包装タイムス・バックナンバー“1998年7月度”


7月6日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇包装・物流分野に本格参入

 韓国製インパルスシーラー発売
- 山善 -
機械工具・住設建材大手の山善(大阪市)は、韓国製卓上式および足踏式インパルスシーラー「 SUPER・SEALER(スーパー・シーラー)」の輸入販売を開始し、包装・物流分野に本格参入した。同機は、品質・安全性、コスト、デザイン性に優れたシール機として、食品や工業分野での展開が期待される。

<紙器・段ボール>

◇小型レーザー加工機を発表

 コンパクト設計で高精度/シール・ラベル抜き型分野を狙いに
- レザック -
 レザック(大阪府)は、省スペースで設置できるコンパクト設計の小型レーザー加工機「マスターレーザーML-240」を開発、発表した。サンプルカッター機上にレーザー発振装置を搭載したスタイルの加工機で、 240ワットの出力を持つ。従来のレーザー加工機と比較にならないほど小型で、扱いやすいことから今後の展開が注目される。

<紙器・段ボール>

◇旭マシナリーに資本参加

 27.3%取得し筆頭株主に
- レンゴー -
 レンゴー(東京都)は、平盤打抜機メーカーの旭マシナリー(大阪府)の公募増資( 220万株)に応じ、同社の株式を 120万株取得したと発表。レンゴーの持株比率は27.3%で、旭マシナリーの筆頭株主になった。「関連装置メーカーへの資本参加で関係が緊密化され、グループの生産性と技術向上に生かせるなど、メリットは大きい」(レンゴー)。

<フィルム・軟包装>

◇小ロット短納期の軟包材を開発

 最小 500mから受注対応/低コスト化、省資源にも期待
- 日本セロンパック/ジョーメイ -
 日本セロンパック・新潟事業部(新潟県)とジョーメイ(新潟県)は、最小 500m巻きからの小ロット・短納期ニーズに対応する軟包材を共同開発。有機溶剤を使わず環境面にも配慮しているほか、細かい文字の再現性も良好。迅速な納期ニーズにも対応し、同等数量の従来品に比べコスト競争力にも優れる。また加工段階でのロス低減も図れるなど、トータル的な省資源化もポイント。材質的にはオレフィン系主体だが、将来的には PETやナイロンも視野に。

<フィルム・軟包装>

◇水性ドライラミネーターを設置

 軟衛協認定の伊賀工場で稼働
- ヤマガタグラビヤ -
ヤマガタグラビヤ(大阪府)は、水性接着剤対応の水性ドライラミネーターを三重県の伊賀工場に設置し、本格稼働を開始。医薬品、食品分野の需要が増加するなか、包材の安全性、衛生面、作業環境の改善の一環として溶剤を使用しない 100%水性化の機種導入に踏み切ったもの。同工場は、今年 2月に「軟包装衛生協議会認定工場」にも登録されている。

<外装機器・資材>

◇ギリシャの「ネットフィルム」を国内販売

 農産物パレット輸送用に/'98 信州パックで初公開
- 伊藤忠産機 -
伊藤忠産機(東京都)は、ギリシャのメガ・プラスト社の農産物パレット輸送用資材「ネットフィルム」の国内販売に向け、実施試験を開始した。PEフィルムを延伸させた後に、抜き型で有孔加工を施した製品で、フィルム内側に水滴が付着せず、内容物の鮮度を維持する。 7月 9日から長野市で開催される「'98 信州パック」で国内初公開される。

<シール・ラベル>

◇見切りラベルを自在に発行

 レジの値引き忘れクレームを解消
- イシダ -
イシダ(京都府)は、スーパーマーケットなどのレジでの値引き忘れを無くしクレームを解消する見切りラベルプリンター「見切り千両」を発売した。元価格のバーコードをスキャニングし見切り価格を入力すると、「○○円引き」という POP表示と見切り価格のバーコードの付いた新しいラベルを発行。これを元ラベルの上に貼れば、レジの値引き忘れが完全に解消できる。

