循環経済新聞・バックナンバー“2015年5月度”

5月11日号ダイジェストニュース
◇汚染土壌と混廃分級で新事業
分級後、セメント工場へ/日量3696m3の処理能力
- 仙台環境開発 -
 管理型処分と建廃など産廃中間処理の仙台環境開発(仙台市青葉区、櫻井慶社長)は、掘り起こし産廃など混合廃棄物の分級および汚染土壌の分別等処理に新規参入した。青葉区の自社中間処理工場内に分級施設を導入。燃え殻・汚泥・鉱さい・混合廃棄物の産廃と汚染土壌でそれぞれ日量3696立方メートル(24時間稼働)の処理能力を持つ。生石灰混合による前処理で含水率調整を行い、分級後のアンダー品をセメントリサイクル向けに搬出する。

◇3月累計は36万t
原油底に達し再生に動き/廃プラ貿易統計
 貿易統計によると、2015年3月の累計は、36万2トンで、対前年比2万962トン減(94%)。金額は、前年比9億6562万円減の172億757万円(95%)となった。3月に原油の国際価格が底に達して、上昇に転じたことから、止まっていた再生プラ市場にも動きが出始めた。

◇一般廃の灰再生処理増える
太陽光発電で自治体からも高評価
- 渡辺産業 -
 渡辺産業(栃木県日光市、神山昌彦社長)の新工場は、焼却灰や鉱さい、汚泥といった産廃だけでなく、一般廃棄物を処理したプラントから発生する焼却灰や溶融スラグなど、公共からの引き合いが増えてきた。
 一般廃棄物の焼却灰を再生処理できる中間処理許可施設は、全国的にも珍しい。新工場で、250キロワット出力の太陽光発電パネルを設置したことで、省エネ施設として認知され、自治体から高評価も受けている。

◇バイオガス発電に参入
有機系廃棄物を有効利用
- 鈴与商事 -
 鈴与グループの省エネ・環境分野を担う鈴与商事(静岡市、脇本省吾社長)は、有機系廃棄物を利用するバイオガス発電事業に乗り出す。3月末に静岡県菊川市でバイオガスプラントの建設に着手し、今年12月完工、2016年3月からの運転開始を予定する。

◇モデル事業の提案など
構想を提案する団体へ
- 全国木材資源リサイクル協会連合会 -
 NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会(東京・中央、鈴木隆理事長)は4月23日、都内で今年度第一回目の理事会を開催し、新たに「構想を提案する団体」として活動を進め、今後はモデル事業の提案などを行っていく方針を明らかにした。

◇調査候補地、東電敷地内に
火力発電所内の一部を選定/指定廃棄物長期管理施設
 小里泰弘環境副大臣は4月24日、熊谷俊人市長(千葉市)、森田健作知事(千葉県)と面会し、1キログラム当たり8000ベクレルを超える指定廃棄物の長期管理施設(遮断型処分場)の詳細調査候補地として、東京電力千葉火力発電所(千葉市中央区)の土地の一部を選定したことを伝えた。

◇廃プラ対応焼却炉を発売
耐久・燃焼性など大幅向上
- DAITO販売 -
 小型焼却炉の製造・販売を手掛けるDAITO販売(愛知県瀬戸市、井上滋樹社長)は、廃プラスチック対応焼却炉シリーズとして「IPZモデル」と「MDP‐Sモデル」の2機種を新たに発売した。ユーザーの細かな要望に応えて開発したもので、従来製品に比べ、使い勝手や耐久性などを向上した。自社内処理を行う排出事業者向けに提案を進めていく。

◇産業・経済発展で新たな産廃処理
再生砕石に付加価値
- 沖縄特集 -
 沖縄県は近年、観光客が増えて、2014年は、過去最高の700万人を突破した。リゾートホテルや総合ショッピングセンターなど、建設計画も活発で、人口増加率も東京都に続く第2位。出生率も高く「沖縄県は安心して結婚して出産、子育てができる」ことを目標にしてきた成果が顕著になってきた。広大な海域に大小160の島々からなる沖縄の離島は、個性ある伝統文化や豊かな自然環境といった魅力を持つが、自動車の依存度が高く、渋滞が多いなどの課題も抱える。このような背景を踏まえて、沖縄県の産廃処理事情の今と未来を探る。

