循環経済新聞・バックナンバー“2014年1月度”

午年


1月1日号ダイジェストニュース

午年

2014新春特別号No.1

◇協業化やネットワーク化を促進
業界をけん引する青年部に期待

 2011年3月11日の東日本大震災からもうすぐ3年。被災3県(宮城・岩手・福島)の災害廃棄物処理は着実に進展している。新たな課題とされるのが、南海トラフなど巨大地震への備え。環境省は「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」を設置、緊急時の規制簡素化へ独自のルール作りが始まった。一方、国内の廃棄物が減少傾向にある中、海外展開への関心が集まりつつある。また、全国産業廃棄物連合会青年部協議会の存在が光っており、業界をけん引する次代の主体者として期待されている。


◇新春インタビュー
連合会傘下業者=優良業者が当たり前の時代に
公益社団法人全国産業廃棄物連合会 会長 石井 夫氏に聞く
災害廃棄物処理で大きな役割果たす

 東日本大震災の災害廃棄物処理で存在感を示した処理業界。(公社)全国産業廃棄物連合会の石井夫会長((社)千葉県産業廃棄物協会会長、市川環境エンジニアリング社長)は、今後発生が予想される巨大地震をふまえ、「災害廃棄物の処理では、産廃業者が果たす役割はきわめて大きい」と訴えた。近年、優良認定の取得が増加していることを歓迎、連合会傘下の処理業者約3000社の取得を目指すとともに「連合会傘下の処理業者イコール優良業者であることが当たり前の時代になる」と強調。海外展開への意気込みを示すとともに、青年部や女性部の活躍に心から感謝、賞賛の言葉を贈った。


◇新春インタビュー
認知度向上へCSR2プロジェクトを進化
全国産業廃棄物連合会 青年部協議会会長 加山 順一郎氏に聞く
協議会は「行動するための訓練の場」

 2013年7月、全国産業廃棄物連合会青年部協議会の第5代会長に就任した加山順一郎氏(加山興業社長)。尾崎前会長が進めた「CSR2プロジェクト」を継承・進化させようと、意欲的に全国を飛び回る。祖父が創り、父が育てた会社を引き継ぎ、大きく花咲かせたいと明るく語る青年経営者である。青年部協議会を「その時代を見据え、いま何をしなければならないか、何ができるかを考え、一つ一つ行動していくための訓練の場」と位置づける。処理業界に足りないのはPRであり、認知度向上へCSR2プロジェクトを進化させていくと決意している。


◇「地域貢献部門」事例が約3割
関東、九州ブロック合わせて半数超え

- CSR2プロジェクト -

 公益社団法人全国産業廃棄物連合会(石井夫会長)が2011年9月から始めたCSR活動の報告書「CSR2プロジェクト〜みんなで相乗効果を高めるプロジェクト〜」がまとまった。産廃業者だからこそできる、さまざまな地域・社会への貢献活動を、業界をあげて推進し、青年部協議会がけん引した同プロジェクトは最終的に1118社がエントリー、報告事例は715に上った。部門別で見ると、「地域貢献部門」が約3割と多く、次いで「コンプライアンス部門」、「社会貢献部門」と「環境貢献部門」の順。ブロック別で見ると、関東と九州で全体の半数を超えた。報告書には優れた事例の紹介や参加者の全社名が掲載されている。


◇新春特別鼎談
3Rで“OMOTENASHI”/日本発、幅広い国際交流を/国連も期待、世界の取り組みリード/多国間から二国間、官民直接へ
環境省・環境事務次官 谷津 龍太郎氏
京都大学環境安全保健機構 環境科学センター教授 酒井 伸一氏
(一社)廃棄物資源循環学会・副会長 長田 守弘氏

 “MOTTAINAI(もったいない)”から、“OMOTENASHI(おもてなし)”へ――。
 世界の政府・自治体と学識者、民間企業・団体、市民が3Rの取り組みについて直接に交流する時代がやってきた。
 プラットフォームを担うのは、2004年のG8サミットで「3Rイニシアティブ」を提唱した日本だ。先導的な立場に到達した日本の法制度と、3Rを具現化する研究者、プラントメーカー、廃棄物処理・リサイクル業の技術やノウハウ、一般企業や国民による分別の取り組みなどが世界中を駆け巡る。
 環境省の谷津龍太郎環境事務次官と京都大学環境安全保健機構・酒井伸一環境科学センター教授、(一社)廃棄物資源循環学会・長田守弘副会長(新日鉄住金エンジニアリング環境ソリューション事業部部長)にグローバル時代における3R推進のビジョンを語ってもらった。


◇新春インタビュー
市町村施設整備に新たな視点
エネ効率、防災拠点を重視
環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課長 山本 昌宏氏に聞く

 環境省は昨年、2013-17年度を期間とする新たな廃棄物処理施設整備計画を策定し、今後5年間の基本的理念や重点目標とともに、同計画が目指す廃棄物処理システムの方向性を示した。新たな計画を踏まえて、市町村による今後の一般廃棄物処理施設整備のあり方について、環境省廃棄物対策課長の山本昌宏氏に話を聞いた。


◇新春インタビュー
不法投棄は自然・環境への犯罪
法改正も視野に未然防止を強化
環境省 廃棄物・リサイクル対策部 産業廃棄物課長 塚本 直也氏に聞く

 「不法投棄は自然環境への犯罪。法改正も視野に未然防止・拡大防止を強化していく」。昨年4月、環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長に就任した塚本直也氏の言葉は明快だ。2010年改正処理法施行状況のフォローアップをする中で、「現場のニーズをしっかり受け止め、実態に即した対応をしたい」と強調する。また、「廃棄物はエネルギー」との見方を示し、「処理施設の統合化により低炭素化を進めてほしい」と要望。処理が遅れているPCB廃棄物について、広域化をはじめ、安全で効果的な新たな処理方法の検討にも取り組む意向だ。


◇641者4336件の許可に
早期許可の更新も可能/環境配慮契約法の基本方針で完成

- 優良認定業者の最新状況 -

 優良産廃認定制度は、環境配慮契約法の基本方針が定められることで完成する。産廃業者の中で、環境配慮への取り組みを徹底して、優良基準をクリアしている事業者が生き残る制度とも言い換えることができる。優良認定制度の最新動向を追った。


◇優良業者に有利な裾切り方式
温室効果ガス削減がポイント/低燃費車や重機採用で加点

- 環境配慮契約法と産廃事業の行方 -

 「環境配慮契約法」により、優良事業者以外は、公共機関の廃棄物処理の入札に参加しにくくなるという基本的な枠組みができた。現在は、国に限られている総合評価ポイント制の「裾切り方式」だが、地方の入札でも採用される流れが生まれてきた。産廃処理業界に与える影響を考察した。


午年


1月6日号ダイジェストニュース

午年

2014新春特別号No.2

◇特集 プラスチックリサイクル/燃料化・エネ回収が増加
廃プラ総排出量、微減の929万t

 (一社)プラスチック循環利用協会は、2012年の廃プラスチック・プラスチックごみ(産業廃棄物・一般廃棄物)とプラスチックスクラップ(有価物)の総排出量が929万トンであったことを明らかにした。排出量は微減となったが、リサイクルはRPFやセメント原燃料化(フラフなど)などの増加でサーマルリサイクル(エネルギーリカバリー)が増えた。一方、13年末の時点における処理・リサイクル現場では、マテリアルリサイクル向け輸出は堅調だが、さまざまな再生プラスチック原料に対する大手日系メーカーなど需要家企業の裾野拡大、産業廃棄物焼却処理を手掛ける処分業者によるマテリアルリサイクルの取り組みなど、明らかに従来とは異なる変化の兆しが見える。


◇特集 プラスチックリサイクル/国内外で高品質要求高まる
小ロット多品種、混合物への対応/焼却業者でも取り入れ
マテリアルリサイクル〈東日本〉

 東日本では長引いた景気低迷や国際競争激化、東日本大震災で、プラスチックに関連する産業構造やサプライチェーンが激変した。廃プラ・プラスクラップの多品種・少量、混合物化はさらに加速している。マテリアルリサイクル事業はどのように進むのか。東日本の状況をまとめた。


