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10月4日号ダイジェストニュース
<包装機・関連機器>
◇フィルムを3分の2に削減 トレーのフランジに直接シール
- 成光産業 -
成光産業(東京都)は、トレー包装のフィルム使用量を約3分の2まで削減できる店頭・バックヤード向けトレー包装機「シールストレッチシステム」(伊・ミニパック社製)を発売する。発泡ポリスチレン(PSP)トレーのフランジにストレッチ(ラップ)フィルムを直接シールすることで、トレーの裏側に被せるフィルムが不要になり、使用量を大幅に削減できるというもの。このため、包材コストの低減はもちろん、容リ法の再商品化費用負担の軽減にもなる。今月5日開催のジャパンパックへの出品を機に販売を開始。
<包装機・関連機器> ◇シール機をラインアップ強化 セミオート、オートを発売/足踏み式もモデルチェンジ
- 山善 -
山善(大阪市)は、インパルス式シーラー「SUPER SEALER」の新タイプとして、フットスイッチで作動させる「セミオートシーラー」と自動式「オートシーラー」を発売した。昨年6月、包装分野本格参入の第1弾として発売した「SUPER SEALER」の「卓上シーラー」と「足踏みシーラー」の売れ行きが好調だったため、バリエーションを整えるため今回一挙に38機種をラインアップ。先のA-PACKで好評を得たところから、発売に踏み切ったもの。また、「足踏み式シーラー」も同時にモデルチェンジし、「NEWSUPER SEALER」として展開を加速させる意向だ。
<紙容器> ◇新断熱紙容器を共同開発 外装が発泡PEの3層1重構造
- 日清食品、三陽パックス -
日清食品(東京都) と三陽パックス(東京都)は、内側からPE/紙/発泡PEの3層1重構成の新タイプの即席麺用断熱紙カップ容器を共同で開発した。断熱性と軽量化の両方の機能を付与することをコンセプトに開発されたもので、従来の3重構造の断熱紙カップ容器と比べ約3分の2の重量。このため、来年4月から全面施行される容器包装リサイクル法の再商品化費用負担を軽減できるのも注目される点。
<フィルム・軟包装> ◇2種のマスターバッチ発売 メヤニ防止とアンチブロッキング/フィルム分野に注力
- 大日精化工業 -
大日精化工業(東京都)はこのほど、メヤニ(樹脂状付着物)発生防止マスターバッチ「ノンメッシーマスター」と、透明性を損なわないアンチブロッキング剤マスターバッチ「スムースマスター」を開発し、上市した。両マスターバッチともフィルム製造分野へ強力に展開していく方針で、ノンメッシーマスターは2〜3年後に3〜5億円、スムースマスターは数年後に3億円程度の年間販売額を見込んでいる。
<フィルム・軟包装> ◇デジタル化対応の新会社設立 グラビアのデータ版下を作成
- 北村工芸印刷 -
北村工芸印刷(大阪府)はこのほど、グラビア印刷業界のデジタル化に対応するため、デザイン提案、版下作成、データ修正などを主な業務とする同社100%出資の新会社「ステップ」(大阪府)を9月1日に設立、本格的な営業活動を始めた。特にデザイン、デジタル版下、デジタル写植などの要望に応えるため、Mac2台と高性能カラープリンター、スキャナーなどを導入。ユーザーの多様な要望にもきめ細かく対応できる体制を整えている。
<フィルム・軟包装> ◇軟質塩ビの生産を拡充 インフレで月50tを生産
- ティージープラテック -
ティージープラテック(大阪市)はこのほど、軟質塩ビのインフレーション方式による製膜装置を2基増設し、月産50t体制に拡充を図った。中小メーカーでの軟質塩ビの減産、休止が相次ぐ中で、同社が展開する製品はブロッキングを抑え、四季を通じて問題なく使用できる製品としてユーザー評価も高く、製品需要がここにきて増加傾向にあることから増産に踏み切ったもの。
<外装機器・資材> ◇フィリピンで合弁事業開始へ 新会社設立しPPバンドを生産
- 積水樹脂、宇部日東化成 -
PPバンド大手の積水樹脂(大阪市)と宇部日東化成(東京都)はこのほど、フィリピンに合弁で梱包用PPバンド生産の新会社を設立する。両社の企業力を相乗して周辺アジア地域向けに生産と供給を図るのが目的。一部の製品についてはそれぞれのブランドで日本国内でも販売する。資本金は1億1,200万フィリピンペソ(9月24日現在のレートで約3億1,000万円) 。出資比率は積水樹脂が60%、宇部日東化成が40%。
<パッケージ印刷> ◇オフ用新型 CTP装置、既存のPS版使用 UVで製版し、高速、低ランニングコストを実現
- 東洋インキ製造 -
東洋インキ製造(東京都)は、新型のオフセット印刷用CTP装置(デジタルデータでダイレクト製版する装置)の販売を開始した。製版用フィルムを使わず、紫外線(UV)でダイレクトにオフ用のPS版(感光材)を製版する装置で、ドイツ・ベイシスプリント社の製品。従来のCTP装置は専用の版材が必要だが、同装置は既存のPS版で製版できるのが特徴。製版スピードも速く、露光ヘッド1基の機種で1時間当たり7〜9版、露光ヘッド2基の機種で同13〜16版処理できる。画像品質は200線まで再現可能。
<シール・ラベル> ◇フレキソ印刷機の新仕様発表 高速箔押しとグラビアとのマッチングも可能に
- ザ・インクテック -
