包装タイムス・バックナンバー“1999年6月度”




6月 7日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇清涼飲料水「ビックル」で
PETボトルタイプを新発売/びんとの併売で顧客層拡大狙う

- サントリー -
サントリー(大阪市)は、ビフィズス菌の働きを活性化するといわれるキシロオリゴ糖入りの清涼飲料水「ビックル」で、従来の280ml入りびんタイプに加え、内容量を70ml増量した280ml入りのPETボトルタイプを5月21日から発売した。容器が軽いうえ、再びふたをして数回に分けて飲めるなど一般消費者の利便性を配慮したもので、同社ではびんタイプは自動販売機ルート、PETボトルタイプはコンビニなどの店頭販売ルートで併売していく。



<ユーザー>
◇再生PEボトルを利用  
エコロジー化粧品を発売

- ドクターエルウィン -
ドクターエルウィン(東京都)は、このほど発売した「スキンエコロジー」という化粧品シリーズに、再生ポリエチレン(PE)素材を利用したボトルを採用した。販促のパンフレットにも再生紙を利用するなど、環境に配慮した製品を展開している。今回採用したボトルは、竹本容器(東京都)が展開している「ラバロン」。内面に再生PEを、外面にエラストマーを利用したものだ。大手化粧品メーカーなどで採用されているという。



<シート・プラスチック容器>
◇レンジ対応容器用シートの展開強化
成形加工用の土地を鹿沼に取得

- JSP -
JSP(東京都)は、耐熱性などに優れる高機能食品包材の加工展開を加速する。コンビニ需要を中心に、電子レンジ対応容器向け積層PSPシートが売上げを伸ばしているためで、同シートの成形加工品の生産体制を強化する狙いから、すでに栃木県鹿沼市に総額約5億円を投じ土地・建屋を取得。同社の成形加工子会社、KPの第三工場として、今秋から稼働に入る。



<フィルム・軟包装>
◇有孔フィルムの代替製品開発
高透湿フィルムベースの食品発酵用/納豆包材で需要拡大の可能性

- 日本パック -
日本パック(仙台市)は、カップ入り納豆の製造で従来トップシール材に活用されてきた有孔フィルムに代わるものとして、透明タイプと乳白色タイプの異なる2タイプの高透湿性特殊フィルムをベースに、それぞれ有孔フィルムをラミネート加工したものと適度な非通気性コーティング加工を施したものの、合計4種類の食品発酵用フィルムを新たに開発した。



<パッケージ印刷>
◇新型製版用フィルムを開発
インクジェットプロッターでシャープに描画/低価格・高精度を実現

- 三菱樹脂 -
三菱樹脂のフィルム包材事業部(東京都)は、新型の製版用ネガフィルムを開発した。現在、まだ試販の段階だが、低コスト、短納期に対応できるものとしてフレキソ、シルクスクリーンの印刷・製版業界から早くも注目を集めている。



<シール・ラベル>
◇北海道初水なしオフ輪導入
昭和レーベルが8色機で

- 岩崎鉄工 -
岩崎鉄工(東京営業所=東京都)は、水なしオフセット輪転機「TR25F」を昭和レーベル印刷工業(札幌市)に納入した。同社が水なしタイプのオフセット輪転機を納めるのは北海道では初めて。TR25Fは、省スペースでハイグレードな印刷機として90年代初めに同社が開発したもの。これまでに約300台の納入実績があり、特に輸出向けで3分の1以上の実績を誇る。輸出先はフランスなどのEUや南米で、ワイン用のラベル印刷機として高く評価されている。



<シール・ラベル>
◇三井物産、米・E社と共同で
最大約40億の識別が可能

- リンテック -
近未来の“ポストバーコード”が登場した。リンテック(電子デバイス事業部=東京都)が三井物産(東京都)と米・E-code社との3社で開発した、最大約40億まで識別できるRF-ID(無線認識)タグ「E-codeRF-IDタグ」がそれ。同タグは通信距離が3mであれば無線認識できるというもの。しかも「無指向性」、つまり360°の方向から無線により認識できることから、同タグを持つ人間や同タグを貼られた荷物を確実に認識できる。また、複数枚を重ねても同時認識できるのも重要な特徴でもある。



<物流関連>
◇在庫から情報・物流一致を実現
機能選べる在庫管理機発売/サプラチェーンでの総合管理も可能に

- 日本輸送機 -
日本輸送機(滋賀県)は、ニチユ自動倉庫「キャスパックシリーズ」との連動により、入出庫の自動化とリアルタイムの在庫管理を行い、モノの流れと情報の一致化を実現する新タイプの在庫管理機「NSC-200W」を開発し、5月17日からニチユ販売代理店を通じて全国販売を開始した。消費者ニーズが多品種・多様化の時代を迎え、商品の保管・搬送を中心とする物流システムの中でも、これら工程における情報管理は企業戦略の中で重要な位置を占めている。まして、ここにきて俄然注目の的となっているキャッシュフロー経営においては、適正在庫のノウハウの確立が大きな意味を持つことから、同機の需要が一挙に膨らむ可能性もある。



