循環経済新聞・バックナンバー“2015年8月度”

8月3日号ダイジェストニュース
◇バイオガス発電施設が竣工
中部最大級の日量70t規模
- オオブユニティ -
 オオブユニティ(愛知県大府市、相木徹社長)は、建設を進めてきた中部地区最大級のバイオガス発電施設が完成、7月24日に竣工式を行った。式典には大府市長はじめ、関係企業ら100人超が参加。今後は10月からの本稼働を目指す。

◇ガス化設備を増強
アンモニア生産年間9万tに/プラのケミカルリサイクル
- 昭和電工 -
 昭和電工は7月、川崎事業所(川崎市)における使用済みプラスチックのガス化設備の増強が完了した。プラスチック製容器包装や産業廃棄物系の廃プラスチックを原料に、液化アンモニア(商標登録名「エコアン®」)を製造するためのガス化設備の増強を完了した。2003年から稼働を開始した設備で従来は年間6.4万トンの生産能力だったが、今回の増強で年間約9万トン弱へと約40%増強した。

◇廃車から再生樹脂を製造
車部品の材料に使用/自動車破砕業者と協力
- いその -
 プラスチック材料製造を手掛けるいその(名古屋市、磯野正幸社長)は自動車破砕業者と協力し、使用済み自動車を細かく砕いた廃材を原料に用いた再生樹脂の製造に着手した。再生樹脂は自動車部品の材料として供給する。

◇食リの新たな主流は?
再生手法別に進む施策
業界は実態踏まえた対応/食リ動向

 食品リサイクル制度の見直しを終え、今後の食リ事業はどのように展開していくのか。国の施策と業界団体の動きを踏まえつつ、食リの手法別にポイントを整理してみた。

◇精選別土からの盛土材「NS‐10」
建設技術審査証明を取得
- 石坂産業/エコクリエイティブ -
 建設系廃棄物のリサイクルを進める石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は、協力会社であるエコクリエイティブとともに(一財)土木研究センターから、「建設混合廃棄物に含まれる土砂を再利用した盛土材“NS‐10”の建設技術審査証明」を取得し、7月22日に都内で認証授与式が行われた。

◇マニフェスト料金付加を採用
関係者との調整進める
- 支障除去等に対する支援に関する検討会 -
 環境省は7月22日、東京都内で「支障除去等に対する支援に関する検討会」を行い、2016年度以降の基金への拠出方式について、マニフェスト料金に付加した負担を求める方向で関係者との調整を進めることを明かした。

◇オリジナルエンジン搭載
冷水高圧洗浄機を発売
- ケルヒャージャパン -
 ケルヒャージャパン(宮城県黒川郡大和町、佐藤八郎社長)は、清掃機器の最大手メーカー、ドイツ・ケルヒャー仕様のオリジナルエンジンを搭載した業務用冷水高圧洗浄機「HD6/12G」を8月10日から発売する。

◇ポスト五輪へ、事業強化
関東1都6県/関東エリア特集
 アベノミクスによる景気刺激策と2020年の東京オリンピック開催に向け、関東1都6県からなる広域首都圏はにわかに活気づいてきた。扱い品目によって状況は異なるが、廃棄物処理業・リサイクル業の一部も活況を呈している。
 その一方で、産業界では工場や事業所、店舗の再編やコスト削減対策が急ピッチで進み、物流網など各種インフラも大きく変貌している。廃棄物・スクラップの排出量についても、業界関係者からは、「すでに数年前にピークアウトした」「五輪の2年程前には完全にピークアウトする」などの声もあがっており、早くもポスト五輪に向けた事業展開を睨んだ動きがある。
 広域首都圏と言っても、再開発や新規開発が進む東京湾岸やリニア新幹線沿線などの新たな物流の結節点と、逆に人口減少・高齢化が進む地域で温度差が生じている。
 いかにして、地域に密着した事業展開、顧客である排出事業者の新たな要望に応える提案ができるか。国内屈指の排出エリアで鍛え上げたノウハウを国内外に展開できるかが試される時代になった。


---- 8月10日号は休刊です。----

8月17日号ダイジェストニュース
◇PKS輸入開始、2万tに
脱臭付生ごみ堆肥化調査も/アジア視野に新事業目指す
- 三光 -
 山陰地方で最大クラスの総合リサイクル事業の三光(鳥取県境港市、三輪陽通社長)は、バイオマス発電用燃料のPKS(パームやし殻)の輸入、取り扱いを開始した。JICA(国際協力機構)が実施する、インド共和国の「ODAを活用した中小企業の海外展開事業‐案件化調査」にも採択され、独自の脱臭機能付き生ごみ高速堆肥化技術を海外で活用し、アジアを視野に入れた廃棄物ビジネスの新事業を具体化した。

