包装タイムス・バックナンバー“1997年9月度”

9月1日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇包装機械市場に新規参入

 伊・ゴルオ社製の真空包装機を販売
- 金田中 -
 食品や関連機器の輸出入販売を手がける金田中(東京都)は、包装機械市場に参入する。イタリアの大手包装機メーカー、ゴリオ・ルイジ・ミラノ社製の真空包装機を取り扱うもので、9月9日から東京・ビッグサイトで開催されるジャパンパック'97 で初公開し、本格展開を開始する。当面はコーヒー業界を中心に売り込みを図る方針で、将来的には洗剤やハム・ソーセージ、コメなど食品市場全般をマーケティングしながら徐々に需要層を拡大する。

<包装機・関連機器>

◇包装機、荷作り機械の機種別生産実績を発表

 金額ベースで堅調に伸びる、輸出が過去最高額を記録
- 日本包装機械工業会 -
 ここ数年停滞気味だった包装機械・関連機器市場が活気付いてきた。日本包装機械工業会(佐藤保寿会長)がまとめた平成8年度の「包装機械および荷作り機械機種別生産実績」によると、数量ベースでは前年度比1,898台減(−0.3%) となったものの、金額ベースでは同5.1%増の4,503億7,800万円を記録した。輸出が過去最高額を記録したのが大きな要因で、339億9,400万円にのぼった。

<プラスチック容器>

◇EPS 容器のインモールドラベリング技術を開発

 量産体制確立し、来春製品化へ
- リスパック -
 リスパック(愛知県)は、EPS 容器(PS発泡容器) を成形すると同時にラベルを成形金型に定位置挿入し、容器と一体化させるインモールドラベリング技術を開発した。量産体制の確立を急ぎ、来春にはインモールドラベリングEPS 容器の発売に踏み切る予定。同技術の開発は、容器メーカーとしては初めてのもので、美粧性に優れることから今後の展開が注目される。

<その他容器>

◇竹皮を編んで容器を成形

 駅弁、懐石料理向けで注目集める
- 松本 -
 総合食品包材卸の松本(岡山県)は、竹皮を用いた容器の展開を本格化し、注目を集めている。約1p幅に裁断した竹皮を編んで箱状に成形したもので、規格品と特注品の2種類を展開している。中仕切りはプラスチックトレーを使用しており、廃棄処理性に優れるほか、竹ならではの風合いもあり、駅弁、ホテルの懐石料理、土産もの向けなどで、すでに需要が出始めている。

<紙器・段ボール>

◇ソウルレーザーダイボード社と代理店契約結ぶ

 韓国製抜き型用刃曲げ・切断機を本格販売
- ライザマシナリ -
 ライザマシナリ(東京都)はこのほど、韓国のソウルレーザーダイボード社と正式に日本国内での輸入・販売代理店契約を結び、抜き型用の高性能刃曲げ・切断機「イージー・ベンダー」の本格販売を開始した。CADデータをダイレクトに使い、抜き型の刃曲げから切断までを行うシステムで、すでに日本国内に複数台が入ってきている。低価格ながら日本製の同種の機械とほぼ同等の性能を持っている。

<フィルム・シート>

◇新型手提げ袋を開発、展開

 製造・輸送の両面でコストメリット高い
- 鈴木特殊化工 -
 鈴木特殊化工(千葉県)は、テープ手提げ付きのフィルム袋で、従来のタイプよりコストメリットに優れる「ハンドルパック」を開発(実用新案出願中)し、本格展開を開始した。すでに栄養ドリンクの箱入りセット売り向けなどに採用され、納入実績を増やしている。袋本体と手提げ部分が重なり一体となっているので、ケース入り数が多く、製造・輸送の両面で経済性も高い。

<フィルム・シート>

◇滋賀県に多賀工場建設へ

 POフィルムの西日本地区基幹工場に
- 積水化学工業 -
 積水化学工業(大阪市)は、ポリオレフィンフィルム生産の西日本地区基幹工場として滋賀県犬上郡多賀町に積水フィルム西日本工場を建設することを決定した。約40億円を投資し来年5月の完成予定で間もなく着工する。1999年2月までに大阪の枚方工場の設備を全面移転させるとともに、FA化された最新の高速インフレフィルム製造装置などの導入を図り、本格稼働を開始する計画。

