循環経済新聞・バックナンバー“2013年11月度”

11月4日号ダイジェストニュース

◇紋別で木質バイオマス発電
発電規模は5万kW/燃料チップ工場も併設へ

- 住友林業/住友共同電力 -

 住友林業と、住友化学の連結子会社である住友共同電力(愛媛県新居浜市)が、北海道紋別市で木質バイオマス発電事業を始める。発電規模は5万キロワットで、主燃料には間伐材等の未利用材を使用。2014年9月に発電所の建設を始め、16年12月からの本格稼働を目指す。同社らは、発電会社と燃料チップ製造会社を合弁にて設立すると発表している。


◇地域資源の掘り起こし強化
量販店や農協とタイアップ/小電・プラなどリサイクル

- 太陽環境保全 -

 太陽環境保全(本社・秋田県大仙市、今野勇二郎社長)は、地元の家電量販店やパソコンショップ、農協、建設会社など、幅広い排出事業者に廃棄物に応じたリサイクルを提案する営業を強化する。小型家電を含む使用済み電気機器専用のリサイクル設備、廃蛍光灯破砕装置、RPF製造施設、発泡スチロール溶融施設、古紙圧縮施設などさまざまな施設を持っており、シナジー効果による事業ができるのが強み。すでに、「これまでリサイクルが難しかったものを扱ってもらえる」と好評を博しており、今後も多様な品目に関するノウハウを蓄えていく考えだ。


◇廃タイヤ資源化工場を開設
使用済み自動車を一貫処理/32分割にカット、代替燃料に

- 荒川産業 -

 荒川産業(本社・福島県喜多方市、荒川洋二社長)は、福島県郡山市に廃タイヤリサイクル専門工場「KWC郡山ウエイストセンター」を開設した。今年3月に産業廃棄物・一般廃棄物の中間処理業許可を取得、プラントの調整などを経て9月半ばから本格稼働を開始した。


◇再生利用事業登録を取得
事業系一廃の受入強化へ

- 日野ドリームファーム -

 食品リサイクル事業を行う日野ドリームファーム(滋賀県日野町、諸原久武社長)はこのほど、食品残さの飼肥料化事業で再生利用事業登録を取得した。同社は5月に堆肥化装置を新規導入、さらに7月には飼料化で一般廃棄物処理業の許可を取得したばかり。今回の登録で事業拡大に向けた体制が整い、今後は一廃の受け入れを強化していく。


◇ISOを経営マネジメントに
災害時の事業継続も

- 石坂産業 -

 経済産業省が主催する「平成24年度補正予算事業競争力強化モデル事業」について中間成果報告会が行われ、埼玉県で建設系の廃棄物処理を進める石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)が参加した。本事業については、廃棄物処理業では唯一の参加となる。報告会では、「ISO統合マネジメントシステム運用による経営の透明化と自然と地域が共生する建設廃棄物の資源化産業を促進するモデル事業」と題し、経営企画課室長の熊谷豊氏が、本取り組みについて説明した。


◇脱・焼却でリサイクルに注力
特管産廃の処分廃止

- シタラ興産 -

 産廃の収取運搬や中間処理を手掛けるシタラ興産(埼玉県深谷市、設楽博社長)は10月23日、埼玉県に焼却施設の廃止届を提出した。第一工場で行っていた医療廃棄物などの焼却(ガス化燃焼方式)をやめ、特管産廃の業許可も返納した。同社の設楽竜也副社長は「脱・焼却を実現できて嬉しい。リサイクルに力を入れ、地域・社会に貢献していく」と話している。


◇機器販売部を分社化
破砕機の販路拡大へ

- アルファーソリューションウエスト -

 欧州製破砕機の販売を手掛けるアルファーソリューションは10月、機器販売部を分社化し、新たに「アルファーソリューションウエスト」(福岡市、阿野博孝社長)を設立した。業務の細分化を図り、九州地方を中心に一層の販路拡大を目指す。
 新会社では引き続き、欧州トップメーカーであるドップシュタット社の西日本エリア販売代理店として、主力製品である一軸破砕機「AKシリーズ」「DWシリーズ」等の販売を強化する。


11月11日号ダイジェストニュース

◇新方式の大型選別施設設置
混合廃を再資源化処理に

- 西洋環境開発 -

 産廃の中間処理と最終処分で実績を持つ、西洋環境開発(和歌山県紀の川市)は、自社のリサイクル工場(和歌山市)で、日量131立方メートルの処理能力を持つプラントシステム製の選別施設「PIMTER602」を導入し、本格稼働をスタートした。がれき類に木くずや廃プラ、繊維くずなどが混ざった建設系や土木工事などで発生する混合廃棄物を選別して、再資源化処理を可能にした。