◇特集 プラスチックリサイクル/円安有利も輸出量は微増止まり
原料高騰で再生樹脂に期待高まる/ふるい分け、輸入も輸出もライセンス
マテリアル利用と西日本事例

 昨年の円安は、前年から比べて30%以上になった。2012年は、1ドル70円台だったが、昨年は100円前後で推移。つまり、日本の輸出製品は、海外で3割値下がりしたことになる。海外のバイヤーは、日本の製品を買いやすくなった。原油も国際価格が上昇していることから、高いバージン原料を避けて、再生品を選択するケースが増えてきた。ドル換算で取引している国では、円安有利に拍車が掛かる。マテリアルで圧倒的に多い廃プラ原料利用の「輸出」。中国情勢を踏まえて、西日本事例を紹介する。


◇特集 プラスチックリサイクル/有効利用の市場2222億円に
輸出金額が738億円を計上/輸出が8割のマテリアル割合
処理と輸出の市場規模

 (一社)プラスチック循環利用協会の最新「2012年度版」データによると、樹脂生産量は、1054万トンで、1990年以降で最も少ない。背景には、欧州債務危機からの世界景気の減速や円高で樹脂輸出が減少、樹脂輸入は増加した。「国内樹脂製品消費量」は、960万トンで、前年より26万トン(2.7%減)減少した。廃プラの処理方法別の市場規模や現状などを最新データを基に推定してみる。


◇特集 プラスチックリサイクル/多様化する代替燃料製造
あらゆるプラ、繊維など利用/フラフ・フレーク利用も多様化
サーマルリサイクル〈東日本〉

 東日本大震災と福島第1原発損壊でエネルギー事情がひっ迫する中、廃プラスチックなど廃棄物を利用したRPFやフラフ・フレークなど代替燃料があらためて注目されている。東日本各所の関係業者ではこれまで考えられなかったような廃プラ、その他の廃棄物を原料とするなどさまざまな工夫がなされている。産業廃棄物焼却処理事業では、東京湾岸に続き、群馬や栃木にも大規模施設が次々と竣工する一方で、中小規模の従来からの焼却炉が老朽化し、補修費などで利益が大幅に減る事態も起きている。焼却処理業者には、これまで未利用だった低位廃熱による発電(バイナリー発電)などを導入するケースも出ている。
 今回は、東日本におけるRPFやフラフ・フレーク、発電向け廃プラ燃料加工の概況をまとめてみた。


◇特集 プラスチックリサイクル/海外の動きとRPF価値の変動
シェールガスの普及で影響あり/JIS認証で受け皿拡大も
熱利用と西日本動向

 世界的な原油価格の高止まりと円安は、廃プラなど循環資源のマテリアルの輸出にとって順風といえるが、米国のシェールガス生産は、樹脂の価格を下げる可能性がある。つまり、廃プラの原料も燃料利用も阻害されかねない。シェールガスによるエチレン生産設備が、安く樹脂原料を生み出すからだ。すでに、シェールガス普及で米国の石炭使用量が減少した。結果、余剰の豪州産の石炭が廉価でアジアに流れてきた。石炭価格は、RPF価格に連動することから、原油高が続く中でもRPFの価格は下がる可能性がある。廃プラの熱利用と西日本の関連する動向を紹介する。


◇特集・容リ法見直し/本格的な議論が始まる
意見集約、課題鮮明に/プラ系は需要増も市況が課題

 国による容器包装リサイクル法見直しの議論が急ピッチで進められている。前回、改正容リ法が施行されてから昨年4月1日で5年が経ち、関係業界では「いつになったら議論が始まるのか」という声もあがる中、昨年9月19日に産業構造審議会(経済産業省)と中央環境審議会(環境省)の部会による第1回合同会合が始まった。昨年内までに合計6回の合同会合が開かれ、関係者のヒアリングもほぼ終了し、それぞれの品目における論点が明確になった。容リ法はどこへ向かうのか。


◇特集・容リ法見直し/“費用”“合理性”“見える化”
国の規制改革会議も舞台に/審議会ヒアリング、課題洗出し/PET、その他プラで意見続出

 「産業構造審議会産業技術分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ」(座長・郡嶌孝同志社大学経済学部教授)と「中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会」(座長・永田勝也早稲田大学環境・エネルギー研究科教授)の合同会合が昨年12月19日まで合計6回にわたって開催された。ヒアリングでは、容器包装リサイクル法の各対象品目について、特定事業者や再商品化事業者などからの状況報告に加えて、見直しへの提言も多数出され、年明けに予定される具体的な議論が白熱することは必至だ。見直しの大きな焦点となるプラスチック製容器包装関係者の意見をまとめた。


◇特集・容リ法見直し/高度化、効率化が進む
需要家企業の要求水準も向上/その他プラの材料リサイクル選別、成型などレベルアップへ

 プラスチック製容器包装に係る再商品化(リサイクル)のあり方については、昨年6月にまとめられた政府による規制改革会議の答申で検討することが盛り込まれ、それに引き続いて9月から始まった産業構造審議会・中央環境審議会合同会合における関係者ヒアリングの段階でも提言の発表や委員からの質問や意見が続出した。一方、PETボトルについては依然として多い独自処理、輸出に対して国内循環の重要性が強調された。
 両者の鍵を握るのは、需要家企業が求める高品質の再生プラスチック原料、高付加価値のリサイクル製品をつくる高度化、コスト削減に資する効率化だ。


◇PETボトルの輸出動向
円安効果で過去最高を記録
世界的な繊維不調で価格ダウン

 貿易統計によると、2012年の廃プラ輸出の累計結果は「167万3711トン」前年比103%で、累計金額は、738億3061万円。年間数量は、過去最高を記録したが、輸出金額は2%ダウンした。国別に見ると、中国が約105万トンで断トツ。香港は、約46万トンで、2地域で9割を占める。中国の12月第2週の純度99%以上の再生PETフレークは、6700-7200元/トン(10万7200-11万5200円)。中国全域で、年間通して、上下300元の差で、価格は変化が少なかった。PETくずの輸出は、約41万トン(212億5033万円)で、これも過去トップ。昨、13年も10月までに37万トン輸出しており、円安追い風で、年間記録は更新する見通しだ。


◇PETボトル独自処理ルート
市町村分別収集量の約3割
柔軟な対応と価格面でメリット

 国際的な資源として年々価値が高まっているPETボトルだが、その分、市況の変動による影響も大きい。市町村が分別・収集したPETボトルのリサイクルルートには、容器包装リサイクル法に基づく「指定法人ルート」と自治体・組合単位で独自入札を行う「独自処理ルート」があるが、どちらを選ぶかは地域の事情によって判断が分かれるところだ。独自処理ルートは柔軟な対応や価格面でのメリットがある一方、国内での安定的な再商品化を求める観点から危惧する声もある。さまざまなデータをもとに独自処理ルートの現状を総覧したい。


◇寄稿
市場動向から見る新たな循環のかたち/循環資源ビジネスのこれから
ジームス・アソシエイツ 代表取締役社長 有岡 義洋氏

 2014年の幕開けとなった。ソチ五輪やサッカーW杯等スポーツのビッグイベントが控えて楽しみな1年となりそうだが、個人的にも脱サラして10年の節目を迎え、感慨もひとしおである。


◇廃タイヤリサイクル
東北で新工場が稼働
燃料向け需要は旺盛/高度化図る従来業者も

 (一社)日本自動車タイヤ協会によると、2012年に発生した廃タイヤは101万トン、リサイクル率は87%程度と推計されている。製紙業界を筆頭に化学工場での利用も増え、相変わらず代替燃料としての需要が旺盛だ。破砕処理などを行い、代替燃料として使用しやすいように加工する役割を担うのが、中間処理業者だ。特に昨年は東北地域で新たな廃タイヤ資源化工場の稼働が相次いだ。国分商会(本社・埼玉県熊谷市、椎名仁郎社長)は宮城県柴田町に廃タイヤからチップをつくる工場を開設、荒川産業(本社・福島県喜多方市、荒川洋二社長)は福島県で初となる廃タイヤ処理の専門工場を郡山市で稼働させた。一方、従来から東北を拠点としている事業者は、リサイクル技術の高度化を図っている。よろづや(宮城県角田市、八嶋利悦社長)はゴムクローラの資源化に取り組んでいる。東北地域で発生する廃タイヤ12万8000トンを巡り、新たな局面を迎えている。