<紙製緩衝材>

◇古紙原料の新型緩衝材を開発

 ゼラチンと水を混ぜて成形、弾力性大幅アップ
- 古紙活用研究会 -
 宮城県の民間企業7社が集まった「古紙活用研究会」がこのほど、古紙を原料にし、新技術を盛り込んだ紙緩衝材を開発した。古紙にゼラチンと水を混ぜて弾力性のある緩衝材にする技術を確立したもので、現在、製品化・量産化に向けて研究を進めている。原料は新聞、段ボール、雑誌の3つの古紙で、ゼラチンと水の比率を変えれば、固さも自由に制御できるため、用途範囲は従来の紙緩衝材よりも広い。


9月8日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇100%PE製の保冷折り畳みコンテナを

 共同購入用通い函に採用
- コープとうきょう -
 コープとうきょう(東京都)はこのほど、三菱化学MKV(東京都)、コバヤシ(東京都)と共同開発したポリエチレン製通い函「コンバートボックス」を共同購入用保鮮容器として採用、8月24日から実用化した。これまでコープとうきょうは、青果物配送容器として段ボール製容器とEPS製容器を使用してきたが、今回段ボール製容器10万個を全てコンバートボックスに切り換える。また、EPS製容器も来春をめどに切り換える方針。

<包装機・関連機器>

◇ツイン型の横ピロー機、ラップラウンドケーサー発表

 幅、高さそのままで、従来の2倍の能力を発揮
- 大森機械工業 -
 大森機械工業(埼玉県)はこのほど、ツイン(2連式)タイプの新機種を相次いで開発、この9月から本格な展開を開始した。高速2連式横ピロー自動包装機「ツインラッパーS−5000uTW」、2連式ラップラウンドケーサー「RC−1200ATW」がそれで、本体幅と高さがほぼそのままで従来機の2倍の包装能力を発揮する。生産工場の設置スペースが小さく、高能力機種の導入が難しいユーザーから大きな注目を集めそうだ。

<プラスチック容器>

◇発泡PP保冷箱を開発

 重量がプラ製クーラーボックスの半分で高強度
- ダイヤケミカル -
 ダイヤケミカル(栃木県)は、発泡ポリプロピレン(PP)製保冷輸送ケース「KD−1」を開発、運送会社や食料品会社向けに販売を開始した。プラスチック製のクーラーボックスの半分以下の重さだが、発泡スチロールに比べ割れにくく耐摩耗性にも優れている。ドライアイスを収納できるようになっており、外気温25〜35℃でも−18℃を40時間保てる。繰り返し使用も可能で、リサイクル原料化も容易。

<紙器・段ボール>

◇抜き型の面板に貼り使用するテープ発売

 薄ものから円弧形状の打ち抜き加工に対応
- 有功社シトー貿易 -
 有功社シトー貿易(東京都)は、抜き型の面板に貼って使用する「ガード・テープ」の販売を開始した。薄い紙や円弧形状のものを打ち抜く時に最適なテープで、コスト的にも生産の低価格化が図れる。粘着力は強いため面板に貼った時はズレない。しかし、使用後は容易に剥がせるようになっており、後処理も簡単。

<フィルム・シート>

◇防カビ抗菌ラミネート開発

 199種類の菌に効果を発揮、銀系の20倍の能力
- 協和商事 -
 フィルムコンバータの協和商事(北海道)は、抗菌の対象範囲(スペクトラム)が種類にして199菌という国内はもちろん、海外でも例を見ない驚異的な抗菌および防カビ効果を持続的に発揮するラミネートフィルム包材「B・M・P防カビ抗菌パック」をこのほど開発した。非接触でも抗菌と防カビ効果を発揮し、しかもプラスチックシートが5〜6oの厚さでもB・M・Pの薬剤効果が浸透し、防カビ効果を発揮するというもの。

