循環経済新聞・バックナンバー“2010年8月度”

8月2日号ダイジェストニュース

◇改正廃棄物処理法 あす、政省令事項を議論
下請け運搬は修繕500万円、1m3以下


改正廃棄物処理法の政省令事項の環境省案が明らかとなった。3日に行われる第13回廃棄物処理制度専門委員会で提示される。建設工事に伴い生じる廃棄物を下請け事業者が運搬する場合の例外規定では、「建築物の維持修繕工事で請負額が500万円以下」「1回に運搬する廃棄物の容積が1立方メートル以下」―などの案が示される。許可の有効期間を7年に延長する特例制度の判断基準には、「電子マニフェストの利用が可能で利用実績がある」「過去3年間の平均自己資本比率10%以上、平均経常利益が黒字、各種税金や保険料、維持管理積立金の納付額に未納がない」―などが挙がっている。



◇PVCを月300t再生
高品質ペレットを提供

- フジ化成 -

フジ化成(愛知県豊橋市)は、ポリ塩化ビニル(PVC)の再生ペレットを月間300トン生産している。品質管理のため、硬度や比重の均一化を図り、高純度のものを供給する。



◇リサイクルループの構築に注力
顧客のニーズに対応

- 遠藤商会 -

首都圏を中心に一般廃棄物の収集運搬業を展開する遠藤商会(埼玉県川越市、遠藤孝一社長)は、顧客の要望に応じた食品リサイクルループの構築に注力する。



◇能力倍増、6.4m3/日へ
塗料100%セメント原燃料化

- 環美 -

環美(本社・東京、井出次男社長)は、廃塗料リサイクル工場(埼玉県上尾市)の稼働時間を8時間から16時間に変更する許可申請を埼玉県に出した。許可が下りれば、1日当たりの処理能力は、現状の3.2立方メートルから倍の6.4立方メートルに引き上げられる。



◇CO2排出ゼロの空調フィルター
オフィス向けサービス開始

- 住友商事マシネックス -

住友商事マシネックス(東京・中央、那須雄次社長)は、オフィス向け空調フィルターの販売にあたり、フィルターの洗浄・再利用とカーボンオフセットの組み合わせでCO2を排出量をゼロにするサービスの展開を開始した。



◇他分野にも事業展開
新たな顧客層の獲得に成功

- ハリマ産業エコテック -

建設系廃棄物や食品リサイクルなどを手掛けるハリマ産業エコテック(兵庫県姫路市、梶原成郎社長)は、食をベースとした農林水産事業に積極的に事業展開を開始した。



◇炭素など軽元素も測定
モバイル式金属分析装置/高性能ハンドヘルド型も販売

- アメテック スペクトロ事業部 -

米国に本部を持つアメテック(東京・港、スペクトロ事業部)は、マルチプルCCD検出器を使用する独自の分光システムを採用したモバイル式発光分光分析装置「SPECTRO TEST」の販売を強化することになった。製鉄や製鋼、鍛造、金属加工、金属スクラップリサイクルの現場で使えるモバイル式でありながら、鉄をはじめとする導電性の金属・合金全般について約10秒以下の早さで分析できる。



◇改正処理法政省令事項関連
処理困難、10日以内に委託者に通知/おそれ事由で6項目を提示


環境省が作成した改正廃棄物処理法政省令事項素案によると、処理業者が産業廃棄物の処理が困難となるか、またはそのおそれがある事由として故障や事業の停止など6項目を提示した。処理業者はこれらの事由が発生してから10日以内に委託者に書面で通知するとし、それを受けた委託者は、30日以内に措置命令など報告書を都道府県知事に提出するとした。



◇インタビュー 業界を育成・支援する流れを大きく
(社)全国産業廃棄物連合会会長・石井邦夫氏に聞く
循環型社会に必要な産業とアナウンス


6月18日に開かれた(社)全国産業廃棄物連合会総会で石井邦夫氏((社)千葉県産業廃棄物協会会長、市川環境エンジニアリング社長)が第4代会長に就任。7月16日、本紙記者のインタビューに答えた。6期12年を務め上げた國中賢吉前会長(現名誉会長)時代の構造改革を継承、発展させる方針。今回の法改正で規制強化から優良化推進など業界を育成・支援する流れが出てきたと受け止めており、「産廃業界にようやく明るい兆しが見えてきた。この流れを大きくしていきたい」と強調。組織面では青年部協議会による温暖化防止への積極的な取り組みを評価、その行動力に期待を寄せた。




