「タイプT環境ラベル」の使用を許諾するかを決定する。「タイプU」は“リサイクル材料”など17の要件について環境低負荷性を自ら宣言する。これにより「環境に優しい」「地球に優しい」など曖昧な表現は排除される。定量化された環境情報を明示した「タイプV」も規格化への準備が進んでいる。環境低負荷性を明確に示す表示システムとして、日本でも「環境ラベル」の導入が進みそうだ。そこで、JIS 化されたタイプT・Uおよび規格化されつつあるタイプVの内容と、先進ドイツの「ブルーエンジェル」の動向、さらには国内の受け入れ状況をまとめた。
<Part.4「わが社の20世紀からのロングセラーと新世紀の期待商品」>(37〜48面)
世紀をまたいでヒットするロングセラー商品と21世紀にブレイクが期待される包装関連機械・資材を、ピックアップして紹介。
|
<循環型社会への挑戦>(2〜3面)
◇新世紀は“環境元年” 繰り返し使えないモノでも資源に
昨年夏の「循環型社会形成推進基本法」成立に併せて、これを親法とする子法も整備された。包装に直接関係する法律では、現行法の「再生資源利用促進法」を整備した法律「資源有効利用促進法」が今年4月に施行される。これにより、現行法で識別表示が義務付けられている「第2種指定製品」は「指定表示製品」に変わる。また、循環型社会形成推進基本法を親法とする子法では、「食品リサイクル法」や「グリーン購入法」なども今年4月の施行を控えている。いわば2001年は“新世紀元年”であると同時に、国を上げての本格的な“環境・リサイクル元年”ともいえよう。
<包装機械メーカー9社に聞く21世紀の業界展望>(5面〜7面)
近年、包装産業を取り巻く環境が急激な変化を遂げる中で、設備に対する需要家の要求事項は品質・衛生、安全性、低コスト、省人・省力化などをキーワードにますます多様化し、高度化している。機械メーカー各社にとっては、これらの現状を把握することはもちろん、現時点でどこまで将来を予測できるかが優勝劣敗を決する最大の要素となりつつある。いよいよ幕を開けた新世紀に包装産業そして包装機械業界はどのような変化を遂げていくのか。包装機械メーカー9社に現状と今後の展望を聞く。
<包装産業のeビジネスの現状と将来>(9面〜11面) ◇脱低成長のカギ握るIT活用 競争優位性確立の戦略の一環/一方で見え隠れする危険性
ビジネスプロセスの劇的な効率化を促すIT(情報技術)革命は、今や包装産業分野の地殻変動をも予感させるほどの影響を及ぼしている。とりわけITを活用した新たな経営戦略を打ち出し、コンペティターとの差別化、競争優位性を確保しようとの動きは、ここにきて急速な広がりを見せている。というのも、IT先進国の米国と同様、ニューエコノミーよりもむしろ、包装需要の大勢を占めるオールドエコノミーが、競争力強化と経営活性化を実現する復活の切り札として、IT活用に本腰を入れはじめたからにほかならない。直接的あるいは間接的に海外の巨大企業との対決を余儀なくされるメガコンペティション時代に突入した現在、「勝ち組」の流れに乗り、強固なサプライチェーンを構築する一員となるためにもIT導入は当然の施策というのが実際だろう。市場の成熟化と長期に及んだかつてない実体経済の低迷の影響もあり、低成長を余儀なくされている包装産業分野だが、eビジネスへの踏み出しが産業活性化への起爆剤となり得る可能性は意外に大きい。もっとも、具体的なeビジネスへの参入はこれからが本番。一方、その過程ですでにさまざまな課題が浮上しているのも現実であり、すべてがバラ色というわけではない。それでも、現在よりもむしろ将来の競争力を確保するという意味で、ITを活用したビジネスフローの確立はもはや待ったなしの情勢だ。この点、eビジネスへの取り組みは、経営陣がトップマネジメントとしてどれだけ真剣に取り組めるかが重要になってくる。そこで、ここでは包装業界におけるeビジネスの現状と将来の可能性を示す。
