循環経済新聞・バックナンバー“2011年5月度”

---- 5月2日号は休刊です。----

5月9日号ダイジェストニュース

◇災害廃を「組合」で処理
近隣県の業者も加盟/大規模災害廃棄物処理有限責任事業組合

- 宮城県 -

宮城県内で大量に発生した災害廃棄物の円滑な処理を目的とした「大規模災害廃棄物処理有限責任事業組合」(事務局・ジェーエーシー、宮城県蔵王町、真野孝仁代表)が発足した。宮城県のほか、山形県、秋田県、新潟県の収集運搬、処理業者も加盟。収集運搬からリサイクルを優先した中間処理、最終処分までの全工程を組合会社で処理できる。



◇低塩素濃度のRPFを製造
良質品作り、地場工場へ/採算見つつCSR重視

- アペックス -

各種飲料販売大手のアペックス(本社・愛知県大府市、森吉平社長)は、創業した中部地域にある自動車関連メーカーなどの顧客から排出される使用済みカップなどを原料として、塩素含有率500ppm程度の高品質の固形燃料(RPF)を製造、2010年は約665トンを地場企業に出荷した。同社では「採算的には厳しいが、パッケージ飲料の空き缶やPETボトルなどの収益で賄っている。会社の方針として、今後も改善をしながら継続したい」としている。



◇バイオで都市鉱山開拓
実用化に向け連携強化

- 長瀬産業 -

長瀬産業は、バイオ技術によるレアメタル回収事業に乗り出す。子会社のナガセケムテックス、大阪府立大学小西康裕教授の研究グループ、森下仁丹と協力し、微生物機能を活用した低環境負荷・高効率で有用金属を回収するシステムの実用化を目指す。



◇エコフィードでブランド豚
六次産業化に弾み

- 関紀産業 -

養豚業者の関紀産業(大阪府泉佐野市、川上幸男社長)は、食品残さを活用したエコフィードで育てた豚をブランド化し、販売までを手掛けて六次産業化に弾みをつける。付加価値の高いブランド肉「川上さん家の犬鳴豚」として直売も行い、消費者から高い評価を得ている。年間出荷数は2200頭。今後は繁殖部門に注力し、2013年までに約300頭の出荷増を目指す。



◇電動ショベル積極導入へ
日立建機と国内クレジット

- 石坂産業 -

総合建廃処理業の石坂産業(埼玉県三芳町、畝本典子社長)は日立建機と共同で、電動駆動式油圧ショベルを使ったCO2排出削減事業を開始した。国内のCO2排出量の取引制度と言える国内クレジット制度を導入したもの。



◇大型圧縮機を新発売
100リットル・25tの処理能力/一斗缶から発泡スチまで

- 油圧綜合 -

油圧綜合(埼玉県八潮市、武藤透社長)は、圧縮機「AKKANMAN」シリーズの新製品「AKK-025A」(自動・半自動)を開発、販売を開始した。従来の5機種に加わったもので、同社では最も大型のもの。



◇焼却炉の設備損傷も復旧
全拠点で操業再開/衛星電話で早い初動対応

- 鈴木工業 -

鈴木工業(本社・仙台市、鈴木昇社長)は、東日本大震災で被災した産業廃棄物中間処理施設「エコミュージアム21」の仮復旧を終え、4月19日までに汚泥処理施設と焼却施設の運転を再開した。RPF、BDFの製造と廃石膏ボードを再資源化する施設「再生館」の復旧も済み、収集運搬、清掃事業も含め、主要業務すべてにあたれる体制まで戻った。



