循環経済新聞・バックナンバー“2014年10月度”

10月6日号ダイジェストニュース
◇自主的取組に実効性を
容リ法見直し、とりまとめへ/リデュース促進に向け
- 産業構造審議会/中央環境審議会 -
産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループと中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会による容器包装リサイクル法見直しのための第14回合同会合が9月24日、東京都内で開催された。経済産業省と環境省が今年の審議内容をもとに検討の方向性、考えられる施策、検討すべき事項を列記し、これらをもとに議論を追加することで、合同会合としての議論を集約する。今回はリデュースとリユースが議題で、小売業などでの容器包装削減について、委員からは、「自主的取組について実効性を持たせるため、業界などで数値目標の設定を検討すべき」などの意見があがった。

◇8月累計109万t前年微増
香港増で他アジア減少に
- 廃プラ貿易統計 -
貿易統計によると、2014年8月の廃プラ輸出の累計は、109万3894トンで、対前年比1万2933トン増(101%)。金額は、前年比8億9935万円増(102%)の518億834万円。PETくずは、8月単月で、前年同月比約3000トン減で、下げ幅は小さくなったが、今年の3月からの減少は止まらない。特に、中国のPETくず輸出量が、8月単月で、4200トン近くダウン。香港ルートPETくずは、持ち直した。PETくず累計の減少分は、4万トンになり、ほとんどが中国輸出分だ。

◇小型家電の引き取りを拡大
手分解で素材を高付加価値化/山形県のシステム認証を取得
- 高良 -
小型家電の資源化を手掛ける高良(本社・福島県南相馬市、高橋隆助社長)の山形営業所(山形市)は、県のリサイクルシステム認証取得により、山形県内の市町村から使用済み小型家電の引き取りを拡大している。先月末までに10市町村と最上地域の広域市町村圏事務組合と契約を締結した。回収した小型家電は手作業で選別・分解して素材の付加価値を高めている。

◇排出事業者へ指導徹底求める
環境大臣に要望書
- 全国油脂事業協同組合連合会 -
全国油脂事業協同組合連合会(水野泰幸会長)は9月16日、望月義夫環境大臣あてに要望書を提出した。BDFの製造事業者など一部の事業者による廃食用油の不適正なリサイクルが依然として後を絶たないことから、排出事業者への指導徹底を求めている。

◇Rガラス砂製品があいくる材に認定
新東名工事で9000m3利用
- トーエイ -
トーエイ(愛知県東浦町、今津昭社長)が手掛けるリサイクルガラス造粒砂「サンドウエーブG」が8月末、あいくる材(愛知県リサイクル資材評価制度)に認定された。透水性舗装のフィルター材の他、軟弱地盤改良工事のパイル砂や路床材、暗渠資材、排水管等の埋め戻し材、太陽光発電所の防草用資材といった用途があり、最近では、NEXCO中日本が手掛ける新東名高速道路工事で採用され、9000立方メートルを受注した。

◇対策行動指針等を策定へ
巨大地震における検討会開催
- 環境省 -
環境省は9月25日、都内で「2014年度巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」を行った。今年度は、昨年度策定したグランドデザインを基に災害廃対策行動指針や、東日本大震災における処理技術等に関するアーカイブ、巨大地震発生時における円滑な処理に求められる制度的対応などを検討する。

◇排水適正処理で引合増
車載可能で大容量処理を実現
- アイサン工業 -
凝集剤や排水処理装置の製造・販売を手掛けるアイサン工業(浜松市南区、柳正志社長)はシンプル構造路面カッター汚泥処理装置「ロード・クリーン」の引き合いが増加していることを明かした。
清水槽と沈殿槽を備え、3-5時間の連続運転が可能だ。1時間当たり600リットルの汚泥の処理を行うことができ、同装置は、水タンクとしての役割も果たすことができる。

◇地域の廃棄物・副産物を利活用
高品質のリサイクル資材供給
- 青森県 -
青森県は農業、林業、漁業といった第一次産業が主力となっている。県内の事業者はこれらの廃棄物・副産物の利活用に向けた取り組みを進めている他、自治体と協力してバイオディーゼル燃料(BDF)の製造、高品質のリサイクル資材の供給などを行っている。

◇再生エネ、都市鉱山を推進
独自性を追求、新事業に挑戦
- 秋田県 -
秋田県は農業、林業、鉱業が盛んだ。県では地域循環圏の考えから大量に賦存するバイオマス、技術が集積する都市鉱山に関するリサイクルを推進している。一方、焼却処理や最終処分業者の中には、独自性の追求、新事業に挑戦しているところもある。