<外装ディーラーの現状と21世紀の展望>(13面〜15面) ◇分岐点に立つ外装系包材商社 流通、需要変革にどう対応するか
「日本の流通業は転換点に立っている」とよく指摘される。これについては包装産業においても同様のことが言える。例えば、かつては「外装系ディーラーは幅広い産業界を需要層としてるうえ、小口需要が多く大手も参入しずらいため軽包装ディーラーに比べて安定している」と言われてきたが、ここにきて外装系であっても小規模企業を中心に廃業が増えるなど変化が現れてきた。また、アスクルなどのデリバリーサービス業やホームセンター、さらにはネット販売など流通の多様化に対応するため、業務提携や M&Aも増えつつある。ここでは異業種交流による開発事業などの取り組みも含めて、外装ディーラーの動向と21世紀の展望をまとめた。
<「包装ユーザー大いに語る」>(17面〜19面) ◇21世紀を飛躍の舞台に 最大のビジネスチャンスを狙え
近年、業態を問わず、環境に配慮した各企業の具体的な取り組みが加速度的に顕在化してきている。消費者の購買意識の変化に伴い、商品選択の要素として、価格メリットのほか、商品設計に際しての環境配慮がどこまで行き届いているかが、大きな位置を占めつつあるからだ。そこで本紙では、包装機材のユーザー企業にあって、商品企画や包装設計などに携わっている現役担当者に集まってもらい、「環境配慮時代への対応、包装業界に望むもの−−転換期のユーザーパッケージ動向を探る−−」をテーマに座談会を開催。製品開発の新テーマ、顧客満足度、表示問題、美粧性、新素材の開発、多品種少量生産、短納期、物流、さらには包材の減量・削減・素材転換の現状、消費者意識の現状、各種施行法への対応、包装産業界への要望などについて語ってもらい、今後、包装産業界が考慮すべきポイントを指し示すことにする。
<「流通から見たパッケージの今後」加納謙一氏講演から> (21面〜23面) ◇欧米巨大流通業が進出 国内量販店の動向が焦点/環境倫理など価値観から見直しを
小売業世界第2位で欧州最大の仏カルフールが昨年12月8日、日本上陸(幕張店・千葉市)を果たした。外資系小売業の日本市場参入としては過去最大規模と言われ、従来の国内スーパーにはない最低価格保証や無条件返品、売り場の広さなどがその特徴だ。また、米国最大級の会員制倉庫型店舗・コストコホールセールジャパンも昨年12月13日、一昨年4月の福岡・久山店に続く2号店を千葉・幕張に出店した。そのほか世界最大の米ウォルマートの参入もささやかれるなか、外資系企業の動きに注目が集まっている。いよいよ国境なき商品流通の時代が幕開けし、迎え撃つ国内流通業にとっても経営戦略が問われている。こうした背景を踏まえ、日報では昨年11月2日、包装実務講座を開催。この場で流通・環境コンサルタントの加納謙一氏が「流通から見たパッケージの今後・容リ法と環境問題を見据えて」と題し、講演を行った。本特集ではその内容を紹介する。
<紙器・段ボールマーケット「これまで」と「これから」> (25面〜31面) ◇2つの業界が20世紀に何を残したか 期待の素材と注目技術/「紙」の魅力と可能性を再確認
「紙」−−この自然界から得られる最も身近な素材は包装産業界にあっても大きな役割を果たしてきた。90年代に入り、パッケージの評価項目に「環境」というキーワードが入ってきた時、代表的な紙製包材「紙器」と「段ボール」は“リサイクルの優等生”として再認識された。そして、2000年4月、容器包装リサイクル法の本格施行により、「紙器」は再商品化義務の適用品、「段ボール」は適用除外と、これまで「紙器・段ボール」と一括りで見られることの多かった2つの業界の立場は大きく変わりつつある。そこで、このパートでは、最近の紙器・段ボール業界のトピックスを「素材」と「技術」の側面から紹介するとともに、80〜90年代の紙器・段ボール・紙工機械の技術トレンドを追い、業界の「これから」を考える一助としたい。
<「わが社の20世紀からのロングセラーと新世紀の期待商品」> (33面〜47面)