◇“役割分担見直しを”
負担軽減へ自治体が要望

- 容リ制度見直し -

 容器包装リサイクル法の見直しに向けた中央環境審議会と産業構造審議会の第3回合同会合が10月29日、東京都内で開催され、(公社)全国都市清掃会議(全都清)や個別自治体からのヒアリングが行われた。全都清は、関係者の役割分担の見直しに触れ、法の適用を免除されている事業者に関わる再商品化費用について、自治体ではなく事業者の負担とすることを提言したほか、容リ法対象外のプラ製品など対象品目の拡大にも言及した。


◇CFRPや基板類を素材別に
常圧溶解法で分離回収/リサイクル率を向上

- 日立化成 -

 日立化成は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製品やプリント配線板製品などを素材別に常圧溶解法で分離回収する技術を開発した。再生した炭素繊維は自動車内装材などへの採用を目指している。プリント配線板製品からは有用金属のほか、ガラスクロスも回収することができる。製品構成素材のリサイクル率を向上すると同時に廃材処理に掛かる費用も削減する。


◇酵素利用BDFプラントが初稼働
製造コストは従来比2/3

- 浜田化学 -

 廃食用油の再生利用事業を行う浜田化学(兵庫県尼崎市、岡野嘉市社長)は10月29日、兵庫県洲本市で進めていたバイオディーゼル燃料(BDF)事業で、実証機の連続運用をスタートさせた。新開発した酵素触媒法BDF精製プラントの稼働は初。今後は同実績をモデルに国内外で新プラントを販促し、年間約3億円の売り上げを目指す。


◇国内初の再生石膏使用ガイドライン策定
農業用土壌改良資材として

- 石膏再生協同組合 -

 石膏再生協同組合(東京・中央、市川學理事長)は10月、「再生石膏を用いた農業用土壌改良資材の環境安全品質ガイドライン(試行版第三版)」を策定した。今月中にはホームページ上での公開も予定している。
 ガイドラインは再生石膏の用途として土壌改良資材に利用するための考え方と具体的な検査方法を示すことを目的とし、廃石膏ボードを原料としているために混入する恐れのある重金属などの有害物質への対応方法や責任を含めることとしている。


◇産廃協の協力に感謝
富士山の不法投棄撤去

- 甲斐の国研修会 -

 山梨県と(一社)山梨県産業廃棄物協会(東原記守会長)が10月28日午後1時30分からアピオ甲府本館2階で行った「第10回甲斐の国廃棄物処理研修会」で、認定特定非営利活動法人富士山クラブの青木直子事務局長が講演、富士山の清掃活動、特に、山麓への不法投棄産廃の撤去について産廃協の協力に感謝の意を表した。


◇電動式塵芥収集車を開発
ハイブリッド走行用モータで駆動

- 極東開発工業/日野自動車 -

 極東開発工業(兵庫県西宮市、橋和也社長)は、日野自動車(東京都日野市)と共同で、電動式塵芥収集車「eパッカー ハイブリッド」を開発した。日野自動車の小型トラック「日野デュトロハイブリッド」の走行用モータで駆動するシステムを搭載し、走行充電や回生充電が可能なため、コンセント接続による充電作業が不要。ごみ収集時、エンジン停止状態で作業できるため、積込み中の排気ガスゼロ・低騒音を実現する。


◇東北地方特集
大手工場は自社処理など進む/建設、農林水産は適正処理を

- 青森県 -

 県境の大規模不法投棄、東日本大震災を乗り越えた青森県も大きな変化の中にある。産業の構造転換だ。産業廃棄物処理業はいかに活路を見出すのか。


◇業界、行政一体で処理促進
新たな取り組みも始まる

- 福島県 -

 福島県内で発生した災害廃棄物の処理には多くの産業廃棄物処理業者が携わった。他県とは異なり、地元業者がほとんどを占めており、行政や業界からも「日頃の廃棄物処理に関する知見やノウハウが役に立った」との声は多く聞かれる。一方で、処理・処分基準に合致していても放射性物質への不安から、処理・処分が従来どおり行えなかった部分もあり、業界・行政共に慎重な舵取りが求められている。