5月16日号ダイジェストニュース


2011「NEW環境展・東京会場」「地球温暖化防止展」特集号

◇2011「NEW環境展・東京会場」「地球温暖化防止展」

5月24日から東京ビッグサイトで/547社1842小間で開催

web情報はこちらから>>  ◆2011NEW環境展 ◆地球温暖化防止展

2011「NEW環境展・東京会場」「地球温暖化防止展」(主催 日報アイ・ビー)が、5月24日(火)日から27日(金)の4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)東1-6ホールで開催される。テーマは「守ろう地球 創ろう共生社会」。環境分野の専門展として、アジア最大級の出展規模を誇る同展示会は、併催の「地球温暖化防止展」と合わせて547社1842小間となった。4日間で20万人以上の来場が見込まれている。開催概要やみどころ、後援団体のメッセージ、記念セミナー案内、出展内容を紹介する。

■開催概要           2面
■後援団体メッセージ      3面
■記念セミナー案内       5面
■みどころ           6〜7面
■2011NEW環境展・東京会場 2011地球温暖化防止展 出品案内      9〜52面



5月23日号ダイジェストニュース

◇仮置き場で準備が本格化
災害廃棄物の処理に向けて

- 仙台市 -

仙台市内の仮置き場で、災害廃棄物の処理や有価物の売却に向けた準備が本格化している。搬入量の増加にあわせた造成工事、搬入車両の管理・有価物の売却に向けた台貫の設置作業などが行われている。市は災害廃棄物を処理するために3カ所の仮置き場に仮設焼却炉を設置するが、現場では市の方針が決まり次第、積み上げられた廃棄物の中から焼却炉に合った可燃物の選別作業も進めていく。


◇再生プラ原料を安定出荷
放射能チェックも万全/循環利用の需要伸びる

- 大明貿易 -

再生プラスチック原料輸出入、再生ストレッチフィルム製造販売などを手掛ける大明貿易(本社・東京、齋藤秀明社長)は、プラスチックスクラップ(再生プラスチック原料)について1日3回の放射能検査を行うとともに、倉庫内保管などを徹底し、中国の自社工場などに向けて安定した出荷ができていることを明らかにした。


◇リユースで安定供給
溶剤精製・循環利用/コスト・CO2削減を前面に

- 三丸化学 -

溶剤の蒸留精製を手掛ける三丸化学(宮城県村田町、照井潤社長)は、多種多様なリサイクルニーズに応えるため、精製技術の向上を図りつつ、「溶剤リユースがユーザーのコストダウンとCO2削減になる」ことを前面に押し出して営業を進める。


◇バイオコークス製造工場完成
間伐材燃料の商用化へ

- 大阪府森林組合 -

大阪府森林組合(大阪市、古川光和代表理事組合長)は、間伐材などを原料とした固形燃料「バイオコークス」の製造工場(大阪府高槻市)を完成させた。製造能力は年間1800トンで、商用プラントとしては世界初。今年6月に操業を開始し、試行運転を経て2012年度からの本格稼働を目指す。


◇災害廃棄物も高精度に選別
独自のシステムを開発

- 原田産業 -

原田産業(埼玉県上尾市)は東日本大震災で発生した土砂混じりのがれきなどを高精度で選別するシステムを開発した。複数の比重差選別・振動ふるい工程を組み合わせ、リサイクルや安定型処分場が可能な熱しゃく減量5%以下のコンクリート塊・砂、焼却やサーマルリカバリーが可能な可燃物を選別する。


◇各種廃油を再生燃料に
コスト削減・CO2排出抑制

- エイコー -

エイコー(大阪市、山田五十一社長)は、廃油再生燃料化装置「エオミックス」を発売した。装置の開発者と事業契約を結び、製造業のエイコーエコスパ(横浜市)を設立、同社が販売総代理店となる。燃料費や廃棄物処理費等のコスト削減、CO2排出抑制による地球温暖化防止につながるとし、食品加工会社や産廃処理業者など向けに初年度2億円の売り上げを目指す。


◇東海環境サービスに出張検定
廃棄物資格者、制度浸透すすむ

- NPO法人廃棄物教育センター -

業界に先駆けて、廃棄物処理・リサイクル業の実務者を対象とする民間資格者制度「リサイクルマスター」を今年度から始動したばかりのNPO法人廃棄物教育センター(松岡力雄理事長)は先月27日、食品リサイクルの東海環境サービス(三重県桑名市、月城熙城社長)で訪問検定を行った。


