循環経済新聞・バックナンバー“2014年7月度”

7月7日号ダイジェストニュース
◇バランス巡り議論白熱
材料、ケミカル、燃料化/その他プラ再商品化で
- 産構審・中環審合同会合 -
 産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループと中央環境審議会容器包装の3R推進に関する小委員会の第12回合同会合が6月25日、東京都内で開催された。プラスチック製容器包装の再商品化などが議題となり、再商品化手法や優先枠のあり方、情報提供などについてさまざまな意見が出た。議論がまとまらない状況に、一部の関係者から「2006年改正に向けた見直し議論の時に比べて内容が進展していない。別途検討が必要ではないか」との声もあがっている。

◇容リプラ100%のシート
再生ポリエチレン製、高度利用/鞄メーカーに供給開始
- エコマテリアル -
 エコマテリアル(本社・東京、千葉鴻儀社長)は、プラスチック製容器包装の再生原料100%でつくったリサイクル板材「ECO-SHEET」の開発に成功、鞄メーカーへの供給を開始した。プラスチック製容器包装の材料リサイクル業者から調達したポリエチレンリッチな再生原料を埼玉本社工場(埼玉県神川町)に設置した設備で押出成形で製造する。容リ法に規定する高度利用で、6月20日付で(財)日本環境協会のエコマークを取得した(認定番号14 118 004)。同社では、「今後、鞄向け以外にも、幅広い分野に提案したい」と述べている。

◇ベトナム向け好調維持
夏季前に慎重見通しも
- 鉄スクラップ貿易統計 -
 2014年5月期の鉄スクラップ輸出量は69万8470トンとなった。前月比で5万6462トン減(92.5%)、好調だった前年同月との比較でも7万6874トン(90.1%)で、横ばいからやや減少に推移した。シェア1位の韓国向けが横ばいだったのに対し、2位の中国、3位のベトナム向けがやや鈍化した形だ。

◇明確に「市町村」の表現
施設整備は民間と連携を
- 食リ制度見直し -
 食料・農業・農村政策審議会食品リサイクル小委員会と中央環境審議会食品リサイクル専門委員会の第11回合同会合に提出されたとりまとめ案は、素案の段階で「地方自治体」と表現していた箇所のうち、「市町村」を指す場合は具体的な表現に改めるなど、市町村の役割をいっそう明確にした格好だ。

◇環境配慮型の非発破工法
岩盤や鉄筋コンクリを破砕可能
- オクダ -
 オクダ(奈良県田原本町、奥田隆英社長)は6月26日、同社奈良支店で、火薬を使わずに岩盤やコンクリートなどを効率よく破砕できる「放電破砕工法」(NETIS登録済)の施工見学会を開催した。複数の試験体(鉄筋コンクリート構造物など)に放電破砕を行い、破砕力や作業効率などを検証。重機解体とは異なり、低騒音・低振動・低粉塵を実現する新技術を見学しようと、県市町村関係者や大手ゼネコン・地元建設会社ら約80人が参加した。

◇災害廃等合計で461万t
31市町村で処理が完了
- 福島県 -
 環境省は6月27日、5月末時点の福島県内災害廃棄物等処理状況について公表した。避難区域を除いた39市町村の災害廃棄物等推計量は約461万トンで処理量は約326万トンに上る。31市町村で災害廃の処理が完了し、沿岸5市町のうち新地町といわき市で仮置き場への搬入が完了した。

◇助成事業を公募開始
今年10月末締め切り
- 産業廃棄物処理事業振興財団 -
 (公財)産業廃棄物処理事業振興財団(樋口成彬理事長)は7月1日から「2014年度産業廃棄物処理助成事業」の公募を開始した。
 同事業は、産廃の3R技術の開発、環境負荷低減技術の開発、既存の高度技術を利用した施設設備やその起業化、農林漁業バイオ燃料法や小型家電リサイクル法により認定された研究開発事業者に対し、助成基金を設けて支援している。