11月18日号ダイジェストニュース

◇緊急時は規制簡素化を
産廃業の視点で課題示す

- 巨大地震災害廃棄物処理 -

 11月11日に東京都内で開かれた「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」(委員長=酒井伸一・京都大学環境安全保健機構附属環境科学センター長)の第2回会合で関連団体などからのヒアリングが行われ、(公社)全国産業廃棄物連合会(石井夫会長)が産廃業者の視点で今後の課題を示した。災害廃棄物は一般廃棄物とされるが、民間施設でも処理できるため、廃棄物処理法に基づく規制を簡素化し、民間施設を活用しやすくするよう要望した。


◇機密書類の定期回収サービス
大阪市の焼却禁止受けて開始

- ストレージサービス -

 機密書類の保管・管理・廃棄事業を手掛けるストレージサービス(大阪市、山野茂社長)は、大阪市内とその近郊をサービスエリアとして、鍵付きの書類廃棄専用キャビネット無料貸出による定期回収サービス(月額1800円)を開始した。同市が10月から、事業系の「資源化可能な紙類」の焼却工場への搬入を禁止したことを受け、リサイクル推進につなげていきたいとしている。


◇PCB、処理促進案を公表
エリア外の施設も活用/全国で処理完了急ぐ

- 環境省 -

 環境省は11月5日、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の早期処理完了に向けた促進策の案を示した。2027年3月末までに延長した処理期限に対し、遅くても2年前までに処理を完遂させる計画。PCB廃棄物処理事業会社の日本環境安全事業(JESCO)全国5事業所での受け入れ態勢を大きく見直す。各事業所では、それぞれの対象地域に保管されているPCB廃棄物のみ処理を進めてきたが、他エリアの施設も最大限に活用して全国で処理完了を急ぐ。


◇天かすの飼料化事業スタート
100%リサイクルを実現

- 山本油脂 -

 廃食用油脂の収集運搬を手掛ける山本油脂(広島県福山市、山本由美子社長)は、搾油機等を新設して、天かすから飼料原料を製造する事業に乗り出した。原料には、県内の食品工場から出る揚げ玉、野菜チップス、のり天等の天かす残さを活用。これまで焼却処分するしかなかった天かすを有効利用するとともに、高騰する飼料コストの低減にもつなげたいとする。


◇乾燥チップで発電効率を上昇
多彩な破砕機で燃料製造体制構築

- グリーン発電大分 -

 グリーン発電大分(大分県日田市、森山政美社長)は11月12日、今年3月から10月にかけて建設していた「天瀬発電所」の本格的な売電を開始した。同発電所は、FIT施行後、グリーン発電会津(福島県会津若松市)に次ぐ山林未利用材専焼による木質バイオマス発電所。定格出力は5700キロワットで、建築・解体由来のリサイクルチップを有効利用し、メーン燃料となる間伐材チップの含水率を下げる効率的なシステムを導入している。


◇環境特別学習を小学校で開催
来年度から支援金活用で事業実施

- 熊本県産廃協 -

 (一社)熊本県産業廃棄物協会(大野羊逸会長)は10月29日、上天草市立今津小学校の4年生児童38人を対象に、「環境特別学習」と題した出前講座を開催した。身の回りのごみに関心を持ってもらうことで地域の環境保全につなげたいと、青年部が中心となって企画した。来年度からは「熊本環境保全推進支援金事業」の支援金を活用し、県内6支部で本格的に環境学習事業を展開していく予定だ。


◇トラック搭載・機動性向上
木質バイオマス再資源化に/ドラム式切削破砕機の新製品

- 緑産 -

 緑産(本社・相模原市、小菅勝治社長)は、木質バイオマスのエネルギー利用、マテリアル利用に広く利用されているドラム式切削破砕機「Mega421」シリーズの新機種として、「トラックハッカー Mega421TR」を発売した。機動性を追加した新しいモデルで、国産トラックに搭載された日本初のトラック搭載自走式ハッカーだ。


◇災害廃棄物処理へ柔軟な体制づくりを
広域的な受入体制の整備も

- 巨大地震と廃棄物処理 -

 環境省は10月、「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」(委員長=酒井伸一・京都大学環境安全保健機構附属環境科学センター長)を初めて開き、巨大地震発生時の災害廃棄物の発生量の推計、既存の廃棄物処理施設の処理能力の推計を踏まえ、廃棄物処理システムの強靱化に関する総合的な対策の検討を開始した。災害廃棄物を一般廃棄物としている法制度の問題への対応なども含め柔軟な体制づくりが期待されている。