世紀をまたいでヒットするロングセラー商品と21世紀にブレイクが期待される包装関連機器・資材をピックアップして紹介。
|
<シート・プラスチック容器>
◇PETボトル成形機市場にも“価格破壊”の波 驚異的廉価の2軸延伸ブロー成形機(システム)登場
- ヨーキ産業 -
PETボトル成形機業界にも“価格破壊”の時代的な波が打ち寄せてきた。起爆剤となっているのがヨーキ産業(愛知県)が発売した「双頭式延伸ブロー成形機システム」と「完全自動式延伸ブロー成形機」。双頭式はフルセットで500万円以下、完全自動式は800万円と破格で、導入企業に同社が責任を持って供給・保証するパリソン価格も従来国内流通品の半額以下。PETボトル成形機業界は、ボトル販売の乱戦を背景に成形スピードの競争が過熱ぎみだが、同社では高速量産化ニーズ以外のきめ細かな需要の取り込みを図り、 PETボトル市場の底辺の拡大を狙う。
<シート・プラスチック容器> ◇鹿沼に容器成形の新工場 10ライン分のキャパ、高度な衛生管理も配慮
- 寿化成工業 -
寿化成工業(栃木県)は、同県・鹿沼市の鹿沼工業団地内に容器成形の新工場を建設した。従来工場が老朽化したのに加え、今後の業容拡大に向けて生産能力を増強した。食品容器向けラインをクリーンルーム内に設備するなど、より高度な衛生管理に配慮した設計となっている。新工場は、容器成形機を10ライン設備できるスペースを持つが、当初は 8ラインで稼働する。
<物流関連> ◇新型自動開梱機で市場参入 独自開梱方式で省スペース実現
- 伊藤忠産機、松本システムエンジニアリング -
伊藤忠産機(東京都)は、松本エンジニアリング(福岡県)と共同開発したフィルム梱包向けの自動開梱機「ラップオープナー」を市場投入する。開梱方式に独自のノウハウを採用することで大幅な省スペース化と兼用性を実現した。これまで自動開梱機市場は王子製袋(東京都)の独占状態だったが、伊藤忠産機は米ランテック社製パレットストレッチ包装機の輸入販売で蓄積した実績をてこに同市場でのシェアを拡大したい意向。
<環境・包材リサイクル> ◇平成13年度算定係数決まる 「再商品化義務量の算定に係る量、比率」
- 産構審・容器包装リサイクル小委員会 -
通産省(現・経済産業省)は昨年12月末、産業構造審議会・容器包装リサイクル小委員会の審議を受け、平成13年度の容器包装の「再商品化義務量の算定に係る量、比率等」を告示した。これにより、業種の区分ごとに再商品化されるべき量の比率、特定容器利用事業者と特定容器製造事業者の再商品化義務量の比率のほか、容器包装廃棄物排出比率、当該業種全体の容器包装廃棄物の排出見込み量がそれぞれ設定された(3〜5面に詳細を掲載)。
<印刷・印字> ◇セクショナルドライブが大ヒット 3年間で30台の納入実績
- 東芝機械 -
東芝機械(神奈川県)が独自開発した完全セクショナルドライブ(分割駆動)方式の軟包装グラビア輪転印刷機「GSNシリーズ」が大ヒットしている。一昨年1月の発売から昨年末までの 3年間で、輸出2台を含め計30台を納入し、現在も10台を受注。今後さらに受注を伸ばすことは確実で、軟包装業界において次世代のグラビア印刷機としての評価が完全に定着したといえる。
<21世紀の包装人への提言>(6、7面) ◇「持続性のある包装の実現に向けて」
- 日本包装技術協会 -
日本包装技術協会(JPI)は1994年、「包装憲章」を提言した。その提言から6年を経て、包装を取り巻く今日の状況は、容リ法の完全施行や情報技術(IT)の高度化など、大きく変化してきている。そこで、JPIでは6年前に発表した「包装憲章」の内容の見直しを図り、21世紀に向けて包装に携わるすべての人々に対して、「持続性のある包装の実現を向けて」と題する新たな提言を発表した。その全文を紹介する。
<包装アーカイブス>(9〜11面) ◇トップランク記事で振り返る世紀末の包装事情 「包装タイムス」2000年1〜12月の保管記録より