<環境・包材リサイクル>

◇PS容器の安全性に新事実

 SD、STに内分泌かく乱作用なし/自主実験の結果を公表
グ日本即席食品工業協会(安藤宏基理事長)は、環境ホルモン疑惑リストに挙げられているスチレンダイマー(=SD)、ストレントリマー(=ST)に「内分泌かく乱作用は認められない」とする自主実験の結果を報告。巷間騒がれているカップめんの安全性議論に終止符を打つ考え。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトルの引き取り実績は14 00t

 97年度の事業報告をまとめる
- 日本容器包装リサイクル協会 -
日本容器包装リサイクル協会(稲葉耕作理事長)は97年度、PET ボトルの引き取り実績が、市町村からの引き取り予定量の98.6%(14,000t)に達したと報告。一方でガラスびんは、65.2%の14万8,000tにとどまった。

<HACCP関連>

◇虫の飛来防止、照度アップ

 蛍光ランプ用チューブ開発
- ユーテックス -
ユーテックス(大阪府)は、昆虫捕獲装置に続く環境改善基材の第 2弾として、虫を寄せつけず照度をアップさせる蛍光ランプ専用チューブ「ハイルクス」を開発、販売を開始した。既設の蛍光ランプにかぶせるだけで近紫外線をカットし、虫を寄せつけず照度を25〜50%アップさせることができる。

<包材流通>

◇大手量販店向けの受注拡大

 三越・博多店への資材一括供給も決定
- イーダ -
イーダ(東京都)はこのほど、三越・博多店から包材を含めた消費資材の一括供給業務を受注した。同社は昨年、高島屋や西武百貨店、ジャスコ、ダイエーなどの大手量販店からの受注獲得にも成功しているが、すそ野拡大のスピードは、ここにきて一挙に加速度を増している。扱う商品は、包装紙やレジ袋、ショッピングバッグのほか、文房具やエプロン、店内装飾品など多品種。

<長野県包装産業特集/信州パック '98信州特集>

◇低調な中にも活力ある展開

 エムウェーブで 7月 9日から
長野県内経済はオリンピック閉幕後、確かに状況は厳しいものの、食品業界、小売流通業界ともまだまだ活力ある動きが随所に見られ、包装産業界も低調ななりに着実な展開を見せている。こうした中、県内で最大の包装イベント「信州パック '98」(日報主催・信濃毎日新聞社後援)が、いよいよ 7月 9〜11日の 3日間、長野市オリンピック記念アリーナ「エムウェーブ」で開催される。


7月13日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇高透明性と耐衝撃性を両立

 自社開発の新PSシート/成形加工品で市場に投入
- ムツミ産業 -
ムツミ産業(神戸市)は、既存の透明PSシートに比べ透明性と耐衝撃性の両面に優れる新たなPSシート「PSC-M2シート」を開発した。PSシートの課題だった低温衝撃の改善、深絞り成形への対応も実現。耐熱性にも優れるため変形が起こりにくく、ヒンジ強度もあり、接着性や熱接着性、折り曲げ、超音波接着などの二次加工適正にも適している。

<シート・プラスチック容器>

◇タブ押し込むだけで簡単開封

 新型アルミ缶容器を発売
- 中京医薬品 -
 中京医薬品(名古屋市)は、注ぎ口面の中央部を押すだけで簡単開封できる新タブシステム「タッチトップエンド式」採用のアルミ缶容器を発売した。同システムは米ボールコーポレーション社が開発したもので、飲料缶で現在一般的に採用されているステイオンタブ方式に比べて容易に開封できることから関係者の評価も高い。同社では、飲料分野はもとよりシャンプー、洗剤分野などの詰め替え容器としても積極的に売り込む。

