循環経済新聞・バックナンバー“2011年8月度”
8月1日号ダイジェストニュース
◇災害廃棄物の処理先を決定
岩手県釜石市で発生した災害廃棄物の総推計量76万2000トンの5%に当たる約3万8000トンを新日本製鐵グループの産業振興と鹿島建設、タケエイの特定建設共同企業体(JV)で処理することが7月25日、決まった。契約金額は13億2300万円。建物解体から災害廃棄物の撤去、収集運搬、リサイクル・中間処理、最終処分までの一連業務を9月末までに完了させる。 ◇RPFの増産準備が整う
日本ウエストグループの川越テック(埼玉県川越市、長田和志社長)は7月5日付けで、川越市から圧縮減容施設(24時間稼働、処理能力36トン/日)の処分業許可を取得した。リングダイ式のRPFを生産する圧縮減容機を2台設置するのは当初計画からあったもの。機械の設置に先行して昨年12月、市に事業計画書を提出して手続きを進めてきた。実際の設置時期は震災後の需要家の生産状況などを見極めながら判断する。 ◇災害廃、セメント工場で受け入れへ
三菱マテリアルは、セメント製造の原燃料代替として災害廃棄物の受け入れを始める。岩手工場(岩手県一関市)では、一般廃棄物処理業の許可が下り次第、地元の一関市内の家屋解体で出る廃棄物の処理から始める。岩手県沿岸部の災害廃棄物についても、木くずを中心に使用を検討している。 ◇都市型食R施設が本格稼働
一廃・産廃収集運搬業の辰巳環境開発(大阪府門真市、辰巳四郎社長)は、食品残さの回収エリアを大阪府全域に広げ、堆肥化施設「東大阪食品リサイクルセンター」(同府東大阪市)を本格稼働させる。都市部にあるという立地条件を生かし、収集運搬費を最小限に抑えて食品リサイクル事業を展開。今後、ホテルや飲食店への営業を強化し、稼働率50%超えを目指す。 ◇再生砕石の受注復調へ
産業廃棄物収集運搬・処分、建物解体などを手掛ける大陽環境センター(本社・茨城県鹿嶋市、安東尚美社長)では、東日本大震災で止まっていた再生砕石などの受注が復調傾向にあることを明らかにした。周辺の同業者も同様の傾向にあるという。 ◇被災地復興、緊急支援へ
電光工業(東京・荒川、河辺幸孝社長)は、「Vスター」「α-Beat」など同社の始動器(スタータ)製品を東日本大震災の被災地での復興作業、災害廃棄物処理機器用に展開していくことになった。 ◇廃棄物処理で改善の指摘多く
全国で病院の機能評価を行っている公益財団法人日本医療機能評価機構(東京・千代田、井原哲夫理事長)は、2009年度の機能評価で廃棄物処理に関する改善が指摘された医療機関が多かったことを明らかにした。廃棄物管理の状況として感染性廃棄物の保管などの状況や、バイオハザードマークの表示などで指摘が多く、管理が行き届きにくい実態があるとみている。
8月8日号ダイジェストニュース
◇西日本最大級の機密処理工場
明和製紙原料(岡山市、小六信和社長)は、オフィスから出る機密書類のリサイクル工場「けすぷろ」(大阪市)をオープンした。同社初の県外拠点であり、機密書類では西日本最大級の処理能力を持つ。分別不要・低コストを特徴とし、持ち込み方式を採用。ビジネス街に近い都市型施設として需要を取り込み、当面は月間500トンの回収を目指す。 ◇2010年 再資源化率88%に
発泡スチロール協会(東京・千代田、小野惠造会長)は、2010年の発泡スチロールリサイクル率が88%(前年比0.5%増)になったことを明らかにした。 ◇廃ブラウン管ガラス
独立行政法人物質・材料研究機構は7月25日までに、家電リサイクルで回収されたブラウン管ガラスカレットが放射線の遮へいに有効であることを実験で確認した。ブラウン管ガラスに遮へい能力の高い鉛が含まれていることに着目したもので、7月24日の地上デジタル放送完全移行後、大量の発生が予測される廃ブラウン管ガラスの新たな利用法としても期待される。 ◇パン類など産廃回収強化へ
食品残さの飼料化事業を手掛ける蔵尾ファーム(大阪府枚方市、蔵尾忠社長)は、食品工場から排出されるパン類など小麦を原料とする産廃の回収を強化する。養豚農家が母体であるため、供給先のニーズを捉えた畜産用飼料の製造を強みとする。 ◇早ければ8月中に本格搬出
東日本大震災で津波などの被害があった千葉県旭市では、廃棄物の本格的な搬出に向けた仮置き場での分別作業が行われている。市内6カ所ある仮置き場のうち4カ所では6月10日から、分別した鉄・非鉄スクラップやコンクリート塊、木くず、可燃物の一部などが各処理先に持ち込まれている。市は年度末までにすべての仮置き場からの搬出を終わせる意向で、早ければ8月中にも可燃物や不燃物などの本格的な搬出が始まるとみられる。 ◇簡単安全な蛍光管粉砕機