ザ・インクテック(東京都)は、フレキソ印刷機の新仕様となるインラインホットスタンピングと版ロール円周方向の可変リピート長システムの販売を始める。米・コムコ社が開発したもので、インラインホットスタンピングは、印刷ユニットを取り外してスタンプユニットと入れ替えることにより、高速箔押しを実現する。また可変リピート長システムは、シール・ラベル、軟包装、容器カップ業界で要望の高かったもので、円周方向サイズを±約1.6mmの範囲で版胴を前進後退させ、連続的に調整することでグラビアとの印刷リピート長のマッチングを可能にした。
<シール・ラベル> ◇示温インキで適正温度表示 シクラメン用のタグ・ラベル/“ごきげん温度”5〜22℃が見える
- カガク印刷 -
示温インキに関するマイクロカプセル化技術と特殊印刷のラベルコンバーティングで定評のあるカガク印刷(千葉県)はこのほど、示温インキを組み合わせ、シクラメンの適正温度環境を表示するタグ・ラベル「シクラメンごきげん温度計」を開発、商品化した。シクラメンは温度管理を徹底すれば長持ちする花卉の1つで、同社が今回開発したタグ・ラベルは、この適正温度(5〜22℃)を示温インキの色の変化で知らせるというもの。
<物流関連> ◇沖縄地区で共同配送開始 化粧品メーカー4社が参加/物流合理化で共同歩調
- コスメ物流フォーラム21・共同化推進室 -
アルビオン、花王、鐘紡、コーセー、資生堂、マックスファクターの化粧品メーカー6社で構成する「コスメ物流フォーラム21・共同化推進室」は、沖縄地区における共同配送について、複数の参加企業が合意に達したことを受け、先月から共同配送を開始した。共同配送に参加しているのは、花王、鐘紡、資生堂、マックスファクターの4社。資生堂を除く3社は航空便での空輸を行っており、花王と鐘紡は福岡拠点からの集荷と航空便も共同化、マックスファクターの大阪発便と那覇空港で集約し、現地拠点から出荷される資生堂の那覇地区以外の商品とあわせて共同配送を行っている。那覇空港を拠点とするため、沖縄本島のみならず、本島以外の島々でも共同配送が行える体制となった。共同配送の実施エリアは、北海道地区(花王、鐘紡、資生堂)に続いて 2カ所目。なお、コーセーとアルビオンの2社は、首都を除く全地域で共同配送を実施している。
<環境・包材リサイクル> ◇ケミカルリサイクルプロセスを開発 PETボトルを超臨界メタノールで
- 新日本空調 -
新日本空調(東京都) は、工業技術院物質工学工業技術研究所と共同でPETボトルのケミカルリサイクルプロセスを開発した。超臨界状態のメタノールを使用し、PETボトルをモノマーにまで分解するというもの。速い反応速度で分解できるため小型化を実現しており、処理量のアップにも対応できるものとなっている。また、触媒を使用しないため、精製工程も簡略化させている。
<環境・包材リサイクル> ◇川崎市に高炉原料設備建設 来年4月に稼働予定
- NKK -
日本鋼管( NKK、東京都)は、軟包装やプラスチックボトルなどを含めた一般廃棄物系プラスチックを高炉原料化する設備を今年の1月から広島県福山市で建設を進めているが、同様の設備を京浜製鉄所水江地区(神奈川県川崎市)にも建設する。年間 3万tの使用済みプラスチックを高炉原料化する能力を持つもので、総工費40億円。完成すれば同社は産業廃棄物系プラスチック用設備と合わせ年間10万tの処理能力を持つことになる。稼働は容リ法が全面施行される来年4月を予定しており、 NKKとしては福山地区に建設中の設備と合わせ、これで東西に一廃系プラ対応の高炉原料化設備が整うことになる。
<'99日本国際包装機械展特集> ◇「ジャパンパック'99」いよいよ開幕 内外18カ国から328社が一堂に/現状打開の機会として期待大
「'99日本国際包装機械展──ジャパンパック'99──」(主催・日本包装機械工業会)が、いよいよ10月5日から開幕される。第21回となる今回は、10月9日までの5日間、東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)東展示場1〜6ホールを使っての開催。国内外の包装機械、包装資材、包材加工機械、さらに食品機械、関連機器までの幅広く多彩な製品が、国内のみならず世界18カ国から一堂に出品される。厳しい経済環境下にもかかわらず、開催規模はほぼ前回並みの328社、2 34小間を維持しており、低迷する包装産業界の現状を打開する出品社の意気込みも強い。出品社一覧、各社出品ハイライトなど紹介。
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10月11日号ダイジェストニュース
<シート・プラスチック容器>
◇でんぷん発泡の新容器開発 耐水性良好、価格も廉価
- 三和澱粉工業 -
三和澱粉工業(奈良県)はこのほど、水漏れ変形のない耐水性でんぷん発泡容器を開発した。でんぷんと特殊耐水化剤をブレンドして成形することで、従来の耐水コート方式と比較して格段に優れた耐水性を付与するとともに低コスト化を実現。次世代の食品容器として注目される。
<シート・プラスチック容器> ◇押出成形用PPの新製品開発 発泡特性が極めて良好/耐熱・断熱を要する食品容器へ
- グランドポリマー -
グランドポリマー(東京都) は、発泡特性が極めて良好な押出成形用ポリプロピレン(PP)を開発した。商品名は「グランドポリプロV-PP」。同社の触媒技術と重合プロセス技術をベースに、分子構造を制御した超結晶性PPで、同社従来製品に比べ、2倍以上のメルトテンションを有するため、発泡シート成形時のガス保有率が高く、しかも微細な発泡セルを形成できる。用途展開は、電子レンジで加熱される際に耐熱性や剛性、断熱性が要求される食品用発泡容器分野、また高メルトテンションや高剛性および良好なドローダウン性から、従来のPPでは不可能だった大型真空・圧空成形品や大型ブロー成形分野などが想定されている。