“アーカイブズ”(=archives)とは「記録(公文書)の保管所」あるいは「文書局」、また「公文書」そのものを意味する英単語。テレビ映像の分野でも最近、かつて放映された作品を現代の視点から再確認する番組で、この名称を使う例が見られるようになった。ここでは「包装タイムス」の“保管記録”から、昨年の主力ニュースを集め、月別に整理して紹介する。
<関西発・ユーザー特集>(17〜22面) ◇有力ユーザーの包装戦略
包装設計やデザインの変更から新たな資材調達方式まで、西日本の有力ユーザーにおける最新の取り組み事例を紹介する。
<'2001年頭所感>(24〜29面) ◇関連団体代表、新年を語る
21世紀の幕開けとなる2001年の年頭にあたり、関連26団体の会長・理事長が業界展望や提言、抱負などを語る。
<21世紀の物流システムを見る>(31〜37面) ◇「グリーン・ロジスティクス」システム構築へ 循環型社会を物流産業から支援
2つの世界大戦を経験した20世紀は、まさに“戦争の世紀”だった。皮肉にも今日の私たちのライフラインを支えるロジスティクス・システムは、その戦争の中から考案された仕組みだ。ロジスティクスとは、「兵站」の意。戦場で作戦軍が使う兵糧や火薬などの軍需物資や車両を「前送・補給・修理」し、「後方連絡線を確保」することを役割とする。この兵站を今日の経済活動に取り入れた仕組みが物流戦略上のロジスティクスであるわけだ。20世紀のロジスティクスは、「大量生産・大量販売・大量消費」という経済規模拡大を支えるシステムの役割を果たしてきた。後に川下からは「多品種・小ロット」への要求が強まることとなるが、それは多頻度配送という新たな要求を満足させるためのシステムに変化しただけであって、経済規模拡大の時代と同様に“一部の強者”の利益を支えるものでしかない。つまり、どちらもそれを要求する側の「エコノミー」の追求が目的であり、そこには「全体最適」という倫理、“人と環境にやさしい”という配慮はなかったといえる。21世紀は、資源・廃棄物循環型社会の構築へ国を挙げて取り組む時代だ。物流にも「エコノミー」だけでなく「エコロジー」といった観点が強く求められる。まさに、かねてから物流業界が志向してきた「全体最適」への取り組みが求められていることは間違いない。だからこそ、循環型社会を支える「グリーン・ロジスティクス」システムの構築が、新世紀の重要なキーワードとなるだろう。
<「わが社の20世紀からのロングセラーと新世紀の期待商品」> (39〜45面)
世紀をまたいでヒットするロングセラー商品と21世紀にブレイクが期待される包装関連機器・資材をピックアップして紹介。
|
<シート・プラスチック容器>
◇PETボトル・高速ブロー成形機市場に有力新機種 SIPA/垂直開閉式ブロー成形機
- 日商岩井プラント機器 -
日商岩井プラント機器(東京都)がボトル用高速ブロー成形機の本格販売に乗り出す。ワンステージタイプで高い実績を持つイタリア・シパ(SIPA)社が開発した高速生産機で、高速成形性に加えて独自の垂直開閉式機能を備え、ブロー金型開閉の効率化、諸作業の時間短縮を実現した。先行2社が独占する高速機市場で、同社がどこまで需要を取り込めるかが注目される。
<その他容器> ◇もみ殻容器の量産設備完成 5アイテム製品対応へ/小皿タイプで月産最大16万個
- 西部電機 -
西部電機(福島県)はこのほど、生分解性を持つもみ殻容器「もみがら君」の量産設備を完成した。生産能力は小皿タイプで最大月産16万個で、生産品目は食品容器や漆塗り容器、パイプ商品、シート商品、緩衝材の5アイテム。今後は、機能的な形状や歩留まりの向上、低コスト化などの課題の解消を目指す意向。
<紙器・段ボール> ◇Gテープの新工場が生産開始 東京工場も稼働、抜型4工場体制に
- 大創 -