◇古紙の輸出動向
5年連続で400万t台に
価格の内外格差広がる

 現在、日本で回収された古紙は、約8割が国内で製紙原料として消費され、余剰分の約2割が海外へ輸出されることで需給バランスを保っている。2012年には過去最高の輸出量(約493万トン)を記録。13年も10月までに5年連続の400万トン台を突破した。価格面では輸出高・国内安が継続しており、建値の動向が注目される。また、これまで中国に一極集中してきた輸出先の分散化も課題だ。こうした現況を総覧し、今後を予測したい。


◇オフィス古紙のリサイクル
小規模事業所の回収率が課題に
分別回収・資源化の動きが加速

 古紙の排出先は産業系、事業系、家庭系の3つに分けられる。このうち事業系一般廃棄物であるオフィス古紙の回収で、課題の1つとなるのが小規模事業所だ。一般的に大中規模事業所の古紙回収率は高いが、小規模・零細の事業所では古紙発生量は少なく、コスト面でのスケールメリットも見出せないため、焼却されるケースが多い。ここではオフィス古紙の現状とともに、自治体の取り組みや新たなサービス展開を紹介する。


午年


1月13日号ダイジェストニュース

午年

2014新春特別号No.3

◇大連リサイクルタウンでプラ再生
手選別と粉砕・洗浄・ペレット化/輸入ライセンス年間2万tに

- 大明貿易 -

 大明貿易(本社・千葉県佐倉市、齋藤秀明社長)は、中国・大連国家生態モデル園区(以下、「大連リサイクルタウン」、遼寧省庄河市)にプラスチックスクラップを再生利用する新しい「大連工場」を完成し、昨年10月から本格稼働に入った。従来、中国企業との合弁で稼働していた大連工場の設備を移設、新たな建屋に納めて全面的にリニューアルした。大連リサイクルタウンへの日系企業が出資するリサイクル会社の工場進出としては初となる。


◇“材料”“ケミカル”“RPF”
ヒアリング終え、具体的議論へ

- 産業構造審議会・中央環境審議会容リ法見直し合同会合 -

 容器包装リサイクル法見直しのための産業構造審議会と中央環境審議会の専門部会による第6回合同会合が12月19日、東京都内で開催された。「その他プラスチック製容器包装」の再商品化を中心に関係者から報告があった。業界関係者からのヒアリングを終え、1月下旬をめどに具体的な議論に入る。


◇廃液を無害化、貴金属を回収
シアンめっき廃液を低温分解/新技術確立、コスト低減

- 田中貴金属工業 -

 田中貴金属工業の湘南工場(神奈川県平塚市)は、シアン系めっき廃液を無害化した上で廃液に微量に含まれる金や白金、パラジウムといった貴金属を回収する技術を確立した。従来方法の分解温度より低い温度域でシアン系めっき廃液のスラッジを分解することで、シアン化合物をシアンガスとしてスラッジから分離、残さから貴金属を回収する。


◇スーパーエコタウンに採択
生産増強と創エネを視野に

- アルフォ -

 食品廃棄物の飼料化事業を手掛けるアルフォ(東京・千代田、熊木浩社長)は昨年12月26日、東京都のスーパーエコタウン事業(第3次公募)に採択された。大田区城南島に飼料化工場を建設し、受け入れていたが、能力的に満杯状態だった。今回の採択で第2工場の用地が確保でき、課題だった生産増強にめどがついたといえそうだ。


◇関係省庁に要望書を提出
燃料需給に配慮求める

- NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会 -

 NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会(鈴木隆理事長)は昨年12月25日、環境省など4省の大臣と自民党再生可能エネルギー・省エネ関係団体連絡協議会会長の山本拓衆議院議員宛てに要望書を提出した。バイオマス発電利用推進に関する手続きの簡略化や、燃料需給の混乱を避けるための措置など、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に関連する項目を中心にまとめた。


◇搬入開始まで残り1年に
3町に施設の受入を要請

- 中間貯蔵施設 -

 福島県内で発生した除染土壌や高濃度の放射性物質を含む廃棄物などを30年間管理する中間貯蔵施設への搬入開始期限となる2015年1月まで残り1年となった。石原伸晃環境大臣と井上信治環境副大臣、根本匠復興大臣は12月14日、福島市で福島県知事と楢葉・富岡・大熊・双葉町長に中間貯蔵施設設置の受け入れと「フクシマエコテッククリーンセンター」の活用について要請した。中間貯蔵施設に搬入される廃棄物の合計量は、約2800万立方メートルに上り、その多くを除染に伴い発生した土壌が占めている。昨年、楢葉・双葉・大熊町の現地で実施したボーリング調査では、技術的に設置が可能であることを確認している。


◇日本燃焼学会技術賞を受賞
竪型ストーカ炉が評価

- プランテック -

 廃棄物焼却炉メーカーのプランテック(大阪市、勝井征三会長)は2013年12月5日、(一社)日本燃焼学会の13年度技術賞を受賞した。同社の竪型ストーカ式焼却炉(バーチカル炉)が評価されたもので同社では「権威ある賞であり、受賞は大変光栄。今後とも廃棄物処理問題の解決に貢献していく」としている。


◇元素戦略識者インタビュー
小型家電Rを“鴉食”させないために
金属資源問題は新たな局面へ/ファインケミカルRの可能性
(独)物質・材料研究機構 特命研究員 (元素戦略) 工学博士 原田 幸明氏

 レアメタル・レアアース等の希少金属資源の危機が報じられて久しい。わが国ではここ数年で政府やメーカー等で使用削減やリサイクルを中心とした対策が進み、昨年4月の「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」(小型家電リサイクル法)の施行で1つの節目を迎えた。市中に眠る都市鉱山を社会システムとして採掘・選鉱する試みとしてスタートとした同法だが、現行の枠組みでは課題も多いという。その問題点はどこか、金属資源を巡る最新の国際状況は――。元素戦略分野で著名な研究者である、(独)物質・材料研究機構 特命研究員の原田幸明氏に話を聞いた。


◇小型家電リサイクル動向
早くも過渡期を迎えた法制度
取り組みへの意欲に明暗/社会的な意義の確立を

 2012年8月3日に成立した「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」、いわゆる小型家電リサイクル法。デジタル機器等に含まれる有用金属資源の確保と有害物質管理、最終処分量削減等を目的に制定された同法は、新たな個別リサイクル法として注目された。昨年4月の法施行を経て、6月、8月の2回にわたって主管省庁は法制度に基づいた再資源化認定事業者を発表。秋ごろからは、実際に自治体で回収された使用済み小型家電が認定事業者のもとで処理され始めている。その一方、法制定当初こそ廃棄物業界や一般市民から注目された同法だが、早くも関心が離れている状況もある。現在の状況を追った。


◇小型家電収運・リサイクル事業者特集/東日本編
資源化スキームは多様化
地域差は依然大きく/他社と連携、自社完結、収運特化

 東日本では、第一陣の認定業者が決定した当初、北海道や東北地方の認定事業者が不足しているとの指摘があった。第二陣の事業者が昨年8月に認定されたことにより、多少薄れてきたとは言え、独占状態となれば競争原理が働かなくなってしまう。その反面、認定事業者が集中する中部地方では小型家電の回収を巡る争いが熾烈になってきており、異常な引取価格の高騰が懸念されている。東日本で小型家電の資源化に取り組む事業者の回収・資源化スキームは多様化している。他社と連携して広域ネットワークの効率化を進める事業者がいる一方、自社グループ内で処理を完結することで、トレーサビリティを確保している事業者もいる。さらに資源化業務は採算に合わなかったことから、自社では資源化を行わず収集運搬業務に特化した事業者もいる。


◇小型家電リサイクル事業者特集/西日本編
選別技術や回収方法で差別化
社会的な意義で関係者つなぐ/リユースや障がい者支援も

 西日本における小型家電リサイクルは、積極的な普及を図る行政機関や事業者の存在に支えられ、地域差こそあるものの順調に浸透しつつある。事業者についても、小型家電リサイクル法に基づく再資源化認定を受けた大規模な事業者から、地域に密着した小さな循環の輪を志向する中小事業者まで多岐にわたっている状況だ。


◇廃液リサイクル特集
再資源化と高付加価値化のニーズ増/金属廃液に注目集まる

 昨今、廃油・廃液等の液物産廃処理がにわかに活況を呈している。廃油では、原油価格の上昇や円安に振れた為替環境のため再生重油のニーズが増加。廃液では経済状況の改善による産業活動の活発化で排出増が進んでいる状況だ。こうしたなかで顕著なのが、排出側の再資源化と高付加価値化への志向だ。処理側でもこれに対応するべく、単純処理から再資源化へのシフト、技術革新による高付加価値化等を進め、差別化を図る事業者が増えつつある。ここでは、液物産廃処理の最新事例を紹介する。


