循環経済新聞・バックナンバー“2016年10月度”

10月3日号ダイジェストニュース
◇最終処分場を増設オープン
府内民間唯一の管理型で/総工費15億円、約5年埋立計画
- 大栄環境 -
 大栄環境(グループ本部・神戸市、金子文雄社長)は、和泉リサイクルセンター(大阪府和泉市)で進めてきた「平井8工区管理型最終処分場」の増設工事が完成し、9月から営業を開始した。府内唯一の民間管理型最終処分場で、総工費は約15億円。約5年間の埋立を計画している。

◇ワクチン150万人分を達成
設立10周年、全額募金貫き/回収キャップ売却益で
- Reライフスタイル -
 NPO法人Reライフスタイル(事務局・横浜市、藤枝慎治理事長)は9月20日、設立から10周年を迎え、今年8月までにPETボトルなど飲料容器のプラスチックキャップの収集個数が6億4327個(重量1608トン)、キャップ売却益による募金額が3065万円になったことを明らかにした。設立以来、キャップ売却益の全額を認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」に募金しており、ポリオワクチン換算(1人分約20円)で約153万人分になった。

◇レアメタルリサイクルに投資
回収技術の実証・事業化/資源の国内循環に貢献
- アサカ理研 -
 アサカ理研(本社・福島県郡山市、山田慶太社長)は、レアメタル含有スクラップに含まれるレアメタルの回収技術を開発するための投資計画を決定した。これまでに培った金属の抽出・精製技術を応用することで、レアメタルリサイクルの課題を解決し、資源の国内循環に貢献する。

◇生ごみ堆肥化事業が進展
給食残さや刈り草受入も
- 水口テクノス -
 水口テクノス(滋賀県甲賀市、小山浩社長)は甲賀市内の家庭系・事業系生ごみの堆肥化事業を展開、処理数量を年々拡大している。学校から出る給食残さの受け入れや、刈り草の副資材での活用も実施。地域の食品リサイクル推進に尽力している。

◇九州でRネットワークを構築
処理業から製造業へ
- 九州瓦リサイクル組合 -
 九州瓦リサイクル組合は9月23日、ユウベルホテル(熊本市)で設立総会を開催した。同組合は、九州で有力な中間処理業者や建設業者ら12社によって、瓦リサイクル製品の普及促進のため立ち上がった。廃瓦はリサイクルよりも安定型処分場へ持ち込まれるケースが多く、その処分費用や処分場の残余年数など多くの課題があった。石川県のエコシステムが開発し、全国で25万平方メートル以上の施工実績のある瓦骨材利用舗装「K‐グランド」などを取り入れ、多孔質で透水性等に優れる特性を生かした瓦リサイクル製品を供給する。

◇日本企業初、イランで調査
焼却発電の導入を検討
- JFEエンジニアリング -
 JFEエンジニアリングは9月20日、イラン・テヘラン市における廃棄物焼却発電施設の導入に向けた市場調査を実施することを発表した。(独)日本貿易振興機構(JETRO)が公募していた「我が国企業の技術を活用したインフラ案件発掘・市場性調査」の採択事業で、同国では日本企業初の取り組み。

◇全車種で排ガス規制クリア
PMやNOXなど大幅削減
- トヨタ自動車織機 -
 トヨタ自動車織機とトヨタL&Fカンパニーは、オフロード法2014年基準をクリアした10~23トン積ディーゼルエンジンフォークリフトの販売を開始した。販売するすべての車種が最新の排ガス規制に適合したのは、業界で初。

10月10日号ダイジェストニュース
◇質の多様化とボリューム
国内、輸出ともに激変期
- 関東のPETリサイクル -
 日本における使用済みPETボトルの約4分の1が発生すると言われる関東で、リサイクル事業の業界地図が大きく変わりそうな気配だ。その鍵を握るのは、〝ボトル to ボトル〟などの高度なリサイクルを手掛ける事業の伸張と、いわゆる「事業系PET」への対策強化にある。

◇97万tで前年1割減
PVC輸出ベトナム1位保持
- 廃プラ貿易統計 -
 貿易統計によると、2016年8月の累計は97万4146トンで、対前年比9万6987トン減(91%)。金額は384億5947万円で、前年比135億1226万円減(74%)。8月単月の輸出量は、昨年より3564トン(3%)少ない11万6185トン、金額は大幅な23%ダウンとなった。8月のPVCくず輸出でベトナムは、韓国と台湾を下回ったが、8月までの累計では1位をキープしている。