◇混合プラ対応、技術向上
新材・産廃系に加え、容リ材も/分析・測定棟リニューアル
- 石塚化学産業 -
 石塚化学産業(本社・東京、石塚勝一社長)は、関東工場(埼玉県加須市)にフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)などの分析・測定機器を新たに導入し、技術棟を大幅にリニューアルした。プラスチックスクラップが多様化する一方で、家電・自動車などのメーカーから高品質の再生プラ原料を安定的に求められるようになっていることに対応する。石塚社長は、「CO2削減に寄与する再生プラ原料をさらに広めたい。過去にとらわれず、"技術の石塚"として原点回帰する。産廃系プラの仕入れ強化や容リプラ利用にも積極的に取り組む」と述べている。

◇PCBの早期処理完了へ
ワーキンググループ設置/追加的方策を検討
- 環境省 -
 環境省は7月31日、「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会(座長・永田勝也早稲田大学名誉教授)」を開催し、PCB廃棄物の早期処理完了に向け、ワーキンググループを設置することを決めた。安全かつ確実な処理を早期に完了するため、追加的方策について検討を行う。同省の鎌形浩史廃棄物・リサイクル対策部長は「処理完了期限は必ず達成しなければいけない。関係者はあらゆる努力をすべき」としている。

◇家畜ふん尿をバイオガス化
約1800キロワット、国内最大規模/北海道別海町で運転開始
- 三井造船ほか -
 三井造船と北海道別海町、中春別農業協同組合、道東あさひ農業協同組合の4者が共同で設立した「別海バイオガス発電」(特別目的会社)が建設を進めていた別海バイオガス発電施設が完成、7月1日から運転を開始した。発電能力は約1800キロワット(600キロワット×3基)。家畜ふん尿を原料としたガス発電施設では国内最大規模という。

◇再生資源県内利用44万t超に
公共工事の際、使用を指定
- 愛知県 -
 愛知県は、2014年度、県の公共工事で「あいくる材」の使用による再生資源の利用量が44万トンを超えたことを明らかにした。利用相当金額は約46億円に上る。同再生資源をすべて埋立処分した場合、処分費用として約51億円も必要になるとした。県発注工事で「あいくる材」の使用を指定するなど、愛知県庁の建設部局の取り組みによる効果は大きく、12年度から3年連続で再生資源利用量が40万トンを超え、同材の使用相当金額は45億円以上となっている。

◇約51万5000tを搬入
処理進捗状況を公表
- 福島県内災害廃棄物 -
 環境省は7月31日、国直轄で行う福島県内対策地域(11市町村)の災害廃棄物等処理進捗状況(6月末時点)を公表した。仮置き場に搬入された廃棄物は約51万5000トンで、8市町村で作業が完了している。

◇ミニショベル5機種
優れた環境性能を実現
- コベルコ建機 -
 コベルコ建機は、3‐5トンクラス超小旋回ミニショベル3機種、4‐5トンクラス後方超小旋回ミニショベル2機種を新たに開発した。特定特殊自動車排出ガス規制法(オフロード法)や国交省第3次排出ガス対策型建設機械指定に適合するよう環境性能や燃費性能を高めたもので、7月から10月にかけて順次販売を開始する。

8月24日号ダイジェストニュース
◇リサイクル、海外、延長線
構造変化、大手との協力も/廃棄物処理など環境事業分析
- 環境省 -
 環境省の環境成長エンジン研究会(座長・八木裕之横浜国立大学大学院教授)はこのたびまとめた環境ビジネスの動向把握・振興方策に関する報告書をまとめた。廃棄物処理・リサイクル分野については、「近年発生量は減少傾向にある。海外に活路を見出すか各種リサイクル事業に取り組んでいる」としつつ、外資企業と日系企業との連携による業界の構造変化の可能性、地域における大手と中小の協力の増加について触れた。

◇中国での本格稼働、間近に
循環型リサイクル「エコサークル」
- 帝人 -
 帝人は、現在日本を中心に世界150社以上が参加しているポリエステル製品の循環型リサイクルシステム「エコサークル」について、中国・浙江省に建設したケミカルリサイクル工場でサンプル出荷と顧客による品質評価を待っている段階にあり、近くシステムの本格稼働を開始することを明らかにした。

◇アルミ溶湯システムを海外へ
欧米メーカー向けに販売
- 豊栄商会 -
 豊栄商会(愛知県豊田市、樹神康之社長)はアルミ溶湯システムの海外展開を本格化する。国内で培ってきた技術を生かし、欧米の自動車メーカーや自動車部品メーカー向けにシステムの販売を進める。