◇鉄鋼スラグ利用拡大特集
陸海で広がる鉄鋼スラグの新規用途

 製鉄・製鋼過程から発生する鉄鋼スラグ。古くからセメント原料や路盤材、土木工事材などとして使われてきたが、公共事業の減少などの要因で近年は使用が減りつつある。従来の用途についても、あえてスラグ製品を使う必然性に薄いという批判があり、未利用資源に近いイメージさえあるのが現状だ。こうしたなか、鉄鋼スラグの物性が改めて研究され、そこから陸海にわたる新たな用途が生まれつつある。


◇鉄スクラップ輸出動向
為替と国内需給の影響強く
アベノミクスの効果顕著に/韓国の引き合いに陰りも

 2013年1-10月の鉄スクラップ輸出は、国内の経済状況が強く反映された形となった。前半は世界最安値圏だった日本スクラップに強い引き合いがあったが、アベノミクス効果で円安環境が進むにつれて徐々に高値圏へと移行。価格の綱引きで次第に輸出は鈍化していった。後半に入ると、好調な国内経済や災害復興需要が表面化してきたことにより国内需給が引き締まり、輸出に回るスクラップが減少。価格にも需給タイトが跳ね返り高騰している状況だ。


◇非鉄金属国際動向
経済イベントで右往左往する市場
QE3縮小受けて高値へ

 2013年の非鉄金属国際市況は、非鉄の金融コモディティ化(金融商品化)が定着し、金融マーケットとの連動性が顕著に現れた。そのうえで需要を反映したトレンドが形成され、鉱種ごとの差異が出た状況だ。特に13年は米国の経済状況が強く影響した。第三次量的緩和金融政策(QE3)といわゆる「財政の崖」、予算協議の不成立による政府機関停止に米国債デフォルト問題と、年間を通じてイベントが発生。これに加え、シリア情勢等の中東情勢、中国の経済政策等に左右される展開だった。


◇家電リサイクル法の動向
会合では11項目が論点に
見直しに向けた議論が白熱/抜本的な変更の可能性も

 家電リサイクル法の見直しに向けた議論が白熱している。経済産業省と環境省が開いた合同会合では▽リサイクル費用の回収方式▽リサイクル料金の透明化・低減化▽不法投棄対策▽不適正処理への対応▽海外での環境汚染を防止するための水際対策▽義務外品の回収を進めるための方策▽離島対策▽再商品化率▽対象品目▽小売業者の収集運搬に関する負担軽減▽その他の改善事項―といった11項目が論点に挙げられている。消費者、小売業者、家電メーカー等といった家電リサイクル法に携わる関係者のいずれかに負担が集中せず、それぞれの役割を果たす仕組みづくりが求められている。


◇レアメタル世界潮流
金融市場に翻弄される金属資源
世界鉱業の再編進む/中国は金属業界“高純度化”へ

 資源危機の代表例となりつつあるレアメタル等の希少金属資源。先端技術に欠かせない原料である一方、生産地の偏在性による供給不安を抱える資源だということは、もはや広く一般にまで知られている。国の政策や外交の一端を担う要因との認知も進み、各国は国家戦略の一部として、資源確保に取り組んでいるのが現状だ。日本でも政府関係省庁を中心に、元素戦略プロジェクトを推進。レアメタル確保戦略を展開し、海外資源確保、リサイクル、代替材料開発、備蓄を柱にさまざまな施策を展開している。ここでは、希少金属資源の基礎を押さえるとともに、需要側・供給側それぞれの動向を紹介する。


◇レアメタルR最新事例特集
希少金属の循環利用への模索次々
ビジネスベースの試みも/リスクヘッジ型Rの必要性

 近年の日本を取り巻く資源問題で、特に大きな関心を寄せられているレアメタル。その偏在性と希少性から、特定の国からの輸入に大きく依存せざるを得ない状況が続くなか、リスクヘッジ型と言われる新たなリサイクルへの取り組みが広がっている。資源リスクを回避するため、国内循環スキームを自ら整備する素材メーカーやリサイクル事業者が増加。異分野との連携や新たな知見で、低コストなリサイクル技術の開発も続々と行われている。ここでは、希少金属リサイクルの新たな展開事例を紹介する。


◇どうなる?食リ制度の行方
課題は川下対策
再生手法の優先順位明確化へ/自治体の役割を強調/論点整理が示す方向性

 食品リサイクル法の見直しに関する食料・農業・農村政策審議会と中央環境審議会の合同会合は昨年3月にスタートし、7月まで計7回の議論を経て論点整理が行われた。論点整理では、これまで再生利用が進んでいない川下の取り組みを加速化することを強調したかたちになっており、その受け皿として期待されているメタン化などのエネルギー利用を含めた再生利用手法について、優先順位を改めて明確化する方向性も示した。論点整理を踏まえ、近く行われるであろう中間とりまとめの行方が注目される。


◇メタン発酵ガス化発電特集
注目浴びるFIT活用の売電事業
関連事業者の参入相次ぐ

 メタン化と言えば、食品リサイクル法に対応する再生利用手法に指定されたものの、採算性の確保が難しく、普及が進まなかった分野である。しかし2012年7月、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)でメタン発酵ガス化発電の調達価格が1キロワット当たり40.95円の好条件で設定されると、注目度がアップ。国の後押しもある中で、食品関連事業者・リサイクル事業者などの参入が相次いでいる。13年に動きのあった事例を紹介したい。


◇動き出す豊川バイオマスパーク構想
汚泥メタン発酵を軸に食料生産も/下水処理場の可能性広げる

- 豊橋技術科学大学ほか -

 豊橋技術科学大学の大門裕之教授らの研究グループは、県の下水処理施設「豊川浄化センター」(豊橋市)を核とした「豊川バイオマスパーク構想」プロジェクトを推進している。下水汚泥・生ごみをメタン発酵して電気や熱、CO2、肥料を得て、それを同敷地内にある植物・海藻工場へ供給するもの。ここではプロジェクトの現況を追うとともに、研究代表者の大門教授に話を聞く。


◇バイオマス産業都市の現況
7府省推進の国家プロジェクト
産業化と地域エネ強化に焦点/5年間で100地区選定目指す

 2013年、バイオマス関連施策の動向で注目を浴びたものの1つに、「バイオマス産業都市」がある。農林水産省を中心に内閣府・総務省・文部科学省・経済産業省・国土交通省・環境省の7府省が連携して推し進める一大プロジェクトだ。同3-4月にはバイオマス産業都市の第一次募集を実施し、6月に8地域を選定。さらに同11月29日から今年1月8日の期間で第二次募集も行われた。同プロジェクトの概要と現況を整理する。


◇食品リサイクル臭気対策
試行錯誤重ね各社方策編み出す
堆肥化の現場ノウハウ追う

 汚泥や生ごみのリサイクル事業を展開するうえで、大きな壁となるのが「臭気」の問題だ。特に堆肥化を展開する事業者にとっては、この問題への取り組みが死活問題になるとして、対策に苦慮するケースが多く見られる。方法としては、好気性微生物が働きやすい環境を作って発酵状態を良好に保つこと、脱臭システムの導入等が一般的だが、ここでは実際の事例を追うことで、現場の事業者がどのように同問題に立ち向かっているのかを紹介したい。


◇伊豆大島の土砂災害廃棄物
「復興への第一歩」を踏み出す
島で処理困難な廃棄物を島外へ/都が受託、清掃工場と民間施設で処理

 昨年10月16日、台風26号が伊豆大島(東京都大島町)を襲い、記録的豪雨が土砂災害をもたらした。11万トンもの膨大な災害廃棄物と土砂が発生し、復興・復旧の妨げとなっている。島内での処理を基本とするが、島内で処理困難な廃棄物3万3000トンについては東京都が処理を受託し、都内の清掃工場と民間処理施設で処理を行うこととなっている。最初の島外搬出作業が12月17日に実施され、廃畳や布団、建設混合廃棄物が江東区と大田区の処理施設に向けて運び出された。同町の川島理史町長は「復興への第一歩になる」と語った。