◇建設系中心に排出量増える
排出事業者の環境への関心高まる
- 岩手県 -
東日本大震災の発災から3年7カ月。岩手県内の災害廃棄物の処理は終了し、復興の取り組みが本格化している。復興事業により今後数年間は建設系を中心に産廃の排出量が増えそうだ。一方、県内の排出事業者の意識が少しずつだが、変化、環境への関心が高まりつつあるという。適正処理や資源循環に向け、排出事業者への情報提供や支援、処理業者の優良化の促進が課題となっている。

◇災害廃処理から本格復興へ
"リサイクルに舵を切れ"
- 宮城県 -
東日本大震災で甚大な被害に遭った宮城県も、今年3月末までに基本的に県内で発生した災害廃棄物の処理を完了し、現在、復興事業が進められつつある。一方で、「復興に力強さが感じられない」「景気回復感がない」など厳しい現状を指摘する声もある。廃棄物処理業にできることは何か。

◇進む災害廃棄物の処理
求められる事業の変革
- 福島県 -
福島県は宮城・岩手県と異なり災害廃棄物処理に遅れが生じていたが、今年に入り各処理・処分施設の整備にめどが立ったことで今後の進展が見込まれている。各地の災害廃処理には民間産廃処理業者が多く携わった。廃棄物量の増加に伴い、仕事は増えており県内景気は悪くないというが、「この状況は長く続かない」と考えている業者は少なくない。

◇地の利を生かし、廃棄物を収運
県内でも処理に地域差
- 山形県 -
山形県は村山、最上、置賜、庄内の4地方に分けられる。山形市がある村山地方は商業の中心地であるため、産業廃棄物処理業者が最も多い。関東方面へのアクセスが良いことから、産業廃棄物の中間処理や最終処分を目的とした搬入も行われている。一方、鶴岡市や酒田市を中心とする庄内地方はリサイクルポートを活用し、金属くずや石炭灰、プラスチックといったリサイクル貨物の輸送を行っている。

◇林業の成長産業化にバイオマスは不可欠
活発な情報交流・意見交換の場に/「2014森林・林業・環境機械展示実演会」を迎えて
- インタビュー(一社)林業機械化協会 専務理事 松本 芳樹氏に聞く -
2014年10月12日・13日、山形県新庄市内で開催される第38回全国育樹祭記念行事「2014森林・林業・環境機械展示実演会」(主催=(一社)林業機械化協会、山形県)は、林業・環境の両面で優れた技術やシステムが一堂に会するもの。主催の林業機械化協会の松本芳樹専務理事は、政府が掲げる林業の成長産業化の実現に向け、森林バイオマスは不可欠と強調。同展示会が林業関係者と環境ビジネス関連事業者との活発な意見交換・情報交流の場になることを念願している。

10月13日号ダイジェストニュース
◇太陽光発電事業を開始
焼却施設隣地に753kWパネル/廃棄物発電と合わせて創エネ
- サンエコサーマル -
一般廃棄物・産業廃棄物処理を手掛けるサンエコサーマル(本社・栃木県鹿沼市、本橋時男社長)は10月2日、発電出力753キロワットの太陽光発電設備「サンエコソーラーファーム」を竣工、新たな創エネルギー事業に乗り出した。1998年から行っている廃棄物発電事業に続くもので、太陽光発電で得られた電力は全量を東京電力に売電する。本橋社長は、「発電事業をさらに強化する。地域と一体に社会に貢献する企業になる」と述べた。

◇安定的に塩素3000ppm以下目指す
宮城で月1200tのRPF
- オガワエコノス -
オガワエコノス(本社・広島県府中市、小川勲会長)は、同社仙台工場(宮城県大和町)のRPF(紙くずや廃プラスチックなどでつくる固形燃料)の生産事業で、JISの取得も踏まえて、塩素含有率3000ppm以下のものを安定的に製造することにした。現在、月間1200トンのRPFを生産し、製紙会社向けに出荷している。大震災以降も地域に根差した事業を継続し、前年度と変わらない水準の生産量を維持しており、製紙会社からも高い評価を得ている。今後、さらに地域に根差した”地産地消”の企業を目指す。

