循環経済新聞・バックナンバー“2017年9月度”

8月4日号ダイジェストニュース
◇輸入停止通告で波紋
調整期間突入、各社対応/中国向けプラスクラップなど
 中国環境保護部が7月18日に世界貿易機関(WTO)に対して、2017年末までに生活系のプラスチックスクラップなどの固形廃棄物(再生資源)の輸入を停止する緊急措置をとることを通告してから1カ月半が経過し、9月から12月まで実質的に輸入固形廃棄物目録(輸入再生資源リスト)を調整する期間に入った。日本や中国の関係業者は日本国内や東南アジアのルートなどへの転換、再生ペレット化・再生商品化、リスク回避のための当面の受入停止、休業・事業撤退などさまざまな対応がなされている。

◇香港前年44%に減少
中国増加も分散化顕著/廃プラ輸出動向
 貿易統計によると、2017年7月は、12万2137トンで昨年の13万トン台よりさらに下がった。7月が昨年より44%数量しかない香港の減少幅が大きく、前年1.4倍のベトナムと同2.6倍のマレーシア、同2.3倍のタイは増加が顕著。中国本土は、前年微増となった。累計は、88万1242トンで、対前年比2万3281トン増(103%)。金額は、前年比27億613万円増の367億2128万円(107%)。7月は、PETくずの中で、フレーク状が前年より微増、PETプレス品は、微減となった。

◇マレーシア工場、出足順調
国内の循環資源製造事業も好調/第2四半期売上22億2100万円
- アミタホールディングス -
 アミタホールディングス(熊野英介会長)は、8月25日に都内で開かれた中間決算説明会で、15日にマレーシア新工場(AKBK循環資源製造所、セランゴール州)が製品を初めて出荷したことを明らかにした。5月の開所から予定通りに事業が進み、現地の期待も高まっている。

◇バイオガス発電施設が閉鎖へ
発酵液漏出の修繕費考慮で
- 京都府京丹後市 -
 京都府京丹後市は8月21日、食品系廃棄物をメタン発酵して発電する施設「京丹後市エコエネルギーセンター」を閉鎖する方針を示した。これを受け、指定管理者であるアミタも同日、9月4日に許可期限を迎える同施設の産廃処分業の許可を更新しないと発表した。

◇排出者責任の徹底を
混廃処理で勉強会
- 一都三県建設混合廃棄物意見交換会 -
 一都三県建設混合廃棄物意見交換会(東京・埼玉・千葉・神奈川)は8月22日、都内で勉強会を開催し、100人超が参加した。当日は、建設廃棄物排出事業者向けに作成された「建設廃棄物の適正処理推進の手引き」について、谷口敏幸意見交換会幹事会委員から解説があった。

◇地元・日野町と災害時支援協定
行動計画策定で社内体制整備も
- ヒロセ -
 一廃・産廃の収集運搬や処理を手掛けるヒロセ(滋賀県日野町、廣瀬眞弓社長)は8月17日、日野町と「災害時における救援復旧活動の支援に関する協定」を締結した。来年65周年を迎えるにあたり、「地元に恩返しできれば」との思いで提案したという。合わせて、「防災事業計画」と「業務継続計画」を策定し、今後、災害時に備えた社内体制の整備を図っていく。

◇新機種フォークリフト
視認性、作業性を向上
- 諸岡 -
 諸岡(茨城県龍ヶ崎市、諸岡正美社長)は、ゴムクローラフォークリフトの新機種として、オフロード法2014年基準に適合した「MFD‐20」の販売を本格化した。座席位置を進行方向左寄りにオフセット、マストフォークの視認性のみならず、作業性、安全性を向上させている。

◇受入単価を地域・品目別に調査
新設より閉鎖多く、希少価値高まる
近畿/最終処分場の最新動向

 廃棄物の適正処理と資源循環を推進する上で、その基盤となるのが最終処分場の存在である。近年、閉鎖する処分場は新規よりも多く、現存する最終処分場の希少価値は増すばかりだ。本紙では、全国の最終処分事業者にアンケートを実施。地域・品目別の受入単価など最新の傾向を調査した。また、近畿エリアにおける処分場の新設や跡地利用の動向を紹介する。