<フィルム・シート>

◇物流用ストレッチ包材で抗菌フィルム開発

 食品加工流通、医薬品、トイレタリー分野での展開期待
- 大化工業 -
 大化工業(東京営業所)はこのほど、梱包用パレットストレッチフィルムで、抗菌タイプの新製品を開発した。同社の主要ユーザーである食品や医薬品、トイレタリーの分野で、パレットストレッチフィルムで集積梱包された原料を工場内に比較的長期間保管するケースがあることから抗菌タイプの開発・販売に踏み切ったもの。フィルムは、抗菌剤配合のL−LDPE3層共押出多層フィルム。

<フィルム・シート>

◇米国デュポンの収縮フィルムを

 国内販売で契約合意、今秋から本格販売へ
- ビニフレーム工業 -
 ビニフレーム工業(東京都)は、米国デュポン社製ポリオレフィン系シュリンクフィルムの日本国内販売について交渉を行ってきたが、このほど合意に達し今秋から本格販売を行うことになった。「クライサー」の名で米国とフランスの工場で生産されているもので、世界各国で販売されている。アジア地区では日本市場が未開拓だったが、同社が日本初の代理店となったことで、同製品の拡大が進むものと見られる。

<パッケージ印刷>

◇新型グラビア用電子彫刻機を発売

 スピード2倍、多彩な機能と無人化近づく
- ライノタイプ・ヘル -
 ライノタイプ・ヘル(東京都)は、彫刻スピードの大幅アップと工程の迅速化、さらにDTP(デスク・トップ・パブリッシング)プリプレス環境へのスムーズなインターフェースに対応し、生産性の飛躍的な向上を実現する次世代の新型グラビア用電子彫刻機「ヘリオ・クリショグラフK405」の販売を開始した。従来の同社のものよりも2倍のスピードを実現しており、効率的なグラビア製版が行えるものとなっている。印刷シリンダーの全自動生産にも対応できることから、今後の動向が注目される。

<物流関連>

◇新事業の概要を発表

 中小企業の情報ネット化を支援
- 全国ネットワーク協同組合 -
 全国ネットワーク協同組合(ネットコープ)は、第2期に入った今年度から、本来の事業である「中小企業の情報ネットワーク化」を本格的に推進することを明らかにした。ネットワーク化を啓蒙する「トリガープラン」と実質的に支援する「サポートプラン」の2つを柱にネットワーク化を図る。トリガープランは中小企業に情報ネットワーク化の必要性を説き、きっかけをつくる。サポートプランは、情報ネットワーク化を進めるにあたってのインターネット利用の環境作りとその後の継続的サポートを行う。

<包材・リサイクル>

◇東京ルールVの問題で都と事業者暫定合意

 都敷地にリサイクル工場建設へ、ルールUの条例化は見送り
- 東京都 -
 東京都は8月29日、PETボトルの回収を事業者が行うとする「東京ルールV」の問題で、容器・中身メーカーの業界団体であるPETボトルリサイクル推進協議会(木原弘二会長)と暫定的な合意を得たと発表した。都の敷地に容器・中身メーカー側がリサイクル工場を建設し、敷地は都が有償でメーカーに貸し付けるというもの。この合意の内容に沿って今後、細部を詰める。なおルールUの早期条例化については見送り決定。

<包材・リサイクル>

◇日立製作所がDSDと技術提携

 廃プラリサイクルシステムで独占的実施権を獲得
- 日立製作所 -
 日立製作所(東京都)はこのほど、ドイツで包材のリサイクルシステムを担っているDSD社(デュアルシステム・ドイチェランド)と廃プラスチックのリサイクルシステムについて技術提携、同社の技術情報に基づく日本での製造・販売の特許使用権を含む独占的実施権を獲得したと発表した。ドイツですでにリサイクルシステムを構築しているDSD社と日立が組むことで、今後、国内でも遅れていた廃プラリサイクルのシステム化が進むものとして注目される。

<特集>

◇'97日本国際包装機械展(ジャパンパック'97)

