循環経済新聞・バックナンバー“2011年2月度”

2月7日号ダイジェストニュース

◇改正廃棄物処理法
事業場外の保管場所は300u以上/省令を公布、詳細確定


環境省は1月28日、廃棄物処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令を公布した。建設廃棄物を事業場外で保管する場合、保管場所の面積は300平方メートル以上とされ、建設系廃棄物の処理責任の元請業者一元化に関する例外条項の中身など詳細部分が決まった。



◇廃プラ再生袋で日本戻す
中国の製造工場と直接

- 三功 -

食品リサイクルや資源ごみの循環システム構築で実績を持つ三功(三重県津市、片野功之輔社長)は、廃プラを破砕・洗浄・脱水・圧縮梱包して出荷し、中国工場で再生ごみ袋にして日本に戻す「廃プラのループ」事業を展開する。ごみ袋6トンを発注して排出先の顧客にも再生ごみ袋を還元していく。



◇食残由来ガス注入開始
都市ガス導管へ国内初

- バイオエナジー/東京ガス -

市川環境エンジニアリング(千葉県市川市、石井夫社長)の子会社バイオエナジー(東京・中央、岸本悦也社長)と東京ガスは、食品残さ由来のバイオガスでは国内初となる都市ガス導管への注入・受け入れを開始した。バイオエナジー城南島食品リサイクル施設(東京・大田)で年間にバイオガス165万立方メートルN、都市ガス換算で約80万立方メートルを導管に受け入れる。



◇難処理物、小口品、地元重視
安心安全とトータルソリューション/焼却業者 独自の工夫


景気低迷の影響やリサイクル推進で産廃が減っていると言われて久しい。一方、近年、日量200トンを超える大型焼却施設が大都市圏を中心に複数竣工し、競争が激化している。従来から焼却処理を手掛けてきた処分業者は、処理困難物や小口品の回収強化、地元重視、他社との連携強化など「安心安全」、「トータルソリューション」を打ち出している。



◇法改正のはざまで揺れる現場
4月以前の事例に遡及なし/施行まであと53日


今年4月に施行する改正廃棄物処理法では、特に悪質な違反を除き、許可を取り消された法人の役員が兼務する他の法人に連鎖しないように欠格要件の規定が合理化される。悪質性が重大でない場合とは、▽道路交通法などの他法に違反した禁固刑、罰金▽廃棄物処理法で刑罰が軽い違法▽破産、などを想定しているが、他の規定も同様に改正前の事例には遡及(そきゅう)しない。倒産などが要因となった許可の取り消しも相次ぐ中、法改正のはざまで苦慮する事業者、自治体は少なくない。



◇年産量5万tを超える
新規顧客の開拓も進める

- 横浜エコロジー -

東京ボードグループの横浜エコロジー(横浜市、池田敏克社長)の手掛ける木くず再資源化事業が好調だ。稼働開始から丸5年の節目となる昨年10月には、初めて月産5000トンを上回り、2010年の年産量は5万トンを超えた。グループの強みを生かし、パーティクルボード原料向けにチップを生産するほか、安定した出荷先確保のため、燃料チップの新規顧客の開拓も進めてきた。



◇100tプレス圧縮梱包機
作業効率を大幅向上

- ナカミチ機械 -

選別ライン・ふるい機を製造しているナカミチ機械(福岡県久留米市、加計哲明社長)は、縦型圧縮梱包機「ナカミチエコプレス」の100トンタイプを発売した。全国60台の販売実績を持つ50トンタイプに改良を加え、処理能力を約4倍にバージョンアップしたもの。廃プラ・紙・段ボール・繊維くず・空き缶等を扱う資源業者を対象に、年間20台の納入を目指す。



◇75社に認定証を授与
講演で「環境問題の解決を企業理念に」

- (財)東京都環境整備公社 -

(財)東京都環境整備公社による都の「第三者評価制度」に基づく、2010年度優良性基準適合認定証授与式が1月27日午後2時から角筈区民ホール(東京・新宿)で開催された。新たに認定された処理業者75社に認定証が授与された。



◇一般社団法人に移行へ
公益認定基準クリア難しく

- (社)東京産業廃棄物協会/(社)千葉県産業廃棄物協会 -

(社)東京産業廃棄物協会(高橋俊美会長)と(社)千葉県産業廃棄物協会(石井夫会長)は、公益法人制度改革の対応として一般社団法人への移行認可を申請する方針を固めた。



