循環経済新聞・バックナンバー“2011年9月度”

9月5日号ダイジェストニュース

◇セメントなどでの固化が不可欠
10万Bq以下の灰の埋立方法示す

- 環境省 -

環境省は8月31日、放射性物質濃度が1キログラム当たり8000ベクレルを超え、10万ベクレルまでの焼却灰の処分方法についての指針をまとめ、47都道府県に通知した。セメントなどによる固化を不可欠とし、地下水などに溶出しないよう▽埋め立て区画の上下側面に透水性の低い土壌の層などの隔離層を設け、埋め立てる▽鉄筋コンクリートなど長期間耐久性のある容器に入れ、埋め立てる▽屋根付き処分場で埋め立てる―の三つから選定。埋め立て後もモニタリングや排水処理など長期的な管理が必要とした。


◇RPF月間2100t製造
入荷と生産、出荷で管理/選別徹底、建設混廃も増加

- フライトワン -

フライトワン(栃木県足利市、齋藤睦美社長)は現在、月間平均約2100トンのRPF(廃プラスチック類と紙くず、繊維くずなどによる固形燃料)を安定生産し、製紙会社などに出荷していることを明らかにした。比較的品質がよい工場系に加えて、建設系が増え、他の収集運搬業者からの持ち込みも広がっている。


◇能力4倍へ、月800t処理
今月末にも新焼成炉/二次電池からレアメタル抽出

- リユース・ビズテック -

ニッケル水素、リチウムイオン電池など二次電池リサイクラーのリユース・ビズテック(本社・埼玉県川口市、永野鉄洋社長)は、今月末にもニッケルやコバルトなどのレアメタルを濃縮する焼成・乾燥設備を中津川工場(岐阜県中津川市)に増設する。今回導入する焼成炉の処理能力は原料ベースで月間600トン。既設炉と合わせると800トンとなり、現在の4倍近くに引き上がる。


◇100t未満は外食8割
食リ実態調査結果/09年度総発生量242万tに

農水省は8月、食品循環資源の再生利用等実態調査結果(2009年度実績)を公表した。食品廃棄物の年間発生量が100トン未満の、食品リサイクル法に基づく定期報告の対象とはならない事業所における年間総発生量を242万トンと推計。業種別では、外食産業が191万2000トンで、食品産業計に占める割合が79%と最も高かった。


◇木くずチップ広範囲で余剰感
震災木くず受け入れの影響/値切り下げ、処理費の上昇も

東日本大震災で大量発生した木くずの処理を巡り、さまざまな課題が浮き彫りになってきた。従来から、利用先の確保や津波を被った木くずを燃料利用する際の塩分などについて指摘されてきたが、各県で災害廃棄物処理実行計画の策定や二次仮置き場における中間処理業務受託者の選定が進みつつあるなかで、被災地域で震災木くずの処理を優先することに伴う通常の木くずチップの流通に及ぼす影響、需給の余剰感に伴う販売価格の大幅な切り下げなども現実的な課題として浮かび上がっている。


◇廃棄物選別機を貸与
8月上旬から2カ月間

- 富士鋼業 -

富士鋼業(本社・静岡県藤枝市、石澤誠也社長)は、8月上旬から2カ月間、廃棄物選別機械「フジフォークスクリーンCV40」1台を宮城県石巻市河北町釜谷地区一次仮置場(大川小学校内)へ無償貸与している。8月4日から現地にスーパーバイザー要員を派遣し、操作方法や注意事項などを説明した。東日本大震災の災害廃棄物処理を支援するため、宮城県と石巻市の協議で実現した。


◇LED販売事業を開始
温暖化対策の新展開で

- 加藤商事 -

加藤商事(東京都東村山市、加藤宣行社長)は、CO2削減提案事業の一環として、直管型LED照明「アドバンストチューブ」(JFE製)の販売事業を開始した。使用済み蛍光管の処理リサイクルをトータルサービスとして提供するなど環境ビジネスの観点に則した独自の販売に力を入れる。


