循環経済新聞・バックナンバー“2013年3月度”

3月4日号ダイジェストニュース

◇出島に190万m3規模
管理型と安定型で10年間

- (財)広島県環境保全公社 -

 (財)広島県環境保全公社は、県が整備した廃棄物埋立護岸内と隣接地に廃棄物を受け入れるための施設を建設した。主な受け入れ施設の起工式を2月23日、実際の埋立施設となる出島地区廃棄物埋立処分場内で開催した。2014年の春までに、受け入れ開始する。


◇RPF生産能力168t/日に
設備増強で販路も拡大

- 川越テック -

 日本ウエストグループの川越テック(埼玉県川越市、長田和志社長)は、RPF製造工場にリングダイ式成型機(処理能力36トン/日)1台を追加設置し、2月末から本格稼働を開始した。設備投資額は約7000万円。事業開始当初から進めてきた計画通り、1日当たり168トンの生産体制が整ったことになる。今後、さらに高品質な原料の確保と新規需要先への販路拡大に向け、営業を強化していく方針だ。


◇BOD、CODが大幅低下
水処理プロセス見直し/安全管理を一層強化

- 木幡興業 -

 木幡興業(本社・埼玉県三郷市、木幡毅社長)は、同社埼玉工場(埼玉県吉川市)で手掛ける水処理のプロセスを見直した。加圧浮上の前段階に薬剤を添加する反応槽を設置したことにより、処理後排水のBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)などの数値が大幅に低下したという。プロセスの見直しにより、安全管理が一層強化され、処理効率も向上した。


◇生協食堂残さをバイオガス化
燃料利用と事業規模の相関示す

- 大阪府立大学・資源循環工学研究所 -

 大阪府立大学の21世紀科学研究機構・資源循環工学研究所(小西康裕所長)の徳本勇人助教の研究グループは、構内にある生協食堂から出る食品残さをバイオガス化して、自動車等の燃料や発電などに活用する研究を進めている。「生協総研賞・第9回助成事業」に採択され、2011年度から同大生協と連携で実施しているもの。最新の研究動向について取材した。


◇県内改良土の積極利用を
盛土材不足で緊急提言/10%分の解消が可能

- 宮城県改良土協会 -

 宮城県で3000万立方メートル規模の盛土材・復興資材が不足(県推計値)すると指摘される中、宮城県改良土協会(仙台市宮城野区、赤坂泰子会長)は「大震災による盛土材料不足に関する緊急提言」をまとめた。県内工事で発生する一般の建設発生土のリサイクルを促すとともに、震災復興に向けて改良土を復興資材に積極活用し、復興資材不足を解消する一策に位置付けたい意向だ。すでに県内の公共機関などへ啓発を開始している。


◇産廃管理システムでCSR確立
物流会社60拠点に導入

- エスエムエス -

 エスエムエス(和歌山市、辻雅敏社長)は、物流業の新開トランスポートシステムズ(東京・江東)に産廃マニフェスト管理システム「産廃イチロー」と「契約書セット」を納入した。現在は、全国約60拠点に導入され、「期待通りの効果を挙げている」と好評を博している。


◇県外産廃の搬入を緩和
指導要綱を見直し

- 千葉県 -

 千葉県は「千葉県県外産業廃棄物の適正処理に関する指導要綱」を見直し、4月1日から県外産業廃棄物を県内で中間処理する場合の事前届け出制を廃止する。県外産廃を県内で最終処分する場合は従来どおり事前協議を行う。両処理について毎月産業廃棄物管理票に基づく処理実績の報告を求める。


3月11日号ダイジェストニュース

◇盛土材4000万m3が不足
県外資材調達も視野に

- 宮城県 -

 東日本大震災の復旧工事が本格化している宮城県で、復興資材の盛土材料が推定3000万-4000万立方メートルほど不足していることが明らかになった。県は今後建設リサイクル材や震災リサイクル材の有効活用を掲げているほか、県外からの資材調達も視野に入れている。県と県内沿岸に位置する15市町は昨年9月10日、盛土材不足を解消するため、「震災復興に伴う盛土材連絡調整会議」を設置した。


◇その他プラが若干増
全体的には横ばい傾向

- 2011年度容リ再商品化実績 -

 政府がまとめた容器包装リサイクル法に基づく市町村における2011年度の分別収集・再商品化実績によると、プラスチック製容器包装(その他プラ)の分別収集量が72万5621トン(前年度比1万6671トン増、102%)、再商品化量が68万5556トン(1万3852トン増、102%)と伸びを示した。ガラス製容器(無色、茶色、その他の色)と紙製容器包装、PETボトルはほぼ前年度比並みだった。


◇対象品目は28に分類
政省令を公布/参加自治体は3割にとどまる

- 小型家電リサイクル法 -

 「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)」の政省令が3月6日に公布、4月1日からの施行が正式に決まった。対象品目は携帯電話・PHS端末、デジタルカメラ、パソコンなど28に分類した。ただし、4月以降も小型家電リサイクル法に乗せずに資源化を行うことも可能なため、参加の可否や参加した場合の回収品目は市町村が個別に判断することになる。