◇滋賀を中心に一部20円台も
事業系ごみ対策進む
近畿/搬入手数料動向と一廃トピックス

 近畿エリアでは近年、事業系一般廃棄物に関する自治体の取り組みが活発化している。清掃工場での焼却処理に係る搬入手数料は滋賀県を中心に15円以上の自治体もあり、ここ数年で改定による値上げも徐々に増加。資源ごみの搬入禁止や展開検査の強化も一部自治体で行われている。また家庭系一廃の民間委託で新たな動きが進む。ここでは、近畿エリアの搬入手数料動向と一廃に関するトピックスを紹介する。

◇半数が稼働、燃料需給は安定
小規模設備に期待高まる
近畿/木質バイオマス発電特集

 FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が施行されてから、全国的に木質バイオマス発電所が建設されており、近畿でもその動きは活発だ。ここでは、近畿エリアでFIT施行(2012年7月)以降に建設された、もしくは計画中の木質バイオマス発電所の動向や、小中規模の発電設備の開発・販売を手掛ける事業者を紹介する。

◇広がる循環システムの輪
各社が強み生かし活躍/自治体もサポート体制整える
近畿/バイオマス有効活用へ

 近畿地域は、全国的に見ると自治体への搬入料金が安い傾向にあり、バイオマスの有効活用は事業系一般廃棄物を中心に進みにくい状況にある。このような中、リサイクルを担う各社は、製造物の品質向上や地元産業への貢献、海外進出など、それぞれの強みを生かして付加価値の高い事業を生み出している。また、これらの動きをサポートする自治体の取り組みについても紹介したい。

◇“人財”の成長を事業課題に
企業価値と持続可能性の向上へ/意欲的な施策次々
近畿/人材育成特集

 昨今の廃棄物処理・リサイクル企業で、とかく話題となる“人材不足”。「新卒採用は難しい」「人を育てる体制ができていない」「中途採用するが定着しない」といった声も聞かれるなか、人材育成へ意欲的に取り組む企業も現れている。ここでは、近畿エリアで特徴的な事例を紹介。課題解決のヒントを探っていく。

◇処理完了に向けた歩み着々
啓発と掘り起こし活発に/全国に広がる試みも
近畿/PCB廃棄物処理動向

 2027年3月末の期限に向けて、処理が進むPCB廃棄物。04年の処理開始から早10年、紆余曲折を経て国内の体制はようやく整いつつある。近畿エリアでは、電力会社の存在や、化学メーカーが多数立地する地域特性などの影響で、PCB廃棄物への認知度が高い。大手企業はもちろん、中小企業でも“負の遺産を残さない”との意識で、計画的に処理を進める保管事業者は多い。一方で、認知が進むうえで見えてきた新たな課題もある。ここでは、同エリアでのPCB廃棄物処理に関する動向を紹介する。

◇建設系発生増で顕在化する課題
増え続ける混廃/求められる災害時への対応
近畿エリアの建廃最前線 ~現状と課題~

 1955年頃から60年代の高度経済成長期では、インフラ整備や建設投資が積極的に行われ多くの建物が建設された。ただ、築50年以上が経過。建築物の耐用年数は、建物の構造などにより多少の違いはあるものの、一般的には30~50年と言われており、老朽化が進み更新時期を迎えていることから、解体工事の需要の高まりが続いている。

◇顧客ニーズに応えて実績拡大
地域貢献で/信頼を勝ち取る
近畿/地域で活躍する事業者

「社員教育」「CSR」を強化/人材と社会に利益還元
- 植田油脂 -
 廃食用油のリサイクル事業を手掛ける植田油脂(大阪府大東市、植田良次社長)は、「社員教育」と「CSR」の強化に取り組んでいる。人材と社会に対する利益還元を軸とし、持続可能な企業づくりを目指す。取引先や地域から好評を得るだけではなく、社員定着率の向上など、「非常に大きな成果が出ている」という。

9月11日号ダイジェストニュース
◇家電4品と小電28品を指定へ
廃棄物の処理基準等を適用/改正法の有害使用済み機器
 「有害使用済み機器の保管等に関する技術的検討会(第1回)」が9月4日に都内で行われ、改正廃棄物処理法の雑品対策で示された有害使用済み機器の対象として「家電4品目」と「小型家電28品目」を全て指定する方針が示された。保管や処分については廃棄物の処理基準と家電・小型家電の処理基準を踏まえて検討を進め、11月下旬をめどにガイドライン案を作成する。