---- 8月9日号は休刊です。----


8月16日号ダイジェストニュース

◇135t/日の焼却炉が完成
年間1.6万tのCO2削減/廃熱から発電・温水供給

- アイザック石ア産業 -

アイザック石ア産業(富山県魚津市、石ア由則社長、環境事業本部)は、1日当たり135トンの焼却能力を持つキルンストーカ炉を主設備とした「エネルギーセンター」を竣工した。



◇再生ファスナーを採用
PETボトルや古繊維原料に

- ゴールドウイン -

スポーツウエアの製造販売を手掛けるゴールドウインは、YKKのリサイクルファスナー「ナチュロン」を、同社の循環型リサイクルシステムの対応商品に導入することになった。2011年春夏からナチュロン採用のスポーツウエアの販売を開始する予定だ。



◇野菜・たい肥を本格販売
数値化で品質向上目指す

- 東栄商事 -

東栄商事(茨城県土浦市、東原明寿社長)は現在、自社のたい肥を使用して、ちんげん菜、枝豆、トマトなどのさまざまな野菜をテスト栽培しているが、秋頃から品目を絞り、硝酸イオン濃度を抑えた新商品の有機土壌改良材「みのりゴールド」を売り出す。



◇クローズドシステム構築へ
処理水を工場内で再利用/高度処理で競争力強化

- クリーンジャパンエンジニアリング -

クリーンジャパンエンジニアリング(本社・東京、荒川徹社長)は、同社中間処理工場(横浜市)で処理水を高度処理して再利用する循環システムを構築する。高度処理とリサイクル化による競争力強化を目的としている。



◇割り箸製造で森林整備
間伐材使用、再資源化まで/当初は3拠点、将来30拠点

- ワリバシカンパニー -

ワリバシカンパニー(本社・岐阜県高山市、池田正昭社長、浜松町オフィス)が8月4日に設立され、東京・港区立エコプラザで発起人となる池田社長(毎日アースデイ社長)と畜産農家の藤原孝史氏、エンジニアで割り箸製造を手掛ける尾崎浩康氏、竹本吉輝トビムシ社長の4氏が会見した。



◇改正廃棄物処理法 下請け運搬は飛散性も可能に
環境省、当初素案を一部修正


改正廃棄物処理法の政省令事項の環境省素案では、建設廃棄物を事業場外保管に関する際の要件について300平方メートル以上、下請け業者の自ら運搬については1回1立方メートル以下などとする規定を設けた。



◇廃プラを一貫リサイクル
異物除去し破砕、ペレット化/2分割コンベアで連続供給

- 日本フェルスター -

非破壊検査装置やリサイクルパレットなどを手掛ける日本フェルスター(東京・品川、城所保彦社長)は、事業系のさまざまな廃プラスチックや容器包装系のその他プラスチック、使用済みPETボトルなどを原料に、金属などの除去、破砕、ペレット化するオーストリア・ローデント社のプラスチック再生設備「CEP」シリーズを日本や中国などで販売することになった。



◇第三者評価制度 第2回募集、約80社程度が申請
“ビジネスツールで活用を”


東京都の「第三者評価制度」の第2回認定申請受付が7月31日に締め切られた。当初受付締め切りが7月16日だったが、処理業者からの要望により延長した。申請社数は約80社に上る見込み。審査結果は今年12月下旬までに公表する予定。



◇60人が産廃リサイクル体験
施設や森林、建機を見学/子ども夏休み自由研究で

- (財)児童憲章愛の会/横浜子育て支援協会/石坂産業 -

(財)児童憲章愛の会とNPO法人横浜子育て支援協会ひまわりは7月31日、産業廃棄物処理・リサイクル業大手の石坂産業(埼玉県三芳町、畝本典子社長)の協力を得て、夏休み自由研究ツアーを行い、横浜方面の約60人の子どもが参加した。同社の建設系廃棄物リサイクル施設の見学と社有林での昆虫採集、ネイチャーゲーム、産業廃棄物処理などで使われる建設機械への試乗などで楽しくてためになる体験をした。



◇改正処理法 政省令事項素案
下請け運搬は修繕500万円、1m3以下/許可7年は健全財務も
場外保管に届出義務


環境省は8月3日、都内で開かれた中環審の廃棄物処理制度専門員会で、改正廃棄物処理法の政省令事項素案を公表した。ここでは素案から、事業場外の保管届出、建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外、産廃収集運搬業許可の合理化、優良業者に係る許可期間の特例制度―について、抜粋して紹介する。