<物流関連>
◇全体最適化の情報システム構築を促進
「情報化推進会議」を設立

- JILS -
日本ロジスティクスシステム協会(=JILS、佐藤文夫会長)は5月27日、ロジスティクス情報システムのグランドデザインの策定と、サプライチェーン(製品供給の企業間のつながり)を支える情報インフラ構築に向けての課題抽出から解決策の提案、およびその実現を目指す具体的な動きとして、5月21日付で「ロジスティクス情報化推進会議(CLIP=Conference on logistics Information Promotion)」を設立し、第1回目の会議を開催したと発表した。



<環境・包材リサイクル>
◇グリーン購入大賞決まる
富士ゼロックスに大賞、山形日本電気に準大賞が授与

- GPN -
グリーン購入ネットワーク(GPN=東京都)はこのほど、第2回「グリーン購入大賞」の最終審査結果を発表した。5月21日に行われた最終審査で、大賞に富士ゼロックス(本社・東京都)、準大賞に山形日本電気(本社・山形県)、最優秀賞に三森屋(本社・福岡県)が選ばれた。グリーン購入大賞は、環境に配慮した製品の購入について優れた取り組みを行う企業・団体を表彰する制度。今年は1月から2月にかけて募集を行い、34団体の応募の中から3月の第1次審査会で優秀賞7団体、優良賞四団体を選び、最終審査で大賞、準大賞、最優秀賞を決めたもの。



<環境・包材リサイクル>
◇カレット再生製品JIS化検討
他用途需要拡大に向け調査/建築資材関連の標準化研究で

- 通産省 -
通産省は、ワインブームで他用途利用の拡大が課題となっているガラスびんカレットの建設資材の評価方法についてJIS化を含めた検討を行う。建設資材関連のリサイクルシステムに関する標準化調査で行うもので、リサイクルシステムの評価・判断指針の作成、リサイクル製品の標準化による、ガラスびんカレットの他用途利用拡大のための検討を行う。



<環境・包材リサイクル>
◇プラ再商品化費用、青天井に
材料リサイクルを優先入札/プラ包装産業界に激震

- 日本容器包装リサイクル協会 -
日本容器包装リサイクル協会(稲葉興作理事長)は、来年4月から完全施行される容器包装リサイクル法で再商品化が義務づけられるプラスチック系包材の再商品化方法について、材料リサイクルを油化や高炉原料化よりも優先的に入札させる方針を明らかにした。この結果、プラ系包材を利用または製造する事業者が負担する再商品化コストは、青天井になる可能性が予想されることになった。これまで薄肉化などで紙系包材よりも有利になるとみられていたプラ系包材が一転して不利になりそうな情勢で、プラスチック関連のパッケージ業界に激震が走りそうだ。



<包材流通>
◇製・配結ぶ情報システム構築が加速
流通業界のEDI化進展が背景に

- 軽包材流通の現在 -
メーカーと卸・ディーラーを結ぶ軽包材流通の情報システム化は、末端の流通業界でEDI(Electronic Data Interchange=取引企業間における受発注などの業務上の意思表示を、業界間で標準化された方式で電子データとし、人手を介さず、双方のコンピュータ間で電気的通信手段を用いて効率的に交換すること)化の流れが顕著となり、コンピューターやバーコードシステムなどの導入も浸透してきたことで、徐々に進展の兆しを見せている。



<'99国際食品工業展特集>
◇6月8日から東京ビッグサイトで開催へ
テーマは「環境においしいテクノロジー」

日本食品機械工業会(佐竹覚会長)主催の「'99国際食品工業展(FOOMA JAPAN'99)」が6月8〜11日までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される。22回目となる今回は、「環境においしいテクノロジー」をテーマに、520社・2,100小間の規模で、東展示棟の全6ホールをフル活用して行われる。



<「A-PACK'99OSAKA」特集>
◇アジア地区からの来場者も多く
359社1,584小間の規模で開催へ

総合包装展「A-PACK'99OSAKA」は、6月16日より19日までの4日間、インテックス大阪で開催される。今回の出品規模は359社1,584小間で、うち海外出品は7社15小間となっている。





6月 14日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇高積載効率のガゼット包装
新シール機構搭載の包装機開発

- オリヒロ -
オリヒロ(群馬県)は、シール部にリブを形成する新しいシール機構を搭載した最新型の縦型4隅シール・ガゼット包装機「オンパック−3020」を6月8日から東京・有明の東京ビッグサイトで行われた国際食品工業展に出品し、大きな反響を呼んだ。従来のガゼット包装よりも積載効率が良く、見栄えよく包装できることから注目を集めたもので、今後の展開が期待される。



