循環経済新聞・バックナンバー“2011年4月度”

4月4日号ダイジェストニュース

◇災害廃棄物 処理費、国が全額負担
阪神大震災を超える特例措置


環境省は3月29日、東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理について、費用の全額を国が負担することを明らかにした。 廃棄物処理法では、市町村(民間事業者、市町村への委託を含む)が行う災害廃棄物の処理費用について、2分の1まで国庫補助するが、今回は被害が激甚であることなどから、特例措置が設けられた。市町村の税収に占める処理費の割合により3種類に分かれるが、税収が100億円の市町村で処理費用50億円かかった場合、40億円まで国庫補助される。



◇コークス炉向け、単価上昇
2011年度容リ落札結果/PETは有償で2倍以上

- 公益財団法人日本容器包装リサイクル協会 -

公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(東京・港)は3月9日、2011年度の再商品化に係る落札結果の速報を明らかにした。10年度に比べて、プラスチック製容器包装(その他プラ)のコークス炉化学原料化の平均落札単価1トン当たり2419円上がったのに対して、高炉還元材化は6672円、合成ガス化は6184円、材料リサイクルは2979円それぞれ下がった。PETボトルは中国輸出の買取価格を反映して、有償で2倍以上に跳ね上がった。



◇間伐材搬出プロジェクト
収集量昨年比3倍に

- 都市樹木再生センター -

樹木廃材の再資源化を行う都市樹木再生センター(大阪府大東市、東野隼士社長)は3月16日、同貝塚市で間伐材のチップ化作業のようすを関係者に公開した。大阪府による「泉州地域間伐材搬出利用プロジェクト」の一環。収集された間伐材は250立方メートルで、昨年に比べて約3倍の規模となる。未利用材をチップ化し、ボードなどの原料に活用していく仕組みづくりを目指す。



◇木くずチップ 需要家の工場、一部で稼働再開
需給バランス懸念の声も


東日本大震災で、代替原燃料を使用する工場の多くも稼働停止を余儀なくされた。設備に不具合がなく操業再開する工場も出始めている。ただし、計画停電が稼働率に及ぼす影響は未知数。関東圏では、昨年に引き続く木くずチップの供給過多を懸念する声も挙がる。



◇既存制度は集荷量、確保難
小型家電レアメタル回収/廃掃法特例でも整合に無理

- 環境省/経産省 -

環境省と経済産業省は、3月24日、「使用済み小型家電からのレアメタル回収についての研究会」の取りまとめ案で、既存の広域認定や再生利用認定制度の活用では小型家電の回収量確保は困難との結論を出した。環境省は研究会での成果を踏まえ、今月末から新法制定も視野に電子機器のリサイクル制度について議論を始める。経産省でも様子を見ながらレアメタルリサイクルの施策検討に入りたいとしている。



4月11日号ダイジェストニュース

◇宮城、岩手で85カ所
災害廃棄物仮置き場/約2490万tと推計


環境省は4月5日、東日本大震災で発生する災害廃棄物の量を約2490万トンと推計、その搬入に必要な仮置き場として宮城県、岩手県で85カ所(福島県は面積のみ把握)が設置されていることを明らかにした。



◇先高見越して積込み
廃プラの貿易統計/前年比で3割増加


財務省の貿易統計によると、2月の廃プラ輸出の結果は、14万5493トンで、対前年11万1279トンに対して、131%と増加した。2月は中国系地域の春節(旧正月)があり、工場稼働率は例年ダウンするが、今年に入って原油高の背景から「先高」を見越して3月以降の分を先に積み込んだと見られる。



◇安心・安全にライターを処理
独自開発の破砕機を導入

- 春江 -

春江(東京・江戸川、板橋忠男社長)は、ライターを安全に処理する破砕設備を開発、同社の産業廃棄物中間処理施設「エコアース」(東京・江東)に導入した。



◇コンビニ残さ回収を強化
期限切れ弁当を飼料に

- 京都有機質資源 -

食品残さの飼料化事業を展開する京都有機質資源(京都府長岡京市、安田奉春社長)は、大手コンビニチェーンのセブン―イレブンの店舗や弁当製造工場から出る食品残さの回収を強化する。現在、京都府全域と滋賀県大津市で回収。今後は滋賀県草津市や同守山市などへ拡大させる方針だ。