◇NEW環境展・東京会場 20年の歩み
廃棄物処理から温暖化対策まで環境全体の展示会へ拡充/優れた技術を国内外に数多く紹介

環境ビジネスの発展・興隆による地球規模の環境問題の解決を目指してきた「NEW環境展・東京会場」は、今年で開催20回を迎える。廃棄物処理問題の解決を目指して誕生。廃棄物処理から温暖化まで環境全体の展示会として拡充。優れた技術やシステムを国内外に数多く紹介、広めてきた。資源循環、低炭素、自然との共生という幅広い目標に向かって着実な歩みを進めることは時代の要請といえる。今回を新たなスタートに、これまで以上に民間の英知を結集し、新しい産業の創出を強力に後押ししていく。


◇災害廃棄物処理 ―震災発生後の国などの動向―
国を挙げ、災害廃棄物処理を支援/効率的な処理へ試行事業が浮上

東日本大震災発生後、環境省は災害廃棄物を迅速に処理する体制を整備、処理費用を国が全額負担する方針を打ち出すなど、一定の成果を上げてきている。一方、災害廃棄物の処理は、できる限り発生現場での分別が安全で効率的であるとして民間の政策研究団体から試行事業が提案されている。一方、重機の確保や補助金が降りるまで必要な資金の調達、被災者はじめ付近住民の理解・協力が課題とされている。


◇災害廃棄物処理 ―現地の対策動向―
国・自治体は震災対応の制度整備/民間は産廃だけでオーバーフロー?
地域差あるが撤去は進む

3月11日の東日本大震災の発生から、2カ月余りが過ぎた。青森県から千葉県に及ぶ太平洋岸に甚大な津波被害をもたらし、環境省推計で約2500万トンと、阪神淡路大震災の1.5倍に及ぶ量の災害廃棄物が発生する見通しだ。これまで国や地方自治体は、ガイドラインや法運用・行政指導の特例を通じて、災害廃棄物の撤去と処理を円滑に推進できる制度体制を築くこと、撤去と処理の方針と手法を整備することに力を尽くしてきた。撤去と集積は福島県の原発事故周辺区域を除くと、全体として進んでいるが、本格的な処理はこれからだ。仙台市など都市圏を抱える被災地では、民間の排出事業者や処理業者の間で、震災時に生じた大量の産業廃棄物の対策に追われている。被災した産廃処理施設の復旧も始まっている。


◇BDF事業で新システム
ユーザーに設備導入/回収、製造、利用までネット化
エムエスデーと提携

- 環境総研 -

フロン回収と破壊・再生処理を手掛ける環境総研(本社・埼玉県桶川市、代表取締役・山田久俊氏)は、FA機器・乾燥機・製粉製造販売のエムエスデー(山形県天童市、代表取締役・武田章氏)と提携して、バイオディーゼル燃料(BDF)製造装置・軽油混合燃料製造システムの製造、販売を行うことになった。


◇産業復興とリサイクル
復旧進むも、中小には難題/石化、プラスチックなど/計画停電、節電を乗り切り

被災地の復興と経済の建て直しには、緊急の取り組みと将来を見据えた産業振興計画が必要になる。喫緊の課題は大きい。政府は電力消費について、大企業などの大口需要家のほか、中小企業にも大幅な節電を求めている。自家発電の強化も求められている。巨大石油化学コンビナートとその関連企業が集まる関東はもちろん、東北には自動車関連企業や世界的にもオンリーワンの電子関連企業が数多く存在する。これらの産業を素材から支える石油製品、化学品、プラスチックなどの産業は今後、どのような生産体制にシフトするのか。産業廃棄物処理企業やリサイクル企業は、産業活動をサポートする存在として何ができるのか。