◇資源物持込でポイント
リサイクル施設隣に拠点/古紙4品目と古着が対象
- 奥富興産 -
 奥富興産(本社・埼玉県狭山市、奥富喜平社長)は7月28日に家庭などで発生した古紙などの再生資源を無料で受け入れ、従量制でポイントとして貯められる回収拠点「こしパ」を開設、オープン以降約1カ月で約5トンが集まり、上々の滑り出しとなった。奥富宏幸取締役営業部長は、「会社のブランド力向上と地域への“間口”を広げることが目的であり、結果的に回収量と売上の増加につなげればよい」と述べている。

◇国際標準化の動向など学ぶ
技術品質委員会第5回勉強会
- 日本RPF工業会 -
 (一社)日本RPF工業会(事務局・東京、長田和志会長)は8月24日、東京都内で技術品質委員会の第5回勉強会を開催した。81人が参加し知見を深めた。

◇食リ堆肥の販路拡大へ
散布サービスを本格化/県主催の研修会で報告
- サニタリーセンター -
 埼玉県本庄市で、登録再生利用事業者として食品リサイクル堆肥を製造するサニタリーセンター(同市、木村文男社長)は、マニュアスプレッターを活用した農家への散布サービスを本格化し、堆肥の販路拡大を目指す。8月31日に県主催の農山村バイオマス活用推進研修会で、同社取締役営業本部長の鈴木隆司氏が、食品系堆肥づくりの事例を報告した。

◇石膏ボ、ガイドライン作成に協力
リニア、オリンピック対応も/多岐にわたる活動
- 泥土リサイクル協会 -
 (一社)泥土リサイクル協会(愛知県稲沢市、木村孟理事長)は8月25日に総会を開催し、木村理事長はあいさつに立ち「発足以来12年、多岐にわたり環境負荷低減について先駆的に取り組んできた。本年は、石膏ボードのリサイクルについて新たな展開を進めることになった」と述べた。

◇保管場への輸送作業が進む
今年度に約50万m3を搬入
- 中間貯蔵施設 -
 昨年度に福島県内各市町村から中間貯蔵施設(保管場)への除染土壌等の本格輸送が始まった。1年の間に大熊町の保管場と双葉町の保管場に搬入された除染土壌等の量は、計18万3734立方メートル(フレキシブルコンテナ1袋当たり約1立方メートルで換算)に上った。今年度は両町の保管場へ合計で約50万立方メートルの除染土壌等を搬入する予定で事業が進められている。

◇デモ・サービスセンターを同時新設
海外の最先端機器を多数取りそろえ
- リョーシン -
 環境機器メーカーのリョーシン(富山市、高野治社長)は、取り扱い機種の増加に伴い本社敷地内に、自社製品の風力選別機Zセレクター、Vセレクターおよびディスクスクリーンと、オーストリアのリンドナー社製の一軸破砕機など海外の最先端機器をそろえた「デモセンター」と、豊富な在庫部品を管理する「サービスセンター」を新設した。実材料を用いた性能試験を行うことで、ユーザーに最適な機種選択を提案。メンテナンス対応も迅速化し、品質とサービスの向上につなげている。

9月18日号ダイジェストニュース
◇年度内に指針を改定へ
水害頻発、同時多発への対応必要/計画策定推進へ情報共有を
- 災害廃棄物対策推進検討会 -
 環境省の災害廃棄物対策推進検討会(酒井伸一座長)の2017年度第1回会合が9月13日、東京都内で開かれ、地震に加えて近年頻発している豪雨などによる水害への対応や都道府県・市町村レベルでの広域連携の必要性、災害廃棄物処理計画策定を進めるための方策などについて議論された。来年3月に第2回会合を開き、今年度内をめどに災害廃棄物対策指針を改定する。

◇行き場のない廃プラに活路
多様な樹脂を配合、再生製品に/JICAの実証でも採択
- 吉岡産業 -
 吉岡産業(栃木県佐野市、吉岡國男社長)は、再生困難な廃プラスチック(プラスチックスクラップ)で極めて廉価な建設・土木用の板材・棒材や鉢を製造、工務店などを通じて全国に販売している。40年以上にわたって行ってきた事業だが、中国が廃プラスチックの輸入規制を強化している中、あらためて注目されている。吉岡社長は、「再生利用事業が困難を迎えている今こそ、私どもの製品や技術を広めたい」と述べている。