<シート・プラスチック容器> ◇ISO9002を取得 品質第一に体質強化目指す
- 東名化学工業 -
東名化学工業(愛知県)は品質保証・品質システムの国際規格「ISO9002」を7月2日付けで取得したことを発表した。 JQA(日本品質保証機構)の審査を経て認証取得したもので、範囲は受注活動からデザイン、製版、印刷(グラビア印刷、曲面印刷)、シート成形までの一貫生産システムについて。登録番号は「JQA-QM3505」。今回の認証取得は、同社の「品質第一主義」という基本方針のもと、「顧客側から見た基準で品質管理を強化」しようという取り組みの一環。同社は、今回の認証取得を契機に「顧客満足」を追求しながらシェアの拡大を加速化させる意向だ。
<その他容器> ◇食品用OPP製カップを上市 レンジ対応で多用途に使用可能
- 木村アルミ箔 -
木村アルミ箔(大阪市)は、弁当のおかず入れや手作りの菓子容器として便利なミニカップ「おべんとう上手・わくわくキッチン」を上市した。材質はOPPで、120℃〜-50℃までの幅広い温度帯で使用できる。このため、電子レンジによる食材の再加熱にも対応可能なほか、アイデア次第で多用途に使用できることから、一般家庭向けなどでの反響も期待される。
<紙器・段ボール> ◇多色プリスロを開発 超薄段の需要増に対応
- 梅谷製作所 -
梅谷製作所(和歌山県)はこのほど、段ボールに6色の美粧印刷ができるプリンタースロッター「スーパープリンタ」を開発した。Eフルートはもちろん、容リ法で再商品化義務の対象外となったことで最近注目を集めている超薄物段ボール(マイクロフルート= F、Gフルートなど)へのダイレクト美粧印刷が可能なため、今後の需要拡大が見込まれている。
<紙器・段ボール> ◇円筒紙容器製造システム 金属缶代替ニーズで注目集める
- 二上鉄工所 -
二上鉄工所(大阪府)は丸・四角・だ円紙容器製造システム「PT-160C型」「同200C型」を発売した。金属缶代替容器として紙筒が注目されているのに対応して開発したもの。紙をセットするだけで自動的に糊付け、平巻き、両端カールを行う。
<フィルム・軟包装> ◇マタービー使用の製品発売 汎用樹脂の2.5倍以内の価格で/米・バ社と独占販売契約を締結
- ハニックス -
ハニックス(東京都)が米国・バイオコーポ社の生分解性樹脂製品「バイオコーポ・プロダクツ」を発売した。第一段階としての発売製品は、ごみ袋や手提げ袋、内張りに生分解性樹脂を利用した皿やコップなどの紙食器、ナイフやフォーク、スプーン。原料の生分解性樹脂、マタービーは、国内では日本合成化学(大阪市北区)が販売しているが、ハニックスは製品を販売する。製品の製造は、バ社のイタリアの工場が行い、それをハニックスが輸入して国内で販売するという仕組み。同社では今後、自治体向けのコンポスト用ごみ袋や外食産業向けに同製品を販売する方針。また、2000年度から東京都の清掃事業が区に移管されるため、これを契機にごみ袋としての利用も働き掛ける。製品価格は、汎用樹脂製品の1.5〜2.5倍。
<フィルム・軟包装> ◇新PO系ストレッチフィルムを発売 業界初の単一樹脂・Tダイ法/より塩ビライク、高速生産
- 三井化学プラテック -
三井化学プラテック(東京都)は10月1日、業界初の単一樹脂・Tダイ法・単体のポリオレフィン(PO)系業務用ストレッチフィルム「ハイクレル」を発売した。従来品に比べ、底シール性・カット性・復元性・包装機械適性などの品質面でより塩ビ性に近く、高速生産によるコストダウンが可能など、今までPO系ストレッチの常識を覆す新製品。塩ビに比べ比重が23%軽く、厚みも薄くなっているため、トータルで30%近い減量化が可能で、リサイクルコスト削減にも寄与するとしている。
<フィルム・軟包装> ◇ダイオキシン抑制・抗菌効果も PEにセラミックスを混合
- 用瀬(もちがせ)電機、三共ポリエチレンなど3社 -
小型焼却炉メーカー、用瀬電機(鳥取県)は、三共ポリエチレン(広島県)など3社と共同で、燃焼時に発生するダイオキシンを抑制し、抗菌機能も備えるマスターバッチ「エコロセンDK-1」を開発した。マグネシウムとカルシウムの複合セラミックスにペレット状のLDPE(低密度ポリエチレン)を配合したもので、再度オレフィン系樹脂と混合しフィルム化して使用する。
<外装機器・資材> ◇新型半自動梱包機を発売 鉄ローラーで強締め実現
- ストラパック-
ストラパック(東京都)は10月から、半自動梱包機では約7年ぶりとなる新製品「D-53シリーズ」6機種を発売した。同社のヒット機「D-52」をベースに、コンパクトボディーを踏襲しながら、鉄ローラーとデジタル制御機構を新たに採用。特に、鉄ローラーではこれまで難しいとされていた強締めを実現しているのが大きな特徴だ。
<プラスチック系緩衝材> ◇気泡シート、2種を本格発売 生分解性と塩化水素ガス除去タイプ
- 和泉 -
和泉(名古屋市)は、生分解性の「BIOエアセル」と、焼却炉内の塩化水素ガスを除去する「エコロガード」の2タイプの気泡入りフィルムシートを開発し、いずれも本格的な販売を開始した。「BIOエアセル」は、生分解性樹脂「ビオノーレ」(昭和高分子製)を原料に使用。微生物が多く存在する自然環境下(土壌中や堆肥中、淡・海水中など)で生分解され最終的には水と炭酸ガスになる。「エコロガード」は、焼却炉内で他の焼却物から生成されダイオキシン発生の要因ともなり得る塩化水素ガスを安全な塩化カルシウムに効率良く化学変化させる性質を持つ。