◇対象の処理品目を拡大へ
低濃度PCBを無害化
- JX金属苫小牧ケミカル -
JX日鉱日石金属グループのJX金属苫小牧ケミカル(北海道苫小牧市、米田寿一社長)は低濃度ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の無害化処理認定を3月11日付で取得し、8月末までに低濃度PCB廃油170トン、トランス類170トンの処理を終了した。今後はコンデンサ類、PCB含有塗料が使用された橋梁や防護柵といった汚染物の処理についても対応すべく、追加での認定申請の準備を進める。

◇PFI堆肥施設が順調
能力増強も視野に
- オーガニック金ヶ崎 -
2001年にPFI方式を採用した堆肥化施設を全国で初めて操業し、注目を集めたオーガニック金ヶ崎(岩手県金ヶ崎町、永澤良次社長)は、操業から14年目に入った現在も施設の稼働は順調だ。永澤社長は、新たに脱臭施設を増設し、処理能力をアップする構想があることを明らかにしている。

◇保管容量を拡張へ
雨水・排水施設も更新
- 東明興業 -
東明興業(東京・練馬、伊勢文雄社長)は、所沢支社(埼玉県所沢市)中間処理施設の保管場所拡張を行う。車両からの荷降し場所・重機作業場所を西側に配置し、騒音・飛散防止の強化を兼ねてコンクリート製の塀・散水施設を設置する。まず老朽化した雨水・排水等の大規模開発工事を11月に完成させ、その後、保管場所の整備工事を行う計画だ。

◇青森市に積保施設を開設
津軽地域の廃棄物を集荷
- 青森クリーン -
最終処分事業を手掛ける青森クリーン(本社・青森県むつ市、春好光社長)は、青森市に積替保管拠点となる浪岡事業所を開設した。津軽地域で排出される産業廃棄物を集積し、むつ市の同社管理型処分場に運搬、埋立処分を行う。

◇国内初、太陽光パネルリサイクル
アルミ枠外し、ガラスを剥離/新システム、全国に販売
- 環境保全サービス -
廃ガラスの処理・リサイクルを手掛ける環境保全サービス(岩手県水沢市、狩野公俊社長)は、廃棄された太陽光パネルのリサイクル技術を確立した。アルミ枠を外したモジュールをそのまま投入、破砕し、ガラスを剥離、残りを粉砕、樹脂を取り出す。国内初のシステムで全国に提案、販売していく。

◇適正処理をレベルアップ
リサイクル率向上へ
- 北海道特集 -
多様な取り組み、ノウハウ蓄積
廃棄物・未利用資源を“地産地消”
各地域に処分・再資源化の拠点整備が進む
北海道は本邦で最も広い都道府県であり、面積8万3456キロメートル、本州の3割以上の面積を持ち、広大な大地を有する。最終処分場の設置許可件数は全国でも最多の300件を超え、産業廃棄物については、リサイクルよりも適正処理がメインとなってくる。

10月20日号ダイジェストニュース
◇富士リバースの株式取得
新たなバイオマス発電計画も
- タケエイ -
建廃大手のタケエイは10月14日、山梨県で生木類などを中心にリサイクルを進める富士リバース(山梨県富士吉田市、山田芳弘社長)の株式を取得し、子会社化した他、新たに岩手県花巻市において、森林間伐材などを燃料とする木質バイオマス発電事業に参入することを目的に、10月中に花巻バイオマスエナジーを設立することを明らかにした。

◇リサイクル率過去最高
3年連続90%超
- スチール缶リサイクル協会 -
スチール缶リサイクル協会(樋口眞哉理事長)は、2013年度のリサイクル率が前年度から2.1%増の92.9%と、過去最高を達成したと発表した。要因について、樋口理事長は「スチール缶スクラップ(Cプレス・Cシュレッダー)以外の規格で鉄鋼メーカーなどに流れている量が把握できるようになった。これが、リサイクル率向上につながった」と説明した。

◇銅スラグの販路拡大
セメント、コンクリ骨材に
- 小名浜製錬 -
小名浜製錬(製錬所・福島県いわき市、岡本良二社長)は、銅製錬の工程で発生する副産物である銅スラグの販路を拡大した。セメント原料としての出荷に加え、コンクリート骨材の用途での販売を伸ばしている。銅スラグは比重が重いことから、防波堤の中詰材などに利用されている。