◇ユニーが農水大臣賞
食リループ構築など評価に

- 食品産業優良企業等表彰 -

 総合小売業を展開するユニー(愛知県稲沢市、佐古則男社長)は、(財)食品産業センターと(財)食品流通構造改善促進機構が主催する第34回食品産業優良企業等表彰の環境部門で、農林水産大臣賞を受賞した。食品リサイクルループの構築などが評価されたもので、東京・霞が関の東海大学校友会館で1日、表彰式が行われ、農水大臣政務官の長島忠美氏から同社・佐古社長に賞状が手交された。


◇震災廃棄物をマイクロ波処理
非飛散性アスベスト無害化に成功

- 京都大学 -

 京都大学は、震災廃棄物をマイクロ波で処理する実験プラントを宮城県名取市にある閖上中学校の敷地内に設置、稼働した。これは、環境省から震災復興予算を受けて立ち上がったプロジェクト。非飛散性アスベストを含んだがれきにマイクロ波を照射することで、無害化を実現し従来の無害化処理に比べてコストや時間の削減に成功した。


◇下ごみ選別装置を開発
リデュースエコマックス

- 福永 -

 サニー・クリエーション・プランニングのグループ会社、福永(福島県須賀川市)は、下ごみを選別し土砂や木くずなどに資源化できる「リデュースエコマックス」を開発した。1号機は、2012年から被災家屋などの選別資源化プラントとして、須賀川市内で現在も稼働している。


◇東日本大震災から2年 災害廃棄物の処理は今
福島県初の仮設炉が本格稼働/宮城県内仮設炉29基設置完了

 東日本大震災から2年。当初は復旧・復興の障害とされた災害廃棄物だが、現在、宮城県では計画された仮設炉29基の設置が完了し、福島県では県初の仮設炉が本格稼働している。本紙では被災地の処理として、宮城県気仙沼市、女川町、福島県相馬市の取り組みと、広域処理として大阪市、金沢市の取り組みを紹介する。


3月18日号ダイジェストニュース

◇FITで木質バイオマス発電
新たに太陽光施設の竣工も

- ファーストエスコ -

 ファーストエスコ(東京・中央、島崎知格社長)は3月11日から、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく売電に移行した。これまでRPS法に基づき売電していたが、昨年に移行手続きを申し込み、3月6日にFIT設備認定を取得。また2月から、新たに太陽光発電事業も開始している。


◇実験器具やブラウン管も利用
原料の85%がリサイクルカレット/グラスウールの原料多様化

- マグ・イゾベール -

 マグ・イゾベール(本社・東京、フランソワ・ザビエ リエナール社長)は現在、主力商品であるグラスウールの原料のうち、約85%にリサイクルガラスを使用、ビーカーなどのガラス製実験器具やブラウン管ガラスなど調達先も広げている。


◇HDDのネオジム磁石回収
データ消去も同時に実現/アルミ精錬所で資源化

- ディファレント -

 ディファレント(東京・江東、亀山亮太社長)は、使用済みパソコンのハードディスクドライブ(HDD)からネオジム磁石を取り出すと同時に、データを消去する技術をリサイクルフローに取り入れた。アルミ精錬のキルンでHDDを加熱溶融し、金属の融点の差を利用してレアアースを含むネオジム磁石を回収する。


◇縦型発酵槽を増設へ
食リのニーズに対応/原料に応じてメタン化も

- 鳥栖環境開発綜合センター -

 食品リサイクル登録再生利用事業者の鳥栖環境開発綜合センター(佐賀県鳥栖市、宮原敏也社長)は、食品廃棄物の受け入れ体制を強化する。排出事業者から食リのニーズが高まっていることを受けて、メタン発酵施設と併設して現在5基設置している縦型発酵槽を、4月以降に2基増設し、搬入増に備える。


◇浦安市から10万m3
噴砂など処理本格化

- 環境テクノサービス -

 環境テクノサービス(東京・千代田、山下惠司社長)は、千葉県浦安市から請け負った東日本大震災による液状化現象で発生した噴砂などについて本格的に処理を開始したことを明らかにした。処理を進めるため同社は、昨年10月に浦安改良土センターを稼働させ、約10万立方メートルの処理を3年間で行う。同社は八戸、秋田、金沢、など国内7カ所に改良土センターを設置、各地で建設発生土や噴砂などの処理に取り組んでいる。


◇電磁場でパイプ内の汚れ除去
焼却炉向けに販売強化

- 帝産湖南交通 -

 路線バス事業などを行う帝産湖南交通のバイオテック・エコ事業部(滋賀県草津市)は、パイプ内の汚れを除去・防止する交流電磁場処理装置「ウォーターウォッチャーEWDO-Ox」(デジタルタイプ)の本格販売に乗り出した。従来のアナログ機に比べ、処理性能が最大30倍にアップ。汚れの除去が約3週間で確認できるものとなっている。