◇規制対象リスト案を提示
家電4品目と小電28品目/改正バーゼル法
 特定有害廃棄物等や再生利用等事業者等に関する検討会の第1回会合が9月8日、東京都内で行われた。改正バーゼル法の省令で掲げる規制対象物として家電4品目と小型家電28品目をリストに掲載する案が提示された。リストは廃棄物処理法との一体的な措置を行うために別途開催されている有害使用済み機器(改正廃棄物処理法で規定)の対象物と整合性を図っている。

◇イベントの食リ手法検証
消化液活用へ支援継続も/農水省18年度概算要求
 農水省は2018年度、持続可能な循環資源活用総合対策の枠で、メタン発酵消化液の利用促進に向けた取り組みの支援や、大規模スポーツ大会などイベントでの食品ロス削減・食品リサイクル手法を検証するための調査委託事業などを予定している。

◇再生資源の利用24万t超に
「あいくる材」公共工事で40億円
- 愛知県 -
 愛知県は、県の公共工事で2016年度、「あいくる材」の使用による再生資源の利用量が24万トンを超えたことを明らかにした。県発注工事で「あいくる材」の使用を指定するなど、愛知県庁の建設部等の取り組みによる効果は大きく、利用相当金額は約40億円に上った。

◇途上国から医療関係者が視察に
医廃の適正処理・管理を研修
- 加山興業 -
 総合リサイクル・廃棄物処理事業を展開する加山興業(愛知県豊川市、加山順一郎社長)に8月28日、東南アジアやアフリカの開発途上国8カ国の医療関係者12人が視察に訪れた。(独)国際協力機構(JICA)中部国際センターの案内で、医療廃棄物を含む有害廃棄物の適正処理・管理について研修を行った。

◇新型ホイールローダ
アクスルの抵抗軽減
- 日立建機 -
 日立建機は、オフロード法2014年に適合した新型ホイールローダ「ZW140‐6」「ZW150‐6」を9月1日に発売した。国内向けに、2機種合計で年間200台の販売を目指す。

9月25日号ダイジェストニュース
◇造粒固化で国内最大級に
汚染土施設も増強
- ハーモニックス -
 汚染土壌や無機性汚泥の処理などで実績を重ねるハーモニックス(本社・大阪市、今村浩社長)は、事業拡充の一環として、今年3月の本社工場での固化施設(500トン/日)の許可取得を受け、汚泥の造粒固化事業が本格稼働に入った。同社尼崎工場(兵庫県尼崎市)と合わせ、造粒固化施設の処理能力(720トン/日)が1220トン/日となり、国内で最大級の規模となった。

◇混紡布地をリサイクル
香港繊維研究センターと共同で/綿・ポリエステルの分離技術開発
- H&M -
 世界的なアパレルメーカーのH&Mの非営利財団であるH&Mファウンデーションと香港繊維アパレル研究開発センター(HKRITA)は9月15日、化学的熱水処理で品質を保ちながら、綿とポリエステルの混紡布地を新しい布地や糸に分離・リサイクルする技術開発に成功したことを明らかにした。H&Mファウンデーションのプロジェクトマネージャーであるエリック・バン氏は、「混紡布地を再生利用可能にする革新的な技術開発は、状況を一変させる可能性を秘めている。当社の顧客が店舗に持ち込んでくれた古着が、HKRITA主導の研究を実現させた」としている。

◇カットタイヤを原料に
充填材、再生ゴムなど原料生産
- ラバーテック -

 ラバーテック(栃木県小山市、鳥海繁社長)は、カットタイヤ(タイヤチップ)を原料にしたゴムチップ・ゴム粉製品の多様化と用途を拡大、専用加工工場はフル稼働となっている。
人工芝充填材となる粒径1~2ミリメートルのゴムチップ生産量は国内トップクラスで、他にも再生ゴム原料向けに3サイズのゴム粉を生産している。

◇排水油脂を発電燃料に
発電機搭載の車も
- NEDO/ティービーエム -
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と、ティービーエムはこのほど、飲食店や食品工場の排水から分離した油脂を原料とする発電燃料の製造に日本で初めて成功した。この燃料を利用して発電できる発電機を搭載した「バイオマス発電車」も同時に開発した。