◇新運搬システムスタート
事業系生ごみR推進へ
- 神戸市環境共栄事業協同組合 -
神戸市環境共栄事業協同組合(共栄会)は8月、「事業系生ごみ収集運搬システム」の運用をスタートした。セブン&アイホールディングスと契約し、神戸市内のセブン‐イレブン140店舗からの生ごみを4カ所の保冷庫付き拠点で保管。集約して食品リサイクル施設に運搬する。収集運搬コストを大幅に抑えられるのが特徴で、今後はコンビニエンスストアの他、スーパーマーケット、外食店舗等での運用も目指す。

◇小規模バイオマスモデル推進へ
熱電併給で地域活性も
- ZEエナジー -
ZEエナジー(東京・港、松尾直樹社長)は9月26日、日本有機資源協会が主催した講演会で、長野県飯田市や長崎県波佐見町で進めているバイオマス事業モデルについて明らかにし、温水利用、ハウス栽培などへの熱供給などを含めた小規模熱電併給を目指していくとした。

◇宮城県で現地調査を開始
設置予定の5県では初
- 指定廃棄物処分場 -
宮城県内で発生した1キログラム当たり8000ベクレル超の放射性物質を含む廃棄物を埋め立てる処分場設置に向けた現地調査が10月8日から始まった。詳細調査候補地となっている栗原市(深山嶽)、大和町(下原)、加美町(田代岳)で地表地質踏査を行う。  沢や尾根の地形・露頭・軽石を目視した上、露頭をハンマーで打撃し、地質や硬軟を確認する。沢の流量はビニル袋で測定する。

◇バイオガス化プラントを納入
青森の畜産業者に2基目
- 大森工業 -
大森工業(千葉市、根上靖晃社長)は、ルッケルト式バイオガス化発電システムを青森市の畜産業者に納入する。新潟県村上市の開成に次いで2 基目となる。

◇企業立地増加に対応へ
充実の県内処理、さらに発展
- 茨城県 -
鹿行エリアを始めとする製造業、霞ヶ浦周辺エリアなどの農林水産業など安定した産業基盤を持つ茨城県。産業廃棄物処理についても、広域関東圏の中で各種中間処理から最終処分まで充実した体制を持つ数少ない県だ。その中で、廃棄物処理・リサイクル業界は、新たな競争、高度化の時期を迎えている。

◇県内処理体制が着実に進展
大型焼却施設が次々竣工
- 栃木県 -
かつての最終処分メインの事業形態から、中間処理・再資源化メインの事業形態へ――。栃木県の産業廃棄物処理事情がこの数年で激変しつつある。そのメインプレーヤーは近年次々に竣工している大型焼却施設だ。焼却施設やさまざまな再資源化を支える管理型最終処分場についても、県で設置計画が進められている。北関東の業界で今一番の注目を集めている県といえる。

◇首都圏の水がめ持つ保水県
森林資源でバイオマス発電を
- 群馬県 -
群馬県は赤城、榛名、妙義の上毛三山に囲まれ、県土の70%が森林に覆われている。その森林からは豊富な水資源が生まれ、首都圏の水がめとも言われている。だからこそ、最終処分場の設置が難しいとも言われ、また中間処理が重要な位置を占める。

◇複合的事業展開が基本に
県内主体で繁栄を図る
- 山梨県 -
山梨県は富士山に代表されるように天然資源が豊富で観光業も盛んだ。県内における製造業が占める割合は他県に比べ決して低くはないが、県内総生産は約3兆円(2011年度、内閣府経済社会総合研究所)と、全体の規模は小さい。県内の産業廃棄物処理業者は一部の品目に特化しているだけでなく、幅広い事業展開を行っているのが特徴だ。

◇地域密着型事業を展開
災害対策も今後本格化
- 静岡県 -
静岡県では、東名高速道路などのアクセスの良さから愛知県や神奈川県などの近隣県の産業廃棄物処理業者との競争に巻き込まれやすいという。県内地域ごとに基幹となる産業が異なるため、他県業者との差別化を図る意味でも各地域に根差した事業展開や地域貢献活動が求められている。

◇新規事業開発で現状打破
各社取り組みを進める
- 長野県 -
精密機械などの製造業が盛んな長野県では、他県と同様に工場の海外移転による廃棄物排出量の減少といった課題を抱えている。建設関連では消費増税前の駆け込み需要で、関連する廃棄物処理の仕事は増えたが、今年に入り落ち着いているという。県内各社では、これらの課題に対応した新規事業や顧客サービス強化を計画している。