<フィルム・軟包装>

◇英の開封テープを輸入発売

 両面シールで真空包装に対応
- ドッドウェルマーケティング -
 ドッドウェルマーケティング(東京都)は、英 P.P.PAYNE社が密封包装用に開発した両面シールタイプのオープニングテープ「 VAKTAPE(バックテープ)」を発売した。チーズやベーコン、冷凍肉などの密封包装用で、ハサミやナイフを使わずに簡単に開封が可能。熱活性タイプの特殊な接着剤がコーティングされており、密封性が高く食品の鮮度保持効果が高い。

<フィルム・軟包装>

◇古紙入りポリ袋を製造/栃木県に工場を建設

 燃焼時のカロリーを低減
- JR東日本 -
 JR東日本(東京都)は、古紙を混入したフィルムとポリ袋の製造工場を栃木県内に建設、今年 9月から本格生産を開始する。ポリ袋は環境クリエイト(東京都)と共同で開発したもので、燃焼時のカロリー、残灰量ともに少ないことから自治体からの問い合わせも多く、今後自治体を中心に同ポリ袋が広がりそうだ。

<フィルム・軟包装>

◇注ぎ口月袋を規格化

 水の需要狙い大型サイズ揃え
- メイワパックス -
メイワパックス(大阪府)は、注ぎ口を備えたフィルム袋「リップパック」を展開しているが、新たに 500、1,500 、2,000mlの大型サイズ規格品をアイテムに追加した。中身製品に合わせて注ぎ口の形状もストロー式、キャップ付きなどが揃えられている。手始めにミネラルウォーターの詰め替え用途向けに拡販を図る意向で、空の PETボトルに直接詰め替えて再利用するといった製品提案をユーザーに訴求していく。

<外装機器・資材>

◇“紙で綴じるホチキス”の透明タイプを新発売

 食品用途への展開にも期待
- 桜井 -
桜井(東京都)は、“紙で綴じるホチキス”として注目を集めているペーパーファスナー「ニューエスカルゴ」で、中の機構が見える透明タイプを新発売した。綴じる仕組みが見たいというユーザーの声に応えたもので、インテリア用品としても置けるポップなデザインが特徴。同方式の食品用途への応用にも期待が高まる。

<物流関連>

◇「三輪式トランサー」を5年ぶりにフルモデルチェンジ

 「プラッター座乗タイプ」も8年ぶりに
- 日本輸送機 -
日本輸送機(京都府)は、三輪式カウンターバランス型バッテリーフォークリフト「三輪式トランサー(1〜1.75t)」4機種を5年ぶりに、リーチ型バッテリーフォークリフトを「プラッター座乗タイプ(1.5 〜2.3t)」を8年ぶりに、それぞれフルモデルチェンジ。三輪式トランサーは6月12日から、プラッター座乗タイプは同18日から全国販売を開始した。

<環境・包材リサイクル>

◇環境ホルモンで国際シンポジウム

 世界の研究者が現状を紹介
- 日本食品化学学会 -
日本食品化学学会は 6月29、30日の両日、東京・渋谷区の国連大学で「内分泌攪乱化学物質をめぐる生活と食の安全についての国際シンポジウム」を行った。今、盛んにマスコミをにぎわせている“環境ホルモン”(内分泌攪乱化学物質)だが、その実態についてはあまりよく知られておらず、同シンポジウムは環境ホルモンに関する現状を把握する上では、非常に有意義なものとなった。

<環境・包材リサイクル>

◇塩ビ系包材を全面切り替え

 2000年までに塩素系から脱却/シュリンク包装は年内にも
- 明治製菓 -
明治製菓(東京都)は、同社のシュリンク包装に現在使われている塩ビ系包材を、今年中に全面的に他素材に切り替える。ダイオキシン問題に対応したもので、ポリエステルか延伸ポリスチレンに変更。また、現在使用しているPVDCフィルムをはじめ、PVDCコーティングの包材についても PVAコートの OPPや透明蒸着のPSフィルムへの変更を進めており、2000年までに塩素系包材からの完全脱却を図る方針。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトル収集達成/97年度実績まとまる