大創(大阪府)は、抜き型の溝に貼って刃の磨耗や衝撃を吸収する「Gテープ」の生産体制を強化するため本社近くに新工場の建設を進めていたが、同工場がこのほど完成、生産を開始した。また同社は、CAD設計から抜型加工までを行う東京工場も新たに稼働させた。関東地区ではすでに神奈川工場が稼働しているが、東京を通過しなければならない関東北部のユーザーが増えていたため。これにより、同社の抜型工場は大阪、九州、神奈川、東京の4カ所となった。
<フィルム・軟包装> ◇フィルム事業再編 耐熱ラップなど三菱樹脂に移管
- 三菱化学グループ -
三菱化学グループは1月1日付けでフィルム事業を再編し、三菱化学産資の耐熱ラップフィルムと透湿性フィルムの両事業を三菱樹脂に移管、コア・コンピタンス経営への舵取りを鮮明にした。化学業界はすでに国際市場を舞台にしたメガコンペティション時代に突入し、今後、国内はもとより外資企業とのシェア争いが熾烈になっていくことは確実で、同グループもこうした状況を踏まえ、将来的に競争優位性のある事業体制を整えた。
<シール・ラベル> ◇レジスター機能を持つラベルプリンター 印字項目も拡大、便利に
- イシダ -
イシダ(京都府)は、レジスター機能を併せ持つインフォメーションラベルプリンター「IL−2000SA」を新発売した。同機は、バーコードラベルや改正JAS法などのように印字項目の多い加工食品品質表示やインパクトのある販促ラベルなどをスピーディかつ自在に作成・発行できる。さらに対面販売にも活用でき、店舗経営を的確にバックアップするレジスター機能を備えているのが特徴。
<環境・包材リサイクル> ◇エコマーク商品専門サイトを開設 4月からグリーン調達支援
- ファイン、鹿島建設、日本環境協会 -
ファイン(大阪市)と鹿島建設(東京都)、日本環境協会(東京都)の3者は、4月1日からエコマーク商品専門ショッピングサイト「Green Station」を開設する。グリーン購入法が同日付で施行されることを踏まえたもので、エコマーク認定商品の情報を広範に提供するのが狙い。出品対象者であるエコマーク取得企業は会員制で同サイトに参加でき、すでに募集は始まっている。
<環境・包材リサイクル> ◇「ザ・パックフォレスト」を設立 環境配慮型商品から森林保護基金
- ザ・パック -
ザ・パック(大阪市)は昨年9月、独自の森林保護事業「ザ・パックフォレスト」を立ち上げ、その運営をNPO“地球と未来の環境基金”に委託した。同社では1993年から非木材紙などの出荷額の一部を森林保護基金“フリーツリー基金”として日本環境財団に提供してきたが、扱い品目・金額(累計 3,000万円)ともに増えたため、NPOへの委託を決めた。新基金“フォレスト基金”は植林や原生林の保護活動に充てる。
<ISO関連> ◇ISO14001を認証取得 環境調和型企業目指す
- アイセロ化学 -
アイセロ化学(愛知県)は、昨年10月27日付でISO14001の認証を取得した。認証範囲は、プラスチックベースのフィルム、成形品およびその加工品の開発と製造に関する企業活動。対象は本社をはじめ東京、北関東、静岡、豊橋、名古屋、大阪の各営業所、西三河、鈴鹿の両出張所のほか、関連会社のエーアイエー石巻事務所。同社では今後、環境影響の最小化、環境リスクの予防、省資源化など環境調和型企業を目指す。
<包材流通> ◇紙の電子商取引事業に参入 総合商社3社、アジア最大のサイト構築へ
三菱商事や伊藤忠商事、日商岩井の総合商社3社は、アジア・アンド・ペーパー社(シンガポール)と共同でアジアにおける紙の電子商取引事業「e-Paper Aliance」に資本参加する。電子商取引でノウハウを持つトレード・アライアンス社が設立したもので、三菱商事などでは今年3月にも運用を開始する。今後は日本、韓国、タイなどの大手製紙会社にも出資・参加を呼びかけ、アジア最大の紙・パルプ関連取引ポータルサイト構築を目指す。
<印刷・印字> ◇大豆油インキの新種を販売 4色カラー印刷の最新ニーズに対応
- 三星インキ -