<環境・包材リサイクル> ◇再商品化委託単価が内定 kg当たり紙製包材58.636円、プラ製包105円/紙器・紙容器業界に大打撃
来年4月1日から全面施行になる容器包装リサイクル法だが、このほど再商品化対象包材の委託単価がほぼ内定した。ガラスびんは、無色がkg当たり4.151円、茶色が同7.682円、その他が同8.096円で、PETボトルが同88.825円となり、注目の紙製容器包装が同58.636円、プラスチック製容器包装が105円と設定された。紙製容器包装とプラスチック製容器包装との比較では、カップ麺容器の場合、紙製が1個当たり21gであるのに対し、プラスチック製(発泡もの)が5gと4倍近い開きがあるのにもかかわらず、その委託単価の格差は2倍にも満たないことから、「プラ製包材有利、紙製包材不利」という図式が明確となった。
<21世紀のニューリーダー(35)> ◇ネットワーク活用してお客様に貢献 得意分野生かしてレベルアップを
- 富士パッケージ社長・江間順次郎氏 -
<記者の眼> ◇期待される業界標準化への流れ 効果的なEDI導入のために/業界VANの動向注目
<物流・ロジスティクス特集> ◇大競争時代の勝者の条件
かつてない不況を経験した日本経済の中にあって、革新的で意欲的な企業は、従来の経営手法の問題点を挙げ、猛スピードで業務改革を進めてきている。消費者志向の多様化に伴い、企業財務を一変させるようなメガヒット商品を持つことが困難な状況となる一方、戦略的な経営手法を用いることで、企業体質を改善し、収益アップが望めると判断している経営者が数多く存在しているからだ。おおむね、こうした経営革新の核に物流戦略があることは今さら言うまでもない。物流戦略は今や、他の施策決定をも大きく左右する存在となっており、物流戦略から展開される経営手法の変革が、今後の熾烈な大競争時代を勝ち抜くための条件であることは明らかとなっている。そこで、今回の物流・ロジスティクス特集は、“大競争時代の勝者の条件”をテーマに掲げ、「業界別物流・ロジスティクス戦略の最前線」をアンケートを交えて報告するとともに、今後の企業経営の明暗を分けるであろう最先端の物流情報・通信技術などについて紹介する。業界別では、外的あるいは内的要因により、市場が大きく揺れ始めた化粧品業界を取り上げる。物流情報・通信技術の現状と課題では、先月開催された「第1回自動認識総合展」の中から、興味深い出展物を抽出し、紹介する。特に、物流効率化の促進から製品開発の的確度の向上までを実現するバーコード・2次元コードやRF-ID(データキャリア)などの関連機器・システムは注目度も高く、今後の導入計画の基礎データとしても参考になるに違いない。
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10月18日号ダイジェストニュース
<ユーザー>
◇紙パックから軽量びんに切り替え 関西の生協では初めて
- 大阪東部生協ほか -
大阪東部生協(生田喜和専務理事、大阪府)と大阪西部生協(大阪市)、エル・コープ(京都市)の3生協は、関西の生協で初めてPB商品の牛乳を紙製パックから、軽量リターナブルびんに切り替えた。びん容器はデポジット制で、すでに回収率は約96%と好調。組合員の利用率も従来の紙パックより約10%増となるなど、今後、他の生協への影響も注目される。
<ユーザー> ◇第2アセプ・ライン新設 茶系飲料の消費拡大に対応
- 近畿コカ・コーラボトリング明石工場 -
近畿コカ・コーラボトリング(大阪府)はこのほど、明石工場(兵庫県)に2リットルPETボトル入り茶系飲料の第 2アセプティック(無菌)充填ラインを新設し、稼働させた。アセプティック充填ラインの新設は、1997年9月に500ミリリットルPETボトルで設置したのに続き2ライン目。消費者の健康志向の高まりで、茶系飲料の市場が拡大傾向にあるが、これに対応していく方針。同工場は、商品の安定供給を確立するため、コカ・コーラリフレッシュメントプロダクツ(本社・東京)との共同事業で新ラインを設置した。新ラインは、ブロー成形から充填までの工程を一貫で行うもの。飲料への温度による影響を極力抑え、短時間で殺菌・冷却し、常温で殺菌済みPETボトルに充填する仕組みだ。製造能力は毎分200本、年間で500万ケース。今年は150万ケースを製造する予定。
<ユーザー> ◇包材をQRコードで管理 洋酒・ワインを製造する大阪工場で
- サントリー -
サントリー(大阪市)は、QRコードを利用した包材・製品・出荷管理システムを同社大阪工場(同市港区)で運用している。包材、製品、出荷の情報を電子情報化して保存、活用することが狙い。システム構築にあたり、包材メーカー約30社の協力を得ている。同社では来年以降、他の工場にも順次、導入していく考え。同システムは、包材管理や製品製造、出荷管理など工場での生産活動にQRコードを利用した管理方法を導入し、包材・製品・出荷情報を新たに電子情報にしてデータベース化。包材、製品、出荷の各データを互いにリンクさせ、品質保証強化や製品出荷管理などに役立てようというもの。約 2年前に開発に着手し、洋酒とワインを製造する同工場で今年1月から試験運用していた。同社は、同システムを包材、製品の動きを高度な電子情報化技術を用いて管理する有力な品質保証システムと位置づけており、大阪工場での運用を踏まえ、全国に配置した他の工場へも今後、順次、導入していく方針だ。
<包装機・関連機器> ◇スパウト装着製袋充填機が登場 液体包装向けの縦型コンパクトタイプ