◇B5普及へ事業本格化
自社4拠点に給油機など設置
- 浜田化学 -
 廃食用油の再生利用事業を行う浜田化学(兵庫県尼崎市、岡野嘉市社長)は、経産省の「地域バイオディーゼル流通システム技術実証事業」に採択され、バイオディーゼル燃料5%混合軽油(B5)の普及に向けた動きを本格化させている。

◇災害廃処理後も堅調
PPS事業会社を設立
- タケエイ -
 建廃大手のタケエイは、8月4日決算説明会を行い、第1四半期の決算として、連結での売上高が68億6700万円となり、前年同期比プラス約30%となったことを明らかにした。また、青森県で稼動に向けて準備中のバイオマス発電所、津軽バイオマスエナジーと、同じく岩手県で準備を進めている花巻バイオマスエナジーに関連して地産地消型の売電事業を行う新電力会社を設立したことについてなど説明が行われた。

◇詳細調査の実施に反対
自治会関係者が環境省に伝える/指定廃棄物長期管理施設
 千葉県内で保管されている指定廃棄物の長期管理施設の詳細調査候補地について8月7日、千葉市中央区内の自治会関係者を対象に選定経緯などの説明会が行われた。一部で施設の必要性について理解を示す意見が挙がったが、多くの参加者が詳細調査の受け入れに関して反対の立場を表した。

◇電マニ、スマホで登録
8月末から運用開始
- JWセンター -
 電子マニフェストの利用普及を進める(公財)日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター、情報処理センター)はこのほど、スマートフォンやタブレット端末でマニフェストの登録や各種報告を行うための基本機能を開発、8月31日から運用を開始する。

8月31日号ダイジェストニュース
◇バイオガスで大阪初のFIT
発電事業開始へ竣工式
- リマテック -
 廃油や油泥等の燃料化事業を展開するリマテック(大阪府岸和田市、西原充幸社長)は8月18日、同市で整備を進めてきたバイオガス発電プラント「MFパワー1号」の竣工式と見学会を開催した。見学会には、関係企業ら約60人が参加。バイオガス発電では大阪府初となるFIT適用の新施設に期待を寄せた。

◇原油下落が再生利用に逆風
一時買い付け止まる/後半追い上げも
廃プラ動向

 原油価格の下落が続く。廃プラ原料利用のボーダーといわれる1バレル40ドルラインが見え隠れしてきた。廃プラ再生利用の主軸となっている輸出も逆風の厳しさを増してきた。
 7月以降の原油価格の急落で、廃プラの日本のヤードもバイヤーも買い付けができない状況が生まれている。「今買うことは恐ろしい。買値よりも下がる分だけ、損することになるから」(関西バイヤー)原油が底を打たないと、買付はできない。

◇処理困難廃液への対応強化
ホウ素、フッ素含有物など/金属回収は堅調に推移
- イコールゼロ -
 イコールゼロ(長野市、林宏道社長)は、ホウ素やフッ素、硝酸性窒素などを含む処理困難な廃液について、研究開発をさらに進め、処理量を着実に拡大する。排水基準が強化されたものの一般的な化学処理では汚泥が大量に発生するなど、処理が困難な廃液は多く、これらをロットごとに処理できるノウハウに磨きをかける。林社長は、「着実に技術的なめどをつけているが、まだ課題も多い。排出企業各社で多様化する廃液にいかに対応するか、処理の効率化・コスト削減を図るかが鍵になる」と述べている。

◇バイオガス発電施設が竣工
国内初の新技術を搭載
- リナジェン -
 バイオガス発電施設の設計・施工等を行うリナジェン(東京・千代田、三嶋大介社長)は、第1号基となる発電施設「MFパワー1号」を完成させ、グループのリマテック(大阪府岸和田市)に納入、同市で本格稼働を開始させた。ドイツのエンビテックバイオガス社と連携して設計したもので、国内初の新技術が搭載されている。

◇建設汚泥などリサイクル率向上を
復興資材の有効活用も促進/10周年記念式典・総会
- 泥土リサイクル協会 -
 (一社)泥土リサイクル協会は8月21日、2015年度定時総会ならびに10周年記念式典を開催した。総会では10年の軌跡を振り返るとともに、従来より行っている災害廃棄物からの分別土砂の有効活用や、実態調査、建設汚泥のリサイクル率の向上のための普及啓発を進めていくことが述べられた。

◇廃棄物分野で2社が受賞
トップランナーを期待/環境人づくり企業大賞2014
 環境省が創設した「環境 人づくり企業大賞2014」の受賞事業者への表彰式が8月20日環境省内で行われた。社員を対象に優良な環境教育を行っている事業者を表彰するもの。今回で2回目。廃棄物分野では中特ホールディングス、リリーフの2社が奨励賞に輝いた。