<シート・プラスチック容器>
◇BOPS工業会が設立/正確な情報発信と業界発展が目的  
旭化成、大日本インキ、電気化学、三菱化学が参加

旭化成工業、大日本インキ化学工業、電気化学工業、三菱化学の大手2軸延伸ポリスチレンシート(BOPS)4社は、4月1日付けで「BOPS工業会」を設立した。BOPSに対する正しい理解を啓蒙し業界の健全な発展を図ることを目的に設立したもので、今後、衛生問題やリサイクルに関する正確な情報発信を軸とし、公的機関や関連団体との情報交換などの活動を行う。



<その他容器>
◇販売の新会社を設立
合併・解散に伴う企業ブランド存続で

- 東洋アルミニウム -
今年10月1日付けで日本軽金属と合併する東洋アルミニウム(大阪市)は、企業ブランドを存続させる目的から、5月12日付けで全額出資の新会社「東洋アルミニウム販売」を設立した。広く市場で認知されている自社の企業ブランドを存続させる目的から、製品の販売を主要業務に行う関連会社を発足させたもの。新会社(本社・東京)の代表取締役社長には、東洋アルミニウム社長の垣谷公仁氏が就任した。



<紙器・段ボール>
◇新型デジタル印刷機発売
機能アップし低価格を実現

- サカタインクス -
サカタインクス(大阪市)はこのほど、ベルギーのザイコン社が新開発したデジタルオンデマンド印刷機「エキスパート」の販売を開始した。従来機のデジタルフロントエンド(DFE)機能をさらに高性能化した最新のデジタル印刷機で、低価格も実現している。本体予定価格は、DCP/32Dエキスパートで4,970万円。



<紙器・段ボール>
◇パルプモールドの生産開始
大成から技術供与受ける/オリジナル商品も開発

- フーゲツ -
段ボール加工総合メーカーのフーゲツ(新潟県)は、パルプモールドの本格生産に乗り出した。従来から注力しているリサイクルを中心とした環境関連事業の一環。大成(岐阜県)から技術供与を受けて昨年秋ごろから取り組みはじめ、下請け業務を主力に工業製品向け緩衝包装材や植木鉢などの生産を開始したもの。自社のアイデアを生かしたオリジナル商品の開発にも着手している。



<紙器・段ボール>
◇クリアケース専用工場建設へ
化粧品向けなど需要増に対応

- オカハシ -
印刷紙器のオカハシ(奈良県)は、昨年から本格生産を始めたクリアケースの需要が急増していることから、近く専用工場を建設することを明らかにした。大手化粧品メーカー向けに加え、最近では雑貨や薬品などにも用途が拡大してきていることに対応。今夏にも倉庫を改造して約1,000uの専用工場を建設する計画だ。



<樹脂原料>
◇ポリ乳酸系生分解性樹脂
大型プラント設置を検討/包材分野で本格展開

- 三井化学 -
三井化学(東京都)は、ポリ乳酸系生分解性プラスチック「レイシア」の大型プラント設置の検討に入った。同社では現在、福岡県大牟田市の工場内にある年産数100t規模の実験プラントで同樹脂の生産を行っているが、すでに需要量が生産能力を上回っているため、大型プラント建設のための市場調査を進めているもの。現在欧米で生産されているレイシアの原料も、今後、大量生産されれば、低コストでの供給が可能となることから、現在、1s当たり1,000円弱の価格がさらに低下する可能性もある。同社では、ポリ乳酸の持つ透明性を強みに、包材分野に本格的に進出する考えで、今夏以降、大きな展開が期待されそうだ



<外装機器・資材>
◇PPバンド粉砕機を発売
約5分の1に減容化し処理費用削減

- ストラパック -
ストラパック(東京都)はこのほど、使用済みPPバンドを減容化する小型のPPバンド粉砕機「RC-150」を発売した。PPバンドを約5分の1以下に減容化できるほかパレットストレッチフィルムにも使用でき、しかもコンパクトサイズという点が特徴で、初公開された廃棄物処理展(5月25〜28日開催)でも来場者の関心が高かったことから今後の展開が注目される。



<紙系緩衝材>
◇紙製緩衝材製造装置でコンパクトタイプを発売
紙ごみを緩衝材として再利用

- ササキコーポレーション -
ササキコーポレーション(環境システム営業部=東京都)はこのほど、コンパクトタイプの紙製緩衝材製造装置「PP-100」を発売した。古紙をシュレッダーで細かく裁断した後に、クラフト紙でピロー包装(三方シール)し紙製緩衝材「ペーパーピロー」を製造する装置で、自社内から排出される機密書類などのOA用紙や段ボール古紙などを緩衝材として再利用することをコンセプトに開発されたもの。一昨年発売の大量処理タイプ「PP-200」を小型・低価格化した。