2月14日号ダイジェストニュース

◇改正廃棄物処理法
排出現場と一体なら「事業場外」でない/施行通知で運用を助言


2月4日、環境省は廃棄物処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する法律等の施行についてと題する施行通知を都道府県政令市に送付した。実際の運用にあたり、技術的な助言を行っており、見逃せないポイントが散見される。主なものでは、建設廃棄物の事業場外の保管届け出に関連し、排出現場と空間的に一体とみなすことができる場所は「事業場の外」に該当しない、元請業者一元化の例外条項に関連し、下請業者が運搬する施設は元請業者が下請業者や処理業者から貸借している場合も含まれるなどとしている。



◇高品質RPF製造へ
廃プラは排出企業から直入/木くずも明確なものを利用

- 協栄工業 -

産業廃棄物収集運搬・処分を手掛ける協栄工業(本社・横浜市、内田照夫社長、那須支店)は、RPF原料となる廃プラスチックについて、排出企業からの直接受入に限定して一定の品質を確保する体制を整えた。木くずについても、組成が分かっているものを使う。需要家の規格に合った品質の高いRPF製造のため、生産体制を見直した。



◇登録再生利用事業者の認証取得
食Rループ構築目指す

- 太陽産商 -

古紙・スクラップの再資源化、産廃・一廃の中間処理などを手掛ける太陽産商(和歌山市、金田実社長)は、食品残さの堆肥化事業について、登録再生利用事業者の認証を取得した。和歌山県内のスーパーマーケットや有機農業者グループと連携した食品リサイクルループの構築を進めており、近く再生利用事業計画の認証申請を目指す。



◇難処理廃液を高度処理
中和と濃縮、焼却、生物処理で/焼却排熱も有効利用

- ケー・イー・シー -

ケー・イー・シー(三重県桑名市、三浦洋次社長)は、複雑化している廃液処理について、中和と生物処理、濃縮、焼却を組み合わせた負荷の少ない高度処理システムを構築した。



◇大手衣類、通販とコラボ
カタログ販売、新商品も/デニム端材使用の家具

- アボード -

インテリア家具製造・卸業のアボード(東京・目黒、吉田剛社長)は、衣類製造で発生するデニム端材を有効利用した椅子(スツール)や机など4種の新製品を開発、カタログ販売大手のDinosのインテリア通信販売誌「house styling」を通じて販売を開始した。デニム端材を提供する大手衣類メーカー、EDWINとの3社によるコラボレーションになる。すでに好調な売れ行きを見せている。



◇中間処理施設に選別棟を新設
荷降ろし、選別効率を向上へ

- エコワスプラント -

エコワスプラント(東京都日の出町、浅尾洋和社長)は同社中間処理施設「日の出リサイクルプラント」の隣接地に選別棟を新設した。搬入車両の待機時間の緩和、選別場所の確保が目的。主に住宅新築現場およびユニックでの小口巡回回収による廃棄物の荷降ろし、選別に充てる。混合廃棄物と荷降ろし場所を変えることで再資源化品の質を向上させるねらいもある。



◇余剰汚泥を99%削減
霞ヶ浦・佃煮工場で実証/自己消化利用し排水処理

- ロハスサポート/関根産業/前島工業所 -

ロハスサポート(株)(本社・埼玉県川口市、林恒男社長)は、霞ヶ浦に面する佃煮工場(茨城県かすみがうら市)の協力を得て、高濃度の有機物などを含む排水を高度処理するプラントの実証試験を始めた。佃煮製造工程で発生するBOD2000ミリグラム/リットルの排水を20ミリグラム/リットルにして河川放流できるレベルにする。



◇不投防止へフォーラム
2月17日、県市町村会館で

- 茨城県 -

茨城県は不法投棄防止へ県民の意識を高めるため、2月17日午後1時30分-4時まで水戸市の茨城県市町村会館で「不法投棄防止県民フォーラム〜不法投棄防止―地域、家庭、職場でも〜」を開催する。



◇難処分物増加、対応急務
県・市の施策で状況に違い

- 東北・中部の管理型処分場 -

最終処分場の残余容量のひっ迫がクローズアップされ、リサイクルが長らく推進されてきた。2008年度の産業廃棄物の最終処分量は1670万トンと前年度から17%の減少となった。一方で、処分物は維持管理にコストが掛かったり、容量がかさばるものが増加した。各社とも対応に追われている。