- オリヒロ -
オリヒロ(群馬県)は、自立袋を製袋とスパウト(口栓)装着を同時にこなした後、直ちに液体を充填包装する縦型の液体充填包装機「ONPACK-1300」を開発した。同機は、フィルムの流れが立体的な縦型包装機をベースとしており、据え付け面積がわずか2.5uしか必要ないというコンパクト設計。直接ロールフィルムから製袋し充填包装するため、別に製袋加工工程を設ける必要がなく、コスト削減が可能。同社の縦型水物包装技術を生かして、残留エアの無い包装を行うこともできる。包装機としては、多品種少量生産を主眼に扱い易さを重視した。包装能力は最大で毎分30袋。スパウト付きだけでなく、ノッチ開封、便利・カット開封など、易開封機能を持った自立袋包装も可能となっている。
<包装機・関連機器> ◇新型PTP集積包装機を投入 易開封で包材削減可能な新包装形態も提案
- CKD -
CKD(営業本部・名古屋市)は、新型PTPシート集積包装機「MIW-600」を発表するとともに、同機によって実現できる医薬品業界向けの新しい包装形態を提案した。同機はフィルム帯掛けとピロー包装の兼用機。ピロー機と耳折り装置をひとまとめにしたことで、機体の長さを5分の3までコンパクト化することに成功した。能力は最大毎分30袋と高い。生産品目替え時のサイズチェンジ時間も、従来機の40〜50分を25〜30分にまで短縮し、生産性の向上も図った。同機によって実現できる新しい包装形態は、ピロー品の耳部が無く、キャラメル包装に近い形状に折り畳んだもの。サイド部の成形処理が従来のピロー包装と異なり、シール部で重なるフィルムの枚数も削減されている。このため、使用包材(フィルム)が従来のピロー包装に比べ5〜7%削減できるという。包装も、よりタイトで袋内にエアーが溜まりにくいなどのメリットを持っている。
<包装機・関連機器> ◇新型の農産物向け計量機 最大毎分70サイクルの高能力
- ジァパックス -
ジァパックス(東京都)は、従来の全自動計量機をさらにバージョンアップした新機種「PA-38」の販売を開始した。同機は、バスケットを38個に増やし、能力と精度を大幅にアップしたもので、能力は、包装機と連結した状態で毎分60〜80パック。四方向に排出口があり、排出量の設定が各排出口で変えられる機能を持つため、重量の異なる4つの計量が、同機1台で同時に行える。
<その他容器> ◇プラ・紙の複合カップ容器製造装置 薄肉プラ容器に紙スリーブ巻く/共同印刷が導入、製品化
- 日本シイベルヘグナー -
包装機械、システムの輸入販売商社、日本シイベルヘグナー(横浜市)は、プラスチックと紙の複合カップ容器「デストカップ」の製造装置「CBU-DES」(独・ワイミュラー社製)を、ジャパンパックで日本初公開した。すでに共同印刷・包装事業部が同機を導入、その複合容器を「スーパーデゥアルカップ」の名称で九月から発売しており、日本シイベルヘグナーでは他の容器メーカーへの売り込みもさらに活発化させる。同機で生産されるカップ容器は、薄肉のプラスチック製カップに紙製スリーブを全周巻きし、下部は紙の端をシーム加工しカップの底部としたもので、従来のオールプラスチック製容器に比べ、容器の肉厚は半分程度となっている。紙スリーブ部のグルー付けを最小限に抑えたため、プラ部と紙部は簡単に分離することができ、使用後のリサイクルも容易。製造できる容器サイズは、75〜600ミリリットルの容量で、高さは44〜145mm 、底径が38〜75mm、上部の最大口径95mm。製造能力は毎分135カップ。
<フィルム・軟包装> ◇ハードボトムタイプの自立袋 底紙とフィルムを一体化/包材商社中心に日本で販路開拓
- グループ・ピジェ -
フランスの包装資材メーカー、グループ・ピジェは、底紙とOPPフィルムを一体化したハードボトムタイプのスタンディング袋「クリスタル」を日本市場に持ち込むため、販路を持つ提携先の選定を急いでいる。同社は、食品加工および化粧品分野に精通している包材の代理店、あるいは商社・卸売などを提携先として望んでいるが、現時点では包材商社を有望視している。クリスタルは世界で唯一同社が製造・販売するユニークなスタンディング袋。底部が厚紙のハードボトムタイプで、中が空の状態でもきれいに自立する。同社はジュナス市(リヨン郊外)に本社を置く軟包装メーンのコンバーターで、国内トップシェアを誇る。資本金は213万5,000フラン(約5,126万円)で、従業員数は約150人。生産能力はフィルム換算で年間約5,000t。売上高(1996年度)は約1億5,000万フラン(約30億円)で、うち輸出は1,600万フラン(3億2,000万円)という割合になっている。なお、日本では、エライ・ジャパン東京事務所(ローヌ・アルプ地方の8県が出資して設立した貿易振興会)が同社の窓口を務めている。
<樹脂原料> ◇「株式会社 共栄プラスコ」設立 生分解製品などを製造・販売
- 共栄商工/プラスコ -
竹本容器の子会社で、同社の物流および資材購入などを担当する共栄商工と、主に生分解樹脂使用の各種成形品の製造販売を行うプラスコは、10月1日付けで合併し、新たに「株式会社共栄プラスコ」でスタートした。新会社の主な事業内容は、生分解性樹脂や、中国産の竹(粉末)とポリエチレンをブレンドした原料から作る各種射出成形品など“環境ニーズ”に対応した製品の開発・製造および販売。このほか、竹本容器の海外業務についても、上海市の竹本容器のボトル成形工場を拠点に世界的な視野で取り組む。
<パッケージ印刷> ◇新型デジタル印刷販売へ 包装・ラベル用途で本格展開