◇沖縄クローズアップ元気企業/島で必要な循環型処理の実現
人材育成と電マニ導入で再資源化向上
- オキセイ産業 -
 産廃処理や再資源化で、20年以上の実績を持つオキセイ産業(浦添市、松原良雄社長)は、建設系の産廃を中心に処理してきた。木くずと廃石膏ボードについては、全量リサイクルしている。現在、全体の80%を再資源化しており、目標の90%に向けて着々と進展させてきた。

5月18日号ダイジェストニュース
◇環境で産業を創生する!
627社2161小間で開催
2015NEW環境展/2015地球温暖化防止展

 5月26‐29日の4日間にわたり、東京ビッグサイトで2015NEW環境展/2015地球温暖化防止展が開催される(主催・日報ビジネス)。国内外から627社2161小間が出展し、“競い交流する”アジア最大級の環境展示会だ。地方を創生するとともに、世界を先導する環境技術のイノベーションはここから始まる。

◇後援団体からのメッセージ
2015NEW環境展/地球温暖化防止展に寄せて
2015年度における循環型社会構築に向けた取り組み
環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部長
鎌形 浩史氏

温暖化対策・リサイクルをリードする環境ビジネス
経済産業省 産業技術環境局 大臣官房審議官(環境問題担当)
三又 裕生氏

農林水産省におけるバイオマスおよび食品リサイクル関連施策について
農林水産省 食料産業局 バイオマス循環資源課長
谷村 栄二氏

オリンピック・パラリンピックを機に「持続可能な資源利用」を推進
東京都環境局 資源循環推進部長
齊藤 和弥氏

「S+3E」の観点から実現性あるバランスの取れたエネルギー・環境政策を
日本・東京商工会議所 会頭
三村 明夫氏

NEW環境展/地球温暖化防止展への期待
北海道大学大学院 工学研究院 廃棄物資源循環学会長
松藤 敏彦氏

意義ある情報発信・交流の場に
一般社団法人地球温暖化防止全国ネット(全国地球温暖化防止活動推進センター)事務局長
川原 博満氏

◇ココがみどころ! 2015NEW環境展/地球温暖化防止展
バイオマス関連めじろ押し
再開発で解体・建廃向けも/処理機器はより顧客指向に
遮熱など省エネも目立つ/粉砕、選別で海外からも出展

 いよいよ5月26‐29日にかけて東京ビッグサイト(東京・江東)で「2015NEW環境展/地球温暖化防止展」(主催・日報ビジネス)が開催される。出展規模は627社2161小間で、国内外の環境機器・サービスが一堂に会するアジア最大級の環境イベントだ。今注目のバイオマス関連技術から汎用の廃棄物処理・リサイクル機器、遮熱などの省エネ、放射性物質対策に至るまで極めて多様な環境対応製品・技術が出展しているのが特徴だ。(編集部・中西)

◇廃棄物・リサイクル変容
内需大国、高付加価値品輸出へ/インフラ・産業設備再編
 国土強靭化、新幹線や高速道路の整備、LCC就航、物流・小売拠点の再編、食品加工業など内需産業の拠点再編、高付加価値品の製造業への転換――。少子高齢化や産業構造転換に直面する日本は、一方で高度成長期の姿から大きく変わろうとしている。成長が見込める内需関連企業の株が海外の投資家から買われているという事実は、”高度な内需大国”への転換を映す鏡だ。廃棄物処理・リサイクルでも、“新たな内需”を取り込む模索が始まった。

◇電力システム改革が進む
再生可能エネルギーに活路か/来年4月から小売自由化へ
 現在、エネルギーミックス(電源構成)の議論が活発に行われている。「電源構成が決まらないとエネルギー対策も温室効果ガスの削減比率も出せない」(有力関係者)からだ。鍵を握るのはやはり原発と再生可能エネルギー、そして温暖化対策だろう。来年4月から「電力小売自由化」が始まる。約7.5兆円の市場が開放され、新たなビジネスチャンスがやってくる。

◇事業激変に役立つ!セミナー&フォーラム
2015NEW環境展記念セミナー
2015地球温暖化防止展 併催 STOP地球温暖化!推進フォーラム


◇2015NEW環境展 2015地球温暖化防止展 出展案内

5月25日号ダイジェストニュース
◇冬季も円滑な受入体制
顧客サービス追求を徹底/建廃減見越し新施設
- 佐藤興産 -
 将来的な建設廃棄物の排出減を見越して中間処理施設を開設するという、新観点の事業モデルが現れた。建廃処理と解体工事が主力の佐藤興産(岩手県盛岡市、佐藤亮厚社長)は5月7日、盛岡市乙部の工業団地内に破砕機3機を備える中間処理施設「ECOセンター」を竣工した。安定5品目と木くず、紙くず、繊維くずを処理でき、木くずで日量101.52トンなど品目別に処理能力を設定している。