◇太陽光パネルRを始動
処理困難物の対応強化
- 浜田 -
 資源リサイクルを手掛ける浜田(大阪府高槻市、浜田篤介社長)は、太陽光パネルの再資源化に本格的に取り組む。今年8月、パネル製造装置メーカーと協同で合弁会社を設立。独自のリサイクル技術で、パネルガラスを割らずに回収し、経済性を伴った再資源化を実現した。

◇中和による脱臭機追加
メタン発酵・発電も計画/堆肥化工場フル稼働
- 湯浅産業 -
 湯浅産業(長野県大町市、清水克貴社長)は9月、堆肥化を行う「大町工場」のスクラバー式脱臭設備の後段に中和による脱臭機を追加し、外部への臭気対策を強化した。堆肥化工場は密閉式で外部と遮断しており、従来の脱臭設備でも臭気基準をクリアしているが、臭気指数をさらに減らすことが目的。清水社長は、「条件によって瞬間的に外部に臭気が漏れる場合があった。今回の臭気対策強化で、敷地境界での臭気もほぼなくなるだろう」と述べている。

◇保管施設の拡張が完了
一級建築士事務所も新設
- 東明興業 -
 首都圏の有力建廃業者・東明興業(東京・練馬、伊勢文雄社長)は10月1日、埼玉県所沢市の中間処理施設で2016年度環境・安全大会を開催した。大会では環境・安全活動報告も行われ、保管施設拡張の状況やメガソーラー発電施設の第3基増設計画の進捗、一級建築士事務所の新設などの取り組みを明らかにした。

◇灰処理リサイクルの進化
異物除去でトロンメル活用
- 渡辺産業 -
 一般廃棄物から産廃の焼却灰などのリサイクルで実績を重ねる渡辺産業(栃木県日光市、神山昌彦社長)は、受け入れた処理物の中から金属系の異物を除去するため、従来からのライン上の磁選機7台に加え、重機に取り付けるマグネット・トロンメルを導入した。今まで、手作業に頼っていた部分を機械化したことで、異物混入率を下げることができた。異物が減少できると製品の品質が高まり、受け皿確保にもつながる。

◇プレス式収集車を一新
年間300台の販売目指す
- モリタエコノス -
 モリタエコノス(大阪府八尾市、白井幸喜社長)は、プレス式塵芥収集車「Press Master(プレスマスター)」をフルモデルチェンジし、12月から販売を開始する。ごみ収集作業の効率化、安全性の改善・負担軽減のため表示器類の充実化とボディ形状の一新を図った。

◇木質バイオマス特集
全国で急増する木質バイオマス発電所
 FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)施行以降、木質バイオマス発電施設の建設計画が急増している。ここでは、出力1000キロワットを超える発電計画(FIT新設・完成施設含む82件)を一覧化した。2016年8月時点で44件の施設が完成。主だった計画は残すところ半数となった。昨今は、石炭やPKS混焼型の大規模施設が次々と計画されている。

10月17日号ダイジェストニュース
◇2次仮置き場の一部運用を開始
災害廃棄物処理が加速化
- 熊本県 -
 熊本県は9月30日、益城町の県有地で整備を進めている熊本地震で発生した災害廃棄物の2次仮置き場について、一部運用を開始した。県が処理の事務委託を受ける7市町村のうち、現在は3町村から出た木くずやコンクリートがらなどを受け入れ、破砕処理と処分先への搬出を行っている。家屋解体の進捗にも関わるとして、処理を急ぎ、年内のフル稼働を目指す。

◇効率向上で顧客拡大へ
容リプラ選別で独自の工夫/RPFは高品質・安定製造
- 大谷清運 -
 大谷清運(本社・東京、二木玲子社長)は、プラスチック製容器包装の不適物・異物除去について、手選別に加えて風力選別、櫛状の禁忌品除去工程を設け、精選別と効率向上を図っている。二木社長は、「機械化を進めるとともに、手選別のスキルも向上し、大幅に効率を上げた。さらに受託量を増やしたい」としている。

◇ベトナムでアルミR
フレコン販売も開始
- フクナガエンジニアリング -
 フレコンバッグの企画・販売を中心に事業展開するフクナガエンジニアリング(大阪市、福永政弘社長)は、ベトナムでの事業展開を本格化する。現地法人を設立し、金属リサイクル事業とフレコン事業、日系企業と現地企業の橋渡し事業などを通じ、同国のリサイクル技術向上と環境問題の解決に貢献していく考えだ。

◇新たに16地域を選定
目立つバイオガス発電/バイオマス産業都市
 関係7府省(内閣府、総務・文科・農水・経産・国交・環境の各省)は、共同で推進しているバイオマス産業都市について、2016年度に応募のあった地域から、新たに16地域を選定した。選定地域の構想中、バイオガス発電の取り組みを上げている地域が11件と多く、木質バイオマス熱利用についても5地域を盛り込んでいる。