◇セメント業界のリサイクル
効率化と広域化、物流改革を推進
生産とのバランスに苦慮/内需回復、工場はフル稼働/廃棄物・副産物使用に変化

 東日本大震災の被災地での復興工事本格化や2020年東京オリンピックの開催決定を受け、セメント業界は活況を呈している。(一社)セメント協会によると、13年度の国内需要は前年度を5%上回る4700万トン超になると予測され、各社の工場ではフル稼働に近い状態が続いている。こうした現状の中で、原燃料代替となる廃棄物・副産物の使用状況についても変化が起こり始めている。


午年


1月20日号ダイジェストニュース

午年

2014新春特別号No.4

◇バイオマス発電計画を発表
未利用材使用、地産地消のモデル事業へ

- フジコー -

 千葉県を中心に廃棄物処理やバイオマス発電事業を行うフジコー(東京・台東、小林直人社長)は、昨年12月、エネルギー情報流通事業を行うエナリス(東京・足立、池田元英社長)とともに今後の電力需要を見据え、新たなバイオマス発電事業を岩手県二戸郡で行うことを明らかにした。両社は本事業により、森林資源の豊富な岩手県と隣接する秋田県、青森県の地場から発生する資源を活用し雇用創出と地産地消型の事業モデルを構築していく。


◇月間2000t集荷目指す
関東9拠点目、成田にセンター/スーパーでの回収古紙など

- 宮崎 -

 古紙リサイクル大手の宮崎(本社・愛知県清須市、梅田慎吾社長、成田リサイクルセンター)は昨年12月、関東9拠点目となる「成田リサイクルセンター」(千葉県栄町)を開所した。扱い量が増えた新木場リサイクルセンター(東京・江東)の負担を軽減しつつ、千葉北部と茨城などの古紙集荷拠点とすることが目的。スーパーで回収されている家庭からの古紙や地域の古紙回収業者からの搬入物を受ける。伴野茂光所長は、「自治体によっては資源回収の日が月に一度程度というところもある。地域の業者と共存しつつ、当面、月間2000トンの集荷を目指す」と述べている。


◇自社製造で品質確保
環境の取り組みも推進/リサイクルインク製造・販売

- ジット -

 リサイクルインク製造・販売のジット(山梨県南アルプス市、石坂正人社長)は、自社国内工場での製造による品質管理と環境に対する取り組みを前面に掲げ、他社のリサイクルインクや汎用インクとの差別化を図る。
 同社は1999年、世界で初めてリサイクルインクを開発、2009年にはスケルトンカートリッジの生インク増量タイプを商品化した。リサイクルインクとは、使用済みの純正インクカートリッジにインクを再充填したもの。カートリッジは純正品と同じもののため、純正品と同様の方法で使用できるという。


◇ホームセンターに肥料供給
国内向け販路を強化へ

- 熊本清掃社 -

 熊本清掃社(熊本市、村平光士郎社長)は、食品残さの肥料化施設「バイオプラザなごや」(名古屋市)で製造した肥料を、ホームセンター大手の「カインズホーム」へ供給する事業を始めている。すでに愛知県下8店舗と契約し、月間約300袋分を供給。今後、同800袋の供給を目指し、同事業の強化を図る。


◇茂木経産相が来訪
景気の好循環について視察

- 石坂産業 -

 茂木敏充経済産業大臣は1月14日、石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)に来訪し、プラント視察のほか、アベノミクスによる景気の好循環による賃上げの実態や廃棄物処理について石坂社長ならびに社員と懇談を行なった。
 発端となったのは、昨年12月16日に経済産業省主催で官邸にて行なわれた首相との懇談会。中小企業の経営者と懇談を持ち、賃上げの秘訣を聞くことをテーマとして行なわれ、昨年6.7%のベースアップを達成している同社は他5社の経営者とともに参加した。この際、茂木大臣の要望もあり、今回の来訪に至った。


◇溶融スラグでJIS取得
堺クリーンシステム、全国11番目

- (一財)日本品質保証機構 -

 (一財)日本品質保証機構は、堺クリーンシステムが昨年12月13日に一般廃棄物・下水汚泥・これらの焼却灰を溶融固化した溶融スラグに関わるJIS認証(コンクリート用溶融スラグ骨材、道路用溶融スラグ)を取得したことを明らかにした。全国で11施設目(認証番号・JQ0513011)となる。認証を取得した認証の対象となるサイト(溶融施設)は「堺市クリーンセンター臨海工場」で、近畿経済産業局管内では初めての認証取得施設だ。


◇高熱量で長持ちのバイオ燃料
コンパクトなブリケット装置/連続処理、高い生産能力

- タジリ -

 タジリ(本社・埼玉県深谷市、田尻洋社長)は、間伐材やバーク、せん定枝、わらなどの未利用材で直径50-100ミリメートルの固形状代替燃料を製造するブリケットプレス「里山」の販売を開始した。本体の寸法は長さ2300×幅800×高さ1500ミリメートルとコンパクトながら、機械式プレスを採用し、1時間当たり200キログラム-1トンの生産能力がある。田尻社長は、「バイオマスへの関心が非常に高まっており、林業や製材関係者などから多くの引き合いがある。新材でつくった薪の半値程度で、高い熱量を持ち長持ちする固形燃料ができる」と述べている。


◇新春 インタビュー
価格の見える化スタート/品質と適正価格の維持
全国木材資源リサイクル協会連合会 理事長 鈴木 隆氏に聞く

 木質バイオマス発電所設立計画が相次いでいる中、全国木材資源リサイクル協会連合会(東京・中央、鈴木隆理事長)は、「木質チップ価格の見える化」を開始した。チップ価格の見える化は、木質チップの価格帯をオープンにすることで、市場の透明性を確保し、チップとしての価値を明確にするための試みだ。バイオマス発電事業者はもちろん、ボードメーカー、木質チップメーカーなどが懸念しているのはチップの需給だ。この点についてもチップ価格の見える化は大きな鍵を握る。


◇全国で活発化する木質バイオマス発電計画
13年は規模1万kW超も次々と発表へ

 2012年7月に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が施行されたことを受け、国内では木質バイオマス発電事業への注目度が一気に高まり、各地で次々と発電計画が立案された。この傾向は今後も収まる気配を見せていない。ここでは、同事業が注目される背景を整理するとともに、どの地域でどのような規模の発電計画が進んでいるのかを「全国マップ」と「一覧表」で紹介する。


◇木質バイオマス発電事例特集
全国各地で進む発電事業計画
13年も新規参入相次ぐ/建設地決定、着工案件増える

 2013年も木質バイオマス発電事業をめぐる動きは大きく、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の活用を見据えて新規参入が相次いだ。一方、すでに計画を発表している事業者は、施設整備に向けて関係者との連携を強め、新会社設立や建設地決定など、より具体的な動きを進めつつある。ここでは、13年度中にあった各事業者の新たな動きを事例集として整理した。


◇木質チップ工場新設事例
燃料確保に向け建設計画続々と
木質バイオマス発電活性化受け/併設型の他、市町村主導で整備も

 周知の通り2013年は、12年7月に施行された「再生可能エネルギー固定価格買取制度」(FIT)を受け、木質バイオマス発電事業に参入する事業者が相次いだ。これに伴って目立ったのが、発電所向け木質チップ工場の新設計画である。特に、これまで利用が進んでいなかった間伐材等による発電事業では燃料確保が大きな課題となっており、チップ工場を新たに建設して安定確保につなげたい考えだ。


◇鍵握るリサイクル材と未利用間伐材のバランス
今後のチップ需給とバイオマス利活用

 FIT(固定価格買取制度)の普及に伴い、現在バイオマス利用の発電所や熱利用施設の建設が増加している。
 現在稼働中バイオマス発電施設は全国で約100施設。それに加え現在多数の木質バイオマス発電施設の設置計画が進められている。
 2003年に電力業者に一定量の再生可能エネルギーの活用を義務付けるRPS法が施行された。その後再生可能エネルギーによる電力供給量は増加し続けている。


◇全国バイオマスボイラーアンケート
43事業所の稼働状況/投入チップの使用傾向

 2012年12月初頭、全国で木質バイオマスボイラーを設置する企業を対象にアンケートを実施した。09年に実施したアンケートをもとに121事業所へ解答を依頼したところ、43事業所(45ボイラー)からの有効解答があった。アンケート項目は、ボイラーで使うチップ(需給数量)、設置時期、稼働率、チップ種別(林地残材・製材廃材・リサイクル材・その他)各割合、発電出力、FIT導入意向を合わせて聞いた。