各種切断機などを製造・販売するエステック(島根県東出雲町)は、蛍光管の粉砕減容装置「ランプクラッシャー」を新たに市場へ送り出す。一般規格の200リットルドラム缶(直径60センチメートル)に乗せるタイプのため専用容器を用意する必要がなく、低コストで導入できる。 ◇災害廃棄物処理を支援
(財)日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好理事長)は8月中旬から、「JW災害廃棄物処理支援システム」を提供する。利用料金は20円/件で加入料や基本料はない。災害廃棄物処理を支援するために従来から提供している電子マニフェストシステムをベースに災害廃棄物の分類などの項目を追加した。 ◇2011夏季特集号 ■災害廃棄物特集 宮城県・仙台市 10面 ■災害廃棄物特集 岩手県 11面 ■災害廃棄物特集 福島県 12面 ■災害廃棄物特集 インタビュー 13面 ■医療廃棄物処理のこれから 22〜23面 ■廃棄物処理業とIT 29面 ---- 8月15日号は休刊です。----
8月22日号ダイジェストニュース
◇混練処理許可を取得
フクナン開発(本社・福岡県筑後市、中川原孝社長)は、新たに混練の中間処理許可を取得し、廃塗料のリサイクルに乗り出す。八女中間処理場(福岡県八女市)に施設を追加し、順調に稼働しているという。 ◇PTP、建材系が回復
古賀アルミ工業(群馬県安中市、古賀清社長)では、薬剤用PTP箔の印刷ロス品や建築用内装材の端材などアルミを含むスクラップや産業廃棄物のリサイクル加工処理が回復基調に乗ってきた。前処理を施した上で4基の回転炉で溶解してインゴットやペレットにする。今後は、二次電池や太陽光パネルなど、アルミ箔が使われている成長分野にも提案を強化する。 ◇蛍光灯からガラス製品
サンキョウリサイクル(本社・仙台市、大久保信隆社長)は、使用済み蛍光灯から回収したガラスカレットを再度、ガラス製品として使用する「Glass to Glass」の取り組みを前面に出して新たな顧客開拓を目指す。透明性の確保された蛍光灯リサイクルの実現を目的としたもので、高純度のガラスカレットは国内大手ガラスメーカーに販売されているほか、ガラス工房で花びんやグラスなど工芸品にも仕上げられる。 ◇食リ発生抑制の議論再開
農水省食料・農業・農村政策審議会食品リサイクル小委員会と、環境省中央環境審議会食品リサイクル専門委員会は8月10日、東京都内で合同会合を開催し、食品廃棄物の発生量が年間100トン以上の食品関連事業者に対して、2009年度から義務付けられている定期報告結果の概要を明らかにした。定期報告結果の分析をもとに、食リ法の07年度改正で懸案事項となっていた業種ごとの基準発生源単位の策定について検討を開始。今後、ワーキンググループで検討を重ね、来年3月上旬にも第2回合同会合で取りまとめを行う。 ◇産学連携で無害化の実証事業
産学連携によるアスベストを含む災害廃棄物無害化の実証事業が、岩手県釜石市内で行われる。事業主体のストリートデザイン(川崎市、坂本佳次郎社長)などは、9月末ごろをめどに実証炉(日量処理能力5トン)を設置。将来的な事業化も視野に、来年3月まで実証開発を進める。 ◇プレス式ごみ収集車を発売
極東開発工業(兵庫県西宮市、筆谷高明社長)は、プレス式ごみ収集車「4トンプレスパック」をモデルチェンジした新型を発売した。「美しく滑らかな曲線」をテーマとしたデザイン性と、投入口インナースライドカバー等を採用した機能性の両立が特長。ごみ収集車市場での拡販を図り、2012年3月期は年間約400台の売り上げを目指す。 ◇ワンストップサービス構築へ
甲陽興産(滋賀県甲賀市、北角治太社長)は、産業・一般廃棄物の収集運搬や金属くず商、解体工事、環境改善のコンサルタントなど幅広く事業を展開し、実績を伸ばす。同社は、収運からの業務スタートから最終処分、リサイクルまでの一元管理が可能で、排出事業者の立場に立った処理を提案。廃棄物処理のワンストップサービスの構築を図り、排出者と中間処理業者のコーディネート業務を行う。
8月29日号ダイジェストニュース
◇回収・資源化は義務化せず
環境省は、創設を検討している小型家電リサイクル制度について、消費者や自治体に対して回収や再資源化を義務化せず、消費者からリサイクル料金を徴収しないことを前提とした考えを8月22日の小型家電リサイクル小委員会で示した。回収の対象鉱種には鉄や銅、アルミニウムといったベースメタルと貴金属、製錬工程でベースメタルと同時に回収できる一部のレアメタルを選定した。採算性を確保しながら回収できる製品としてこれらの有用金属を含む45品目を挙げた。 ◇プラ資源化で新システム