◇福島県内処理業務を受託
事業円滑化へ支店も開設
- JFEエンジニアリング -
 JFEエンジニアリングは6月25日、福島県葛尾村、南相馬市、伊達市の3カ所で災害廃棄物等の処理業務を受託したことを明らかにした。6月1日には県内復興事業の支援や受託事業を円滑・迅速に進めるため、福島復興再生支店(福島市本町)を開設した。

7月14日号ダイジェストニュース
◇法に基づく回収率目標を設定へ
支払方式は現行維持
- 家電リサイクル制度 -
 経済産業省と環境省が検討していた家電リサイクル制度の見直しについての方向性がほぼ定まった。今秋にも家電リサイクル法など正規ルートでの廃家電の回収率目標を設定する方針。回収率目標の設定により、社会全体で適正な回収を推進する。自治体などが希望していたリサイクル料金の前払い方式への移行については見送られることとなった。

◇手選別で廃プラなど資源化
専ら物、一廃、産廃を一貫で/北関東道、企業進出に対応
- 鴇商 -
 鴇商(本社・群馬県館林市、鴇﨑勝一社長)は、中間処理施設「ガイアクリーンセンター」(館林市)での廃プラスチック類などの産業廃棄物選別・資源化事業について、マテリアルリサイクル向けやRPF向けなど手選別のスキルアップを図りつつ、受入量を増やす。鴇﨑社長は、「収集運搬事業を通じて広がった顧客の要望に応えた。周辺エリアは北関東自動車道開通などで企業進出も増えている。新規の顧客にも安心安全とリサイクルを提案していきたい」と述べている。

◇自動車部品・部材を商品化
付加価値向上と販路拡大/リユース品、資源として売却
- ツルオカ -
 ツルオカ(栃木県小山市、鶴岡正顯社長)は使用済み自動車から回収した部品・部材の商品化を進め、そのほとんどをリユース品や資源として国内外に売却できる態勢を整えた。取り出した部品・部材の付加価値を向上させると同時に販路拡大も図った。

◇改善策の有効性証明へ
実験は現場以外が条件/再稼働へ高いハードル
- 食リ施設(東京・八王子)の臭気問題 -
 東京都八王子市の準工業地域で、2012年8月に食品リサイクル堆肥施設「八王子バイオマス・エコセンター」の稼働を開始後、臭気に対する住民からの苦情が寄せられたため、7カ月間で操業停止を余儀なくされたイズミ環境(同市、松山政治社長)は、施設の再稼働に向けた改善策を証明する実験に臨む意向だ。実験は、市が設置した環境対策評価検討委員会の助言をもとに、施設のある現場以外で、市民に公開して行う。再稼働への道のりは依然険しいが、同社・中元和芳会長は「検討委員会の助言に基づいて実験を進めていきたい」と語る。

◇新たなモデル構築へ
バイオマス発電施設建設を中心に
- 早稲田環境研究所 -
 早稲田環境研究所(東京・新宿、壺内良太社長)は6月、かぶちゃん電力(東京・千代田、鏑木秀彌社長)、サイサン(さいたま市、川本武彦社長)、ソーシャルインパクト・リサーチ(東京・新宿、熊澤拓代表)と共同で、3年後をめどに埼玉県の秩父市に地域活性化を目的としたバイオマス発電施設を建設し、それに伴うエネルギーインフラの整備、産業領域の拡大を行うことを明らかにした。

◇一廃処分場跡地で太陽光発電
約2MW出力の運転開始
- 岐阜市 -
 岐阜市は、埋め立てが終わった北野阿原一般廃棄物最終処分場に、大規模太陽光発電所「ドリームソーラーぎふ」を設置し、6月から発電を開始した。発電出力は1.99メガワットで、推定年間発電量は一般家庭約680世帯の年間使用電力に相当する約244万キロワット時。発電事業者からの年間約800万円の土地貸付料に加え、固定資産税など総額2億円以上が新たに市の収入となる。

◇二軸破砕機に新型機
コンパクト化と性能を両立
- 近畿工業 -
 破砕機を中心に各種環境装置の製造販売を手掛ける近畿工業(兵庫県三木市、和田直哉社長)は、新たに二軸剪断式破砕機の新型機「SHRED KING-R」を市場へ投入した。従来機の信頼性をそのままに、コストパフォーマンス性やメンテナンス性を向上。廃プラや粗大ごみ等の処理事業者をターゲットに普及を図る。