2月21日号ダイジェストニュース

◇石炭ばいじん再資源化施設完成
中間処理で混和材に製品化

- ゼロテクノジャパン -

ゼロテクノジャパン(大分市、岡田秀敏社長)は、石炭発電所などから発生する石炭のばいじん(フライアッシュ)を再資源化して、コンクリートの耐久性を高める混和材に加工する中間処理施設を完成、本格的に受け入れを開始した。



◇堺市の収集運搬事業に参入
組合でリサイクルプロジェクトも

- 西日本環境 -

西日本環境(大阪市、上中輝治社長)は、グループ会社のアール・シー・エス(堺市)を通じて堺市での一般廃棄物収集運搬事業に参入した。2010年12月には堺一般廃棄物処理事業協同組合(堺市)に加盟。今後、組合活動の中で、同市内収運業者らとの連携強化、地元商店会と共同での資源ごみリサイクルシステム構築を目指している。



◇一軸破砕機を新たに導入
木くずを燃料向けに出荷/付加価値を上げて利益確保

- ウェルサイクル -

一廃・産廃の収集運搬・処分業を手掛けるウェルサイクル(長野県上田市、佐藤英次社長)は、バイオマスボイラー向けの出荷量を増やすため、新たに一軸破砕機を導入(37トン/日)した。新事業として、一廃のガラスくずや陶磁器くずなどを資源化する取り組みも始めた。



◇中型家電に品目拡大
広域収集の効果を試行/レアメタル回収で新モデル

- 環境省 -

環境省が公表した新たな使用済み小型家電回収モデル事業では、全国七つの各モデル地域が品目の拡大や広域回収を試行する。品目については、これまで小型家電に軸足を置いてきたが、今後はオーディオ機器や電子レンジ、電気掃除機といった中型家電も視野に有用金属の含有量を調査する。



◇日本テクノが筆頭株主に
白河WPの譲渡も決定

- FESCO -

ファーストエスコは2月10日、子会社の白河ウッドパワー(WP)を日本テクノに1億円で譲渡、さらに同社との間で第三者割当増資を実施すると発表した。新たな株式発行数は5万5491株(1株当たり8650円)。日本テクノの持株比率は4.33%から40.82%となり、ファーストエスコの筆頭株主となる。



◇「浜松方式」がスタート
吹き付け石綿除去・処分工法

- アスベスト圧縮固化工法協議会 -

アスベスト圧縮固化工法(A.S.S.工法)協議会の設立総会が2月4日、静岡県浜松市の浜松市福祉文化会館で開催された。浜松市内を中心に全国各地から約33組織が会員または特別会員で参加し、理事長に地元の石綿調査・除去で実績を上げ、自治体や住民の調整業務も担えるアンビット(浜松市中区)の三浦正行社長が就任した。事務局は同工法を展開する薬剤メーカー、AGUA JAPAN(東京・港)内に置いた。



◇DBOで下水汚泥堆肥化
佐賀市と共同、浄化センター内で/YM菌超高温好気性発酵

- S&K佐賀グループ -

佐賀市と共同で公設民営(DBO)による下水汚泥堆肥化を手掛ける特別目的会社(SPC)、S & K佐賀(佐賀市)は2011年度から、製品となる堆肥「かんとりースーパー佐賀」を地元農家などに廉価で販売することになった。昨年3月に汚泥発酵肥料(普通肥料)として登録された。



◇資源循環優良モデルが決定
11事業者の12件が認定

- 愛媛県 -

愛媛県は2月2日、資源循環型社会の構築を目指し、リサイクルや廃棄物の発生抑制などといった3Rに積極的に取り組んでいる事業所や店舗を顕彰する「愛媛県資源循環優良モデル」の認定証交付式を行った。今回、認定を受けた事業者は県内の11事業者の環境ビジネス12件だった。



◇安全対策の重要性強調
廃棄物適性処理シンポ/JESCO・由田氏も講演

- 千葉県/船橋市 -

千葉県と船橋市は、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長を務めた日本環境安全事業(JESCO)の由田秀人取締役らを招き、廃棄物の適正処理を推進するためのシンポジウム「知ろう、考えよう!私たちの生活と産業廃棄物!」を開催した。2月5日、船橋市で行われ、190人が参加した。