- 日本アグファ・ゲバルト -
日本アグファ・ゲバルト(東京都)は、シール・ラベル印刷やパッケージ印刷用途に適したベルギーのオンデマンド印刷機「クロマプレス32Si」の販売を10月25日から開始する。同機は、ジャストインタイム印刷、バリアブルデーター(可変情報)印刷、少数部数印刷など、最近増えているニーズに対応して開発されたもの。片面5色のデジタイル印刷システムで、赤、青、黄、黒に加え、透明フィルムラベル向けに白色印刷ユニットを搭載している。ポストスクリプト(米・アドビ社が開発したページ記述言語。機種に依存しないコンピューター言語の1種)ファイルから高圧縮形式のインテリパックプリントファイルを生成することで、データーの保管量を10分の1から30分の1の比率で圧縮できることが最大の特徴。
<シール・ラベル> ◇PO系ラベル素材を開発 柔軟性・収縮性は塩ビに水準
- リンテック -
リンテック(東京都)は、表面基材に特殊オレフィン(PO)系フィルムを採用した塩ビフィルム代替ラベル素材「エルラウンドSOシリーズ」を開発した。同シリーズは、特殊オレフィン系フィルムの採用により、柔軟性と収縮性でほぼ塩ビ並みの物性水準を実現した。基材の厚みは100μmで、色は白色と透明の2タイプがある。また、幅広い用途に対応するため、粘着剤には永久接着タイプと再剥離タイプのほか、新たに微粘着の再剥離タイプを開発、3タイプの仕様を用意した。特に、微粘着の再剥離タイプは、貼りやすさとはがしやすさを重視した接着剤そのものを新開発したもの。
<シール・ラベル> ◇初の遠赤外線ラベラーを公開 高効率でコストダウンも可能に
- 三晴精機 -
三晴精機(埼玉県)は、遠赤外線ヒーターを採用した初の感熱ラベラー「サンセイ感熱ラベラー」を開発、その試作機を先ごろ開催されたジャパンパックで公開した。同社は従来、稼働音の静かな赤外線(近赤外線)方式で中小規模生産のユーザーでも導入しやすい、シンプルで低価格の機種を中心に販売展開してきたが、新機種では遠赤外線を採用することで、ラベリング効率のアップを実現した。同社は、自動車の焼き付け塗装などの分野で新しく開発された遠赤外線ヒーターを遠赤外線感熱ラベラーに応用、試作機を完成させた。今回のジャパンパックは試作機のみの展示だったが、今後は制御部分を改良するなどして製品化にまでこぎ着ける考え。
<物流関連> ◇来月、オランダに物流会社設立 合成樹脂を欧州全域に配送/ SCM志向の支援ビジネス
- 三井物産 -
三井物産(東京都)は、欧州で合成樹脂の物流事業を展開し、サプライチェーンマネジメント(以下、SCM)志向の支援ビジネスに乗り出すため、来月、オランダ・ケルクラーデ市に物流会社を設立する。合成樹脂の需要家である日本の自動車メーカーが欧州で生産拡大していることを受け、取引先の要望に合わせた配送体制を整備するのが狙い。同社は、物流サービスを戦略事業の軸に据えており、欧州でもSCMを志向した取引先を支援していく。新会社が取り扱う合成樹脂は、自動車部品や食品包装材料などの原料となるPPなどのPO系で、日本の化学メーカーが欧州で生産したか、あるいは日本から輸出したものがメーン。
<環境・包材リサイクル> ◇ EPS減溶液開発 加熱せず常温で50分の1に/ほとんど劣化なく再利用可能
- バイオベンチャーバンク -
バイオベンチャーバンク(東京都)はこのほど、発泡スチロール(EPS)を、常温短時間で50分の1に減容する液体を開発した。主原料にグレープフルーツの皮から抽出した植物性油(シトラスオイル)を使用。この油に含まれるヌートカトンという成分がEPS中の空気を放出する性質を応用した。主体のシトラスオイル以外も100%植物原料なので環境汚染もないという。12月から家電メーカーや生鮮食料・卸、建築・住宅関連企業向けにサンプル出荷を開始する。現在、リサイクルシステムも計画しており、完成しだい減容機器も供給していく。同溶液によってガム状になったEPSは、分子構造が破壊されていないため、極めて劣化が少なく原料として再利用できる。溶解剤ではないので減容液の成分が変化せず、何度でも使用できる点もメリット。販売は、バイオ社と一般用医薬品商社の大木(東京都)が出資して設立したエコ・ファクトリーが行う。価格は18リットル溶液で3万円。初年度5,000tの生産を目指す。
<環境・包材リサイクル> ◇「生分解プラ対象」は通産・厚生間の合意 再商品化義務は白紙の状態
「生分解性プラスチックはその他プラスチックとして再商品化義務の対象」と本紙7月19日号で報じたが、これは通産、厚生両省間だけの合意だったことが判明した。農水、大蔵両省との合意は得られていない。4省庁の合意ではないため、正式決定とは言えず、現状は白紙の状態。通産省では「その他プラスチック」はすべてのプラスチックが対象だとして、生分解性プラも対象とする考えを提示。厚生省も「生分解性でもプラスチックと言っている以上、対象になる」(リサイクル推進室)との考えを示しており、今後、論議を呼びそうだ。
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10月25日号ダイジェストニュース
<包装機・関連機器>
◇新タイプのノートレー包装機開発 立体形状に自動包装/フィルム膨らませ縁を円形シール
- 日本ポリスター -