三星インキ(大阪市)は、枚葉オフセット4色カラー印刷に適したインキ「スーパーエコ」を開発、発売した。大豆油を使用した環境低負荷型インキの新シリーズで、印刷の適正と効果を重視した「スーパーエコ A」と完全棒積みを目視した「同 Z」の2タイプがある。Aは光沢が良く色調が鮮明なため印刷効果が向上、Zはスプレー粉の減少と次工程までの時間短縮が可能となっている。
<グラビア系コンバーター最前線> ◇3つの焦点に探る明日の業界天気図 拡大する問答無用の優勝劣敗/均一的成長(低迷)の終焉
グラビア系コンバーター業界はここ数年来の大きな揺れが続くなか、各課題を積み残しての年越えとなった。30%余と喧伝される供給過多を最大の背景に、販売額の底這い推移での停滞や多頻度少量納入の加速、水性インキ問題など業界全体が抱える課題は大きい。こうした状況下、ほぼ均一的な成長・低迷は終焉したといっていいだろう。また一方で、明暗際立つ業界勢力図が成り立っているのも事実。「お先真っ暗」組と「元気印」組は顕著な対象を成している。そこで、優勝劣敗が拡大する状勢の同業界について、焦点を3つに絞り、その近未来天気図を予報する。 <生分解プラスチックセミナー> ◇地球環境保護から注目のグリーンプラ 調査報告や最新動向を紹介
京都市、京都合成樹脂研究会、京都府プラスチック共同組合、京都工業試験協会は昨年11月21日、京都市工業試験場で生分解性プラスチックについてのセミナーを開催した。“生分解プラ”は昨今、地球環境負荷低減の潮流の中で改めて今日的な素材とし、注目されている。今回は、フィールド調査の中間報告や最新の市場動向を発表。そこで、同セミナーで講演した京都市工業試験場の有機材料研究室研究担当課長補佐・北川和男氏と、生分解性プラスチック研究会事務局長・大島一史氏の講演内容を紹介する。
<識別表示ガイドライン> ◇4月施行、資源有効利用促進法 「プラ」「紙」識別表示を義務化
紙製とプラスチック製(飲料・しょう油・酒類が充填されているPETボトルを除く)の識別表示についての記事に読者から多くの反響を得た。また、「その他プラスチック」扱いとなる PET素材の容器と、現行法の再生資源利用促進法の第2種指定製品として識別表示が義務付けられているPETボトルについては、容器メーカーや中小の中身メーカーにはまだまだ周知徹底されていないことも分かった。そこで、経済産業省や農水省などの行政側のガイドラインに沿って、より詳細なガイドラインを作成し、会員へ積極的に啓蒙活動を実施している業界団体もある。その事例を紹介する。
<西日本発コンバーター情報> ◇独自アイデア、自動化で伸長図る 紙器段ボール、抜型業界の動きを紹介
紙器段ボール業界を取り巻く環境は決して明るいとはいえないが、それぞれの場で独自の商品開発やISOへの取り組み、新しい設備導入などにより活性化を図っている。マイクロフルート(F段)の製造ラインを導入する例や、紙器工場での最大のネックと言われる打ち抜き加工後の落丁(製品と抜きカスの分離)工程の自動化も見られる。そうした取り組みを紹介する。
<“改ざん防止包装第 2期へ”> ◇大手医薬品メーカー中心に動き 毒物混入脅迫事件を契機に本格化
昨年の大手目薬メーカーへの毒物混入脅迫事件以来、「改ざん防止包装」への関心が急速に高まってきた。事件後、同メーカーは至急、製品の回収に踏み切り、シュリンク包装に切り替えた。この影響で他の医薬品メーカーでも「改ざん防止包装」への取り組みを始めるところが増えてきている。約20年前の米国「タイレノール事件」や日本の「グリコ・森永事件」後を改ざん防止包装の「第1期」とすれば、昨年後半から今年の流れは「第2期」と位置づけられる。こうした動きをまとめた。
<「わが社の20世紀からのロングセラーと新世紀の期待商品」>
世紀をまたいでヒットするロングセラー商品と21世紀にブレイクが期待される包装関連機器・資材をピックアップして紹介。
|
<包装機・関連機器>
◇宅配便利用で新サービス 衣類・寝具などの真空パック
- シティーボーイ -