<プラスチック系緩衝材>
◇農産物分野で使用可能に
でんぷん系崩壊性緩衝材/天然セルロース混入で実現

- 東洋プラスト -
東洋プラスト(神奈川県)は、セルローススポンジメーカーのチャフローズコーポレーション(横浜市)と共同で、同社の緩衝材に天然セルローススポンジの端材を混入する技術を確立した。東洋プラストが製造販売しているでんぷん系崩壊性緩衝材の原料に、チャフローズコーポレーションのセルローススポンジの加工工程で出る端材を粉砕、混入して製品化に成功したもの。製品自体のクッション性が向上するほか、大気中の水分やガスを吸着するなどの物性を付与できることから、従来のでんぷん系緩衝材では難しいとされてきた農産物分野などでの展開が期待されている。



<パッケージ印刷>
◇点字シールをシモクニと共同開発
凸版印刷技術で特許も取得

- サン写真製版 -
サン写真製版(札幌市)とシモクニ(札幌市)はこのほど、凸版印刷の技術を応用し、滑らかな球状の点字に仕上げるシールを共同開発した。同システムは、コンピューターで樹脂製の凸版と、厚さ2oの金属板の凹版に文字を刻み、その間に被印刷物をはさむだけで点字印刷ができるというもの。これにより点字印刷物を低価格で提供できるようになった。サン写真製版でこのほど特許取得。



<ISO関連>
◇ISO14001を認証取得
環境に配慮した企業活動推進

- 日精樹脂工業 -
射出成形機最大手の日精樹脂工業(長野県)はこのほど、本社工場と長野営業所でISO14001の認証を取得した。同社では、環境理念として「企業活動と地球環境の調和を目指し、環境に配慮した取り組みを積極的に展開する」ことを標榜し、昨年11月に認証取得に向けた推進プロジェクトチームを発足させ、キックオフした。今後は実際の運用によってその効果を出すために、引き続き環境に配慮した企業活動に積極的に取り組んでいく方針。



<ISO関連>
◇ISO9001認証取得
本社および国内全拠点で

- 日精エー・エス・ビー機械 -
日精エー・エス・ビー機械(長野県)は4月18日付けで、ISO9001の認証を取得した。適用範囲はストレッチブロー成形機、金型および付属機器の設計、生産およびアフターサービスまで。対象は、本社および本社工場(長野県小諸市)、東京営業所(東京都中央区)、技術研究所(長野県上田市)、坂城工場(長野県坂城町)の国内全拠点で、審査登録機関はBVQI。認定機関・国はUKAS(英国)とRVA(オランダ)。



<食品加工・関連機器>
◇「火星人」に新型登場
全ステンレス製で衛生性を向上

- レオン自動機 -
レオン自動機(栃木県)は、包あん機「火星人」シリーズの新型「CN130」を発売した。従来の「CN120」を改良し、コンパクト・高性能化したもので、オールステンレス製で丸洗い可能となり、衛生面が向上したのがユーザーにとって大きなメリット。機構面では、新開発のインクラスター(あんを包んだ生地を、ひとつずつに切り分ける部分。新型は特許申請中)を採用したのが特徴。同社がこれまで使用してきた揺動式とスライド式シャッターの良い所だけ合体させた新型シャッターを装備し、連続稼働で優れた耐久性と安定性を発揮し、成形形状もきれいな製品の仕上がりを実現している。



<食品加工・関連機器>
◇連続式を開発、上市
「リコーウォータークリーンフライヤー」/水により油を常に浄化

- 増島製作所 -
増島製作所(東京都)はこのほど、水により油を常に浄化した状態で揚げ物ができるフライヤー「ウォータークリーンフライヤー」の連続式を発売した。油槽の下半分に水、上半分に油を入れることで、油が水より比重が軽く分離するという特性を利用。揚げカスが水の層まで沈んでいくため、油は常に浄化された状態に保たれ、唐揚げ、フライなどの揚げ料理がおいしく仕上がるのが最大の特徴だ。これまで人手により製品を投入する小型のものしかなかったが、このほど大量生産向けの自動式「リコーウォータークリーンフライヤー」を開発し発売したもの。



<21世紀のニューリーダー29>
◇新時代へ全方向を視野に
顧客満足と信頼を勝ち取って

────岡崎機械工業社長・岡崎太平氏



<記者の眼>
◇材料リサイクル優先は無認識
プラスチック包材の再商品化/トータルの環境負荷低減追求を



<「A-PACK'99」特集>
◇わが社はここを見せたい/出品ハイライト
出品社一覧など掲載





6月 21日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇ワンピースの紙トレー容器採用
インライン化でコスト削減に成功