日本ポリスター(滋賀県)は、フィルムだけで立体的な包装形態を作り出す、スーパーのバックヤードやパックセンター向けノートレー自動包装機「NP-1500」「同-900」を開発した。これまでのノートレー包装は、被包装物をトレー無しで直接ストレッチ包装したものやピロー包装を応用したものなどがあるが、新包装機はこれらとはまったく別の形態での包装を実現した。同機はまず、円形または楕円形の穴の開いた型の上にフィルムを広げ、上から枠のついたアームで穴に押し込みシャワーキャップやシュークリームのシューのような形状に成形する。次にこの袋状になったフィルムに商品を上から入れ、別のフィルムをのせて型の縁部を円形にシールし 1袋ごとにカットすることにより、丸く膨らんだフィルムの中に商品が入った新しいタイプのノートレー包装を実現した。
<シート・プラスチック容器> ◇鹿沼市(栃木)に第3工場竣工 ソリッド容器の需要増に対応/関連販売会社の関東物流拠点も設置
- KP -
JSP(東京都)の100%子会社で容器成形メーカーのKP(本社・栃木県鹿沼市)がかねてから同市内に建設を進めていた第3工場が10月1日に竣工した。このところコンビニ需要を中心に、OPSシート容器やPPフィラー容器、積層PSPシート容器など“ソリッド製品”の需要が増加していることに対応したもので、JSPにとっても“第4工場”的な位置づけとなる。また同じく関連企業で販売会社の日本ザンパックは、同工場に隣接し関東物流センターを設置。これに伴い外部倉庫を撤去し、両社間の物流業務の効率化を進める構え。
<その他容器> ◇新発想の飲料缶商品化 PPキャップ付きで“タブレス”提案/簡易リキャップ機能で保存も可能
- 大和製罐 -
大和製罐(東京都)はこのほど、アルミ缶にPPキャップが付いた新発想の飲料缶「センタープッシュエンド缶」を開発、先ごろ行われた国際飲料産業展で初公開した。狙いは“タブレス”の提案。缶上面中央部を盛り上げ、その部分を飲み口にしたもので、どの方向から口をつけて飲むことも可能。これまで一方向にしか飲み口が設定できなかった飲料缶市場に大きな影響を及ぼすことは必至で、今後の飲料缶開発の方向性に一石を投じた格好だ。同缶はリキャップもできるため、お茶やミネラルウオーターなどの非炭酸系飲料はもちろん、飲み残した微炭酸飲料も短時間ならば保存できる。
<紙器・段ボール> ◇再商品化事業で業務提携 紙容器のリサ能力年間12万t/グループ同士で広範に協力
- 日本テトラパック/信栄製紙 -
液体充填紙包装システムのトータルサプライヤー、日本テトラパック(東京都)と、再生紙メーカー大手の信栄製紙(本社・静岡県)が環境対策事業で業務提携を結んだ。両社は、使用済み紙容器の再商品化事業を中心に相互のグループ企業も含めて幅広く協力していくことで合意。紙から紙への再商品化事業の強化、拡大を目指す。具体的には、@両社のグループ企業で認証取得した環境管理の国際規格「ISO14001」に基づく環境管理システムの実効性向上のための協力、A液体食品用紙容器のマテリアルチェーンにおける相互の協力──などが提携のメーン。これらの協力関係を基盤に、使用済み紙容器のリサイクル率向上を図る。
<紙器・段ボール> ◇チヨダコンテナーの全株売却 有利子負債圧縮し財務強化/王子製紙が支援
- 旭洋 -
旭洋(大阪市)は9月30日、有利子負債圧縮による財務体質強化を図るため、これまで保有してきた子会社チヨダコンテナーの株式のすべてを王子製紙に売却した。旭洋が保有していたチヨダコンテナー株は全体の50.4%に及び、これを加えた王子製紙の保有株式比率は35%から85.4%にまでアップした。結果、王子グループの段ボールシートシェアも約4%アップし、約15%になる見込み。
<紙器・段ボール> ◇プレプリント事業部発足 段ボ、紙袋用印刷機展開ヘ
- PCMC社 -
米国のペーパー・コンバーティング・マシン・カンパニー(=PCMC社、ウィスコンシン州)はこのほど、段ボールプレプリント事業部門を発足させた。英国の旧チャドウィック・ウエブ・プロセッシング社のプレプリントライナー印刷機とプレプリントサック印刷機の技術資産を買い取ったもので、全世界の段ボールライナーと製袋のプレプリント市場に向けて印刷機の販売とアフターサービスを行うのが狙い。PCMC社は高品質のフレキソ印刷機の設計・製造を行っているが、これまでは軟包装市場に多くの製品を提供してきた。今回、新規に段ボールのプレプリント事業が加わることで、フィルムと紙印刷の両方にまたがったグローバルサプライヤーとして脱皮することが期待される。
<紙器・段ボール> ◇高速むしり機を発売 パレット積み状態で処理
- 三和マシン -
三和マシン(大阪市)は、打ち抜き後の落丁処理を自動化した高速むしり機「むしっ太郎」を発表した。製造は宮坂鉄工所(岐阜県)。同機は、平盤打抜機で打ち抜かれた板紙・段ボールの周辺部分の落丁処理作業を、パレットに積んだ状態で高速に行うもの。作業時間は、製品が1,000mmの高さで約8分で完了する。従来、こうした落丁処理作業は人手に頼ることが多く、作業者に過酷な労働を強いてきたのが、同機の登場でこれも解消される。
<フィルム・軟包装> ◇果実用包材を新開発 コスト、重量軽減で市場訴求
- ホリックス -
ホリックス(福岡県)はこのほど、リンゴなど中型果実向けのディスプレーパッケージを新開発した。溶断シール加工したフィルム袋で、陳列しやすい形状が最大の特徴。市場には2〜4個詰め用に真空成形されたものがあるが、これと比較して包材コスト、重量が軽減できるなどのメリットが見込める。同社では、同包装を11月4日から開催される「福岡パック99」に参考出品し、本格的なマーケティング活動を開始する。
<外装機器・資材> ◇ガムテープ、繰出機を開発 環境負荷低減をポイントに