◇日本の建設リサイクル技術
世界に発信へ/建設リサイクル技術発表会・展示会
- 建設副産物リサイクル広報推進会議 -
 建設副産物リサイクル広報推進会議(北橋建治会長)は、10月5日、6日に「2016建設リサイクル技術発表会・技術展示会」を行い、北橋会長は、「2020年、東京オリンピック・パラリンピックを機に、世界のトップランナーである日本の建設リサイクル技術について、世界に発信することを目指して、キックオフとしていきたい」と話した。東京大学大学院教授、野口貴文氏は、「建設材料の資源循環に関する現状・指針・低減‐建設リサイクルの是非と理想」とのテーマで特別講演を行った。野口氏はコンクリートや木材、石膏ボード、塩化ビニル樹脂製品、板ガラスなどさまざまな分野の処理・リサイクルの流れを解説した上で、「資源循環型社会をわれわれは目指している。一度取り出した資源は使い尽くす前提に立つ必要がある。資源採取量を減らすためにはリサイクルできない製品は排除していくことも必要になる。そのためには設計時にリサイクルできるような仕組みを導入すべき。これからはリサイクル製品であろうと高品質が求められる」と述べた。

◇約99万tを仮置き場に搬入
焼却処理は約15万tに/対策地域の処理状況
 環境省は8月末時点の福島県対策地域内における災害廃棄物等処理進捗状況を公表した。仮置き場へ搬入された災害廃棄物等は約99万トンに上り、そのうち約15万トンを焼却処理、約38万トンを再生利用した。

◇生ごみを分解させ水に
日本での販売・レンタル開始
- バイオハイテックジャパン -
 BIOHITECH‐JAPAN(バイオハイテックジャパン、東京・千代田、藤田啓貴社長)は、生ごみを水に替える処理機「HITECH(ハイテック)」の国内での本格販売・レンタルを開始した。

10月24日号ダイジェストニュース
◇選別施設リニューアル
9品目で多彩処理
- フクナン開発 -
 産廃の収集から中間処理までを手掛けるフクナングループのTMジャパン(福岡市、中川原美加社長)は、混合廃棄物を選別処理するための施設を移転してリニューアルした。近日中に受け入れを開始する。

◇高品質再生プラ月間500t
印刷ロス、複合材にも対応/オレフィン系フィルム中心に
- 高浪化学 -
 高浪化学(茨城県八千代町、高浪浩行社長)は、オレフィン系フィルム端材を中心に月間約500トンの委託加工(リペレット化)・精製プラスチック原料製造を手掛けている。複合フィルムの再生ペレット化で経営革新計画の認定を受け、2012~14年にかけて「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」で事業高度化のための設備投資を行った。リペレットや再生プラスチック原料の需要家の99%は国内メーカーで、今後さらに設備の稼働率を上げ、高品質の再生プラスチック原料の需要に応えていく考えだ。

◇水銀廃棄物の改正案を公表
処理・処分基準を追加
- 環境省 -
 環境省は今月11日、水銀廃棄物対策に関する廃棄物処理法の施行規則の改正案を公表した。特別管理一般廃棄物の廃水銀または特別管理産業廃棄物の廃水銀等の硫化・固型化方法、硫化施設の技術上基準と維持管理基準、埋立処分に係る判定基準、管理型最終処分場の上乗せ措置、水銀使用製品産業廃棄物の対象、水銀含有ばいじん等の対象などを示した。

◇転売防止へ決意新たに
全国大会 in 名古屋開く/環境・農水を交え議論
- 全食リ事務連 -
 全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会(全食リ事務連、高橋巧一会長)の第5回食品リサイクル推進全国大会が10月14日、愛知県名古屋市内で開催され、食品廃棄物不正転売事件の再発防止に向けて、パネルディスカッションで国・食品関連事業者・リサイクラーを交えた濃密な意見が交わされた。当日は、全国から集まった全食リ事務連の会員の他、行政関係者など約90人が参加した。

◇廃石膏リサイクル状況を調査
全国の中間処理施設など
- 全国石膏ボードリサイクル協議会 -
 排出量が増加していく状況でありながら、リサイクルが十分に進んでいない廃石膏ボードの現状の解決に向け、全国で石膏ボードのリサイクルを推進している業界団体による全国石膏ボードリサイクル協議会(太田敏則代表、事務局・(一社)泥土リサイクル協会)は10月13日、都内で第2回の会合を行い、「廃石膏ボードの中間処理に関するアンケート調査」やガイドラインの策定方法などについて報告した。