- ロッテ -
ロッテ(東京都)が発売した新食感アイス「爽(SOH)<バニラ>」は、アイスではおそらく世界初となるワンピースの紙トレー容器(凸版印刷の開発製品)を採用し、トータルコストダウンの実現と消費者への斬新なイメージの訴求に成功したことで注目を集めている。同社は、同商品に関し、容器の製造から充填までが行えるラインを新規導入した。新規ラインは、具体的には、枚葉の印刷原紙から紙容器を成形し、これにアイスを充填した後、ただちにトップシールを行うもので、同社によれば、イニシャルコストの負担はあったものの、ランニングコストは大幅に削減できるとしている。



<ユーザー>
◇包材リサイクルに着手  
自治体と環境推進運動をスタート

- 近畿コカ・コーラボトリング -
近畿コカ・コーラボトリング(大阪府)は、大阪府富田林市、同市教育委員会などと共同で、環境維持推進の「赤とんぼの街づくり運動」を六月からスタートした。使えるものは再利用し、缶、ガラスびん、PETボトルなどの包材リサイクルを推進する運動で、分別用「エコボックス」の設置やPETボトルリサイクルの啓蒙としての「グリーンメッセージ」の発信などを行う。今後は、コカ・コーラグループで全国的に推進するとしており、その動向が大いに注目される。



<ユーザー>
◇ブナシメジをピロー包装に
収穫からの一貫システム化でコスト削減も

- ホクト産業 -
包材ディーラーで、きのこ生産も手掛けるホクト産業(長野市)は現在、ブナシメジ包装のノートレー化を進めており、この秋にも同社の生産する「ぶなしめじ」(商品名)のほぼ全量を、ポリプロピレンフィルム(OPP)によるピロー包装形態に変更する。最近の小売業界での包装見直し機運の高まりに合わせて、生鮮食品分野ではノートレー化の要望が高まってきている。ピロー包装は、これに対応した包装形態の変更だが、独自の100g単位での栽培から収穫、包装までの一貫システム化とあわせて、大幅な省力化とコストダウンも実現するとしている。



<ユーザー>
◇スタンド式成形容器を採用
新タイプのベーカリー惣菜に/日配品コーナーで視覚面からも強調

- ファミリーマート -
ファミリーマート(東京都)は、6月8日から、スタンド式成形容器に入ったニュータイプのベーカリー惣菜を発売した。従来ならば仰向けに寝かせる種類の商品が、店内のコーナーで立って中身を主張する点にユニークさが光る。コンビニ各社は昨今、他社・他店との差別化を図る狙いから、特に弁当・惣菜など日配品コーナーの展開に意欲的。限られたスペースの中で商品の存在感をアピールする必要性も含め、このところ容器は“嵩高(かさだか)”の傾向性を見せるが、大胆に商品を立たせるパッケージ形態の採用で、同分野の展開は新たなステージを迎えそうな気配も高まってきた。



<包装機・関連機器>
◇IP66仕様準拠で衛生性向上
新型金検「スーパーメポリU」

- アンリツ -
アンリツ(東京都)はこのほど、HACCPシステム導入企業での採用を狙った新型金属検出機「スーパーメポリUシリーズ」を開発、発売した。高感度に加え防塵性、防水性を向上させたもので、あわせて同シリーズ搭載の自動重量選別機も開発した。同社では、6月8〜11日に東京・有明で開催された「国際食品工業展」での初公開を機に販売を開始しており、同16〜19日開催の「A-PACK」にも出品。



<包装機・関連機器>
◇大型容器洗浄機を共同開発
国内初連続ダブル回転方式採用/洗浄力アップで乾燥も短時間

- 中静産業/エポック -
中静産業(新潟県)とエポック(東京都)はこのほど、プラスチックコンテナやばんじゅうなど大型容器を洗浄し乾燥する「CraftsMan Dry Washer(クラフトマン・ドライ・ウォッシャー)」を共同開発した。国内初の連続ダブル回転方式(実用新案申請中)を採用したのが最大の特徴で、優れた洗浄力と短時間乾燥を武器に需要獲得を狙う。



<紙容器>
◇SCM志向のオンラインシステム導入
顧客数社との枠組み作り進展

- 日本テトラパック -
液体食品充填包装システムのトータルサプライヤー、日本テトラパック(東京都)は、サプライチェーン・マネジメント(=SCM、製品供給の連鎖的管理)を志向したオンライン受発注システムを導入し、包材については、市場動向の変化に伴う顧客ニーズに迅速かつ適切に対応できる戦略的体制を構築していたことを明らかにした。6月8日の記者懇談会の席上、本紙記者からの質問に対して柚木善清社長が答えたもので、すでに顧客数社との間で具体的な枠組み作りが進められているという。2000年3月期以降、国際会計基準は大幅に変更され、単独決算中心から連結決算中心に移行し、キャッシュフロー(実態としての現資金の流れを示す)計算書の導入が開始されるが、そのキャッシュフローの重要な指標となる在庫数量もこのシステム導入で最適なレベルに引き下げられることから、同社とその顧客を結ぶチェーンの競争力は総合的に強化されることになる。