かさばる衣類や寝具類などを圧縮して真空パックするサービスのフランチャイズ(FC)展開を進めているシティーボーイ(東京都)は、宅配便を利用した新サービスを2月からスタートする。個人や企業から送られた衣類・寝具類などをクリーニング後に真空パックして再び宅配便で返送する。FC展開が遅れている地域に先行してこのサービスを展開し、新規需要の開拓を図る。
<紙容器> ◇食品用パルプモールドを輸入販売 韓国グリーンエム社と販売提携
- トーコーダイスチール -
トーコーダイスチール(栃木県)は、昨年12月に韓国のグリーンエムコーポレーション社と食品用パルプモールド容器に関する販売契約を結んだのを受け、このほど本格販売に乗り出す。今回国内で販売される容器は、弁当向けをはじめ、鮮魚や肉、カレー、シチュー、ホットドッグなどを対象とした約30アイテム。臭味などを避けるためいずれもバージンパルプを100%使用している。
<フィルム・軟包装> ◇抗菌不織布袋を2種開発 蒸着フィルムで魚の鮮度訴求
- 青戸製袋 -
青戸製袋(京都府)は、銀系無機抗菌剤を練り込んだ不織布とOPPフィルムを組み合わせた魚用の鮮度保持袋「抗菌FISH-BAG」と、同じく OPP蒸着フィルムを用いた「抗菌FISH-BAG光り物シリーズ」を製品化した。高い抗菌防臭効果と安全性を備えており、規格品も多種類そろえた。機能性と高級感を訴求しながら2月から本格的な営業活動を開始する。
<フィルム・軟包装> ◇食肉用ドリップ吸水シートを製品化 高い吸水性と静菌効果備える
- 東洋紡績 -
東洋紡績(AP事業部=大阪市)はこのほど、超吸水性繊維「ランシーン」を用いたドリップ吸水シート「カルネラップ」を製品化した。自重の150倍という高い吸水能力を持ち、雑菌の発育を抑制する静菌効果を有している。また、バインダーや添加剤を使用せず高い安全性を備えているため、食肉用途での需要を見込んで本格展開する。
<樹脂原料> ◇2002年までPSは年率1.2%増 業界初の中期需要予測を発表/主力の包装用で透明蓋の伸長に期待も
- 日本スチレン工業会 -
日本スチレン工業会は1月16日、2002年まで3年間の中期需要予測を発表し、PS国内需要の伸びを平均年率1.2%と推算していることを明らかにした。同工業会が本格的な中期需要予測を発表したのは今回が初めて。包装関連では、特にBOPSシートについて、透明感などへの評価から今後もコンビニの出店増や個食化の趨勢で伸び続けるものと推定している。
<外装機器・資材> ◇粘着テープ“プロセルフ”に新製品 カッター付と事務用の2アイテムを追加
- ニトムズ -
ニトムズ(東京都)は、セミプロユース向け粘着テープ“プロセルフシリーズ”の新製品「透明梱包用テープカッター付」と「事務用便利テープ」を発売した。カッター付は、透明OPPフィルムテープに軽量カッターを取り付け、梱包時の作業性を向上。事務用は、セロハンテープとメンディングテープ双方の特性を付与するためマット処理を施したOPPフィルムを採用。テープ表面に鉛筆でも書き込めるのが最大の特徴となっている。
<外装機器・資材> ◇新タイプのリターナブル固定保持材を開発 スタンピング製法で凹凸成形に成功
- 昭和丸筒 -
昭和丸筒(東大阪市)は、100%再生材料を使用したプラスチック製ボード「エコボード」の凹凸成形に成功、新タイプのリターナブル固定保持材を開発した。熱成形特性を利用したスタンピング製法により、従来はフラットな平面状に限られていたボードに高さ約50mmの凹凸を成形した。被梱包物の形状に合わせて成形することで高い強度を発揮するため、大型事務機器などのリターナブルトレーとして使用できる。
<物流・ロジスティクス関連> ◇コンテナバッグのネット販売開始 商品アイテム取り揃え、拡充図る
- 太陽工業 -
太陽工業(大阪市)は、コンテナバッグのインターネット販売を開始した。当面は新発売の折り畳みコンテナ「クロスコンテナ」を中心に販売する意向で、随時商品アイテムを取りそろえ拡充を図る。受注は10枚単位。初年度販売目標を同商品で1億円、ネット販売のトータルで2億円を見込んでいる。