◇汚染土壌処理業の許可取得
都内初、城南島工場で

- 成友興業 -

成友興業(東京都あきる野市、細沼順人社長)は3月31日付で、東京都から汚染土壌処理業の許可を取得した。同社「城南島工場」(東京・大田)の建設汚泥の脱水・造粒固化施設などを利用して不溶化処理した上で、改良土は提携する管理型処分場の覆土材やセメント代替原料などのリサイクル資材として出荷する計画。都内の事業者が昨年4月の土壌汚染対策法改正で創設した同許可を取得するのは今回が初めて。



◇処理施設面積を50%削減
新型排水処理に引き合い

- 日新電機 -

日新電機環境事業本部は、2010年8月から販売を開始している排水処理設備の新製品「分離膜型ハイキューブシステム」の引き合いが続いている。同社では、食品系工場の移転や改築の際に、排水処理の効率化を求める傾向もあり、同設備の提案を強化する方針だ。



◇古紙持ち去り阻止訴え
全国約1900社から賛同署名

- 日資連 -

日本再生資源事業協同組合連合会(日資連、東京・千代田、上岡克己会長)は、全国で増加する不当な古紙回収とその買い入れ・売却を防ぐため、「持ち去り古紙の流通阻止運動」と銘打った署名活動を開始した。製紙メーカーや古紙輸出業者などの関係業界にも協力を呼びかけ、現在、約1900社からの賛同署名が集まっている。今後は自治体へ条例の制定などを訴えていく。



4月18日号ダイジェストニュース

◇災害廃棄物 自主撤去も補助事業の対象に
特例措置、自治体の判断で


環境省は4月13日、倒壊家屋などを個人が自主的に解体工事業者に依頼して撤去が終了した場合なども補助対象になるとの考えを示した。後日、自治体が同事業に該当すると判断すれば補助対象となる。その場合、自治体と解体工事、廃棄物処理業者との契約に変更するなどの措置を講じる。



◇プラ油化して自社利用
発電・熱回収で経費削減/多層フィルム、紙管付OK

- 細川洋行 -

軟包装材メーカー、細川洋行(本社・東京)の群馬藤岡工場(群馬県藤岡市)では、工場で発生する廃プラスチック類を油化し、生成油で発電、ボイラー・冷凍機の燃料として再利用するシステムを2006年から安定稼働させており、A重油購入と電気代などの削減につなげている。



◇工場廃水分野に参入
乳化油分を99%分離

- 日建 -

自動車部品や水処理機器の製造・販売を手掛ける日建(大阪府高石市、山田原司郎社長)は、新たに廃水処理分野へ打って出る。エマルジョンセパレーターシステム「SEシリーズ」を開発して工業廃水、特に水溶性油を含む廃液の処理ニーズを捉えていきたい考えだ。



◇震災被害に伴い陳情書
農家支援、越境措置求める/農水・環境両省に提出

- 全食リ事務連 -

全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会(石島和美会長)は4月8日、東日本大震災に伴う復興支援について、農家への支援や食品廃棄物の越境に伴う措置を柱とする陳情書を、農水省と環境省に提出した。国や地方自治体と連携しながら国内の食料自給率向上や農業支援に向けて、同連絡会でも全面的に支援していくことを表明している。



◇東電向けに電力を供給
夜間、祝休日もフル負荷運転

- 川崎バイオマス発電 -

川崎バイオマス発電が運営する木質バイオマス発電所(川崎市)は東京電力向けの電力供給を始めた。通常は所内使用分を除き、特定規模電気事業者(PPS)のJX日鉱日石エネルギーに供給している。東日本大震災後の電力不足に対応するため、電力需要が下がる平日夜間、祝休日もフル負荷運転を続け、総発電量の十数%程度を供給する。



◇電子マニ、利用者2000件
ネット環境なしでも利用が可能

- 京都府保健事業協同組合 -

京都府内の医院や歯科医院で構成する京都府保健事業協同組合(京都市)は3月から、医療廃棄物の処理に電子マニフェストシステムを導入、利用者が約2000件に上っている。