<フィルム・軟包装>
◇チャック付ハイバリア規格袋
非PVDCコート要求に応え、透明蒸着PET/CPP品を上市

- 生産日本社> -
生産日本社(東京都)はこのほど、PPチャック付ラミネート袋ラミグリップのハイバリア規格品として、透明蒸着PET/CPP構成の「VPシリーズ」を上市した。従来、ラミグリップのハイバリア規格品としてはPVDCコートOPP/CPP構成のKPシリーズを販売してきたが、需要家からの非PVDCコート品を求める声に応じて品ぞろえしたもの。



<フィルム・軟包装>
◇2軸の耳ロス用再生機を発売
1台で複数の製造ラインに対応

- 塚田樹機 -
塚田樹機(埼玉県)はこのほど、2軸のトリミングスクラップ用再生機「RC-2型90o特殊2軸再生機」を開発し、販売を開始した。キャストやインフレフィルム(切り開き)、押出ラミなど2〜3台分のトリミングスクラップ(耳ロス)を同機1台で再生(ペレット化)し、そのままインラインでホッパーへもどし原料として使用することが可能。2軸タイプのトリミングフィルム用再生機は業界初とみられる。近く1号機を関東地区のフィルムメーカーへ納入することが決まっている。



<樹脂原料>
◇生分解性プラ、大ブレイクの兆し?
プラ包材再商品化コスト上乗せで/リサイクル時代に脚光か

- 生分解性プラスチックの現状 -
価格が高いことが普及を阻んでいた生分解性プラスチック(生プラ)だが、来年4月から完全施行される容器包装リサイクル法の“お陰で”大ブレイクする可能性が出てきた。日本容器包装リサイクル協会がプラスチック包材の再商品化で「材料リサイクル」を優先入札している方針を示していることから、莫大なコストが上乗せされる見込みで、生プラとの価格差が縮小、あるいは逆転する可能性すら見えはじめている。全国の自治体で生ごみのコンポスト実験が実施されはじめていることも相まって、本格的なリサイクル時代に対応する素材として脚光を浴びそうだ。



<パッケージ印刷>
◇印字の速度、品質を向上
新型ラベルプリンター発売

- フェニックス電子 -
フェニックス電子(京都府)はこのほど、高速ラベルプリンター「UG-400シリーズ」を発売した。同プリンターは、最大毎秒255ミリの速度で印字できるのが特徴。合わせて、印字品質も同社従来機より高めた。中央演算処理装置を2機搭載。これにより、受信・編集処理と発行処理が同時に行え、プリント処理速度を向上させた。



<物流関連>
◇軽量物用折畳式プラ段コンテナ開発
部品点数減らし軽量・低価格化実現/プラ段コンテナ製品の販売本格化

- 宇部日東化成 -
宇部日東化成(東京都)はこのほど、軽量物輸送用のプラスチック段ボール製折り畳み式コンテナ「D-BOX」を開発した。部材の点数を最小限に減らしたシンプルな設計のため、コンテナ自体の重量が軽く、低価格なのが特徴。発売はこの7月からで、これを機に同社では、先行して発売した重量物輸送用「YSパネルコンテナ」を含めたプラ段製コンテナ製品の販売を本格化する構えだ。



<環境・包材リサイクル>
◇環境委員会を新設
リサイクル研究、環境の2部会を発足

- 日本段ボール工業会 -
日本段ボール工業会(長谷川薫会長)はこのほど、環境委員会を新設し、傘下にリサイクル研究部会、環境部会の2部会を置いた。環境委員会の新設は、「リサイクル、廃棄物削減などは国家プロジェクトであり、これらの問題を積極的に改善することが、段ボールのイメージアップにつながる」が理由。リサイクル研究部会は、総務委員会からの移行で、基本的に容器包装リサイクル法にかかわる調査・研究を行うとしている。



<環境・包材リサイクル>
◇包装関連の関心高く
98年度消費者環境意識調査

- 経済企画庁 -
経済企画庁がこのほどまとめた1998年度消費者意識調査によると、環境問題の中で最も関心のあるテーマは、ごみ問題が最も多く約3分の2にのぼっている。次いで環境ホルモン、地球温暖化、ダイオキシンと続いており、包装に関連付けて見られるものが多くなっている。