2月28日号ダイジェストニュース

◇産廃ネットへ参加呼びかけ
優良認定は情報公開が必須

- (財)産業廃棄物処理事業振興財団 -

今回の処理法改正で創設された優良産廃処理業者認定制度は処理業者の事業の中身をインターネットなどで公表することが必須となる。そうした中、全国で唯一、廃棄物の種類などを条件に全国規模で許可業者を検索できるシステム「産廃情報ネット」への問い合わせが増えている。同ネットは、(財)産業廃棄物処理事業振興財団が運営、情報公開を前提とする新制度をサポートするツールの一つ。同財団は、新制度をきっかけに優良業者を目指す処理業者に同ネットへの参加などを呼びかけている。



◇オフィス古紙の再生品加工
小ロットでの受注開始

- ナカバヤシ -

ナカバヤシ(大阪市、辻村肇社長)は、環境事業として展開しているオフィス古紙の出張裁断サービスの顧客を中心に、オリジナル包装の再生品トイレットペーパーを小ロット300個から受注生産する加工サービスを開始した。リサイクル活動の成果を目に見える形でアピールできるとして、ノベルティ商品などの提案を進めていく。



◇汚泥排出をゼロに
発酵機導入で成果/製品ルートも確保

- 大槌水産加工事業協同組合 -

大槌水産加工事業協同組合(岩手県大槌町、津田保之代表理事)は、組合員4社の排水を処理する過程で発生する汚泥を肥料化するシステムを導入し、2010年度に産廃として排出していた汚泥のゼロエミッションを達成できる見込みとなった。水産加工業界では珍しい取り組みで、製品の汚泥発酵肥料についても、すでに売り先を全量確保している。



◇トナー、フロッピーも資源化
難処理物をセメント原料に

- アミタ -

アミタ(本社・東京、熊野英介社長)はセメント代替原燃料の製造事業で、廃トナーやフロッピーディスクなど品質や物性上、リサイクルが困難な廃棄物の受け入れを拡大する。年内にも姫路循環資源製造所(兵庫県姫路市)に新設備を導入する。粉体物はジェットパッカーだけでなく、フレコンバッグでも受け入れられるように原料サイロを改良する。



◇海外静脈企業を誘致
中国・瀋陽市代表団が来日/12年に200社、200億元へ


中国・遼寧省の瀋陽市政府環境保護局担当者と現地企業経営者らでつくる代表団が2月17日に来日し、東京都内で日本の廃棄物処理・リサイクル業に同市近海経済区内に設ける環境モデル基地への進出を訴えた。まず2012年中をめどに国内外の環境関連企業200社、200億元の投資を目指す。



◇半水石膏粉を県工事で試験施工
路床安定処理の効果を検証

- 群馬県/群馬大学 -

群馬県と群馬大学地盤工学研究室(鵜飼恵三教授)は今年度、廃石膏ボード由来の石膏粉(半水石膏)を利用した軟弱地盤の改良に関する共同研究を行う。県内は北部の山岳地帯を除き軟弱地盤が多く、地盤工事ではコスト面から路床(路面から約1メートルの層)の置き換えが主流。建設発生土の処分も課題となっていることから、県内2カ所の公共工事で路床安定処理の試験施工を実施、半水石膏粉の土木資材としての有効性を調査する。公共工事で半水石膏粉を利用した事例はあるが、県が研究主体となるのは今回が初めて。「良好な結果が得られた場合には、工事発注者として市場の確保も検討したい」(県土整備部)と期待を寄せる。



◇東京都・優良性評価制度
国の基準と同等に/都内業者に活用求める


廃棄物処理法改正により、国による優良業者認定制度が4月からスタートするが、東京都が独自で実施してきた優良性基準適合認定制度は、評価項目の内容を国の基準と同等にするなどの修正を行い、引き続き、実施する予定。



【週刊 循環経済新聞・付録 低炭素経済新聞 2月28日号】

◇京都議定書達成関連予算案は1兆637億円
環境保全経費は1兆2091億円

- 環境省 -

環境省は2011年度京都議定書目標達成計画関連予算案を1兆637億円計上したと公表した。05年4月の京都議定書目標達成計画の閣議決定を受け、06年度予算からとりまとめを行っていた。また、環境保全経費の概要も公表され、11年度予算案は1兆2091億円だ。



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