9月12日号ダイジェストニュース

◇宮古と釜石に100t/日仮設炉
二次仮置場は県内6カ所/災害廃処理、詳細計画案

- 岩手県 -

岩手県は、県内で発生した災害廃棄物処理の詳細処理計画案で仮設焼却炉や破砕・選別作業を行う二次仮置き場の設置予定場所を示した。仮設炉は宮古市と釜石市に1日当たり100トン規模の処理能力のものを設置する。二次仮置き場の候補地は宮古市と山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市の6カ所で、それぞれ1日当たり700トンの破砕・選別施設をつくる。


◇再生資源業者4社を認証
輸出ライセンス視野に

- CCIC・JAPAN -

中国国家の認可で検査、査定、認証、測定等の業務を行っているCCIC・JAPANは、自社のコンサルタントで、中国認証審査機関CQCによるISO9001認証の現場審査が行われ、日本の廃棄物原料輸出会社4社が近く認証取得することが決まった。


◇困難物を確実に処理
コンクリ固化工場を新設/特定有害産廃も許可取得

- 宝栄産業 -

宝栄産業(神奈川県小田原市、山田肇社長)は、特定有害産業廃棄物と普通産廃の汚泥や燃えがら、廃試薬などをコンクリートで固めて不溶化する中間処理工場「成田事業所」(小田原市成田)を新設、8月9日から稼働を始めた。特管の廃酸、廃アルカリの中和処理施設も併設し、処理後の廃液を一部混練工程で利用する。


◇家庭系生ごみの堆肥化受託
1万世帯から回収目指す

- 水口テクノス -

水口テクノス(滋賀県甲賀市、小山浩社長)は、家庭系・事業系生ごみの堆肥化事業を強化し、自社農場「水口テクノスファーム」(同市)を通して食品リサイクルループの構築につなげる。家庭系生ごみは現在、甲賀市総世帯数の26%に当たる約8400世帯から回収。今後、市や住民と協力して周知活動を行い、今年度末までに1万世帯の参加を目指す。


◇再生砕石の余剰感が加速
首都圏、公共工事の減少響く

首都圏で再生砕石の需給ギャップが顕著になっている。東京国際空港(羽田空港)の再拡張事業という、再生砕石や建設発生土、建設汚泥の大規模な受け皿が閉じた影響が大きい。コンクリート塊の中間処理施設を広域に求める流れから、収集運搬費用や処理費用も上昇傾向にある。ただし、この需給ギャップは米国住宅問題に端を発した世界同時不況(2008年9月)の影響が残るなかで顕著となった。公共工事が先細りする一方で、都心部などの民間工事では今後、再開発案件や建て替え需要に伴う解体工事が増えると予想される。このため、需給ギャップがさらに加速して解体やその先の工事にまで影響が及ぶ可能性もある。


◇茶殻リサイクル空き容器回収箱
消臭とCO2固定に効果

- 伊藤園 -

伊藤園は9月、茶系飲料の製造工程から排出される茶殻を配合したリサイクルボックス「お茶入り空き容器回収BOX」を開発し、同社全営業拠点での設置を開始した。


◇座談会 再生砕石を巡る現状、用途・需要開拓の必要性
需給ギャップの打開策を探る
【出席者】クワバラ・パンぷキン 専務 桑原次男氏/黒姫 社長 渡辺明彦氏
     増尾リサイクル 溝口孝義氏/東京大学大学院工学系研究科建築学専攻建築材料研究室 講師 北垣亮馬氏
【聞き手】冨見田陽一/小林徹也

再生砕石のリサイクルを振り返ると、公共工事を中心に路盤材や埋め戻し材などに利用されてきた。 首都圏では一昨年度まで、東京国際空港(羽田空港)の再拡張事業が再生砕石、建設発生土、建設汚泥(泥土)の受け皿となってきた。再拡張事業が一段落した昨年度からは大規模な受け皿がなくなり、市場は急速に縮小した。公共工事も先細りしている状況下で、首都圏ではコンクリート塊、再生砕石の需給バランスに大きなギャップが生じている。 その一方で、これまで高いリサイクル率を維持してきた再生砕石について、官民ともに需給バランスやリスク管理、新たな需要開拓に関する目立った議論をしてこなかった。 座談会では、解体工事業からクワバラ・パンぷキンの桑原次男専務、コンクリート塊の収集運搬業から黒姫の渡辺明彦社長、再生砕石の製造業から増尾リサイクルの溝口孝義氏、学識者として東京大学大学院工学系研究科建築学専攻建築材料研究室講師の北垣亮馬氏を迎え、コンクリート塊や再生砕石を巡る現状の分析、具体的な打開策、今後の展望について探っていく。