<環境・包材リサイクル>
◇廃プラ輸送データソフト開発
容リ法対応、再商品化コスト算出/最適施設、経路を画面表示

- 東芝 -
東芝(東京都)は、プラスチック処理促進協会(幸田重教会長)の委託で、容器包装リサイクル法対応の廃プラスチック収集輸送などに関するデータソフトを開発した。プラスチック包材を分別収集した市町村から再商品化施設に輸送する場合のコストや輸送距離などを算出。コスト的に最適な再商品化施設や輸送経路などを表示するもので、来年4月から開始されるプラ包材の再商品化で威力を発揮しそうだ。





6月 28日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇一部マスコミ報道への対応を加速
合同懇親会で関連業界が確認

- ポリスチレンペーパー成型加工工業組合/食品容器成型懇話会 -
ポリスチレンペーパー成型加工工業組合と食品容器成型懇話会は、6月17日、都内で合同懇親会を開催した。それぞれが同日行った通常総会後に開かれたもので、この場で一部マスコミの“環境ホルモン報道”に対し、原料から成形加工まで食品容器業界が一丸となって対処する方向性を強調、確認した。



<紙包装>
◇クラフト手提げにエンボス加工実現  
画期的な手法を開発/製袋メーカーに原反供給

- トーツヤ -
艶だし加工大手・トーツヤ(埼玉県)は、紙の手提げ袋用エンボス加工で画期的な方法を開発した。従来、手提げ袋のエンボス加工は、枚葉のコート紙やアート紙のものでしかできなかったが、同社が開発した新しい方法では、微塗工クラフト紙でも可能で、腰の弱い古紙ベースの用紙でも容易にエンボス加工ができるという。クラフト紙でも高級感のある製品が作れるのが注目される点で、同社では製品販売ではなく、製袋メーカーに加工した原反の供給も行う方針。



<フィルム・軟包装>
◇アジアでトップのPPメーカー始動
モンテルと日本企業が折半出資

- モンテル・エスディーケイ・サンライズ -
モンテルグループと、昭和電工および日本石油化学が共同で運営するアジア最大のPPメーカー「モンテル・エスディーケイ・サンライズ株式会社」(本社=東京都文京区)が6月1日付で発足し事業を開始した。資本金60億円で、出資比率はモンテルグループ50%(うち、台湾ポリプロ16%)、日本側50%(昭和電工32.5%、日本石油化学17.5%)。PP年産能力は30万t。事業内容はPP、キャタロイプロセス製品およびHMS製品の生産、販売ならびに研究開発で、年間300億円の売上げを見込んでいる。



<紙系緩衝材>
◇紙製緩衝材2タイプを開発
EPS製と同等以上の緩衝性

- エコロジー開発 -
エコロジー開発(東京都)はこのほど、新発想の紙製緩衝材「エコ・パック」を開発した。“紙管式”と“段ボール式”の2タイプで、両緩衝材ともにオール紙製のシンプル構造ながら耐衝撃試験において発泡スチロール(EPS)製の緩衝材と同等以上の結果が得られたことから同社の今後の展開にも弾みがつきそうだ。



<パッケージ印刷>
◇軟包装用8色フレキソ印刷機
CI型初のセクショナルドライブ方式/印刷リピート長を無段階で設定可能

- W&H社/リッカーマン -
リッカーマン(東京都)はこのほど、独ウィンドミュラー&ヘルシャー社(W&H社)のセクショナルドライブ方式による軟包装用CIドラム(センタードラム)タイプ8色フレキソ印刷機「NOVOFLEX(ノボフレックス)」の販売を開始した。CIタイプでは初めてセクショナル(ダイレクト)ドライブ技術を確立したフレキソ機。従来のフレキソ機では5oまたは10oごとに印刷リピート長を設定していたが、独自開発のACベクトルデジタル駆動技術により版胴およびアニロックスロールを単独に直接駆動させることで、印刷リピート長を無限・無段階で設定することが可能となった。



<環境・包材リサイクル>
◇段ボ、再商品化義務の対象外に
容リ法改正政省令、分別基準を発表

来年4月から完全施行される容器包装リサイクル法で、市町村で分別収集が行われる際の分別基準など、関連の政省令が6月15、16日と相次いで発表された。段ボールはアルミ箔が使われていない飲料用紙容器、金属製(アルミ・スチール製)包材と同様に、再商品化義務の対象から外れることが決まった。これで今後、他の紙製包材から段ボールへの移行に弾みがつくことになりそうだ。



<環境・包材リサイクル>
◇古紙リサイクルに新用途
世界初、注目集める光触媒和紙/有害物質を吸着分解し無害化

- アイン・エンジニアリング -
新聞古紙のリサイクルに新用途が誕生した───。アイン・エンジニアリング(東京都)が光触媒用酸化チタン(アナターゼ型)を乾式パルプの繊維に固定する技術を世界で初めて開発し、商品化に成功した光触媒和紙がそれで、古紙の新用途拡大につながるものとして注目を集めている。