◇7220億円の大型市場
技術力生かした海外展開も支援
- 中部地域の廃棄物事情と資源循環 -
 自動車製造を中心とする都市部工業地帯を有する中部地域。環境省の調査結果によると、同地域の産廃処理の市場規模は7220億円だ。地域別比率で見ると関東・近畿地域に次ぐ14%に上っている。資源循環においては、愛知・岐阜にある大型需要家の周辺を中心にRPF製造施設等が立地。木質バイオマスもボード・燃料ともに利用先が大きく、特に2000年代に新たに建てられた木質バイオマス発電施設による木くずの需要も高まっている。木質バイオマス発電施設は今後、計3カ所の新設が計画されている。ここでは、中部地域の廃棄物事情と資源循環についてまとめた。

◇受け入れ単価に地域差あり
産廃種類ごとに高い低いも/三重県から全国に拡大「産廃税」
- 中部・東海地域の最終処分場 -
 環境省の調査によると、2012年4月1日時点での産廃の最終処分場は、中部・東海地域362カ所(岐阜22、静岡197、愛知110、三重33)で、全国1990施設ある中の18%を占める。同時期の1年間にできた全国の最終処分場は、安定型8、管理型3の合計11施設にすぎない。遮断型は1つもできていない。
 廃止した安定型は、全国48施設で、管理型で廃止したのは17施設、遮断型7施設の合計72施設が1年間で廃止した。新設よりも廃止の施設が圧倒的に多い。これは、全国の傾向だが、中部・東海地域でも同様だ。

◇緊急時、地域に電力供給する
太陽光パネル設置とFIT/埋立後に公園・農地利用も増える
- 最終処分場の最新動向と跡地利用 -
 全国各地の埋立処分場の跡地に、大規模な太陽光発電所を建設する動きが広がっている。処分場跡地は、さまざまな制約があって土地利用が難しい一方で、管理型処分場では、数十年にわたって廃水処理などの環境保全のため、コスト負担も大きい。メガソーラーは、処分場跡地でも敷設できる上、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)で、収入を見込めるようになった。未来に残すべき、処分場跡地で、太陽光発電事業を開始した事例を中心に紹介する。

◇新規チップ需要は年間約20万t
建設副産物の出口に注目
- 中部の木質バイオマス発電事業と建廃動向 -
 中部地方で計画される木質専焼のFITに基づく新規バイオマス発電事業は計3件。各地方で平均して6-7件の計画が立てられる中、予定される発電所の数は、北陸・四国地方と同様に少ない。それでも、年間の新規燃料チップ需要は約20万トンに上る。三重県に2カ所計画が密集していることから、特に同県内での木質資源利用の活発化が予想される。
 リサイクル由来の燃料チップの出先は、他地方と変わらず中部でも停滞気味だが、3カ所の計画のうち2カ所が今年中に完成し、稼働を開始するため、好転の兆しが見え始めた。ここでは、建設副産物に焦点を当て、建廃リサイクルにおいて中部圏内で特に活躍する団体・取り組みについても紹介する。

◇地域内での循環システム構築へ
排出側・農畜産との連携進む
- 中部食品リサイクル特集 -
 中部地域は全国的に見ても食品リサイクルに取り組む事業者が多く、リサイクルループ認定を受けた事例も豊富にある。所管する中部地方環境事務所でも食リループ推進に向けたさまざまな施策を展開しており、排出側でも食残の再資源化やループ構築に積極的な大手企業が存在する等、官民の双方から強力に食リを進める土壌が形成されていると言えるだろう。ここでは、中部地域における食リの動向を紹介する。