◇良いものを次々取り入れ
再エネも徐々に普及へ
- 新潟県 -
新潟県は上越市を中心とする上越地方、長岡市を中心とする中越地方、新潟市を中心とする下越地方、佐渡市からなる佐渡地方(1島1市)の4地方からなる。山側は豪雪地帯であり、海側は平野部が多く、古くから米の生産が活発に行われており、日本一の米所として知られている。冬季の降雪が厳しい地域が多く、「保守的で忍耐強い」県民性だと言われている一方で、古くから貿易が盛んな土地柄であり、新しいものでも良いものであれば積極的に取り入れていく傾向が強いという。

◇五輪とポスト五輪を睨め
国内屈指の静脈産業激戦区/再開発・インフラ特需梃に/産業設備再編、高齢化への対処も
- 関東1都3県 -
アベノミクス、東京五輪招致などにより、国内でも最も事業活動や生活が激変しているのが関東1都3県であることに異論はないだろう。地方の廃棄物業界関係者からも「東京圏だけは特別」と言われる状況で、再開発やインフラ整備が進む。国際的なビジネス拠点(ハブ)を目指す計画も進行中だが、その一方で製造業設備の再編や急速な高齢化なども進んでいる。
廃棄物処理業・リサイクル業も全国屈指の激戦区だ。”ポスト五輪”に向け、経営体力強化や新規サービス開発をいかに進めるか。

10月27日号ダイジェストニュース
◇低コストで適正処理
乾式磁力選別工法普及へ/自然由来重金属含有土壌が対象
- 日本汚染土壌処理業協会 -
(一社)日本汚染土壌処理業協会(東京・千代田、尚原勝広理事長)は、自然由来の重金属含有土壌を低コストで浄化するDME工法(Dry Magnetic Extraction)の全国展開に向けて本格的な普及活動を開始した。正会員企業を通じて事業を展開するとともに、今後、会員企業を増やして、自然由来の重金属含有土壌処理需要の増大に対応する考えだ。

◇事業系生ごみを効率回収
全業者が食R対応可に/神戸市環境共栄事業協同組合・澤田弘専務理事に聞く
- 一廃業者の新たな戦略 -
神戸市環境共栄事業協同組合(共栄会)は8月から新たに「事業系生ごみ収集運搬システム」の運用をスタートした。神戸市内のセブン‐イレブン140店舗からの生ごみを保冷庫付き拠点で保管、集約して食品リサイクル施設に運搬する仕組みで、収集運搬コストを大幅に抑えたのが特徴だ。食品リサイクルにおける収集運搬は限定の新規許可を出す自治体も少なからずあり、こうした対応を不要にする今回の仕組みは事業系一廃の収運業者等からも注目を集めている。考案者の澤田専務理事に話を聞いた。

◇エンジン再生工場を拡充
リビルト事業の体制強化
- 大晃商事 -
使用済み自動車リサイクルを手掛ける大晃商事(本社・秋田県潟上市、土門五郎社長)は自動車部品のリビルト事業についての体制強化を進める。今春にエンジンのリビルト作業などを行う設備を本社工場に移設し、同事業を拡充した。来年さらにエンジンのリビルト工程で使用する新設備を設置する。

◇廃食用油再生で認証制度
処理法踏まえ、安全確保
- 日本科学飼料協会 -
飼料用油脂の安全を確保するため、廃食用油を回収、再生する事業者の認証制度の実施要綱案の中身が明らかになった。(一社)日本科学飼料協会が進めているもので外食産業など排出事業者から回収した廃食用油をマニフェストなどで管理するなど廃棄物処理法を踏まえた内容となっている。

◇コンクリートから保水舗装
50mm豪雨に耐える設計/独自加工・成型で実用化
- ソーセキ/エコホールディングス -
副産物利用の研究開発で実績を重ねる建材メーカーのソーセキ(栃木県佐野市、池ノ谷静一社長)は、太陽光発電など環境技術の開発・供給が主力のエコホールティングス(神戸市中央区、藤林久士社長)と共同で、廃コンクリートを主原料に、透水性・保水性に優れた舗装用ブロック「シェルターブロック舗装材」を開発した。エコ社で特許を出願し、ソーセキが製造・販売を担当する。経済産業省から2013年度・新連携事業の補助も得た。

◇創立30周年記念祝賀会を開催
今後の展開について言及
- 群桐産業 -
産業廃棄物の収集運搬、焼却処理事業などを手掛ける群桐産業(群馬県太田市、濱屋博社長)は10月18日、太田市内で創立30周年記念祝賀会を開催し、本社屋の新設や本社工場に保管施設を設置する計画などについて言及した。