 再商品化率は90%にとどまる
厚生省の調査によると、容器包装リサイクル法に基づく1997年度の PETボトルの分別収集量は、収集見込み量の 100.9%と計画をわずかに上回る結果となった。一方、再商品化率は90.5%にとどまり、 1割近くがまだ再商品化事業者に引き渡されていない。分別収集量では、紙パックが見込み量の28.9%と計画を大幅に下回っている。

<環境・包材リサイクル>

◇「PSに環境ホルモン作用なし」

 厚生省検討会が再確認
厚生省の内分泌攪乱科学物質(環境ホルモン)の健康影響に関する検討会で、ポリスチレン(PS)に環境ホルモン作用がないことを改めて確認した。7月1日に開かれた会合で、日清食品中央研究所や日本スチレン工業会がオランダの中立的な試験機関「TNO」に依頼していたPSの環境ホルモン作用の試験結果を紹介し、検討をの結果エストロゲン性がないことを確認したもの。

<HACCP関連>

◇HACCP手法支援法が施行

 7月1日から5年の時限立法で
- 農水省/厚生省 -
「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(略称= HACCP手法支援法)が7月1日に施行された。 5年間の臨時措置法で、食品の製造過程における管理の高度化を図るための施設整備を促進し、総合的に支援するのが狙い。一昨年夏以来の O-157をはじめとする食中毒の大量発生を背景に、食品の安全性の向上と品質管理の徹底を求める社会的要請が強まっているだけに、支援法施行は HACCP手法の導入・定着を加速させそうだ。

<21世紀のニューリーダーK>

◇“田村ブランド”全国へ

 「やりたい仕事で会社に貢献」がモットー
────田村機械工業代表取締役社長・茶屋誠一氏

<記者の眼>

◇過当競争の IJP業界/成長市場にもかげり

 熱望される団体づくり

<中国地区包装産業特集>

◇需要回復へ高まる意欲

 21世紀へ事業革新
低迷する日本経済の中にあっても、中国地区(岡山・広島・山口・島根・鳥取)、特に山陰などでは関東・関西圏ほどの落ち込みはないように見受けられる。先に開通した明石海峡大橋や、来年開通の尾道−今治ルート「しまなみ海道」、山陰と山陽を結ぶ高速道路網の整備などにより、流通時間が大幅に短縮され、産業の活性化を促進している。コンピューター革命や容器包装リサイクル法の「その他プラスチック」適用など包装産業が大きな転換期を迎えるにあたって、同地区の包装と地場産業の動きを追う。


7月20日号ダイジェストニュース

<緊急キャンペーン>

◇“環境ホルモン”報道を斬る!

 「報道被害」拡大に終止符
センセーショナルな週刊誌の見出しやテレビの映像など、読者や視聴者のヒステリックな反応を期待する手法を使った“環境ホルモン”(内分泌攪乱物質)問題に対するマスコミの偏向報道に、良識ある人々の怒りは最頂点に達している。オランダの中立的な研究機関の TNOと日清食品・中央研究所が先ごろ発表した試験結果では、発泡スチレン容器における“環境ホルモン”作用をともに「シロ」と判定し、厚生省もこれを確認した。ところがこれを「クロ」と断定した報道をそれまで重ねてきたマスコミによって、ポリスチレン原料・シート製造業から発泡スチレン容器製造業・販社、さらにはカップめん業界も相当な経営的損害と金銭的には表現できない精神的被害を受けてきた。これはまさに「報道被害」であり、業界はマスコミにそれ相応の謝罪を求めるべきだろう。本紙「特別取材班」では、これ以上「報道被害」が広がらないためにも、発泡スチレン容器と環境ホルモン問題に一応の区切りをつけることにした。

<ユーザー>

◇環境ホルモン測定機器発売

 日本国内で独占販売を開始
- 宝酒造 -
 宝酒造(京都市)のバイオ事業部門は、環境ホルモンのレセプター結合測定システム「蛍光偏光度測定装置フルレンジ・ビーコン2000」と米国パンベラ社の測定試薬キット「拮抗物質スクリーニング試薬キット」の国内独占販売を開始。ホルモンかく乱物質がエストロゲンレセプターと反応するかを、放射性物質で測定できる。