◇建設系混合廃棄物の動き
増税前、解体工事は増加傾向
防災減災や集中投資で3年15兆円/ふるい下は管理型の判断も

 廃棄物処理やリサイクルを基盤にする業界にも、アベノミクスによる変化の波は押し寄せてきた。円安や原油高止まり、アジアを中心とする国際情勢による乱気流、国内に目を向けると、震災復興や東京五輪に向けた都市計画を含めたリニューアル。防災力向上のため、公共事業にかける予算枠は広がり、建物解体は増加している。加えて、1960年代の日本の高度成長期に建築された建築物は、解体時を迎えており、この事実は「待ったなし」の状況だ。特に問題の多い、建設系混合廃棄物の動向を探ってみたい。


◇福井県発のエコな建設技術
環境に配慮した土木資材の開発も/新工法など3つの研究を提案
施工コストやCO2を大幅低減/建設副産物の抑制・有効利用へ
福井県建設技術研究センター 主任研究員・博士(工学) 三田村 文寛氏

 福井市にある「福井県建設技術研究センター(福井県庁土木部)」では、県の特性・産業にマッチする「地域に役立つ技術」を念頭に、公共工事の品質向上および技術課題を解決するため、さまざまな研究に取り組んでいる。凍結や積雪が起こる北陸地方に位置することから、太陽熱・地中熱による融雪などの雪対策技術や除雪の際に損傷が生じないよう、耐久性が高く環境に配慮した土木建設技術の研究・開発を進める。


◇新春 インタビュー
これからの混合廃棄物処理と分別・分級技術/データを集め、議論の土台を
日本工業大学 教授 小野 雄策氏に聞く

 ふるい下残さの対応について厳格化が進められている。管理型への埋立処分を行うにしてもコストが大きく、高度選別などで埋立量を減らせばコストは下がるが、高い技術が必要なため、どの事業者にも可能というわけではない。多くの事業者を悩ます混合廃棄物処理と今後の技術的な展望について、廃棄物処分工学やリサイクルに高い知見があり、環境省各種検討会および委員会委員などの経験も豊富な日本工業大学の小野雄策教授に話を聞いた。


◇廃石膏ボードリサイクルの現状と課題
廃石膏ボ、求められるリサイクル率向上/鍵握る品質とリサイクル用途

 廃石膏ボードは年々増加の一途をたどり、現在すでに100万トンを越えている。石膏ボードハンドブック(石膏ボード工業会編)によれば、2025年には200万トンを超え、39年には300万トンを超えるという。
 リサイクルできなかった廃石膏ボードは、管理型処分場へ埋め立てるしかなく、処分場容量のひっ迫の一因ともなっている。実際に処分場での廃石膏ボードの埋め立て量は増大している。例えば(一社)千葉県まちづくり公社では10年度の廃石膏ボードの受け入れ量は99年度に比べ10倍以上に跳ね上がっている。かながわ環境整備センターでの11年度の受け入れ量は4月から1月で約2092トン。10年度の受け入れ量約604トンと比べて3倍以上となっている。現在国内の解体系廃石膏ボードのリサイクル率はおよそ39%と、まだ低い状況にあり、向上が求められている。


◇インタビュー
活発化する瓦リサイクル/砂利に代わる骨材で舗装材利用など
優れた物性・景観性を生かす
エコシステム 専務取締役 高田 実氏

 全国で発生する廃瓦は、年間80万-100万トンに上るとされており、排出事業者から処理業者にわたる市場規模は40億-50億に上ると推測される。再資源化率は1割も満たないため、2次製品の開発・普及が進めば、さらなる市場が期待される廃棄物ビジネス分野だ。


◇行政運営の効率化へ施行進む
家庭系ごみ収集業務の民間委託/直営からの移行には課題も多く

 近年、効率的な行政運営を進めるための施策の一環として、市町村における家庭系ごみ収集業務の民間委託が進んでいるが、直営からの移行にあたっては困難な問題も多く、その取り組みには注目が集まっている。とりわけ現在、大きな関心が寄せられているのは、短期間での全面移行に向けて、現業職員約2000人の非公務員化を図っている大阪市の動向だ。ここでは、その進捗にスポットを当てる他、他市での取り組みをピックアップして紹介する。


◇識者インタビュー
厳格さを増す行政処分/隠れたリスクチェックで違反回避を
行政書士 エース環境法務事務所 代表 尾上 雅典氏

 自治体による排出事業者・産廃処理業者への行政処分が厳格さを増すようになった。慣習的な廃棄物管理方法を踏襲しているうちに、違反行為として行政処分を課されることとなったケースも少なくない。リスク回避につながる、適切な処理委託契約書の作成、マニフェスト記入の適正化など、順法性を高めるためにはどのような対策が有効なのか。行政書士 エース環境法務事務所の尾上雅典代表に詳しい話を聞いた。


◇廃棄物処分場の太陽光発電
埋立跡地利用でメガソーラー
FIT追い風に全国で建設広がる/売電収入見込める“最適の活用法”

 全国各地の一廃・産廃埋立処分場の跡地に続々と大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設する動きが広がっている。処分場跡地は、さまざまな制約があって土地利用が難しい一方で、管理型では数十年にわたって排水処理などの環境保全を行う必要があるため、コスト負担も掛かる。メガソーラーは、こうした土地でも問題なく敷設できる上、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の施行で売電収入を見込めるようになった。まさに最適の活用法だ。自治体・民間の処分場で稼働を開始した事例を紹介する。


◇中古衣料の輸出動向
品質高く、海外需要が急増
廃棄物業界からの参入も活発化/アジア中心に世界各国へ

 資源物として回収された古布・古着のリサイクル方法には、大きく「反毛」「ウエス」「中古衣料」の3つのルートがある。このうち、急速に拡大しているのが中古衣料の市場だ。国内でフランチャイズチェーンの専門店が増加する一方、その品質の高さから海外での人気も高く、輸出向けの需要が大きく伸びてきた。廃棄物処理業界からの参入も活発化している中古衣料の輸出動向を貿易統計などから探る。


◇中古衣料の回収事例
小売店頭での取り組みが増加/販促と環境・社会貢献につなげる

 中古衣料の回収方法には、行政が行う資源回収や地域の集団回収などがあるが、2010年ごろから増えているのが小売事業者による店頭回収だ。客の来店を促すことの他、環境・社会貢献活動につなげる狙いがある。集めた衣料は被災地支援や固形燃料原料などの用途が多い。また、最近では業者が専用キットを用意して宅配で受け付けたり、行政がポイント付与するといったユニークな取り組みも出てきている。


◇新春 インタビュー
処理業界の社会的地位向上へ尽力/全国組織化へ6つの総支部誕生
(仮)NPO法人 全国廃棄物 教育センター連合会 理事長 松岡 力雄氏に聞く

 国内初となる処理業従事者NPO検定資格「リサイクルマスター3級」や同「ECOドライブ安全認定3級」が新たな飛躍の時を迎えた。昨年12月、運営主体であるNPO法人廃棄物教育センターが全国組織化を目指すこととなり、6つの総支部が誕生した。処理業者の社会的地位向上へ、検定事業を拡充強化する。その発端や今後の展望について松岡理事長に話を聞いた。


◇循環型処理に大きく貢献
復興工事で期待高まる/現場で活躍する土質改良剤

 東日本大震災を契機に、東北や関東を中心に軟弱地盤・液状化対策や耐震強化などのニーズが全国に広がっており、セメント系固化材等の生産量や需要が高まっている。地震や局地的豪雨の他、2013年(12月10日時点)の台風の年間発生数は31件に上り、1994年の36件以来、最大件数となっている。自然災害による被災・復興工事が後を絶たない。
 今後さらに、災害で発生する津波堆積物といった災害廃棄物から、復旧現場で発生する汚泥や残土等の処理が求められる。それらの循環利用を効率的に、加えてコスト削減やリサイクル材の性能・安全性の向上等を提案するメーカー各社の土質改良剤を紹介する。


◇事業系一廃搬入手数料の動向と自治体の事業系ごみ対策
相次いだ料金の改定/資源・産廃排除の動きも

 自治体のクリーンセンターにおける事業系一般廃棄物の処理費用(搬入手数料)の改定が近年、相次いでいる。本紙では、アンケート調査結果(一部編集部調査含む)をもとに、2013年4月から12月までの全国の搬入手数料改定状況についてまとめた。対象とした人口10万人以上の17自治体において手数料の改定が見られ、一部の例外を除いて全体の値上げ分の平均値は1キログラム当たりおよそ2-3円となった。一方、大幅な改定を行った自治体において、ごみの減量効果が認められた例もあり、こうした事例は今後、他の自治体への波及効果を及ぼすのではと思われる。ここでは、今後の改定予定も含め、搬入手数料と搬入に関する動向を紹介する。