武松商事グループの神奈川ウッドエネルギーセンター協同組合(横浜市、武松ひで代表理事)は、廃プラスチック類のリサイクルとして、再生利用(マテリアルリサイクル)とフラフ燃料製造を組み合わせた新たなシステムを導入した。手選別・磁力選別した上で、破砕、洗浄、圧縮梱包を行い、それぞれを出荷する。 ◇業界で新回収システム
自動車に搭載されている発炎筒とバッテリーの処理について、各業界団体は広域認定制度を利用した新システムを構築する。日本保安炎筒工業会は処分費用を製品価格に転嫁するシステムを提案した。(社)電池工業会は、使用済みバッテリーを販売店が下取りし、販売店から広域認定制度で回収、解体するスキームを策定した。両団体とも来年4月から運用を始める。 ◇サービス拡充で残さ回収増へ
一廃・産廃収集運搬業の司(三重県松阪市、松村亜矢子社長)は、排出事業者へのサービス向上を図り、食品残さの堆肥化事業を強化する。これまで、発泡スチロールの溶融設備や堆肥化設備を集約した「津リサイクル工場」(同県津市)を2008年に開設するなど、リサイクル事業を積極的に拡大。今後は顧客に対し、容器包装材リサイクルなどのニーズにも応えて回収量の増加を目指す。 ◇震災木くずを受け入れ
日本製紙は8月22日、東日本大震災で発生した木くずのうち、再利用可能なものを石巻工場(宮城県石巻市)のボイラー燃料として受け入れると発表した。同日から試験的に木くずの搬入を始めた。受け入れは、石巻市、東松島市、女川町の石巻ブロックが対象。今後、宮城県との契約が結ばれると、年間約12万トンを燃料として利用できるという。 ◇鉄骨カッターで被災地貢献
オカダアイヨン(大阪市、苅田俊幸社長)が製造する、鉄骨カッター専用機「サイレントTSカッター」の引き合いが強まった。東日本大震災の津波被害で、漁港など解体案件が多数発生したことによる。人命救助のため、船や建造物解体では、迅速で確実に切断できる切断力が要求されることから、自衛隊にも同機が採用された。口コミによる評判もあり、同機の評価につながっているという。 ◇セールス研修が白熱
安心安全の廃棄物処理・リサイクルネットワークづくりを進めるエコスタッフ・ジャパン(ESJ。東京・中央、田部和生社長)は8月19日、東京都内でセールス基礎研修を開き、全国から来た30人を超す新人営業担当者が実際の提案や見積りを想定した模擬プレゼンテーションに挑戦した。 ◇N-EXPO/KANSAI '11(ネキスポ関西)
関西発の環境ビジネスの総合展「N-EXPO/KANSAI '11(ネキスポ関西)」(主催/日報アイ・ビー)が「環境ビジネスの展開」のテーマのもと、2011年9月7-9日の3日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)6号館と屋外会場で開催される。会期中の動員計画は約4万人を予定。西日本やアジアを中心とした海外に向け、ストップ温暖化と資源循環、環境浄化などに関する最新技術を一挙に紹介する西日本最大級の専門展示会だ。今回初となる「解体・建設リサイクルフェア」も同会場で併催する。
■後援・協賛団体からのメッセージ 12面 ■併催行事とセミナー詳細 13面 ■解体・建設リサイクルフェア 14〜16面 ■出品案内 18〜31面
産業振興・鹿島・タケエイJV/市内3地区、3万8000tが対象
川越市から業許可を取得
まずは地元の家屋解体物/沿岸部の木くずも使用を検討
稼働率50%超え目指す
がれき処理、24年の信用/関連企業、地元を重視
内発協などと協力して/発電機・処理機用スタータ
09年度病院機能評価で
都市型・持込方式で需要拡大へ
建設向け減容機貸出検討へ/使用済み発泡スチロールリサイクル
放射線遮へいに効果発揮
養豚農家母体の食R施設
現場の分別作業が進む
水銀捕集集塵機も
電子マニフェストに項目追加
廃塗料リサイクル始動
電池、太陽光パネルも視野に/アルミ含有物リサイクル
透明性確保で新規顧客開拓
定期報告結果まとまる/基準発生源単位策定へ
アスベストを含む災害廃棄物/釜石市内で、来年3月まで
デザインと機能性を両立
排出者と処理業者つなぐ
ベースメタル・貴金属含む45製品/小型家電リサイクル制度
破砕、洗浄、圧縮梱包/再生利用・フラフ燃料化
車載発炎筒・バッテリー/広域認定制度を利用へ
多品目受入し堆肥化事業強化
年間約12万tをボイラー燃料に
がれき処理で高い関心
顧客目線の提案重要
関西発!環境ビジネス最前線/西日本最大級の専門展/「158社・400小間」規模で開催