 11月9日から東京ビッグサイトで
 310社、2856小間の規模で開催
- 日本包装機械工業会 -


9月15日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇フィルム消費量を大幅削減

 国内初のストレッチシーラーを上市
- 成光産業 -
 成光産業(東京都)は、PSPトレーにポリオレフィン系ストレッチフィルム(ラップフィルム)でシールする包装機「ストレッチシーラー」を上市した。従来のラップフィルムでくるむ方式を、発想を変えてPSPトレーの上面の縁をラップフィルムでシールする方式にしたもの。ラップフィルムを大幅に削減できるため、現在すでにスーパー関係はもちろん、食品関連会社からも注目を集めている。

<プラスチック容器>

◇PEN(ポリエチレンナフタレート)ベースの耐熱透明カップ発売

 ヒートシール性と耐寒衝撃強度の改善実現
- 共同印刷 -
 共同印刷(東京都)は、耐熱性やガスバリア性はもちろん、紫外線遮断性に優れる透明樹脂「スーパークリアレジン−Nタイプ」を開発した。酸成分とジオール成分を組み合わせた4成分系PENコポリマー(共重合体)で、従来のPENの課題を克服したものになっている。同社はこれをゼリーカップの素材に採用し、「スーパークリアカップ−タイプN」として発売を開始した。酸素に対するバリア性はもちろん、アルコール成分に対するバリア性も増している。

<紙器・段ボール>

◇耐水複合紙の用途拡大進む

 耐水、印刷適性の両方をクリア
- 日本製紙 -
 日本製紙(東京)が開発した耐水複合紙「オーパー」がこのところショッピングバッグやシール・ラベル、カード類など、耐水性の要求される分野で注目を集めている。ベース紙の裏表をポリオレフィン系樹脂層ではさんだ構造になっており、耐水・耐候性があるうえ、印刷適性にも優れることから用途拡大が進んでいるもの。

<フィルム・シート>

◇インフレフィルム再値上げの方針、9月21日受注分から10%アップ

 インフレフィルムメーカー各社は採算を是正するため、9月21日受注分(10月1日出荷分)から10%(原反価格で1t当たり2銭)の値上げを実施する方針を固めた。同業界では原料レジンの3次にわたる値上げに対し、製品値上げを目指したが、3次までの原料アップが合計1s当たり約25円だったのに対し、製品は平均10円程度しか上がらなかった。この結果、採算が悪化しつつあり、今回の値上げに踏み切ったもの。ただ、製品市況の流れを変えるだけの材料がないだけに、厳しい状況にある。

<フィルム・シート>

◇口栓付きパウチの新製品、米国で試験発売

 国内では来年1月から本格展開
- 細川洋行 -
 細川洋行(東京都)は、口栓(スパウト)付きパウチ「チアーパック」の新製品を開発した。袋容器本体の幅を従来製品より細く、ガゼットの部分を広くしてあるため自立性がアップしている。これらの改良点からコンビニやスーパーの既存のショーケースでの陳列性が良くなっている。すでに米国で試験販売を開始しており、日本国内では来年1月から本格展開する予定。

<外装機器・資材>

◇段ボール向け結束機を5年振りに上市

 毎分40結束を実現のタンデム型
- 山田機械工業 -
 山田機械工業(千葉県)は、最速のグルアに対応する毎分40結束を実現した段ボール用同時2本掛け(タンデム型)結束機「YTC-145型」を開発した。最小、最大寸法いずれも仕様を広げたもので、ピット掘りも不要になっている。同社が段ボール結束機で新機種を発表するのは5年振り。

<物流関連>

◇パレタイズロボット「アグリパック」開発を

 フォークでの移動が可能に
- 神戸製鋼所 -
 神戸製鋼所(東京都)は、システム提案型のパレタイズロボット「アグリパック」、「バリアトロン06S」、「同14S」の3機種を開発した。「アグリパック」は、農産物出荷向けのもので、フォークリフトで可搬できるのが特徴。固定式と違い、どこでも使用できることから作業の効率化アップが可能。「バリアトロン06S」は、低床式・省スペース型のもの。「同14S」はフィルムやクラフト包装袋などの袋物を超高速でパレタイズするロボット。