◇有用金属資源の適正循環に貢献
小型家電Rの先進地域/技術力武器に海外進出も
- 中部使用済み製品R特集 -
 国内有数の産業集積地・中部地域。自動車産業をはじめ、航空機、電機、石油化学等の先端的なメーカーが多数存在する中京工業地帯を抱えており、その製造出荷額50兆円超と、まさに日本の屋台骨を支える産業地域と言っても過言ではない。この巨大な排出元を背景に、地域内には複合素材を使用した製品のリサイクルや、先進的な再資源化事業に取り組む意欲的な処理業者は多い。近年では使用済み小型家電リサイクルの中心地ともなりつつある同地域の、資源循環の適正化に向けた動きを追った。

◇需要拡大で市況変動の影響大きく
地域の落札結果を抜粋して紹介
- 中部/PETボトルリサイクル動向 -
 使用済みPETボトルは近年、国際的な「貴重な資源」として、ますます価値が高まっている。国内外での需要が拡大する一方で、市況の変動による影響も大きくなり、分別回収を行う市町村や再商品化事業者にとっては、主に価格の面で舵取りの難しい品目でもある。ここでは、岐阜・愛知・三重の中部3県の落札結果を総覧しながら、動向をまとめてみたい。

◇新施設・技術を活用し、さらなる飛躍へ
多彩なサービスで付加価値高く
- 中部/地域で活躍する業者の最新動向 -
 中部地域は、東京首都圏と関西の真ん中に位置する大規模な産業集積地として、日本経済をけん引する拠点だ。それに伴って、廃棄物処理の要所としても発展し、サーマル(燃料化)やマテリアル(原料化)など、先進的な技術・システムが磨かれてきた。顧客ニーズに応えた付加価値の高いサービスも充実している。ここでは、その多彩な取り組みの最新動向を紹介したい。

7月21日号ダイジェストニュース
◇タイヤ処理の新工場を本稼働
大型破砕設備を導入/月間500tのチップ製造
- 栄タイヤ -
 廃タイヤの中間処理を手掛ける栄タイヤ(静岡県浜松市、岩本昌久社長)は7月2日から新工場を本格稼働させた。同工場は建築基準法51条ただし書き許可を受け、廃棄物処理法15条に定められた「破砕」設備を設置し、5月28日に処分業の変更許可を受けた。大型破砕設備の導入により、タイヤチップの生産性を大幅に高めた。当面は月間500トンのチップを製造し、静岡県内の製紙工場などに代替燃料として販売する。

◇全国136カ所に拡大
2013年度は2カ所新設/再資源化拠点"エプシープラザ"
- 発泡スチロール協会 -
 発泡スチロール協会(JEPSA、東京・千代田、天知秀介会長)は、今年6月1日現在、発泡スチロールのリサイクル拠点「エプシープラザ」が全国で136カ所に広がったことを明らかにした。協会会員企業に発泡スチロール溶融設備を貸与し、リサイクルを進める拠点とするもので、2013年度は新設が2件、増設が1件、更新が9件となった。新設したのは北菱イーピーエス(北海道石狩市)とエビナ工業(静岡県伊豆の国市)。天知会長は、「今後も卸売市場との関係を構築するとともに、エプシープラザの充実に努めたい」と述べている。

◇有価金属の回収を推進
エネルギーコスト削減/焼却灰を溶融資源化
- メルテック -
 焼却灰の資源化を手掛けるメルテック(栃木県小山市、山内利秋社長)は、溶融処理における有価金属の回収とともにエネルギーコスト削減を進め、操業の安定化と効率化を図る。
 同社は1995年に創業、97年に焼却灰の溶融資源化施設を完成した。97年に産業廃棄物処分業、99年に一般廃棄物処理業の許可を取得し、本格稼働を開始した。2009年にDOWAエコシステムの子会社となったことを機にDOWAグループの製錬所と連携し、有価金属の資源化を進めている。

◇持続可能な食リ構築へ
堆肥化で勉強会開催
- ワタミエコロジー -
 ワタミグループの環境事業部門を担うワタミエコロジー(東京・大田)は7月8日、第2回「持続可能な食品リサイクルについての勉強会」を開催した。同グループに関係するリサイクル事業者や登録再生利用事業者等12人が参加。生ごみの堆肥化について、座学と実習を通して学んだ。