【週刊 循環経済新聞・付録 低炭素経済新聞 5月23日号】

◇福島県内のメガソーラー計画
震災影響で工事のめど立たず

- 東北電力 -

東北電力は、今年度をめどに着工を予定していた原町太陽光発電所(福島県南相馬市)の建設計画をいったん中止する意向を明らかにした。すでに着工を始めている八戸と仙台の発電所とを合わせ、3カ所で約4.5メガワットの大規模太陽光発電所を建設・運転する計画だが、東日本大震災による津波の被害が大きく、工事着工のめどが立っていない。



5月30日号ダイジェストニュース

◇災害廃棄物 混合状態の廃棄物を少なく
種類ごとに処理方法示す/国が処理指針、県が実行計画作成へ

環境省は5月16日、東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理について国や県などの推進体制や処理方法などに関する処理指針をまとめた。災害廃棄物は、種類ごとに分別、混合状態の廃棄物を少なくし、できる限り再生利用する。災害廃棄物のうち、避難施設や居住地近傍の廃棄物は今年8月末までをめどに仮置き場に移動する。県は同指針をもとに6月半ばまでに処理の実行計画を作成する見込み。


◇資源ごみ回収ステーション開設
民間主導で町のリサイクル率向上へ

- エイゼン -

一廃・産廃の収集運搬・処理を手掛けるエイゼン(愛知県武豊町、永田喜裕社長)は、武豊町の管理の下、一般家庭からの資源ごみ持ち込みを受け付ける「たけとよ資源回収エコステーション」を開設した。ガソリンスタンドの跡地を利用した施設で、プラスチック製容器包装や缶、びん、新聞など16種類に分別された資源ごみを回収している。


◇工業製品、人工芝など多用途
60メッシュから2mmまで

- ラバーテック -

廃タイヤを原料にゴム粉を製造するラバーテック(栃木県小山市、鳥海繁社長)は、60メッシュアンダー品から2ミリメートルまでの各種ラインアップを安定して供給する体制を整えた。ゴム粉は人工芝やマット、競技場のグラウンドのほか、工業製品の原材料としても使用される。


◇食R・養豚事業へ新規参入
山林チップを敷料に活用

- 中國開發 -

産廃処理業の中國開發(広島県府中市、池田博道社長)は6月から、豚舎を併設した飼料化工場「神石エコファーム」の稼働を開始し、食品リサイクル・養豚事業に新規参入する。同福山市内やその近郊のコンビニ工場、パン工場などから食品残さを回収して液状(リキッド)飼料化し、養豚に活用する方針だ。また、豚舎の敷料には自社の山林チップを活用していく。


◇震災影響で受入増
東北からの石膏ボード

- ナコード -

太平洋セメントグループで石膏ボードリサイクルを手掛けるナコード(東京・中央、白澤文和社長)は、廃石膏ボードの受入量が、震災の発生した3月11日以降、約2カ月間で通常期と比べて2000トン増えたことを明らかにした。


◇トータルコストを30%削減
発売20年、モデルチェンジ/新型の汚泥脱水機

- アムコン -

汚泥処理関連装置の製造・販売を行うアムコン(本社・横浜市、佐々木昌一社長、営業推進チーム)は5月24日、新型の汚泥脱水機「ヴァルート VDC-121型」を発売した。低濃度から高濃度の汚泥まで対応できる、含油汚泥に強い、目詰まり無し、低電力低騒音動作、洗浄水極小など従来機のメリットはそのままに、新構造コアユニットの採用で、交換消耗部品の大幅削減と安定的な処理性能、運転オペレーションの多機能化を実現した。


◇放射能汚染土壌を調査
産総研等と協力態勢

- エックスレイプレシジョン -

都市鉱山や土壌汚染向けX線検査機器の製造・販売を手掛けるエックスレイ プレシジョン(京都市、細川好則社長)は、東日本大震災への対応として、福島第1原発周辺地域の放射線測定を行った。


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