<ユーザー>

◇PTP素材のモノ化で先駆

 リサイクル促進図り両面PPに/一般向け錠剤で昨年から採用
- エーザイ -
 エーザイ(東京都)は、昨年から OTC医薬品の「サクロンQ」の PTP包装で、ポケット部分と蓋部分ともPP素材に切り替えている。蓋材は独BPケミカル社の「PPリッド」で、ポケット材は出光石油化学の「ピュアレイ」。包材コンバーターの藤森工業が「PPmonoブリスター」の名称で納めている。エーザイは採用にあたり、ポケット材の形状などを改良している。

<包装機・関連機器>

◇そうめん業界に今月末から納入

 金検機を400台受注
- 日本セメント -
 日本セメント(東京都)はこのほど、そうめんや乾めん専用の金属検出機を乾めん大手の揖保の糸を通して 400台受注した。PL法の施行や HACCPシステムの導入機運などを背景に、そうめん業界でも品質管理の見直しが行われていることが今回の受注につながった。今月末から納入を開始し、来年 2月ごろをメドに完納する予定。

<包装機・関連機器>

◇手作業を大幅に改善

 フィルム袋用計数・供給機
- 東洋特殊工業 -
東洋特殊工業(大阪市)は、ポリ袋などフィルム袋用高速計数・オートフィーダー「AFC-500型」を開発した。薄物から厚物までのフィルム袋を高速でカウントし結束機に供給する装置で、これまで手作業で行っていた計数工程を自動化できることから、すでに大手製袋加工メーカーなどから引き合いが相次いでいる。標準価格 185万円。

<紙器・段ボール>

◇食品の臭いをシャットアウト

 テイクアウト市場用紙容器発売/電子レンジにも対応可能
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、臭いの気になる食品の消臭機能を付加した「ア・ラ・カルトン、デオシャス」を発売。興人との共同開発で、耐水、耐油、吸水、吸油の基本機能も備えている。樹脂フィルムを全く使用せず、パルプに消臭成分を固定化させた機能性セルロースと耐水・耐油パルプ層、吸水、吸油パルプ層から構成される。テイクアウト市場に初年度3億円の販売を見込む。

<紙器・段ボール>

◇新型自動落丁システムを販売

 積み替え不要の画期的装置
- レザック -
レザック(大阪府)は、打ち抜いた用紙積み替えが不要の自動落丁機「オートクリーン AC-1000」を開発した。 CADデータをオンラインで使い、高精度・高品質を維持しながら自動的に落丁を行う。セットアップ時間が不要で製品を傷付けずにカス取りを行うほか、紙粉も除去する。カウンターのセットで、指定枚数ごとに合紙が供給される。

<外装関連>

◇エア緩衝材を現場製造

 低価格の製造装置を発売
- 成光産業 -
成光産業(東京都)は、エア緩衝材を必要な分量だけ直ちに製造できる「エアレディ」を発売した。同製造装置の導入で緩衝材の外部調達が不要となるほか、保管もプラスチックフィルムだけとなるためコスト削減と省スペース化が図れる。定価が98万円と低価格で、ユーザーも導入に踏み切りやすいことから今後の需要急増が予測される。

<包材流通>

◇段ボール分野の受注拡大狙う

 グループ企業の取引を統合
- 三菱商事パッケージング -
三菱商事パッケージング(東京都)は、段ボール原紙および段ボール製品に関わる三菱グループ企業の取引を統合し、原材料から製品までの取扱を一体化させた企画提案で受注拡大を図る。取引統合では、新東亜交易や三菱製紙販売の取引が統合され、同社の段ボール分野の売上高は400億円以上となる見込み。