<HACCP関連>
◇微生物検査が15分で
蛍光分析法で菌数を測定

- エヌ・エム・ジー -
エヌ・エム・ジー(東京都)は、細菌類、真菌類(カビ類)の菌数測定が短時間で行える、微生物瞬時測定機「バイオモニテックグレースBMG-01」を発売した。微生物測定では一般的な培養法で48時間かかって菌数測定を、蛍光化学発光分析法による光学的検視測定により、細菌で3分、真菌で15分で測定するという画期的な装置。価格は300万円で、池貝グループのシェル工業(東京都)が販売する。



<包材流通>
◇業界VAN利用率、いまだ低調
各社、システム切り替えに慎重

- 食品軽包材流通の現在(上) -
メーカー、ディーラー間の企業間オンラインデータ交換システムの構築と運用を支援し、電子データによる受発注業務への切り替えを可能にする、いわゆる業界VAN「ハウネット」の食品軽包材業界版が登場したのは2年前の1997年5月のことだが、その利用率はいまだに低調に推移している。業界のあらゆる企業に開かれた標準化システムとしての業界VANに対し、各社おおむね、これまで構築してきた独自システムからの切り替えに慎重な姿勢を示し、静観に努めてきたからにほかならない。もっとも、すでに独自システムを稼働させている企業の多くには、それまでの投資金額の重さもあり、自前システムの維持・活用を優先させたいとの事情もある。業界標準化の理想を実現したというハウネットだが、食品軽包材業界にあっては、乗り越えなければならない現実の壁は意外に厚いようだ。



<「A-PACK'99 OSAKA」が閉幕>
◇国内外から約16万人が来場
4セミナーで600人受講

「包装・物流・食品・プラスチック包装加工新技術の創造/アジアで拓こう21世紀」をメーンテーマに、6月16日から19日までの4日間、インテックス大阪で開催された「A-PACK'99 OSAKA」(主催・日報)が盛況裏に閉幕した。会期中は天候にも恵まれ、国内外から15万8,682人の来場があり、会場は商談と交流の場となった。展示会開催を記念しての各種セミナーも活況を呈し、4テーマ合計で受講者は600人を超えた。



<21世紀のニューリーダー29>
◇保冷材では国内トップに
15坪と包装機1台からの挑戦

────トライ・カンパニー代表取締役・高安るみ子氏



<記者の眼>
◇完全施行できるか容リ法
ずれ込む再商品化・分別収集計画/法律知らない事業者も存在



<'99スーパー・コンビニ包装 NOW>
◇競合との差別化ますます加速
陳列効果から省資源まで/多様化するニーズへの包材対応さらに勢い

スーパーマーケットとコンビニエンス・ストアは、包装産業にとって極めて重要な位置を占める国民生活の“2大”消費拠点。それぞれが多くの商品(とりわけ食品)を扱う中、スーパーでは生鮮・惣菜類、またコンビニでは弁当・日配品類が、その存在感を加速度的に大きくしている。これら各販売形態の“顔”ともいえる商品の質が、包装形態から配送体制まで含め、改めて問われる時代に突入しているとも言えよう。また消費者との接点が大きいスーパー・コンビニ有力各社にとっては、いよいよ本格施行が目前の容器包装リサイクル法を含め、省資源・再資源化などに向けたトータルな対応も、いよいよ避けて通れない状況だ。そこで「'99スーパー・コンビニ包装 NOW」と題し、包装周辺事情に対するスーパー業界の認識から、日常シーンでの“スーパー・コンビニ包装”に対する消費者意識、またこれら分野へ向けた活発なビジネス展開まで、より多角的な視野から最新の動向を特集する。

 「スーパー・コンビニの包装に関するアンケート」調査結果はこちら



<長野県特集>
◇ハイテク分野やみそ、清酒は好調
農業、観光など中心産業は低迷続く

日本銀行松本支店のまとめた「最近の長野県経済の動向」(平成11年5月25日発表)によると、県経済は全体として停滞の状況から脱していない。しかし政府の緊急経済対策の効果で、公共投資が高水準で推移し、住宅投資も持家を中心に持ち直しているという。業界別でも、情報機器ではプリンターが販売好調で高操業、パソコンが新製品投入で好調に推移、精密機器ではデジタルカメラが順調な売れ行きを見せるなど、ハイテク産業の多い長野県ならでは分野でプラスの動きが見られている。また食品分野では、味噌(みそ)と清酒というこれまた長野県らしい製品が、前年を上回っている。しかしこれ以外の農業、観光といった県の中心的な産業は低水準で推移しており、個人消費も全般的に低調で、多くの県内包装企業にとって厳しい状況が続きそうだ。



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