<物流関連>

◇意志国際貿易(上海)有限公司を設立

 包装と物流のソフト・ハード提供 
- 東洋実業・日本包装運輸 -
 東洋実業(大阪市)と日本包装運輸(神戸市)が共同出資で、中国・上海市浦東新区の外高橋保税区内に、「意志国際貿易(上海)有限公司」を設立した。当面、上海市などを拠点に、日系の進出企業に包装・物流のソフトとハードを提供するもので、すでに資材調達を終え、一部企業に供給を開始している。

<包材・リサイクル>

◇塩ビ(PVC)の高炉利用で共同研究

 新型ロータリーキルンを採用、塩酸と脱塩化水素樹脂に分離
- NKK、塩化ビニル環境対策協会、プラスチック処理促進協会 -
 NKK(日本鋼管・東京都)と塩化ビニル環境対策協会、プラスチック処理促進協会は、PVCを高炉利用するため、その前処理技術を共同で研究する。NKKでは現在、日本化学工業協会の依頼を受け、日本鉄鋼連盟との共同で廃プラスチックボトルの高炉利用研究を進めているが、塩ビの前処理技術が課題となっていた。塩ビが有効利用されれば、プラ系包材のリサイクル実現に向けて大きく前進することになることから、今後の成果が期待される。

<包材・リサイクル>

◇自主回収認定事業者を告示

 一升びん・ビールびんなど、飲料メーカーなど24社
- 大蔵省・厚生省・農水省・通産省 -
 大蔵省、厚生省、農水省、通産省はこのほど、包材リサイクル法(容器包装リサイクル法)の自主回収の認定を受けた事業者とその容器について告示した。今回、認定を受けたのは、回収率がおおむね90%と認められたもの。これらの容器については、再商品化のコスト負担の対象から外れることになる。認定を受けたのは1.8 リットル壜再利用事業者協議会(東京都)の会員の特定容器利用事業者とリターナブルびんを利用している酒類・飲料メーカー、生活協同組合など24の事業者。

<特集>

◇スキャンテック・ジャパン1997開催、9月17日〜19日に東京ビッグサイトで

 国内唯一の自動認識専門展示会


9月22日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇酒用に業界初の3リットルパックを採用

 女性層の共感呼ぶソフトなパッケージデザイン
- 月桂冠 -
 月桂冠(京都市)は、3リットル詰め紙パック容器を採用した「月桂冠定番酒・つき」を発売、全国出荷を開始した。3リットルの大型紙パック採用は業界初で、また、女性層を狙ったソフトな感じのパッケージデザインを施してあり、関係業界から注目が集まっている。

<包装機・関連機器>

◇オレフィン系フィルムに対応

 新型シュリンクラッパーを初公開
- ハナガタ -
 ハナガタ(富山市)は、ポリオレフィン系フィルム対応のオートマチック・シュリンクラッパー「HP−20S」を開発、9月9日から東京ビッグサイトで行われたジャパンパックで初公開した。独自のフィルム半折技術により、ポリオレフィン系の自己粘着性フィルムでシュリンク包装を可能としたもの。シール時に発煙がなく、ラップ感覚で簡単にシュリンク包装できるのが大きな特徴。
<プラスチック容器>

◇新タイプの圧空真空成形機を開発

 リンク駆動方式を採用、1サイクル2.4秒を実現
- 住友重機械工業 -
 住友重機械工業(東京都)は、同社の従来製品の駆動方式とは異なるACサーボ/リンク駆動方式を採用した新タイプの連続圧空真空成形機を開発した。ソリッド容器製品向けのもので、高速・高精度、高型締力の基本仕様に加え、操作盤の機体組み込み、ヒーター垂直退避方式採用などで機体のダウンサイズ化を実現している。リンク駆動方式の圧空真空成形機は国産機では珍しく、今後の展開が注目される。