- ローデウス・ジャパン・リミテッド -
ローデウス・ジャパン・リミテッド(千葉県)は、11月からリサイクルが容易なガムテープ「リ・サイクルテープRT55」と専用テープカッター(ディスペンサー)の販売を開始する。“ NPOゴミ問題を考える日独交流の会”が環境負荷低減を目指すドイツの状況を見習い、環境付加が低いガムテープの国内販売を提言。これに応えるかたちで、ドイツ研削工具メーカー、ローデウス社日本発売元のローデウス・ジャパン・リミテッドが製造責任企業となって商品化し、販売を開始する。
<外装機器・資材> ◇結び目ずらしを標準型で実現 2回巻き以上にも対応
- 山田機械工業 -
山田機械工業(千葉県)は、同社製の標準型自動結束機(アーチタイプ)ならどの機種にでも搭載できる「結び目位置変更装置」(オプション)を開発し、同装置を搭載した各機種の販売を開始した。結束後に結び目を下から横(側面)へ自動的に移動させる機構で、書籍などの被結束物を積み重ねた場合にそれ自体の重量で結び目の跡が付くのを防ぐことができる。すでに段ボール用の両端結束機では採用されていた機構だったが、標準型機では初登場。両端結束機用は1回巻きのみに対応していたのに対し標準型用は2回巻き以上にも対応しているのが特徴だ。
<外装機器・資材> ◇PPバンド訴訟判決 縦長菱目エンボス模様/9月22日付で確定
積水樹脂(大阪市)は、不正競争防止法に基づき、ケイユー(福岡県)に対して「縦長菱目エンボス模様」のポリプロピレン製樹脂バンドの販売差し止めおよび損害賠償を求めていた件で、「福岡地裁が下した却下の原判決は相当」とする8月31日付の福岡高裁の判決を受け、このほど上告を断念。この結果、9月22日付で判決が確定した。
<プラスチック系緩衝材> ◇米・テネシーにPP発泡ビーズ新工場 工業包装分野も視野に海外強化/台湾関連は持ち株比率を90%に
- JSP -
JSP(東京都)は、グループ関連企業の海外展開を強化する。米国ではJSPインターナショナル(ペンシルバニア州)が、テネシー州に同国・東部地区向けポリオレフィン発泡ビーズの新工場を建設。従来からの自動車バンパーコア材向けに加え、工業用トレーなどパッケージ分野へも積極展開する方針を打ち出した。また台湾では、この10月、高機能緩衝包装材の合弁企業への出資比率を90%に引き上げた。
<シール・ラベル> ◇画期的低価格を実現 高品質ホログラム販売へ/フィルムタイプ10柄を展開
- アドステッカー -
印刷用粘着紙やホログラム製品の企画・製造・販売のアドステッカー(東京都)は、高品質でしかも驚異的な低価格を実現したフィルムホログラム「シャイニーホログラム」の販売を11月から開始する。ホログラム技術では欧米でも注目されている韓国の松山(ソン・サン)と総代理店契約を結んだもので、同社の仕様に合わせた製品10柄を販売する。アドステッカーは現在、紙製印刷用ホログラム、オリジナルホログラムの販売を行っているが、これにフィルムホログラムを加え、ホログラム関係で月間2億円の売上を目指す。
<物流関連> ◇「サンドビックソーティングシステム」を設立 物流部門を独立
- サンドビックPS事業部 -
サンドビックは、プロセスシステム(PS)事業部の「物流システム部門」(兵庫県)を分離し、独立会社「サンドビックソーティングシステム株式会社」として10月1日付で設立した。新社長には岡田五郎氏が就任した。資本金は4億9,000万円。サンドビックは鉄鋼加工品から刃材、食品搬送ベルトなど多分野で事業展開しているが、物流部門を独立させることで、より専門的に、かつキメ細かい営業体制を構築するのが狙い。
<ISO関連> ◇ISO14001を認証取得 全国生協関係で8例目
- コープしが -
コープしが(滋賀県)はこのほど、本部事務所、物流センター、共同購入センター、9つの店舗、商品検査センターなど、23事業所でISO14001を認証取得した。認証審査登録機関は日本環境認証機構(JACO)。ISO14001の認証取得は、全国の生協では8例目。西日本ではコープこうべ武庫之荘店に続いて2例目となるが、単一生協による事業活動全体での一括取得は全国でも初めて。
<21世紀のニューリーダー(36)> ◇商品と会社の質的向上目指す ユーザーに対して常に正直な姿勢
- マキー・エンジニアリング社長/神谷泰仁氏 -
<記者の眼> ◇代替ニーズに提案進む 加工製品の品質も向上/軟質POフィルムの行方
<北関東 3県(茨城・栃木・群馬)特集> ◇新経済・文化圏の創出へ 新たなポート&ハイウェイで高まる期待/物流構造の再編でボーダレス加速
関東1都6県の中でも北に位置する、茨城、栃木、群馬の3県が今、大いに注目されている。茨城県の常陸那珂港から、栃木県の宇都宮を経て、群馬県の高崎に至る国土開発基幹線「北関東自動車道路」、全長約150kmの建設と、それを軸とした3県の新しい物流と経済のネットワーク構築に、期待が高まっているからだ。平成20年には全線開通が予想されている同高速道路は、東京を起点に放射状に伸びる3本の高速道=茨城の常磐道、栃木の東北道、群馬の関越道を接続し、さらに新潟へ、日本海へと続く、21世紀の重要な幹線道路になると期待されている。今回の特集では、北関東の未来を担う北関東道を軸とした各県の動き、各県のユーザー環境対応に関する情報、いよいよ来年4月全面実施となった容器包装リサイクル法関連情報を中心に構成した。
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