<暑中特集号 1>

◇包装産業・関連産業統計

 最新データを一挙掲載
包装産業は周知の通り、極めて幅広い業界・分野で構成されている。素材から関連する機械業界まで、それぞれが独自の展開をしながら複雑に絡み合ってい巨大な「包装産業」を成しているわけだ。よく「包装業界の規模は」と質問されるが、以上のような事情で一口に答えられない場合が多い。ここでは、包装産業の各団体がまとめている「生産実績」や「出荷実績」の内、最新のデータを収集・紹介することで、包装産業界の規模を推し量るとともに、今年に入っての動きを知る一助としたい。

◇イージークッキング NOW

 多様化時代の簡便ニーズ対応
日本国民 1億3,000万人の生活において、最も身近なテーマの 1つでもある“食”。この消費動向からニーズ、供給システムまで、昨今はさまざまな要因から新たな局面を迎えている印象も強い。何よりライフスタイルの著しい変化が、これら“食”を取り巻く状況に与えた影響は計り知れなく大きいが、別の見方をすれば“食”そのものを進化が、人々のライフスタイルに何らかの形で影響を与えているとも考えられないだろうか。つまりは国民のライフスタイルと“食”の関係も、二人三脚で今日に至ったという視点だ─────。

◇「記者の眼」

 賛成・反対!!多くの反響得る/様々なテーマを独自の視点で
「包装タイムス」が今年の年初から連載している「記者の眼」は、包装産業界の抱える様々な問題、課題を担当記者の視点でとらえた独自企画としてスタートした。連載をはじめてすぐに、多くの読者から賛同と励まし、あるいは反論、反対意見が寄せられ、それは半年経た現在も続いている。大きな反響を得られたことで、情報の伝達だけでなく立体的な紙面造りに少しでも領域を広げられたのではと編集部では意を強くしている。───今年前半に掲載した「記者の眼」をまとめて紹介。


7月27日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇コーヒーで初の真空パック

 袋入りインスタントで8月から
- AGF-
味の素ゼネラルフーズ(東京都)は8月21日、真空パックのフィルム袋に入ったインスタントコーヒー「アロマイン」を新発売する。中身の鮮度を高く維持するのが狙い。コーヒー分野でフィルム袋に真空パックを採用するのは世界初とされる。また同社が開発の「アロマクリップ」で、開封後も空気や湿気を追い出し、新鮮な香りを逃さない。既存の真空パック設備を利用し今回、新製品の製造体制を整えた。

<ユーザー>

◇2重構造の断熱紙容器採用

 ホットヌードルの新製品で
- 東洋水産 -
 東洋水産(東京都)は、2重構造の断熱紙カップ容器を採用した縦型カップめん「マルちゃんホットヌードルしょうゆ」と「同はましお」を8月から全国展開する。中身をはじめ容器も一新。容器のデザインも印刷適性に優れた紙素材の特性を最大限に活かし、ブランドロゴが店頭で大きく目立つようにレイアウトされている。

<包装機・関連機器>

◇豆腐事業で関東へ進出

 御殿場に生産工場建設/ HACCP準拠の新鋭設備
- 四国化工機 -
 四国化工機(徳島県)は、豆腐事業で関東に本格進出する。静岡県御殿場市に同社3番目の食品工場を竣工、本格稼働に入った。販売子会社さとの雪食品(徳島県)が西日本を中心に供給している豆腐ブランド「さとの雪」のナショナルブランド化を目指す。新工場は設計段階からHACCP思想を採り入れ、高度な品質管理体制を構築。将来的には商品開発および充填・包装機の開発センターにも活用したい考え。

<シート・プラスチック容器>

◇金属ベルトでシートを加熱

 新型圧空真空成形機を上市
- 大鳥機工 -
 大鳥機工(東京都)は、プラスチックシートの加熱方式に金属ベルトを応用した圧空成形機「 BPFシリーズ」のテスト作業を完了、本格展開に乗り出した。加熱されたシートの移動がベルト上で行われるため、あらかじめ印刷されたシートの高精度成形が可能で、広幅シートやドローダウンしやすいシートの成形が容易になっている。