<紙器・段ボール>

◇1〜6月の段ボール生産量対前年比103.1%に

 全体的な荷動き活発化、関東・中部・近畿で安定した伸び
- 日本段ボール工業会/全国段ボール工業組合連合会 -
 日段工と全段連は、平成9年1〜6月の段ボール生産量をまとめた。今年上半期の段ボール生産量は65億9,392万9,000u(対前年同期比103.1%)にのぼり、過去最高のペースで推移した。地区別では関東・中部・近畿の主要地区で安定した伸びを見せたほか、需要分野別では電気器具、加工食品、宅配便向けが好調に伸びている。

<フィルム・シート>

◇抗菌ラミネート包材、シリーズ第2弾を上市

199 種類の菌に効果発揮
- カメイ -
 カメイ・食料部(東京都)は、真菌、細菌・食中毒菌、カビなど、199種類もの菌に抗菌効果を発揮するラミネートフィルム包材の販売を始めた。今夏から販売を開始した「抗菌バリヤーパック」のシリーズ第2弾で、広範な菌に効果があることから注目されている。抗菌・防カビ剤は複合合成薬剤で、非接触で抗菌・防カビ効果を発揮する。日本食品分析センターでも安全性と効果が認められており、厚生省告示第20号も取得済み。

<フィルム・シート>

◇電子レンジ用フィルム袋開発

 加熱膨張で調理中の蒸らし効果を実現
- 昭和アルミニウム/サンアイ -
 昭和アルミニウム・箔事業部(東京都)とサンアイ(東京都)は、電子レンジ調理食品向けに特殊形状で蒸らし効果が高いフィルム包材「SSパック」を開発した。袋天面のガゼット状の折り込み部にガス抜き穴が開いてるもので、熱して圧力がかかると折り込み部のパートシールが剥がれるようになっており、袋の封を切らずににレンジでかけられる。両社では製袋品と巻き取りロール原反にピロー包装機のシステム供給で展開する意向。

<フィルム・シート>

◇米国グレース社の包装事業を合併

 来年の初頭をメドに年間売上25億ドル企業に
- 米国シールドエアー -
 米国シールドエアー社は来年初頭をメドに米国W.R.グレース社のパッケージング部門と合併する。シールドエアー社が12億ドルの現金出資をし、グレース社のクライオパック事業を合併する方式を取る。これによってシールドエアー社は年間売上25億ドルを超える企業となる。また、グレース社の持つ100カ国異常の販売網と食品包装事業を手に入れることになる。なお、両社の日本法人、シールドエアー・ジャパン・リミテッドとグレースジャパンに関しても新体制となるが、当面は現体制を維持していく方針。

<外装機器・資材>

◇低価格の新型パレスト包装機を上市

 最大300%の延伸が可能、プレ・ストレッチ機構も装備 
- 司化成工業 -
 司化成工業(東京都)は、低価格でプレ・ストレッチ機構を装備したパレットストレッチフィルム包装機「20LP型」を上市した。価格を260万円にまで低く設定したプレ・ストレッチ型の普及版で、最大300%のプレ・ストレッチが可能。大幅なフィルムコスト削減ができる。フィルム張力もダイヤルで調整でき、ソフトな包装を可能にしている。

<パッケージ印刷>

◇紙器用UVフレキソ印刷機の名称変更

 「プリモカートン」の名で全国展開開始
- T&K TOKA -
 T&K TOKA(東京都)は現在、日本市場での展開に力を入れているカナダのアルペコエンジニアリング社のUVフレキソ印刷加工機2機種のうち、紙器用印刷機の名称を「カートンマスター」から「プリモカートン」に変更した。日本国内の平盤打抜機に同名のものが存在し、知名度も高いことから改称したもの。樹脂版へのインキの転移が安定しており、高品質のプロセス印刷、深みのあるベタ印刷、ハイグロスなニス引きを実現している。