8月23日号ダイジェストニュース

◇管理型処分場の増設を完了
向こう20年にわたり事業推進

- クリーンダスト -

クリーンダスト(愛媛県西条市、白川章社長)は、保有する管理型最終処分場の増設工事を2010年7月に完了した。完成した施設の規模は、埋立面積2万6270平方メートル、容積34万5334立方メートル。これまでに8万立方メートルの埋立実績があり、全体容量34万5334立方メートルからの差し引き、26万5334立方メートルが残容量となる。



◇全国15工場でRPF事業へ
廃プラ加工は前期比32%増

- サニックス -

サニックス(本社・福岡市、宗政伸一社長、経営企画部)、全国15カ所にある廃プラスチック加工処理工場にRPF製造設備を導入することを明らかにした。2011年度3月期第1四半期には、廃プラ加工工場の稼働率が約70%にまで向上した。



◇残さ肥料の一般販売開始
農家グループ生産野菜も

- 循環資源利用健康推進事業合同会社 -

食品残さの肥料化と農産物の流通事業を手掛ける循環資源利用健康推進事業合同会社(奈良県橿原市、山本一統括責任者)は7月、ホームページで有機肥料と農作物の通信販売を一般向けに開始した。



◇家電リユース工場拡張へ
エコポイント終了にらみ

- シー・アイ・シー -

ヤマダ電機グループのシー・アイ・シー(本社・群馬県高崎市、太田伸一社長)は、家電リユース専門の藤岡リサイクルセンター(群馬県藤岡市)を拡張する。今年12月の完成を予定しており、全体の作業スペースは現在の200坪から600坪になる。



◇中国工場の精製能力1万tへ
国内は電池関連を強化/蘇州工業園区が後押し

- 日本リファイン -

使用済み溶剤の循環利用事業、再資源化などを手掛ける日本リファイン(本社・東京、川瀬泰人社長)は2003年に設立、05年に稼働を開始した、同社の中国現地法人「蘇州瑞環化工有限公司」(江蘇省蘇州市)にある蒸留精製設備の増設準備に入った。



◇木くずチップ
需要家、一部買値を引き下げ/在庫抱え、搬入制限も実施


木くずチップが供給過剰となっている。5月から夏場にかけて、バイオマスボイラーの定期補修や修理が相次いだことで、各需要家の在庫量も上限に近い。一時的な状況とみる向きもあるが、「現在の工場稼働率をみると、各社とも在庫を減らすには年明けまでかかる」(製紙会社)という声もある。需要の急激なブレーキを受けて、一部需要家はすでにチップの買値を下げ始めている。景気回復も本格的とは言えない中、生産者側の採算確保には、一定の処理料金が必要となる。



◇間伐材など粉砕乾燥
1台2役でコンパクト化

- 近畿工業 -

破砕機をはじめ環境機器を手掛ける近畿工業(兵庫県三木市、和田直哉社長)は木質ペレット生産向けに、二次破砕と乾燥を同時に行う粉砕乾燥機「CURIO(キュリオ)」を開発した。同時に、同製品を核として一次破砕機や搬送装置、ペレット製造機まで含めた一貫システムの受注を開始。価格はシステム一式で7500万円からとなっており、年間5システムの受注を目指す。



◇水銀ごみ混入、原因究明に注力
4清掃工場が停止

- 東京二十三区清掃一部事務組合 -

東京二十三区清掃一部事務組合は、6月11日から約1カ月間に東京都足立清掃工場、板橋清掃工場、光が丘清掃工場、千歳清掃工場焼却炉の4工場の焼却炉が水銀混入ごみの不適正搬入で相次いで稼働を停止した問題で再発防止に向け、原因究明に力を入れる。



◇ルート重視で収運効率化
車両長寿命化、コストダウン

- 吉野興産 -

三重県津市に本拠を構え、建設系廃棄物を中心とした中間処理、中部から近畿、関東地域までを舞台に産業廃棄物の収集運搬事業を展開する吉野興産(三重県津市、光友勝美社長)は、産廃処理の受け入れ量を着実に拡大する一方、収集運搬業務の効率化に取り組みを進め、成果をあげている。



◇N-EXPO/KANSAI'10(ネキスポ関西)
循環型と低炭素社会実現に向けた/「183社団体・457小間」規模で開催
“商談”と“体感”の専門展/エコ自動車展示コーナーも設置