◇仮設炉の試運転を開始
楢葉の災害廃等を処理
- 環境省 -
 福島県内対策地域の楢葉町で9月下旬、仮設焼却施設の火入れ式が行われた。処理能力は1日当たり200トンで津波がれきや被災家屋等解体物、片付けごみ、除染作業に伴い発生する可燃性廃棄物など約11万1000トンを処理する。

◇大型・中型機リニューアルへ
生ごみ分解処理装置
- フォレストバイオテック -
 フォレストバイオテック(東京・新宿、森翔太社長)は、年明けにも有機性廃棄物分解処理機「バイオロボ クーブ」の大型機と中型機をリニューアルする。

10月31日号ダイジェストニュース
◇インドネシアで実証事業
廃油リサイクルプラント竣工
- 東亜オイル興業所 -
 東亜オイル興業所(千葉県八千代市、碩孝光社長)はインドネシアに廃油リサイクルプラントを竣工した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、廃油の再生、リサイクル燃料の品質管理、出荷など一連の実証事業を実施する。今月12日には竣工式を開催し、インドネシア技術評価応用庁のウングル・プリンヤト長官、NEDOの土屋宗彦理事らが参列した。

◇経済産業大臣賞を受賞
主力ボトルコーヒー全商品で/再生耐熱PET樹脂100%使用
- 味の素ゼネラルフーヅ -
 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)は10月14日、同社の“PETボトルtoPETボトル”への完全循環リサイクルの取り組みで、(一社)産業環境管理協会主催の「第42回資源循環技術・システム表彰」で「経済産業大臣賞」を受賞した。主力ボトルコーヒー全商品に再生耐熱PET樹脂を100%使ったボトル容器を使用したもので、世界的に見てもほとんど例がない取り組みだ。

◇全国ネットワーク構築
廃蛍光管をリサイクル
- セフティランド -
 セフティランド(千葉県白井市、津田紳二社長)は、廃蛍光管リサイクルの全国ネットワークを構築した。各エリアのリサイクル事業者と連携し、全国23拠点で廃蛍光管の受入体制を整備した。

◇ユニーと食リループ認定を取得
飼料化では岐阜県初
- 橋本 -
 一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬および処理などを幅広く手掛ける橋本(岐阜県可児市、橋本和彦社長)はこのほど、総合小売業のユニー(愛知県稲沢市)などと連携して食品リサイクルループを構築し、食リ法に基づく「再生利用事業計画」の認定を取得した。

◇キルンで乾燥、製品化
無水石膏はすべて販売
- エコワークス -
 廃石膏ボードリサイクルを手掛けるエコワークス(大阪府泉佐野市、中筋一美社長)は、原料の受け入れ強化に動き出した。これまで大阪府内の処理業者から排出されたものを中心に受け入れていたが、今後は営業強化などを行い、京都や兵庫、さらに遠方のものも対象にしていくことを明らかにした。

◇インタビュー 地域社会の持続可能性
業界の視点と処理業者の役割
- さんぱいフォーラム委員会委員長 (公益)大阪府産業廃棄物協会青年部 片渕則人氏に聞く -
 (公益)大阪府産業廃棄物協会(片渕昭人会長)は11月25日、大阪市内のエルおおさか(大阪府立労働センター・南ホール)で「さんぱいフォーラム」を開催する。協会の狙いを委員長の片渕則人氏に聞いた。

◇韓国製の新型アタッチメント
災害廃・家屋解体向けに展開
- 油機エンジニアリング -
 油機エンジニアリング(福岡県太宰府市、牧田隆会長)は、韓国Daemo社の掴み型アタッチメント「Rake」の取り扱いを開始した。油圧旋回方式で懐が深く、さまざまな形状のものを掴めるのが特徴。震災がれき処理など多様な現場に対応できる商品として、積極的に拡販していく。

◇2年以内に195万tの処理完了目指す
復興・復旧に向けた本格稼働へ
九州/熊本地震における災害廃棄物処理

 今年4月14日以降、熊本県と大分県で断続的に発生し続けた「熊本地震」は、熊本県内を中心に甚大な被害を生んだ。県内家屋の被害状況は、10月25日時点で全壊8276棟、半壊3万930棟、一部損壊13万3818棟。災害廃棄物発生量は当初試算を大きく上回り、県内の一般廃棄物の年間処理量の約3倍に相当する195万トンと推計されている。現在は、2年以内の処理完了を目指し、復興・復旧に向けた本格的な動きが始まったところだ。