◇小型家電リサイクル×福祉
資源化作業を担う障害者
自立支援・工賃向上に期待/処理コスト低減のメリットも

 「月額1万3586円」。就労継続支援B型事業所、入所・通所授産施設、小規模授産施設といった企業と雇用契約を結ばず、障害者に就労機会を提供する福祉事業所の平均工賃だ。最低賃金の保証外となっている。これらの事業所では、企業から商品の組み立てなどの業務を請け負って工賃を得ているが、経済不況のあおりを受けて作業の受注が難しくなっているという。今年4月には、障害者の経済的な自立を進めるための「障害者優先調達推進法」が施行される。


◇「不適正除染」など発覚
作業の進捗にも影響

- 除染事業最前線 -

 東京電力福島第1原子力発電所事故から2年が経ち、昨年夏からは順次除染作業が実施されている。汚染状況重点調査地域で除染計画が策定されたのは93市町村(2013年1月29日時点)に上り、除染特別地域では、4市町村で本格除染を開始している。


◇新規設置2万1194件
最終処分残り13.6年/2010年度産廃施設

 環境省は3月11日、2010年度実績となる産廃処理施設の設置、許可状況について明らかにした。新たに設置された施設は中間処理施設1万9147件(対前年173減)、最終処分場2047件(同110減)と合計2万1194件となった。最終処分場の残存容量は1億9452万立方メートル(同1449万立方メートル増)、残余年数は13.6年(同0.4年増)とどちらも増えている。


3月25日号ダイジェストニュース

◇間伐材中心の新規ボイラー
5000kwhで年間約11億円売電

- 岐セン -

 染色加工で実績を持つ岐セン(岐阜県瑞穂市、伊藤勇社長)は、間伐材を中心とした木質バイオマス発電所を岐阜県瑞穂市に建設する。新年度着工を目指し、2015年4月に操業を始める予定だ。発電出力は5000キロワット時で、中部電力などに全量売電する。年間で330日稼働し、約11億円の売電を見込んでいる。


◇廃プラ燃料化事業が多様化
RPF、フラフ、発電、セメント原燃料化など/太陽光発電事業も次々

 廃プラスチック類の燃料化事業がここに来て、多様化、“ハイブリッド化(複合化)”する動きが広がりつつある。従来、RPF(紙くずや廃プラなどでつくる固形燃料)や廃プラ燃料を使用した発電、セメント原燃料化、焼却・エネルギー回収などが主流だったが、フラフ加工なども一部ではあるが広がりつつある。


◇物流倉庫としても活用
旧工場の倍の広さに/OA資源化工場を移設

- 旭商会 -

 旭商会(本社・相模原市、根本敏子社長)は、使用済みOA機器などの資源化工場「第1エコ・プラザ」を相模原市の金属機械工業団地内に移設した。建屋面積は430坪で旧工場の約2倍の広さとなった。同社が構える「第2エコ・プラザ」や「ソリューション・プラザ」近くという立地を生かし、物流倉庫としての役割も担う。


◇発酵槽の復旧工事終了
稼働再開で100%受け入れ

- バイオエナジー -

 食品廃棄物のメタン発酵事業を手掛けるバイオエナジー(東京・中央、岸本悦也社長)は昨年9月に施設内で事故が発生し、しばらく50%稼働となっていたが、このほど復旧工事を終了、100%稼働を再開した。事故原因は安全装置の設計上の不備とされたが、食品廃棄物のメタン化自体が前例のない事業。貴重な経験として今後に生かすとみられる。


◇石綿含有産業廃棄物
中間処理施設での取り扱い禁止へ

- 東京都 -

 東京都は「非飛散性アスベスト廃棄物保管届出書」を今年3月末で廃止することを明らかにした。4月1日以降、排出場所から直接最終処分場や溶融処理施設等へ持ち込むか、積替保管施設経由で最終処分場や溶融処理施設へ持ち込むことが必要になる。


◇移動式の破砕機を開発
災害復旧現場や処分場に

- 極東開発工業/日本トレクス -

 極東開発工業(兵庫県西宮市、筆谷高明社長)は、グループ会社の日本トレクス(愛知県豊川市)と共同で、「移動式破砕機」を開発した。全国自治体のリサイクルプラントなどに135機の納入実績がある竪型高速破砕機「極東・トレマッシェ」を日本トレクス製のトレーラに搭載したもの。災害復旧現場や最終処分場での活躍を見込む。


◇災害廃の受入終了
累計2万2400tを処理

- 北九州市 -

 北九州市は昨年9月より開始した、宮城県石巻市の震災廃棄物(焼却対象物)の受け入れ・処理を今年度で終了すると発表した。受け入れ量は累計で約2万2400トン。市内処分場への焼却灰の埋め立ては今月内に終了する。


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