◇自治体職員が研修
体験軸に環境教育を
- 環境省/石坂産業 -
 環境省は埼玉県を中心に廃棄物処理を中心に総合的な環境事業を行う石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)にて、全国の都道府県や市町村の自治体職員56人を集め、ESD(環境教育)について研修を行った。同社の管理する「くぬぎの森」はこれまで、JHEPのAAA認証を受けている他、環境教育の「体験の機会の場」として、埼玉県から認定を受けている。今回の研修は、参加者自らがくぬぎの森やプラントでの体験を通じ、環境教育における体験の重要性を理解し、今後の公務に役立てていくという新しい試みになるという。また当日は武部新環境政務官も訪れ、あいさつをした。

◇世界遺産の参詣道を美しく
不投防止へ廃棄物1.5t撤去
- 和歌山産廃協 -
 (一社)和歌山県産業廃棄物協会(武田全弘会長)の収集運搬部会は9月6日と同12日、それぞれ同県田辺市と高野町周辺で「不法投棄防止巡回パトロール」を実施した。この取り組みは、2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたのを機に、翌年の05年から毎年実施しているもの。熊野古道・高野山周辺で不法投棄物の回収とパトロールを行い、「観光客が不快なく参詣できるようにしたい」としている。

◇ICT油圧ショベル
環境・安全・ICTを強化
- コマツ -
 コマツは、オフロード法2014年基準に適合した2機種のICT油圧ショベル「PC200i‐11/PC200LCi‐11」を9月1日に発売した。運用には同社の提供するサービス「スマートコンストラクションサポート契約」の利用が必要。国内向けに2機種合計で、年間100台の販売を目指す。

◇最終処分単価は高めの傾向
先導的な食品ロス削減も
- 北陸/廃棄物動向 -
 近年、新幹線の延伸開業を機に、観光客の増加など明るい兆しが見受けられる北陸エリア。市街地を中心に再開発ラッシュも続き、地域経済は緩やかな回復を続けている。北陸エリアは日本海沿岸有数の産業集積地を有し、かつ伝統産業を土台とする多様な産業も発展してきた。廃棄物処理に関しては地域産業に伴って発生したものの処理に加え、他エリアから流入する産廃の処理も担う。最終処分場の数が全国的にやや少ない一方、リサイクルの高品位化や処理の集約化が進んでいる。ここでは北陸エリアの廃棄物動向をまとめた。

◇建設系発生増で顕在化する課題
求められる災害時への対応/増え続ける混廃
北陸エリアの建廃最前線 ~現状と課題~

 高度経済成長期に建設された建物が更新時期を迎えている。当時、インフラ設備や建設投資が積極的に行われ多くの建物が建設された。ただ、建設後50年以上が経過し、多くの建物で老朽化が進んでいる。北陸エリアでは、福井まで北陸新幹線の延伸工事が着工され、それにも伴う沿線地域の建物の解体需要が続いている。
そこで今回、北陸地域の最新の建設リサイクル推進計画を基に、建設系廃棄物の発生から再資源化の動向、今後どのように廃棄物の発生を抑制していくのかを検証していく。

◇地域資源の循環システム構築へ
稲わら・もみ殻を有効利用/木質発電事業も徐々に広がり
北陸/バイオマス活用の動向

 北陸3県(富山・石川・福井)は、国内有数の穀倉地帯であり、発生するバイオマスとしては「稲わら」「もみ殻」が多く、その有効利用が積極的に進められているのが特徴だ。また、豊富な森林資源や港に揚がる輸入丸太等を背景に、近年は木質バイオマス発電事業も活発化している。ここでは、同エリア内で認定されているバイオマス産業都市構想から見る先進事例と、木質バイオマス発電事業の動向を紹介する。

◇意欲的な取り組み続々
時代の変化を捉え展開/ユーザーの多様なニーズに対応
地域で活躍する企業


複合研究開発センターが完成/さまざまな実証試験の場に
アクトリー
 産廃焼却炉のトップメーカーであるアクトリー(石川県白山市、水越裕治社長)は今年4月、新たに複合研究開発センターを竣工した。本社機能も備えた同センターは、同社の企業理念や技術・アイデアを具体化する研究センターとして整備したもので、今後は社屋を活用したさまざまな実証を行う。

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