◇産廃から1500kW/時発電
余剰電力をPPSへ売電

- 市原ニューエナジー -

市原ニューエナジー(千葉県市原市、杉田昭義社長)は廃プラスチック類や木くずなどの産廃を焼却炉で燃やす際に発生する排熱を利用して発電をし、余剰電力を特定規模電気事業者(PPS)の丸紅などに販売している。自社で発電する平均約1500キロワット/時の内、自社施設で使用する500キロワット/時を除いた電力約1000キロワット/時を供給している。1月13日付けで一般廃棄物処分業の許可も取得、自治体からの可燃ごみなども扱えるようになった。


9月19日号ダイジェストニュース

◇災害廃処理促進で要求
汚染廃棄物処理でも/第3次補正予算

- 環境省 -

環境省は9月13日、2011年度第3次補正予算要求について、災害廃棄物処理関連で不足分があるとの観点から、1次補正予算に引き続き、積み増しを要求する考えを明らかにした。災害廃棄物処理については第1次補正で3519億円が計上され、7割以上の交付が確定している。廃棄物の量に比べ、金額的に不足しているとみられる。要求額は未定だが、1次補正と同規模になるとの見方もある。


◇有価物と産廃を明確区分
収運業の新会社設立/契約や決済を透明化

- Sリサイクル -

有価プラスチックスクラップなどの買い取り・リサイクルを手掛けるSリサイクル(本社・東京、後藤雅晴社長、東京オフィス)は、産業廃棄物を回収・リサイクルするための新会社「エコロ」(本社・埼玉県所沢市、東京オフィス)を設立、9月から本格的に営業を始めた。有価物と一緒に産廃も引き取ってほしいという排出企業の声に対応するもので、産廃は別法人のエコロが委託契約とマニフェスト対応、収集運搬と費用決済などを行い、廃棄物処理法順守とコストの透明化を図る。


◇一極集中で作業効率アップ
手解体工場隣に破砕施設/横持ち輸送・人件費を削減

- 秦野金属 -

秦野金属(神奈川県秦野市、金岡昭吉社長)は、廃プラスチックや金属などを破砕・選別する中間処理施設を手解体工場の隣に移設し、一極集中態勢とすることで処理作業の効率性を高めた。工場間を横持ちする手間がなくなり、車両での輸送費や人件費を削減できた。


◇食リ制度 どうなる? 発生原単位
業種ごとの基準設定へ

食品廃棄物の発生抑制推進に向けて、業種・業態ごとに食品関連事業者の達成目標となる基準発生原単位を設定するための議論が10月にもスタートする。農水省食料・農業・農村政策審議会食品リサイクル小委員会と環境省中央環境審議会食品リサイクル専門員会の合同会合の下に設置されるワーキンググループが月1回のペースで検討を行い、来年3月をめどに取りまとめを行うが、同業種間でも扱う商品によって事情が大幅に異なることから、議論が難航することも予想される。


◇コスト削減、販売網の拡充へ
広域環境開発の事業を承継

- 黒姫 -

首都圏を中心にコンクリート塊の収集運搬、再生砕石の製造を手掛ける黒姫(東京・足立、渡辺明彦社長)は広域環境開発(千葉県袖ヶ浦市)との間で事業を承継することで合意し、ことし7月1日付で黒姫が広域環境開発の全株式を取得した。収集運搬業として再生砕石の原料となるコンクリート塊の調達に強みを持つ黒姫と首都圏近郊に広大な敷地の中間処理施設を所有する広域環境開発の事業を組み合わせることで、シナジー効果が期待できると判断した。


◇低位排熱で高効率発電
小型のバイナリー方式

- 神戸製鋼所 -

神戸製鋼所(圧縮機事業部冷熱・エネルギー部営業室)は、工場排熱や地熱などを利用して発電する、高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー MB-70H」を開発、10月から販売を開始する。最大発電端出力は70キロワット。100キロワット以下クラスでは、国産初の商品になる。本体ユニット価格は2500万円で、今後機種を拡充し、2015年度までに年間売上高30億円を目指す。