<環境・包材リサイクル> ◇剥離紙リサイクルを開始 運用にユーザー10数社参加/ラベルコスト3%削減
- 岩田レーベル -
岩田レーベル(愛知県)は、製品などにラベル貼付した後に不要となる剥離紙を回収し、再生紙製品とするシステム「IWATA GREEN SYSTEM」の運用を開始した。タックラベルを納品しているユーザーから剥離紙を回収し、トイレットペーパーやペーパータオルに再生し、その一部をユーザーに再納入する。これによりユーザーは処理費用を含むラベルコストを約3%削減できるという。すでに10数社が契約し、同システムを運用している。
<鮮度保持関連> ◇ソウルに営業拠点開設 韓国から保冷材輸出も計画/年末までに包装機導入で工場も
- トライカンパニー -
トライカンパニー(静岡県)は、保冷材の需要が増えつつある韓国のソウル市近郊に営業支店を開設した。イランやタイへの技術支援はこれまでも積極的に行ってきたが、本格的な海外進出は今回が初めて。さらに年内にも最新鋭の包装機を導入し、保冷材「キャッチクール」の生産拠点を立ち上げる意向で、現地生産によるアジア・オセアニア・北米地域への輸出も検討している。
<印刷・印字> ◇印刷専用工場が完成 12色グラビアの2号機を設備
- 丸善工業‐
丸善工業(香川県)が建設を進めていた印刷専用工場がこのほど完成し、本格稼働に入った。同社で2号機となる12色グラビア印刷機を設置し、ファッションバッグ分野などで強まっている多色化・多品種化ニーズに、より高いレベルで応える体制を構築した。また同社は、印刷工場に隣接して新たに工場棟の建設も進めている。
<清涼飲料等の容器包装識別表示> ◇全国清涼飲料工業会作成のガイドライン “消費者が明確に識別、分別排出できること”
4月1日から施行される「資源有効利用促進法」(現行法「再生資源利用促進法」の改正法)で、「その他紙製」と「その他プラスチック製」の包材についても識別表示が義務付けられる。ただ、容器包装識別表示マークについての運用は、一部業界に委ねられていることもあり、識別表示に対する周知徹底の度合いは業界によって温度差がある。その中で、より実際的で実用的なガイドラインを作成し、会員へ積極的に啓蒙活動を実施している先進的な業界団体もある。全国清涼飲料工業会はそうした団体の一つで、本紙が店頭でサンプリングした商品を事例に、同工業会が作成したガイドラインを紹介する。
<流通革命下の包装産業の変貌(前編)> ◇揺れ動く包材調達フロー 激動の時代を生き抜く戦略とは/外資流通参入がもたらす衝撃
包装産業、とりわけ包材ディーラー各社にとって主要な需要家の一つである小売流通分野を取り巻く環境が大きく変り始めた。振り返れば、昨年の大店法の廃止と、これに代わる大店立地法の施行により、その変化の加速度は急速に増してきたようにも見える。この立法政策は、それまでの中小小売店保護から地域環境重視、消費者利益保護へ舵きりしたものだが、実際、ほとんどの流通企業がそうした視点に立って出店計画を練り直しており、不採算店の撤収を進める一方で、戦略的な店舗拡大策を打ち出しているのが現状だ。また、相次ぐ外資流通企業の参入も国内の小売流通市場を刺激する材料となっている。迎え撃つ日本の小売流通企業も、競争力を確保するためのあらゆる方策を模索し、具体的に手を着けようとしている。こうした環境の変化が、包材調達システムをより効率的な形態に変える必要性を生み出し、包装産業のこれまでのあり様に変化を迫っていることは周知の事実だ。本紙包装タイムスでは、外資参入の可能性をも含めた周辺環境の変化を数年前から予測し、これに伴なう包材調達の切り替えが急テンポで進んでいくことを指摘してきた。今その指摘が予想を超える速度で顕在化し、業界の対応という点では、企業間格差の拡大が懸念される事態に至っている。そこで小売流通分野の動向とこれに関わる包材調達システムの変動、包材供給サイドの戦略などについて報告する。
|
バックナンバーに戻る |
---|