午年


1月27日号ダイジェストニュース

午年

2014新春特別号No.5

◇低濃度PCB収運・積保許可
抜油施設を新設

- クリーンダスト -

 管理型最終処分場の運営で実績を重ねるクリーンダスト(愛媛県西条市、白川章社長)は昨年9月、低濃度PCB廃棄物の積替え保管許可を取得。10月に低濃度PCBの抜油施設を稼働させた。今後増加が見込まれる処理ニーズを捉え、期限までの処理完了に貢献していく。


◇離島で発泡スチ油化・利用
対馬、奄美大島、鳩間島で稼働/他の再資源化、特産品と結び

- サンライフ -

 産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬・中間処理などを手掛けるサンライフ(神奈川県秦野市、宇野秀敏社長)は、同社の廃発泡スチロール油化・再資源化システムを対馬(長崎)や奄美大島(鹿児島)、鳩間島(沖縄)など離島での地産地消の事業として定着させる。2009年から(公社)日本海難防止協会とともに進めた実証事業の結果を受けて、継続して取り組んでいる。大量の漂着ごみや家庭系の廃発泡スチロールを選別して燃料油をつくり、ボイラー燃料やアルミ缶のインゴット加工に有効利用している。


◇プラント清掃が好調
将来は潤滑油Rも

- 岐阜鉱油 -

 鉱物系の廃油回収と再生油の販売で実績を重ねる岐阜鉱油(岐阜県養老町、山根康司社長)の、プラント清掃工事事業が好調だ。各種タンクの清掃や水処理施設のメンテナンスを中心に、安全を重視した作業で顧客からの信頼を得ている。


◇飼料化で食Rループ認定取得
日本製粉3工場から残さ受入

- イガ再資源化事業研究所 -

 食品残さの飼料化事業を行うイガ再資源化事業研究所(三重県伊賀市、高野康男社長)は、食品事業などを展開する日本製粉と連携して食品リサイクルループを構築し、改正食リ法に基づく「再生利用事業計画」の認定を取得した。申請者は日本製粉。


◇スーパーエコタウン事業に選定
汚泥などの高度洗浄施設

- 成友興業 -

 昨年末、都内で建設汚泥処理や再生骨材の製造販売を進める成友興業(東京都あきる野市、細沼順人社長)は、東京都が国の都市再生プロジェクトの一環として廃棄物処理・リサイクル施設の整備を進めているスーパーエコタウン事業の第三次公募にて選定された。昨年秋に7グループが応募。高度なリサイクル技術などを基準に東京都が審査し、同社と他1社が選定された。


◇優良認定証を授与
プロフェッショナル100社に

- 東京都環境公社 -

 (公財)東京都環境公社は1月16日午後2時から東京都新宿区の角筈区民ホールで2013年度優良性基準適合認定証授与式を行い、36社に認定証を授与した。今回認定されたのは産廃プロフェッショナル21社、産廃エキスパート15社。同制度は今年5年目、認定業者総数は267社となった。そのうち、産廃エキスパートが167社、産廃プロフェッショナルが100社となった。


◇オイルエレメントをスピード処理
鉄と残油をリサイクル

- 油圧綜合 -

 油圧綜合(埼玉県八潮市、武藤透社長)は、不要になったオイルエレメントを大量にスピード圧縮減容処理でき、残油を回収リサイクルする圧縮減容装置「AKKANMAN EREMENT」を販売する。
 使用済みのオイル缶やオイルフィルター(オイルエレメントとも呼ぶ)は自動車工場やガソリンスタンドなどで大量に発生する。内部に油などの残留液があり、圧縮減容するだけでなく、残留液を上手に回収することが必要。同社はそうした課題を解決するため自社従来品と全く違う方式の大量のエレメントを短時間に処理できる装置の開発に取り組んだ。


◇アジア廃棄物処理事情調査
廃棄物の適正処理が課題/リサイクル市場は不透明

 11月3日から11月9日にかけてティ・シィ・アイ・ジャパン主催で、弁護士の佐藤泉氏を調査団長として迎えた「第2回アジア廃棄物処理事情調査」が行われた。インドネシアとマレーシアで「PT GODANG TUAJAYA」、「JETROジャカルタ事務所」、「Petaling Jaya City Council」、「Kualiti Alam」、「Alam Flora Sdn Bhd」、「Recycle Energy」、「JETROクアラルンプール事務所」の計7カ所を訪問、各施設の特徴や運営実態、各国の経済状況などについて調査した。


◇PCB廃棄物の処理動向
環境省が処理促進案を公表/全国で処理施設が増加

 2012年12月に処理期間が改正され、27年3月末までが最終処理期限となったポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物。12年度末時点でのPCB廃棄物処理事業会社「日本環境安全事業(JESCO)」の処理状況はトランス類9965台、コンデンサ類14万6237台、PCB油類4920本、PCB汚染物935.7トン、PCB分解量6580.9トンとなっている。登録台数に対する処理進捗率はトランス類58.6%、コンデンサ類50.3%、PCB分解量35.7%にとどまる。


◇新春企画 トップの目線
先進的な処理施設を整備/総合環境企業の実現へ
タケエイ 代表取締役社長 山口 仁司氏に聞く

 産業廃棄物の収集運搬から最終処分までの一貫処理、各種リサイクルなど多角的な事業を展開しているタケエイは、今年から2017年にかけ、グループ全体で新たに7件の新規事業を予定している。グリーンアローズ関東、タケエイエナジー&パーク、リサイクル・ピア第2工場、管理型処分場(2カ所)、津軽バイオマスエナジー、千葉リサイクルセンター(仮称)でそれぞれリサイクルから最終処分まで技術開発などを含めて展開する計画だ。本紙では、これらの事業における狙いや、今後の事業展望について山口社長に話を聞いた。


◇問われる企業の情報マネジメント リスクヘッジ
情報セキュリティシステムが注目/高まる危機管理能力の必要性

 近年、企業が果たす社会的責任(CSR)に対する社会の目は一段と厳しさを増している。それは廃棄物業界も例外ではない。廃棄物業界は、日本の静脈産業の一翼を担う以上、その対策について他人事では済まされない。
 具体的には、顧客情報の管理における大きな役割を果たす情報セキュリティシステムをはじめ、自然災害など緊急事態に遭遇した場合の損害を最小限に抑え、中核となる事業を進めていくBCP(事業継続計画)のほか、廃棄物業界では欠かすことのできない収集運搬業など車両に関わる業界に対する安全マネジメントシステム、いわゆる道路交通安全マネジメント(ISO39001)――。こうした対策を講じることで、緊急事態にも対処でき、排出事業者など関係業者の信頼にもつながる。今回、廃棄物業界に携わる企業のリスクヘッジと労働災害が発生した場合の企業側の責任について紹介する。


◇平成25年度一般社団法人福島県産業廃棄物協会 海外先進地視察研修
福島産廃協がヨーロッパ3カ国を視察/放射性廃棄物の最終処分場など5カ所めぐる

 10月28日-11月5日までの9日間、一般社団法人福島県産業廃棄物協会による海外先進地視察研修が開催され、廃棄物処理業者、収集運搬業者、リサイクラー、解体業者など、協会会員17社がドイツ、スイス、フランスの3カ国5施設を視察した。
 中でも、ドイツでは福島第1原子力発電所事故以降、脱原発とともに再生可能エネルギーの普及が進んでいる。現在稼働している原発は9基で、2015-22年にかけてこれを段階的に廃炉にする計画だ。


◇新春インタビュー
バイオマス関連の受注が増加/環境事業は堅調に推移
JFEエンジニアリング 取締役 専務執行役員 都市環境本部 本部長 吉田 佳司氏に聞く

 JFEエンジニアリング都市環境本部では、都市環境プラントの建設や水ビジネス、廃棄物処理・リサイクルなど幅広い事業を展開している。昨年はバイオマス発電プラントの受注増などで事業全体に好影響を与えた。廃棄物処理・リサイクル事業ではリーマンショック以降の経済活動の低迷によって減少した廃棄物の量が昨年中旬から持ち直しつつあるなど環境事業は堅調に推移している。本紙では取締役専務執行役員都市環境本部本部長の吉田佳司氏に環境事業の現状から今後の見通しについて話を聞いた。