◇4組合と災害廃処理の協定締結
南関東直下地震の規模を想定

- 神奈川県横須賀市 -

横須賀市は8月25日、横須賀産業廃棄物処理業協同組合(組合員10社)など4組合と地震などの大規模災害時の廃棄物の処理の協定を締結した。協定を締結した組合は、横須賀環境事業協同組合(同8社)、横須賀市資源回収協同組合(同21社)横須賀市一般廃棄物協同組合(同9社)になる。


9月26日号ダイジェストニュース

◇日本初の20tタンブラー
車・家電のプラ再生に対応/業界他社との提携も視野に

- タカプラリサイクルコーポレーション -

高六商事グループのタカプラリサイクルコーポレーション(本社・栃木県那須町、相浦竜美社長、東京営業所)は、本社工場に再生プラスチック原料製造用の1バッチ(15分間)20トンという日本初の大型タンブラー(プラスチック混合機)を導入、9月から試験運転に入った。これまですでに、1バッチ10トンのタンブラー3基を動かしてきたが、リサイクル法に対応する自動車・家電メーカーの大量需要に応じられなくなっていた。


◇PETキャップでポット
100%リサイクル原料使用/地元FM局通じて収益寄付

- チューサイ -

プラスチックのマテリアルリサイクルやRPF製造、廃棄物収集運搬・中間処理などを手掛けるチューサイ(本社・静岡県焼津市、渡辺和良社長)は、エコキャップ運動で集まったPETボトルキャップの一部を自社で加工、製造した「プチエコポット」を4月から販売、香川県の高校などからも注文が来るようになった。着色用の顔料は配合しているが、原料はキャップの樹脂を100%使ったもので、エコマーク製品と静岡県のリサイクル認定製品に認定されている。価格は1個50円。


◇泥状溶剤の再生を事業化
間接加熱で温度を均一に

- 開発化学工業 -

開発化学工業(千葉県松戸市、松菱則嗣社長)は、千葉県経営革新の承認を受け、微細な粉体が混ざった泥状物を含む廃溶剤を間接加温して蒸留する方式を用いて、代替フロンなど付加価値の高いフッ素系廃溶剤の再生事業を始めた。再生溶剤の回収率と品質を向上させつつ、焼却処分としていた残さの減量にもつなげた。


◇みやぎ生協から廃食油を回収
BDF精製プラントが完成

- 大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ -

企業組合労協センター事業団(東京・豊島)は廃食油からバイオディーゼル燃料(BDF)を精製する施設、バイオマス事業所「あぐりーんみやぎ」(宮城県大崎市)を完成、みやぎ生協の店舗などから廃食油の回収を開始した。


◇石巻地区の災害廃棄物 工期を4・5カ月前倒し
鹿島JV、処理業務概要が明らかに

鹿島建設を代表とする9社の特定建設工事共同企業体(JV)が提案した宮城県石巻市、東松島市、女川町にまたがる石巻地区の災害廃棄物処理業務の概要が明らかになった。石巻港雲雀野地区、潮見町の二次仮置き場に日量処理能力300トンの焼却炉5基、粗選別ヤード、廃棄物・津波堆積物それぞれの破砕選別ヤード、木くずのバイオマス発電機などを設置する。来年3月までの第1段階で二次仮置き場に搬入された廃棄物約72.1万トンを、来年2月からの第2段階で一次仮置き場、解体現場から搬入される廃棄物613.3万トン、津波堆積物200万立方メートルを処理していく。


◇周波音で害獣の侵入防ぐ
食リ施設や農家へ導入図る

- 大阪ツーワイ -

大阪ツーワイ(大阪府岸和田市、川上信行社長)は、周波音を利用してイノシシやネズミなどの害獣を追い払う多重音波害獣対策装置「アニマルストップ」を発売した。食品リサイクル施設や倉庫、農家、ゴルフ場、レストランなど幅広い分野を対象に導入を図り、初年度1000万円の売り上げを目指す。


◇10月にも本稼働へ
被災焼却炉を修復

- タイワコスミックミリュー -

建設系など産廃の焼却・破砕を手掛けるタイワコスミックミリュー(宮城県大和町、陰山豊社長)は、東日本大震災で損傷した焼却施設の修復が進み、10月をめどに本稼働を再開する見通しとなった。


バックナンバーに戻る