<シール・ラベル>

◇ラベル印刷機の国内販売を本格化

 新型凸版輪転8色機を発売、小型で高性能な機種を低価格で
- コーパックインターナショナル -
 コーパックインターナショナル(東京都)は、自社開発のラベル印刷機の国内販売を本格的化する。同社が製造元となり、王子タック販売、日本紙パルプ商事、大永紙通商の3社が総販売代理店となり、全国に販売を開始する。国内販売の先陣を切るのは新開発機の「エマノン200EL」。凸版輪転の8色機で、スクリーン、スクラッチ、UVフレキソ、さらには可変情報印刷装置も併用できる。ワンユニット2色印刷を実現した小型機だ。

<シール・ラベル>

◇7色のカラー印字が可能

 枚葉ラベルプリントシステム発売
- エムエックスマーキング -
 エムエックスマーキング(東京都)は、7色までのカラー印字が可能な枚葉ラベルプリントシステムの新製品「CR−700Ver2」の販売を開始した。PC98シリーズなどのパソコンと接続し、シート状のラベル、現品票、荷札などを発行できるもので、OCR−B相当のフォントの印字が可能なため、商品ラベルが簡単に作成できる。カラー印字は、黒、青紫、赤、赤紫、緑、黄、水色の7色。バーコードも6種類に対応できる。


9月29日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇インゲン、トマトでクロージャーラベルを採用

 裏面のレシピが主婦層に好評で、販促効果の高い
- 福島県経済連 -
 福島県経済連が、農産物包装にパンなどの結束に使われているクロージャーを採用した。クイック・ロック・ジャパン(埼玉県)のシステムを導入し、本格展開を開始したもので、ラベル付きのクロージャーをインゲンとトマトで使用。ラベルには野菜のレシピが印刷されており、「献立を考えるのに便利」と主婦層に人気を呼んでいる。同経済連ではこのラベル付きクロージャーを他の農産物にも広げる意向。

<包装機・関連機器>

◇組立箱をワンタッチで製函

 「早業ボックス」と製函機「製函楽機」を発売
- 昭和貿易 -
 昭和貿易(大阪市)は、1枚のシートから3〜5秒で簡単に農産物用ケースが組み立てられる製函機「製函楽機シリーズ」と同機用段ボールケース「早業ボックス」を、三宝、大手段ボールメーカーと共同開発した。形状が複雑なイチゴやブドウ、トマト、花などの農産物用ケースや荒巻鮭などの贈答用箱がワンタッチで製函でき、反対にワンタッチで箱をシート状に戻せる。また、「早業ボックス」は、従来の組み立て箱に比べて段ボールの使用量が10〜40%削減された設計になっているのも特徴。

<プラスチック容器>

◇シート成形でスクラップレス実現

 「ブランク・モールディング・システム」を開発
- シンワ機械/井光石油化学 -
 容器成形充填シール機メーカーのシンワ機械(埼玉県)は、トリミングロスを一切出さず、ユーザーに産業廃棄物処理コストを発生させない国内初の革新的な容器成形システムを出光石油化学(東京都)と共同開発した。新システムの名称は「ブランク・モールディング・システム」(両社で特許出願中)。容器一個分に当たる丸いメンコ状のプラスチックシート(ブランク)を材料に、それをそのまま容器に熱成形するというもので、従来のような成形後の打ち抜き工程を不要とすると同時にスクラップレスを実現した。

<その他容器>

◇紙とプラの複合容器を開発

 円筒形で強度があり、自販機販売にも対応
- 凸版印刷 -
 凸版印刷(東京都)は、紙容器とプラスチック容器の特性を組み合わせたストレートタイプの複合紙容器「JBカップ」を開発し、酒類中心の飲料用カップとして販売を開始した。缶と同様の円筒形状の容器で、強度があるため既存の自動販売機にも対応できる。また、電子レンジで加熱も可能で、常温流通や長期保存にも対応できる。バリア層は同社が独自に開発したセラミック蒸着フィルム「GLフィルム」を使用している。