◇RPF中のプラは64%
プラ循環協が調査結果まとめ/石炭代替の発熱量が要望多い
 (一社)プラスチック循環利用協会(東京・中央)の調査によると、RPFの成分における廃プラの平均配合率は64%であるとの推計結果をまとめた。RPF製造業者の多くが、石炭と同等の高位発熱量25メガジュール/キログラムに設定しているためだ。一方、RPFに係るJIS取得については、製品製造などで別途のJISを取得している排出事業者からの原料集荷に効果があることがわかった。

◇リサイクル設備を自動化
カートリッジ樹脂を再生/再び外装材の材料に
- キヤノン -
 キヤノンは使用済みトナー・インクカートリッジの新たなリサイクル設備を子会社の再資源化拠点「キヤノンエコロジーインダストリー(茨城県坂東市)」で稼働させた。製品の仕分け、破砕、洗浄、選別、プラスチックペレット・フレークの再生といった一連の処理工程を自動で行う。再生樹脂はカートリッジの外装材に使用し、水平リサイクルを実現している。

◇地域の環境拠点立ち上げ
CSRの取り組み次々
- 浜田化学 -
 廃食用油の再生利用事業を展開する浜田化学(兵庫県尼崎市、岡野嘉市社長)は、CSR活動を積極的に展開する。地域の環境団体「エコでつながる西淀川推進協議会」に事務局として協力。一般消費者やエンドユーザーとの協働で、廃食用油リサイクルや環境意識の啓発を推進する。CSR活動を通して自社の付加価値を高め、ステークホルダーに還元する取り組みだ。

◇木質バイオマス事業、さらに
津軽に木質チップ工場を竣工/花巻の発電施設、設備認定も
- タケエイ -
 建廃大手のタケエイが青森県の平川市に設置に向け準備を進めているバイオマス発電事業での木質チップを製造・供給する津軽バイオチップ(青森県平川市、中村弘社長)の工場が完成し、4月27日に竣工式が行われた。また、タケエイとヴェオリア・ジャパンの合弁会社であるTVエナジーホールディングスの子会社であり、岩手県花巻市でバイオマス発電事業を行う計画を進めている花巻バイオマスエナジーが3月27日に経済産業省より特別措置法に基づく再生可能エネルギー発電設備として事業者認定を受けた。

◇排出事業者にも指導を
覆いや自動停止など普及を/神奈川産廃協が安全衛生大会
 (公社)神奈川県産業廃棄物協会が5月12日に横浜市内で開催した安全衛生大会で、古敷谷裕二会長は、「労働災害で神奈川はワーストワン。産業廃棄物処理業界でも対策は進めているが、昨年度も108件と微減にとどまった。会員企業の下請けであるメンテ会社が起こした重大災害でも間違った報道がされた。会員企業の労災防止対策を進めるとともに、出入りの会社や排出事業者にも安全対策の指導徹底をお願いしたい」と述べた。

◇オフロード法に適合
新方式の不整地運搬車
- IHI建機 -
 IHI建機(横浜市)は4月からオフロード法の最新規制に適合した新制御方式搭載の不整地運搬車クローラキャリア「IC75-2」の販売を開始した。初めてオートマチックモードを採用、無駄なエンジン回転数を制御することで低燃費化を実現している。

◇地域一体型の取り組みと新たな木質チップ利用
木質バイオマス利用と地域活性
 木質バイオマス利用を進める上で重要なのは、雇用増加や経済の活性化などの地域貢献だ。だからこそ、地域一体となった取り組みとして進めることができる。またこれは、現在、増加の傾向であると言われている、地方の人口減に歯止めをかける可能性もある。ここでは木材関連業者が進める木質バイオマス利用による地域活性化と、農業への木質チップ利用による地域活性化のチャレンジを紹介する。

◇“あるべき姿”の実現へ
論点整理案を提示/本格施行から10年
自動車リサイクル制度

 自動車リサイクル法の本格施行から10年が経過した。経済産業省と環境省は昨年8月から制度の見直しに着手し、5月18日の合同会合で論点整理案を示した。自動車における3Rの推進・質の向上、自動車リサイクル制度の安定的かつ効率的な運用、自動車リサイクルの変化への対応と国際展開を柱に据え、“あるべき姿”の実現に向けた議論を続けた。今回提示された案についての概要をまとめた。

バックナンバーに戻る