<その他容器>

◇小型リターナブルびんの生産へ

 大手麦酒メーカーから受注
- 石塚硝子 -
石塚硝子(名古屋市)は、小型リターナブルびん生産に向けた専用金型の準備を整えた。好調な売れ行きを見せる大手ビールメーカーの小型リターナブルびん入り商品に対応するためで、今秋から年末にかけての製品出荷分の生産に対応する予定。

<フィルム・軟包装>

◇「アクリルコートOPP」を発売

 オーバーラップ用にPVDCコート代替で/優れる低温ヒートシール性
- 東セロ -
東セロ(東京都)は、菓子やカセットテープなどのオーバーラップ用に、優れた低温ヒートシール性のフィルム「アクリルコートOPP」を発売した。ガスバリア性に優れる「A-OP」に続くPVDCコート代替の第2弾。ユーザー数社のテストに合格し、和菓子で採用が決まっている。初年度10万連(5,000万m2)の売上を目指す。

<フィルム・軟包装>

◇透明蒸着ナイロン開発

 PVDCコート品代替が狙い/加工条件の最適化必要な用途も
- 東洋メタライジング -
東洋メタライジング(東京都)は、PVDCコート品代替狙いで、ナイロンフィルムベースの透明蒸着フィルム「 ON-バリアロックス」を開発した。蒸着源は完全無色透明のアルミナ(=酸化アルミ)で、ベースフィルムと同等の光線透過率を有する。ナイロンは水分の影響を受けやすいため、これまで蒸着は困難とされたが、独自技術で商品化に成功したもの。

<樹脂原料>

◇高圧法メタロセンPEの本格生産を開始

 押出ラミ中心に数千tの販売実績踏まえ
- 日本ポリケム -
日本ポリケム(東京都)は岡山・水島の高圧PEプラント 1系列(45,000t/年)の設備転換での高圧法メタロセンPE「カーネル」の本格的な営業生産を開始し、押出ラミ、インフレ、 Tダイ用など14グレードを上市した。これに伴い、輸入販売は取りやめ、国産品販売に全面的に切り換える。「カーネル」は三菱化学の高圧法PE重合技術に米国エクソンケミカル社開発のメタロセン触媒を導入し共同開発した低密度ポリエチレン。

<物流関連>

◇高速包装対応のパレスト機

 伊ロボパック社から輸入
- 成光産業 -
成光産業(東京都)は、イタリア・ロボパックシステム社と代理店契約を結び、同社が開発した貨物固定式ストラドル型パレットストレッチ包装機「ジェニシス」を発売。同機は昇降するリングを回転させてチェーンコンベア上の貨物にフィルムを巻き付けるもので、ターンテーブル方式に比べ高速化と省エネルギー化が図れる。

<プラスチック系緩衝材>

◇生鮮輸送用気泡フィルム

 商品名は「エア・フレッシュ」
- 宇部興産 -
宇部興産(東京都)は、同社の気泡入りフィルムシート「エアーキャップ」とアルミ蒸着フィルムを複合化した鮮度保持輸送用シート「エア・フレッシュ」を商品化、本格展開を始めた。従来、住宅・建築資材用途で展開してきたアルミ蒸着タイプの断熱効果を鮮度保持輸送用途に応用したもの。温度管理の異なる生鮮品を1つの容器で配送することができることから、輸配送・保管時の容器数を削減することができる。

<物流関連>

◇「共用送り状案」を開発

 貨物追跡情報取得も実現/来年1〜 2月に実証実験
- 全日本トラック協会 -
全日本トラック協会は、宅配を除く特積みトラック運送事業で、荷送人、元請け運送業者、荷受人との各事業者間で共通して使用可能な送り状となる「共用送り状案」を開発。来年1月中旬から2月中旬にかけ実証試験を実施する。この実用化で、荷主の送り状発行負担が軽減され、中継運送時の送り状の再起票・誤記入の解消にもなるという。