<紙器・段ボール>

◇コールドグルーやインキを瞬間乾燥

 電子レンジの原理を応用、新型乾燥装置をIGASに出品
- ナカタニ -
 商社のナカタニ(東京都)は、パール工業(本社・大阪)の超高速誘電加熱乾燥装置「VHFコールドグルードライヤー」を出品する。電子レンジの原理を応用した乾燥装置で、塗布した糊やインキを瞬時に乾燥させる。印刷から包装分野など、幅広く使え、今後の展開が注目される。10月6日から東京・有明のビッグサイトで行われるIGAS(国際グラフィックアーツ総合機材展)に出品する。

<フィルム・シート>

◇テープ開封袋の新製品を発表

 自動包装機対応で効率アップ
- 東タイ -
 フィルムコンバーターの東タイ(東京都)は、テープ材を用いた易開封フィルム包材の新製品を開発した。特殊テープを引き剥がして開封するスタイルのもので、袋上部から横に開封できるようになっているのがミソ。内容物に合わせ、開封部分の大きさも自由にセットでき、ピロー包装機に対応するするため巻き取り供給方式になっているのも特徴。

<シール・ラベル>

◇高速タイプのシュリンクラベル装着機開発

 毎分1,000本以上のスピードに対応
- 日本自動精機 -
 日本自働精機(横浜市)は、需要が高まっている500mリットルをはじめとする小型PETボトル向けを主眼に、処理能力が毎分1,000本以上と高速なシュリンクラベル装着機を開発した。ターレットタイプの採用で、高速運転時でも安定稼働に必要なラベル装着時間を確保できるようになっているのが特徴。

<シール・ラベル>

◇POSチェックシールを開発

 値引き商品の“値引き忘れ”を防止
- シモクニ -
 シモクニ(札幌市)は、値引き商品に対する“値引き忘れのクレームを防止”するシール「POSチェックシール」を開発した。商品のバーコードの上に貼って使用するもので、スキャニングができなくなることから値引きシールの見落としを完全に防止できる。すでにスーパー各社で採用され始めており、「大きな効果を発揮する」と評価が高まっている。

<物流関連>

◇2次元コード用ハンディターミナルを開発

 マトリックス式としては世界初 
- デンソー -
 デンソー(愛知県)はこのほど、QRコード用ハンディターミナル「QHT−1000」を開発した。1994年に同社が開発したマトリックスタイプの2次元シンボル(コード)「QRコード」を読み取る携帯型のデータ処理機で、通常のバーコードの読み取りも可能。マトリックスタイプの2次元シンボルに対応するハンディターミナルの開発は世界で初めて。

<包材・リサイクル>

◇PETボトル、金属缶を10分の1に減容

 各専用のシュレッダーを開発、来年1月から本格展開
- 明星金属工業所 -
 明星金属工業所(大阪府)はこのほど、PETボトル専用のシュレッダー「ペット・パララ(2000タイプ)」と空き缶用シュレッダー「環美缶」を開発、来年1月から販売を開始する。「ペット・パララ」は1.5〜2.0リットルのPETボトルを1個当たり約20秒で幅10oのフレーク状に細断し約10分の1まで減容する。「環美缶」は、500mリットルまでのスチール缶とアルミ缶を自動選別し、1個当たり約15秒で幅10oのフレーク状にする。

<包材・リサイクル>

◇ガラス、PETボトル、紙容器などの飲料容器のLCAを調査

 環境負荷を計算・表示し、報告書としてまとめる
- 環境庁 -
<クリーンアップ関連>

◇キトサン含浸の抗菌シート急上昇

 菌の繁殖抑制のほか、ドリップ吸収効果も抜群
- ネクスタ -
 ネクスタ(大阪市)は、キトサンを不織布に含浸させた抗菌効果を持たせた一般消費者向けの抗菌シートを展開し、注目を集めている。発売から4カ月で、肉、魚、野菜など、生鮮食品分野で需要が急伸している。菌の繁殖を抑制できるとともに、ドリップ吸収効果もあることから、業務向けでも今後の展開が期待されている。

<特集>

◇IGAS'97、10月6日〜10日に東京ビッグサイトで開催

 印刷から紙器・紙工機などを網羅

<特集>

◇北陸地区包装産業特集

 市場・製品開発で需要開拓へ


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