◇遺品整理向けに拡販
分別性や美観でサポート
- インターアクション -
 リレーバッグ(フレコンバッグ)の製造販売を中心に事業展開するインターアクション(大阪市、河村広明社長)は、遺品整理業界に向けて小型タイプのバッグを拡販する。現場での分別用や狭小所での運搬用など、同社製品ラインアップから使いやすい小型のバッグをピックアップ。分別の面から作業をサポートする。

◇アジアや世界への玄関口
エリア内での格差も/九州エリアの産廃発生概況
 九州エリアの産業圏は、大陸と日本とをつなぐ古くからの貿易港である博多を中心に発展してきた。現在でも国内有数の国際港湾として、東アジアを中心として世界に向けたターミナルとして地域経済をけん引する存在となっている。港湾を擁する北部地域には、鉄鋼や自動車、半導体などの産業が集積。さらに、かつての公害克服の経験から環境関連企業も多く立地しており、先進的なリサイクルの取り組みの発信地という側面も持つ。

◇燃料需要は年間250万t超に
大型施設は計画含め計13件/九州の木質バイオマス発電事業
 全国で計画される木質バイオマス発電事業は、80件以上とされており、うち九州地方では10件ほど計画が進められている。仮に燃料すべてを木質系と想定した場合、将来的に同地方で年間250万トンを超える新規チップ需要が見込まれ、発電出力の総計は約23万キロワットに上る。

◇今年、大型6施設が動き出す
既存で70万tチップ必要に/宮崎県に4カ所設置
九州の木質バイオマス発電

 九州は、日本で有数の豊富な森林資源を持つ地域だ。大型の木質バイオマス発電施設ですでに動き始めた7施設は、大分1、熊本1、鹿児島1、宮崎4と南に多い。6施設が今年に入って稼働を開始したこともあり、チップの生産と利用量の微調整はこれから行われる。木質チップの需給バランスを確認するために、今年稼働した6施設を中心に現状を探ってみた。

◇解体由来が大量発生へ
受け皿の確保が急務/再資源化率向上も伸び悩みも
建設副産物最前線

 高度経済成長期に建てられた建築物が40‐60年を迎え、全国的に解体需要が高まっている。同様に、一般家屋の空き家問題も深刻化している。今年5月には、「空き家対策特別措置法」が施行。国も本腰を入れて動き出した。各県の行政も、倒壊の可能性が高い危険な空き家を撤去するための独自条例を設ける。こうした状況は今後も続くことから、一般家屋から、大型の建築物まで解体業界は長期的な成長市場にあると言っても過言ではない。

◇再資源化の現状と課題、将来の見通し
求められる新たな活用用途/年間11万t弱のボードが発生
九州エリアの石膏ボードリサイクル

 ここ数カ月、全国的に建設・解体ともに落ち着いた状況にある。ただ、高度経済成長期に建てられた建物の老朽化が進んでいることから、需要の落ち着きは一時的なものとされ、今秋以降、再び解体需要が高まると言われている。

◇高付加価値化の取り組み次々
地域連携を生かした先進事例も/九州エリア食品リサイクル特集
信頼の食リ事業を推進/安全性への取り組みも

- 小寺油脂 -
 食品リサイクルのなかでも、優等生と言われてきた廃食用油の再資源化。しかし、近年は排出減と排出先の分散化が進み、長期的な市場の縮小が懸念されている状況だ。

◇処理業は資源供給企業に
アジア近いメリット認識/古着の輸出値が20%急落
九州の国際循環の最先端

 世界を見て、循環資源の業界に影響を与えるものは、原油価格の下落と中国の人民元の切り下げ、天津市などの爆発事故だろう。原油価格は1バレル40ドルを切るところまできた。原油の在庫も過去最高水準で需給の緩みに歯止めが掛からない。人民元の基準値を切り下げは、輸出有利な元安に相場を誘導する。中国で再生プラの買い控えが出てきた。廃プラのバイヤーは、原油が下がりきるまで日本での仕入れが困難になる。今、手を出すと買ったときより下がってしまうからだ。底を打つまで身動きが取れない。人民元切り下げは中国の輸出を促進するが、日本からの輸出は逆風になる可能性もある。アジアに最も近い九州から循環資源を探求する。

◇独自の経営戦略で業界をけん引
多様化するリサイクル産業/九州エリアで活躍する企業
 九州経済産業局の調べによると、2014年度の鉱工業生産指数が前年度比プラス1.5の99.1となり、2年ぶりに上昇した。また、出荷・在庫指数もともに2‐3年ぶりの増加に転じた。その要因として、アジアなどの海外向け半導体の生産や検査用途の生産用機械の受注増などが影響したと見られる。

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