◇ナノファイバーを大量生産
除染、油吸着などで販売
- 関西電子 -
ナノファイバーを大量に製造できる装置を開発した関西電子(東京・新宿、進士国広社長)は、水中のセシウムなど放射性物質の除染や油吸着など環境分野で販売を強化する。
ナノファイバーと呼ばれる極微細繊維は、繊維同士の分子間力が強く働き、空気は通すが、水は通さず、高い吸着が得られる。直径500ナノメートルの繊維は1本に伸ばすと、5000キロメートルになる膨大な表面積があり、空気を大量に保持する。一方、優れた機能がありながら、これまでは製造工程が複雑で大量生産できず、用途開発が進んでいなかったという。

◇優良な処理の担い手、大型需要施設も
来春の新幹線開通に期待高まる
- 北陸地域の廃棄物事情と資源循環 -
本州中央部の日本海側に位置し、地域間のつながりも強い北陸3県。重工業が盛んな富山県、観光と商業の地・石川県、軽工業が活況を見せる福井県と各県の特色は異なるものの、特異な産業・技術の集積した地域だ。地理的には首都圏、中部圏、近畿圏のいずれからも300キロメートル圏内に位置し、こうした地域からの廃棄物受け入れにも地理的な優位性を持つ。また来年以降3件の木質バイオマス発電施設新設が予定されるなど、資源循環も活発化している(詳細は11面)。地域のトピックスとしては過日、東京・長野間で運転開始された北陸新幹線が来春に長野・金沢間の開業を迎える。この影響で産業部門の活性化が進むことで、新たなリサイクルビジネスの創出等、廃棄物分野に関する効果も期待されるところだ。ここでは北陸3県の廃棄物事情、および資源循環についてまとめた。

◇受入単価は7割近くが下落
火力発電増加で発生量アップ品目も/9品目がダウン傾向見せる
- 北陸地域の最終処分場&インタビュー -
全国の最終処分場の受入単価のアンケートを行う中で、北陸地域では、受入単価がダウンしている傾向があることがわかった。全国的な傾向として、震災後、埋立処分の受入単価は、安定型品目も管理型品目も上がっている。(ただし、九州や関東・甲信越では、最終処分の受入単価が下がっている)今回の特集では「最終処分場の受入単価」のアンケート調査結果として、北陸と全国の比較ができるようにまとめた。

◇新規チップ需要は年間約15万t
地域内で計3カ所設立へ
- 北陸の木質バイオマス発電事業 -
北陸地域で計画されるFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に基づく新規バイオマス発電事業は計3件。大型のものから小型まで、北陸3県にそれぞれ1カ所ずつ計画されており、燃料需要の競合は考えにくい。来年以降、順次稼働していけば新規チップ需要は年間約15万トンに上り、各県内の間伐材等を中心とした未利用バイオマスの有効利用が期待されている。

◇岐路に立つ廃石膏ボード・建廃リサイクル
現状と課題、そして展望
- 北陸地域の混廃処理動向 -
ここ数年、高度経済成長期に建てられた建物の更新時期を迎えている。老朽化した建物の解体はじめ、耐震化工事などの需要が高まり、その影響で解体系廃棄物の発生量が大幅に増加している。コンクリート塊やがれき類などといった建設系混合廃棄物は、建設リサイクル法の影響などで再資源化が大きく進んだ。一方、再資源化が思うように進んでいないものに、廃石膏ボードと混合廃棄物がある。
解体工事の受注件数は増加傾向にあり、今後20-30年は右肩上がりが見込まれ、発生量の動向から目が離せない。今回、廃石膏ボードと混合廃棄物を注目し、建設系廃棄物の処理を助けるメーカーの動きを追った。

◇大型焼却炉で多彩な処理実績
混合廃棄物を燃料と原料利用に
- 北陸地域で活躍する企業 -
◇RPF製造の2工場は順調稼働
混合廃や木チップ高品質燃料化
- エコ・クリーン -
RPF製造で実績を重ねるエコ・クリーン(福井市、加藤信孝社長)と、関連会社のエコクリーン・アイは、質の高い固形燃料を製造して、ユーザーに供給してきた。
エコ・クリーン製造のRPFは、JIS認証取得しており、高品質をアピールできる工場だ。

バックナンバーに戻る