◇駆け込み増からチップ需給安定
発電所新設にも対応へ
- エコネット -
 東京西部で木くずの処理を行うエコネット(東京都八王子市、小原拓也社長)は、例年と比べ2-3割増加していた木くずの発生量が落ち着き、現在は需給バランスとして最適な月間2200トン前後の処理を行っていることを明らかにした。同社の位置する八王子市では、近隣の山梨県大月市でバイオマス発電所の建設も予定されており今後の需給状況の変化が予想される。

◇土地所有者に注意喚起
不適正な保管、相次ぎ
- 横浜市 -
 横浜市は排出事業者による不適正な保管が相次いでいることから、未然防止の一環として事業者に土地を提供する土地所有者や土地管理者などへ処理法に基づく指導や注意喚起を強化した。
 近年、市内では建設工事等から発生した廃棄物を資材置き場などの目的で借りた土地に限度を超えて保管するケースが相次いでいる。中には事業者が倒産し、そのまま放置されるケースもある。そのうち3件が改善命令に至っている。その場合、土地所有者や土地管理者が最終的に廃棄物を片付けざるを得ないのが実状。

◇小型のホース修理装置
エンドユーザーから注目
- プロフレックス -
 プロフレックス(さいたま市、中山勝嗣社長)が展開する油圧ホース専用加締機「S2-AC100V」が、従来の取引先のホース修理サービス業者に加え、林業関係、産廃業、解体工事業など重機を保有するエンドユーザーから注目を集めている。従来の半額程度の低価格で、軽量・小型でありながらコンマ7の重機のホースにも対応できるパワーがあり、ボタンを押せば簡単にホースの作成ができる。

7月28日号ダイジェストニュース
◇医療系処理に新車両と新炉
太陽光発電3.6MW規模に/バイオガス新規で消化液利用も
- 九州産廃 -
 安定型と管理型の処分場をはじめ、収集運搬から多彩な中間処理で実績を重ねる九州産廃(熊本県菊池市、中田浩利社長)は、医療系廃棄物処理システムの整備と新規の太陽光発電所建設、バイオガスプラントの普及に着手する。

◇廃プラ燃料化を強化へ
収集運搬と大型施設を活用/収益改善、エネ需要に対応
- エコ・エイト -
 エコ・エイト(本社・東京、須永八十八社長)は、「京浜島リサイクルセンター」(東京都大田区)で手掛けている産業廃棄物中間処理事業について、廃プラスチック類の燃料化利用を強化する。再資源化事業の効率向上と収益改善を図るとともに、廃プラを代替燃料の需要家企業が求める品質にまで高めるのが目的。永塚章一京浜島リサイクルセンター長は、「収集運搬と中間処理までの一貫システムの強みを生かして質の良い廃プラの集荷を進めるとともに、現行の破砕設備・圧縮設備を軸にして、効率的に代替燃料向けの加工をできるようにしたい」と述べている。

◇引取台数増、順調に稼働
再資源化率は97%達成
- 二輪車リサイクルシステム -
 二輪車メーカーと輸入事業者が運営する二輪車リサイクルシステムの引取台数が伸長、順調に稼働している。昨年度の引取台数は7168台で、大口事業系ユーザーからの排出が6割以上を占めた。ユーザーからの引き取りが5920台、自治体からの引き取りが1248台だった。再資源化率の平均は熱回収の推進により、目標を上回る97%を達成した。

◇太陽光発電事業に参入へ
飼料化施設も来年操業/6次産業化を視野
- 平木工業 -
 建設廃棄物、汚泥を中心に各種廃棄物の収集、リサイクルを手掛ける平木工業(長崎市、平木實男社長)は、来年度に参入する食品廃棄物の液状飼料化事業とともに、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用した太陽光発電事業に乗り出す。2.05メガワットのメガソーラー発電を計画しており、11日には安全祈願祭(起工式)を行った。

◇メガソーラー発電を開始
1施設稼働、さらに2施設も
- ログ -
 群馬県を中心に木くずの処理などを行うログ(群馬県太田市、金田彰社長)は、環境関連ビジネスの拡大を目的として栃木県下野市に太陽光発電施設を設置し、7月から発電事業として開始した。
 発電施設の出力は約2万キロワット、敷地面積は7000坪となる。