◇国内初の再生石膏使用ガイドラインの詳細
農業用土壌改良資材として

- 石膏再生協同組合 -

 石膏再生協同組合(東京・中央、市川學理事長)は10月、「再生石膏を用いた農業用土壌改良資材の環境安全品質ガイドライン(試行版第三版)」を策定した。再生石膏の環境安全品質を確保するためのものとしては、国内初であり、今後は本ガイドラインとガイドラインに対応したマニュアルにより、農業用土壌改良資材への再生石膏の活用が促進されていく。また本ガイドラインを参考に、さまざまな用途のリサイクルが広がることも期待される。


11月25日号ダイジェストニュース

◇高精度の光学選別機を採用
埋立率を3割まで削減

- 京都環境保全公社 -

 産廃の収集から中間処理、最終処分まで総合処理で実績を重ねる京都環境保全公社(京都市伏見区、檀野恭介社長)は、光学選別機を採用した高精度選別ラインの改修を終了し、本格稼働をスタートした。埋立物の削減が目的で、混合廃棄物の選別率を92%まで実現したことで、埋立率を7割から3割まで削減する計画だ。


◇エコアクション21の認証拡大
廃プラ受入量も急増へ

- ヒロセ -

 一般廃棄物収集運搬・処分業のヒロセ(滋賀県日野町、広P眞弓社長)は、エコアクション21の中間審査に伴い、これまで本社を対象としていた認証範囲を拡大し、リサイクルセンターや昨年設立した子会社のヒロセトータルエコロジー(同)を含むグループ全体で取得した。廃プラスチック類等の受入量が急増する中で、一層の環境対策に取り組んでいく。


◇関東初、廃電気機器等を処理
低濃度PCBを無害化

- 杉田建材 -

 杉田建材(千葉県市原市、杉田一夫社長)は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理に係る環境大臣認定を10月25日付で取得した。来月から「市原サーマルセンター」で操業を始める予定としている。微量PCB汚染絶縁油などの廃油、トランスやコンデンサといった廃電気機器等のほか、ドラム缶などの金属くずや陶磁器くず、がれき類などの汚染物・処理物も受け入れることができる。トランスなどの廃電気機器等を焼却処理できる施設は関東地域で初。1日当たりの処理能力は廃油が24キロリットル、汚染物・処理物が24トンとなっている。


◇自社農園で食リループ構築
農薬不使用の野菜が好評

- エス・イー・イー -

 収集運搬やガラス等の再生業を行うエス・イー・イー(奈良県御所市、宮橋義之社長)は、30年ほど前から始めた食品残さの堆肥化事業で、地域循環型の取り組みに力を入れる。製造物は、肥料メーカーや一般農家に供給する他、自社農園で活用して米や野菜を栽培。これらを地元のファーマーズマーケットやスーパーに供給し、リサイクルループを構築する事業も展開している。


◇適正処理キャンペーン開始
残さ対策と自主管理を啓発

- 建設廃棄物協同組合 -

 混合廃棄物を精選別した後のいわゆるふるい下残さを管理型産廃として厳密に処理するよう、国の建設廃棄物処理指針や地方自治体の法令運用で求められるなか、建設廃棄物協同組合(東京・中央、島田啓三理事長)は今月20日から12月27日までの期間で、ふるい下残さ対策を軸に適正処理キャンペーンを開始した。


◇今後の取組内容など公表
除染技術の横展開を検討

- 環境省 -

 環境省は11月18日に開催した第3回除染適正化推進委員会で、今後の取り組みとして事業執行体制の抜本的強化や安全管理体制の徹底、除染技術やノウハウの横展開を行うことを明らかにした。国直轄除染事業に関しては現在、福島県内7市町村で作業を行っている他、田村市では作業が終了した。不適正除染の通報件数も減少傾向にあることなどが説明された。


◇業界初、無線式スケール
被災地・処理現場で多数実績

- 守隨本店 -

 守隨本店(名古屋市、早川静英社長)は、ポータブル・トラックスケール「スーパーJUMBO II」の引き合いが建機レンタル業者を中心に大きく伸ばしている。スクラップ業者はもちろん、東日本大震災でのがれき処理現場でも多くの導入実績を積む。
 同スケールは、業界で初となる配線不要の無線式(Zigbee)を実現。最大約100メートルまで電波が到達可能となっており、ケーブル断線の不安が解消される。またこのタイプのはかりの弱点であった降雨にも対応。鉄粉などほこりの多い環境下でも使用できる国際的な防水防塵規格IP66をクリアした。また、ワンタッチで静止計量・通過計量の切り替えができる仕組みとなっている。通過計量では、時速10キロ以内での通過で3-5%の精度を誇る。


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