◇古紙輸出で放射能検査徹底
コンテナ管理方法を開発

- 寺松商店 -

古紙問屋の寺松商店(福岡県久留米市、寺松哲雄社長)は、自社の輸出向け古紙の放射能検査を徹底させ、海外ユーザーが安心して日本の古紙を利用できる体制を構築した。



4月25日号ダイジェストニュース

◇日量240t大型焼却開始
炭化や熱利用、発電設備も/一廃の燃え殻も可能

- オオノ開發 -

産業廃棄物や一般廃棄物の中間処分・最終処分を展開するオオノ開發(愛媛県松山市、大野照旺社長)は、大型の焼却焼成プラントと発電設備、木質バイオマス用炭化設備を一体的に整備し、4月下旬から稼働を開始した。新焼却焼成プラントは、2系列のロータリーキルンで、運転方法の切り替えにより、廃棄物の焼却処分と汚染土壌の焼成処理を同一施設で行えるのが特徴。1日当たりの処理能力は廃棄物焼却で1基120トン、合計240トン、汚染土壌焼成で1基360トン、合計720トンとなる。 従来、埋立処分されていた可燃物混じりの産業廃棄物を処理・減容し、最終処分量を削減するとともに、高濃度汚染土の無害化ニーズにも対応していく。産業廃棄物および一般廃棄物処理施設として許可を取得しており今後幅広いニーズに対応していく。



◇プラ選別・再生利用へ
溶融スラグは磨鉱処理/マテリアルリサイクル強化

- サンエイ -

重量物取扱業、産業廃棄物処理業などを手掛けるサンエイ(本社・愛知県刈谷市、神谷健安社長、環境事業部)は4月から、従来、焼却溶融していた廃プラスチックのうち、品質の良いものを選別し、破砕・圧縮して再生利用(マテリアルリサイクル)向けに出荷する事業を始めた。



◇再生困難な溶剤を燃料へ
有価原料のほか廃棄物も/CO2削減効果に期待

- 共立化成 -

溶剤リサイクルを手掛ける共立化成(千葉県市原市、野村進一社長)は再生燃料の製造事業を拡大する。増えつつあるマテリアルリサイクル困難な廃溶剤の持つカロリーを利用して再生燃料を製造、マテリアルとサーマルリサイクルの融合を図る。



◇エコフィード利用畜産物認証制度
畜産物、加工食品を認証/使用割合には制限なし
運用は中央畜産会


農水省は、エコフィードを給与して生産した畜産物やその加工食品を第三者機関が認証するエコフィード利用畜産物認証制度の運用に向けて準備を進めてきたが、(社)中央畜産会を認証機関として、早ければ4月末から5月にかけてスタートする見込みとなった。



◇災害廃棄物の分別が始まる
旭市内の仮置き場 県産廃協が協力


東日本大震災で津波などの被害があった千葉県旭市の仮置き場で4月11日から、廃棄物を分別する作業が始まった。災害廃棄物の処理が本格化するのを前に、現場でどの程度分別できるかを見極める。場所は市内5カ所のうち、最初に仮置き場として指定された旧海上中学校跡地。(社)千葉県産業廃棄物協会加盟の4社が分別作業を担当している。



◇4本の支柱で自在に支持
新型のフレコンスタンド/パレットに差すだけ

- ウェイテク -

ウェイテク(本社・横浜市、依田章社長)は新たに、頑丈で湾曲性がある鋼棒製のフレキシブルコンテナスタンド「フレコンピット」を開発、販売を開始した。



◇災害廃棄物マニュアルを公表
現場で活用できる分別法

- (社)廃棄物資源循環学会 -

(社)廃棄物資源循環学会の「災害廃棄物対策・復興タスクチーム」は、東日本大震災における「災害廃棄物分別・処理戦略マニュアル」をまとめ、インターネットサイトで公開した。メンバーが現地で情報収集し、仙台市の対応をベースに専門家の知見を加えたもの。復旧対策を行う自治体担当者やそのサポーターが活用できる。



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