◇公共関与処分場候補地10カ所
8月上旬、さらに絞り込む
- 岩手県 -
 岩手県は公共関与の管理型最終処分場「いわてクリーンセンター」に続く、新しい管理型処分場の整備候補地を県内10カ所に絞った。8月上旬をめどに公共関与型産業廃棄物最終処分場整備候補地選定委員会の第5回の会合を開き、3カ所程度に絞り込む。今年度中に住民説明などを始めたい考えだ。

◇石膏と紙を高い精度で分離
大手処理業者採用も
- カネミヤ -
 環境機器メーカーのカネミヤ(愛知県半田市、間瀬隆夫社長)が開発した石膏ボード分離機「Eco・リペッター」が好評だ。高い分離精度が評価され、今年3月に事業を開始した大手建廃処理業者のグリーンアローズ関東「追浜リサイクルセンター(神奈川県横須賀市)」に採用され、廃石膏ボードの再資源化に貢献している。発売以来、中間処理業者などを中心に販売実績を伸ばしており、年間20台の販売を目指す。

◇未処理排水は不法投棄に
求められる確実な処理
- 床ワックス剥離廃液処理 -
 ビルメンテナンス業務で発生する床ワックス剥離廃液は未処理のまま排水されてしまう事例が多いという。同廃液は産廃・特管物の廃アルカリと産廃の廃油の混合物(品目の判断は自治体によって分かれる)に当たるため、未処理での下水道・公共用水域への排水は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の不法投棄に当たる。排出者が自ら凝集型処理剤などを使用する方法もあるが、排水基準の順守やコスト・手間の面から現実的ではない。

◇資源化とエネルギー回収を推進
 
- ノルウェー・ドイツの廃棄物動向と技術 -
 石油・天然ガス生産をはじめ、メディア、IT、海洋、バイオテクノロジーなどの産業がけん引し、急速な経済発展を遂げるノルウェー。首都オスロ市では、温室効果ガス排出量を2030年までに1991年比で50%削減し、2050年までにゼロにする目標を掲げている。廃棄物処理もその一端を担っており、食品や下水汚泥などの有機性廃棄物からバイオガスを製造、市バスや廃棄物収集運搬車両の燃料に利用している。また、オスロ市や港湾都市ベルゲンでは、廃棄物の焼却廃熱を活用した地域暖房を導入している。
 世界最高水準のリサイクル率を誇るのは工業大国ドイツ。廃棄物を厳密に前処理、リサイクル、エネルギー回収に分別することで、資源を十分に活用し、埋め立てゼロを目指している。

◇木質バイオマス発電所続々
木質チップ、サーマル利用の増大によるマテリアルへの影響
日本繊維板工業会 瀧川 充朗 専務理事に聞く

- 木質マテリアル利用の現状と今後 -
 先日、住友商事が愛知県半田市に国内最大級となる出力7万キロワットに及ぶ木質バイオマス発電所設置計画を打ち出した。現在、提出されている計画数は70を超え、木質チップ需要はさらに高まることが予想される。発電などのサーマル利用が増えれば、マテリアル利用への影響は免れない。今後のチップ需給がマテリアル事業者にどのような影響を及ぼしていくのか、日本繊維板工業会(東京・中央、澤木良次会長)の瀧川充朗専務理事に聞いた。

◇2013年度電子化率35%
登録件数1746万と過去最高/国の目標50%の達成が見込まれる情勢に
- 電子マニフェストの最新動向 -
 適正処理を担保するだけでなく、事務作業の効率化をもたらすツールとして認知度が高まっている電子マニフェスト。(公財)日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好理事長)は、2016年度に電子マニフェストの普及率50%との国の新方針を受け、14年1月から加入料金を廃止するなど導入促進策を本格化させている。ここ数年、年間登録件数は200万件以上で増え続け、13年度の年間登録件数は約1746万件で過去最高を更新、紙マニフェストに対する電子化率は35%となった。国の目標50%達成が見込まれる情勢となった。

バックナンバーに戻る