第16回目を迎える関西発の環境ビジネスの総合展「N-EXPO/KANSAI'10(ネキスポ関西)」(NEW環境展・大阪会場改め)は、9月1日(水)〜3日(金)までの3日間、「守ろう地球 創ろう共生社会」のテーマのもと、インテックス大阪(大阪市住之江区)2、3号館、屋外会場で開催する。会期中の動員計画は約4万人の来場を予定し、西日本とアジアに向けて、ストップ温暖化と資源循環、環境浄化などに関する最新技術を一挙に紹介する“商談”と“体感”の展示会だ。海外ブースも充実で、世界10カ国【27社】が出展することになった。

■展示概要

15面

■後援団体からのメッセージ

16面

■併催行事案内

17面

■海外出展情報

18-19面

■出品案内

21-33面



8月30日号ダイジェストニュース

◇2011年度 環境省関係予算 概算要求案
処理業の海外展開を支援/国内の経営基盤強化も


2011年度環境省関係予算概算要求・要望案が8月25日、明らかになった。要求総額は一般会計2176億円(そのうち、元気な日本復活特別枠206億円)、特別会計456億円で合計2212億円(前年度5%増)。廃棄物・リサイクル関連の重点施策では日系静脈産業メジャーの育成・海外展開促進事業(特別枠、13億円)が新たに盛り込まれた。



◇南関東の自社拠点再整備
プラ再生・循環利用で/佐倉3倉庫を集約、拡張

- 大明貿易 -

国内外でプラスチックの再生利用・循環利用などを手掛ける大明貿易(本社・東京、齋藤秀明社長)は7月、再生プラスチック原料の南関東の自社集荷拠点となっている佐倉事業所(千葉県佐倉市)について、従来の倉庫3カ所を第3倉庫に集約し、業務を効率化することになった。



◇ビールかす飼料で養豚業参入
売上5000万円規模に成長

- 新潟麦酒 -

地ビール製造の新潟麦酒(新潟市、宇佐美健社長)は、ビールかすなど食品残さの飼料化を開始、新潟県内にある養豚場を買収し、畜産事業に参入した。廃棄物の有効利用を図るだけでなく、年間約1500頭を出荷することで売上高5000万円規模の事業に成長させている。



◇トナー粉からペレットを製造
152t/日のカートリッジを破砕

- アトロス -

アトロス(本社・新潟県小千谷市、佐々木昌敏社長)は、廃トナーカートリッジを洗浄破砕、ケミカルなどの処理を組み合わせて再生利用(マテリアルリサイクル)する新潟工場(新潟県上越市)を7月から稼働開始した。トナー粉も酸化鉄と樹脂成分に分離してマテリアルリサイクルする。



◇廃タイルカーペットを原料化
リサイクル事業に新規参入

- エバタ -

デイ・シイ子会社で雨水貯留浸透製品や下水管路製品などの製造・販売を手掛けるエバタ(本社・東京・葛飾、斎藤章社長)はリサイクル事業に新規参入する。廃タイルカーペットをペレット化して各種製品メーカーに原料として販売する計画。同社「埼玉物流センター」(埼玉県三郷市)内ですでに生産設備の建設を進めており、ことし11月の事業開始を目指す。



◇東京工場、9月に営業開始
都内で記念式典を開催

- 共同土木 -

共同土木(本社・埼玉県上尾市、岡林靖幸社長)は8月20日、「東京工場」(東京・江東)の開設を記念して都内で式典を開催した。



◇リサイクル施設整備を支援
発生抑制の技術開発も

- 京都府 -

京都府では、産廃税の税収を活用して、産廃の減量化を推進、循環型社会の構築を促進するため、「産廃の発生抑制などの促進に係る研究・技術開発」、「産廃のリサイクル施設整備」に助成する対象事業の募集を開始した。



【週刊 循環経済新聞・付録 低炭素経済新聞 8月30日号】

◇制低炭素投資促進法が施行へ
融資とリースの2本立て/エネルギー環境適合製品の開発を加速

- 経済産業省 -

経済産業省は5月に成立した「低炭素投資促進法」を8月16日に施行した。日本政策金融公庫を活用した低炭素ファイナンス(融資)と中小企業向けの低炭素リース保険の創設により、資金の流動や雇用の創出を図ることで、低炭素型産業を新たな経済成長の柱に据えたい考え。 実際の融資は来月上旬から、リースは年内に開始する見込み。



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