<環境・包材リサイクル>

◇再生PP使用の多層ボトル

 独自の成形技術で商品化/物性などバージン品と同等
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、ボトルの中間層に再生PP使用の多層ボトル成形に成功し、販売を開始した。すでに資生堂が今秋から発売の新男性整髪料で採用が決定している。使用する再生PPは使用済み食品トレーから作った再生ペレットで、再生材料使用率は20%。多層ボトルはバージンPP/ 再生PP/ バージンPPの3層構成。外観や物性などは従来品と変わらず、成形スピードも従来と同じ。

<環境・包材リサイクル>

◇廃ガラス60%利用の住宅外装床用タイルを発売

 製造時のCO2発生量を削減
- TOTO-
TOTO(北九州市)は、廃ガラス60%利用の住宅外装床用タイル「レガ・ジニオ」を発売した。廃ガラスは原料コストは高いが、通常のタイルに比べ1,000℃と低い温度で焼成でき、CO2 発生量を25%削減できる。このためコスト削減も可能で、他のタイルにも廃ガラスの利用を展開していく考え。

<「98東京パック」開催へ>

◇10月1 〜 5日の 5日間、東京ビッグサイトで

 531社、3,207小間の規模に
来る10月 1〜 5日の5日間、東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)の東、西ホール1階全会場を使用し、わが国包装産業界最大にイベント「98東京国際包装展──東京パック98」が開催される。7月1日現在で 531社、3,207小間の出展が予定されている。

<97年米国の包装機械市場>

◇世界最大の包装需要国

 約9,450億円のマーケット
「米国の包装関連需要は、年間約14兆1,000 億円を超えている。全世界の包装需要は現在、およそ58兆5,150億円と推定されることから、米国はそのほぼ 1/4 を占める世界最大の需要国となっている。このうち包装機械とその部品の需要は、国産品・輸入品を合計するとその市場規模は約9,447億円に達する。

<記者の眼>

◇“やさしい”を考える

 軽はずみは連発はやめよう

<暑中特集 2>

◇容器包装リサイクル法本格実施まであと1年半に

 リサイクル対応迫られる業界
容器包装リサイクル法の本格実施を1年半後に控え包装ユーザーは、今後負担することになるリサイクル費用の低減に頭を悩ませているようだ。包材メーカーとしても法律に対応できる包材の開発が急務。だが、プラスチックや紙製包材の再商品化用途がどうなるのかが、今年 6月までにずれ込んだために、各社は具体的な対応ができなかったのも現実だ。

◇高齢者の立場で考える!バリアフリーレポート

 キーワードは60歳以上の7割が白内障
男女の性別を問わず、健康な人でも避けられないのは年を重ねること、つまり誰もが老いるということだ。老いていくことにより身体的機能も衰える。高齢者が緩慢な動きになるのも筋力が衰えるからだ。耳も遠くなり、視力も低下するだけでなく周りが夕焼けの空の下にいるような状態に見える白内障の症状もおきる。こうした身体的機能が衰えた高齢者の状態を本紙編集部員が疑似体験し、各種パッケージの表示が見やすいか、開封しやすいかなどを検証した。

◇“インターネット包装 NOW”

 新時代メディアに高まる注目度/アプローチの機運にも勢い
ここ数年で急速な話題の盛り上がりと普及を見せる新時代のメディア“インターネット”に対し、包装産業からのアプローチもいよいよ加速度を増してきた感が強い。ここでは、インターネット上にホームページを開設する包装企業から数社ピックアップするほか、各社アドレス一覧、またインターネットに対する弊社の取り組みなどを紹介する。

◇包装タイムス上半期ニューストップ10

 製品開発の鍵は“環境”
今年1〜 6月の本紙「包装タイムス」の紙面を振り返って、月毎に話題を呼んだり影響の大きかったニュースを厳選して「トップ10」形式でまとめた。これを見るとまず、何となく厄介と見られがちな「環境」対応テーマのニュースに、特に注目すべき技術・製品開発が多いことに気づく。続いて、長期化する不況を乗り越えようという、包装企業の様々な動き(合併、吸収、倒産も含めて)が今年は顕著に見られた。


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