◇最新の焼却灰・ばいじん・鉱さい処理
木質バイオマス発電施設で増加
計画で浮上する200億円市場/管理型減少、中間処理が多く

 現在、産廃を種類別に見ると2011年度の「燃え殻」は、年間184万トン(産廃全体の0.5%)の排出量で、「ばいじん」が1590万トン程度(同4.2%)、「鉱さい」が約1549万トン(同4.1%)となっている。この3種で、産廃全体の1割弱の排出量だ。今年度から、全国的に見ても木質ボイラーのバイオマス発電施設が増加する。燃え殻・ばいじんは増える見込みだ。管理型品目でもある同3品目をクローズアップした。


◇西日本最終処分場の今日から近未来へ
跡地利用の新事業で発電も
増税で大型海面埋立場が再び値上げ/不足の副産物が循環型社会構築

 西日本の最終処分場の跡地利用が活発化してきた。太陽光パネル設置が基本的に多いが、公園や農地利用など地域に根ざした動きも多数ある。最終処分場の不足から、受け入れ単価も急激に上がり、中間処理にも影響してきた。大量に発生する建設系混合廃棄物のふるい下や焼却灰、ばいじん、鉱さい等の行き場もなくなってきた。福島や宮城には、関東からの最終処分先があったが、震災後、受け入れが難しくなり価格上昇につながった。西日本にも値上がりの影響が出てきた。


◇水溶化、原料リサイクルが先行
ボイラー燃料化、実証段階/使用済み紙おむつの再利用

 使用済み紙おむつはそのほとんどが一般廃棄物や事業系廃棄物として自治体の施設で処理されてきた。近年、循環型社会構築への取り組みとして、リサイクルに着手するケースが増えている。紙おむつを水溶化し、原料リサイクルする取り組みは2005年と早く、13年7月に「福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会」を発足するなど利用拡大に意欲的。鳥取県伯耆宝亀町では破砕・乾燥などによるボイラー燃料化に取り組み、実証段階に入っている。


◇電子マニフェストの最新動向
利用拡大の鍵はさらなる周知/行政側から導入促す動きも

 適正処理の担保だけでなく、事務作業効率化のツールとして認知度が広がっている電子マニフェスト。公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好理事長)によると、ここ数年の年間登録件数は200万件単位で増え続け、2012年度は1506万件と過去最高となっており、直近1年間の電子化率は3割と上昇傾向にあるという。鍵を握るのは電子マニフェストのさらなる周知という。同センターは粘り強く周知していくとともに既存のシステムの改革や新規システムの開発(ICカード方式、データ交換方式)などに取り組んでいる。一方、自治体の中には、不適正処理防止の有効策として電子マニフェストを重視し、行政側から排出事業者や処理業者に導入を促すところが増えている。


◇不法投棄など支障除去 5000t以上が5件、撲滅に至らず
残存事案2567、今後の課題に

 不法投棄の防止と最終処分場の延命を命題にたびたび改正されてきた廃棄物処理法。しかし、2012年度でもいまだ5000トン以上の大規模な不適正処理事案が5件判明するなど「不法投棄等の事案を撲滅するには至っていない」とされるのが実情。加えて、過去に行われた事案が残っており、今後の課題となりつつある。都道府県等が行う支障除去を支援する仕組みとして期待され、産業界と国が協力して造成した「産業廃棄物適正処理推進基金」(産廃基金)は15年度まで、それ以降は財源確保の見通しがない。環境省は基金に頼らず、制度改正による未然防止を強化する考えも示している。


◇寄稿 社員第一主義の安全文化を
労働災害・火災爆発事故/廃棄物・リサイクル関連で多く発生
環境ワークス 代表取締役 環境安全衛生コンサルタント 黒崎 由行氏

 昨年も廃棄物・リサイクル関連で多くの労働災害や火災爆発事故が発生した。左表は弊社が調査したマスコミ掲載事例だが、これは氷山の一角に過ぎない。2011年の労働災害統計では、2146名が死傷(休業4日以上)しているが、全国で約12万人が死傷していることを考えれば、廃棄物・リサイクルは、相変わらず労働災害が多い業種だ。火災爆発事例の一部には、廃棄物の排出者のモラルに依存する事故もあるが、多くは事業者が自ら防ぐことができるものだ。労働災害は、被災者の痛みや悲しみのみならず、信用失墜やモラル低下など事業リスクとしても看過できないもので、低減すべき課題だ。


◇廃棄物処理・リサイクルと安全管理
事故災害ゼロへ、リスク最小限に
処理施設の防災設備を整備/教育訓練、搬入前検査を徹底

 廃棄物処理・リサイクル現場では多くの事故が起きている。特に廃油や廃液、汚泥といった外観から含有物質や有害特性が分かりにくい液状廃棄物を扱う施設では、火災爆発や有害物質の流出事故といったリスクが常につきまとう。万全な安全管理が求められる。


◇超高齢化時代の新ビジネス
年々需要増の遺品整理/良質な「サービス」の提供が鍵

 2013年度版高齢社会白書によれば、12年10月、国内の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は24%に到達、4人に1人が高齢者となった。高齢者のいる世帯のうち、過半数が「単独世帯もしくは夫婦のみの世帯」となっており、高齢者の一人暮らし率や孤立死の割合も年々増加傾向だ。このような超高齢化社会において、遺品整理業務の需要はますます高まる傾向にある。


◇不用品回収等一般向けサイドビジネスの動向
BtoCの生活支援サービス参入が増加/Tポイントで訴求力高める例も

 ごみの減少傾向や厳しい経済環境を受け、廃棄物業者が一般家庭を対象とした生活支援サービスをサイドビジネスとして展開する例が増えている。粗大ごみなどの不用品回収や遺品整理をはじめ、ハウスクリーニングや庭木せん定、害虫駆除などより幅広いメニューをそろえて別会社化する例も少なくない。また、こうしたサービスを手掛けるなかで解体やリフォームの追加発注を受ける例もあり、個人家屋を扱う解体業者などからの参入も今後、増加していくと思われる。


◇新春インタビュー
循環型社会構築はコンプライアンスから/処理法とリサイクル法が相互に補完
弁護士 阿部 鋼氏に聞く

 「循環型社会の構築は、廃棄物処理法とリサイクル法が相互に補完することが重要」。10年以上にわたり、処理法を探究、個別リサイクル法にも詳しい弁護士の阿部鋼氏は、リサイクル名目での不適正な扱いの事例を挙げ、関係者に細心の注意を呼び掛ける。一方、高齢化時代の下、遺品整理に関するコンプライアンス徹底も重要課題の一つ。現行制度では、遺品整理に伴って出る廃棄物は一般廃棄物となる。法制度の現状と課題を聞いた。


◇2014年に海外で開催される主な環境展示会


◇新春インタビュー
温暖化対策にもはや一刻の猶予なし/第5次報告書でわかった最悪のシナリオとは
(一財)リモート・センシング技術 センターソリューション事業部 特任首席研究員 近藤 洋輝氏に聞く

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 廃棄物の3Rだけでなく、ビジネスや産業の低炭素化も環境政策の重点テーマの1つ。2012年9月、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)より、地球温暖化が進み、その主な原因は温室効果ガス(二酸化炭素など)を排出する人間活動である可能性が極めて高い(95-100%)などと指摘した、第1次作業部会の第5次評価報告書が公表された。温暖化対策は今後どう進むのか。本紙では報告書を紐解き、処理業者をはじめ民間の事業者が取り組むべきポイントを聞いた。


◇新春インタビュー
電力の安定供給と再エネ普及を目指して/電力自由化時代の新ビジネス
富士通総研(FRI)経済研究所 主任研究員 学術博士 高橋 洋氏に聞く

 最終処分場跡地や処理施設内にメガソーラーを設置したり、バイオマス発電に取り組む産業廃棄物業者が、年々増えてきている。電力システム改革による電力自由化が進めば、発電事業として新たなビジネスになるとの期待も高まっている。昨年11月、「電力システム改革」と呼ばれる、電気事業法の改正法案が可決された。電力システム改革へ向けた本格的な動きが始まった。地域ごとに1つの電力会社が独占的に電力事業を行う現在の体制が、どう変わるのか。専門家に聞いてみた。


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