◇総出力13万kW、燃料必要量は150万t
計画の半数以上が稼働を開始/九州の木質バイオマス発電事業
 九州地方では、FITに基づく木質バイオマス発電所として、新設または建設中の施設が計17件(本紙調べ)ある。同発電事業が最も盛んな地域であり、すでに11件の施設が完成。現時点の出力は総じて約13万キロワットに上り、150万トンの燃料需要が創出された。半数以上の計画が予定通り稼働を開始。残る計画は、発電出力が数万キロワットと高く、石炭やパームヤシ殻(PKS)を混焼させる大型発電が目立つ。また九州では、FIT施行以前に建てられた木質発電所も数多くあり、木質燃料の流通が盛んだ。

◇昨年比、チップ需要量が倍増
災害復興支援の動きも/安定稼働続ける発電事業者
 木質バイオマス発電事業が活発な九州地方では、FIT施行以降、11施設が稼働を開始した。県別では、▽佐賀県1件▽熊本県2件▽大分県2件▽宮崎県4件▽鹿児島県2件――となっており、九州南部に集中している。昨年10月時点で7施設が稼働し、年間70万トンの木質チップ需要が生まれた。現在は150万トンと倍に膨れ上がり、需給バランスは大きく変化している。その一方で、燃料が不足し、発電所が停止する事態は確認されていない。

◇防災対策で高まる社会資本の強化
さらに高まる解体需要/続く再生砕石の受け皿不足
九州地域の建設系廃棄物事情

 高度経済成長期では、インフラ整備をはじめとする公共投資が積極的に行われた。ただ、当時建てられた建物は50年以上が経過しており、老朽化が進み耐震面などの不安が出はじめてきている。更新時期を迎えた建物が増加し、解体工事の需要の高まりが続いている。その影響で、解体現場で発生するコンクリート塊や廃石膏ボードなど建設系廃棄物の排出量が増え続けている。また、2030年には、石綿含有建材を使用した建物の解体物件がピークを迎えることから、その対応も急がなければならない。

◇木質バイオマス利用の機運高まる
処理・リサイクルの技術が進展/九州エリアの木くず活用最新技術
 温暖多雨で林木の生育に適した九州エリア。多様な森林地帯に加え人工林資源も充実しており、宮崎、大分、熊本など各地で有名林業地が形成されてきた。豊かな森林資源を生かし、同エリアでは堆肥化事業など木質バイオマスの資源化事例も多い。近年では各地に大型の木質バイオマス発電施設が新設。サーマル利用も含めた木質バイオマス活用の機運が一層高まり、破砕、バーナーなど関連する技術開発も進められている。ここでは、九州エリアにおける木質バイオマスの処理・利活用に関連する各種技術を紹介する。

◇処理完了への歩み着実に
無害化処理の最前線/計画的な排出に協力呼び掛け
PCB廃棄物処理の最新動向

 1968年に起こったカネミ油症事件をきっかけに、問題化したPCB含有廃棄物の処理。特に北九州地域は、事件の発生地であるというだけでなく、国内初のPCB廃棄物処理施設が立地し、全国に先駆けて処理対象物の掘り起こし調査を終えるなど、日本におけるPCB処理の最前線となっている。ここでは、こうした動きを先導する北九州市の取り組み、そして無害化処理で重要な役割を担う中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)北九州PCB処理事業所の現状を紹介する。

◇環境ビジネスの海外展開次々
海外展開支援データ集
 日本の環境技術やノウハウは、世界的に優れたものへと成長しつつある。政府は、これらを“日本の強み”として海外に展開し、国際的な環境貢献とビジネスチャンスの拡大につなげるべく、さまざまな支援施策を講じている。

◇7県広域連携し、一斉導入
税収使途事業にも一定効果
九州/産廃税の運用状況

 九州7県は2005年4月1日、最終処分場などに持ち込まれる産業廃棄物に課税する法定外目的税「産廃税」を一斉に導入した。熊本県以外の6県は同じ方式を採用し、最終処分場への搬入物に課税する他、排出抑制の観点から焼却施設などの中間処理施設への持ち込みにも課税。税率は最終処分場への搬入が1トン当たり1000円、焼却施設へは同800円。中間処理でもリサイクルに回せる分には課税しないとしている。

◇最新テクノロジーで資源化
処理の「見える化」を推進/アジア各国のリサイクル支援も
地域で活躍する輝く企業

光学式選別機4台導入
プラント稼働
- 黒田工業 -
 プラ系の容器包装の処理や再生事業で実績を重ねる黒田工業(宮崎県日向市、加藤功司社長)は、容器包装を高精度に分ける光学式選別機(トムラソーティング製)を4台組み込んだ選別ラインを導入した。

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