循環経済新聞・バックナンバー“2018年2月度”

2月5日号ダイジェストニュース
◇実務的な産官学連携に焦点
使用済み紙おむつを減量・資源化/年間224万tの排出量
- NIPPON紙おむつリサイクル推進協会 -
 排出量が増大傾向にある使用済み紙おむつの減量・リサイクルを目的に、(一社)NIPPON紙おむつリサイクル推進協会(会長・須東亮一王子ネピア参事、代表理事・浅井修トキワTC社長)が発足した。紙おむつのメーカー、販売店、回収・処理業者などで構成し、当面の事務局を名古屋市名東区に置く。1月から会員募集を開始しており、リサイクル技術の新規開発・改善・普及促進などに取り組む。一廃・産廃双方での排出が想定され、協会が必要とする自治体や学識者も招待会員として募る。

◇年143万tに07年以降最少
中国香港の減少補えない/廃プラ輸出動向
 貿易統計の2017年12月は10万1067トンで、前年の15万3883トンより5万2816トン、34%減った。累計も143万1561トン(金額597億498万円)で、前年同時期より9万5360トン、6%減少となった。07年以降で最も少ない。中国香港の減少幅が大きく、増やすアジア諸国が追いつかない現状が浮かび上がる。

◇インタビュー 組織改革で次のステップへ
技術で地域に貢献を
- 興徳ホールディングス 代表取締役社長 片渕昭人氏に聞く -
 液物産廃の処理を手掛けるKOTOKU GROUP(大阪府岸和田市)は昨年、持株会社を設立しホールディングス体制を構築。新たに本社社屋も立ち上げ、経営の効率化と新たなビジネス創出に向けた施策を展開する。フッ素回収技術での特許取得や地域に密着した取り組みなど、信頼性の高いサービスを展開する同グループの新たな挑戦について、グループ代表の片渕昭人氏に話を聞いた。

◇食リ肥料は品質重視に
意見交換で課題共有/食べ残しには各社慎重
- 関東農政局 -
 関東農政局主催の「平成29年度食品リサイクル肥料の利用促進に向けた意見交換会」が1月26日、さいたま市内で開催された。意見交換会は、食リ肥料の利用促進に向けて関係機関の連携体制の構築を目指すもので、再生利用事業者、地方公共団体、食品関連事業者、農業者などから72人が参加し、食リ肥料を取り巻く現状の課題を共有した。

◇混廃選別ライン稼働
新ライン導入で関東からも
- 毎日商会 -
 毎日商会(愛知県岡崎市、西田勝志社長)は、エヌ・クラフト製の混合廃棄物の選別ラインを昨春導入し、昨年10月より本格稼働を開始した。導入前は土間で手選別し、RPFに加工していた。選別ラインを新設することで、選別能力の向上や作業負荷を減らし、作業員の労働環境を大幅に改善。リサイクル率が上がり、処分費を削減した。稼働後は毎月1000立方メートルの混廃を処理しており、今後は東海だけでなく関東方面にも対応し、年1万立方メートルを受け入れていく。

◇産廃業者情報を“見える化”
不適正処理の再発防止へ
- 愛知県 -
 愛知県の産業廃棄物処理業者が食品製造業者から処理委託を受けた廃棄物を不正転売した「ダイコー事件」の発覚から丸2年が経過した。同県は1月9日、こうした事案を二度と起こさないための再発防止対策の一環として、産業廃棄物処理業者等に関する二つの「見える化」の取り組みを開始。県のウェブページ等を通して、情報公開を進めている。

◇技術は人なり「テストセンターがなければ日本の市場は受け入れない」
- コウキ 杉田光男社長 -
 デンマークの破砕機メーカー、メッツォ直営の販売代理店、コウキ(兵庫県西宮市)。社長の杉田光男は独自の戦略で日本の市場を開拓、昨年販売台数で世界一に輝いた。だが、これまでの道のりは決して平坦ではなかった。

2月12日号ダイジェストニュース
◇管理型処分場54万m3に設置許可
3月末着工、2年後完成へ/周辺環境への配慮を徹底
- 北陸環境サービス -
 北陸環境サービス(福井市、木下高廣社長)はこのほど、同市白滝町他で計画を進めてきた一般廃棄物最終処分場・産業廃棄物管理型最終処分場の建設について、福井県から設置許可を取得した。埋立面積は2万8047平方メートル、埋立容量は53万7241立方メートル。北陸自動車道の福井インターや鯖江インターから約30分圏内に立地し、交通アクセスにも優れている。着工は3月末の予定で、約2年後の完成を目指す。

◇袋井の大型RPF施設が順調
廃プラ中国規制で受入増に
- リサイクルクリーン -
 産廃・一廃、建物解体や一般土木、中間処理、収集運搬など幅広く実績を重ねるリサイクルクリーン(浜松市、藤城太郎社長)の袋井RPF工場が順調に稼働している。中国の環境規制で日本から廃プラ輸出が困難になり、海外に流れていた廃プラが国内に戻ってきた。

◇J‐STARが資本参加
産業構造の変化に対応
- ハリタ金属 -
 金属スクラップを中心に総合リサイクルや廃棄物の中間処理に取り組むハリタ金属(富山県高岡市、張田真社長)は1月、投資ファンドのJ‐STARの資本参加を受け入れると表明した。代表取締役は引き続き張田真氏が努める。産業構造の変化に対応し、一層の事業改革を目指す。

◇食リ肥料普及へ課題点共有
ループ事業者が話題提供/3者win‐winとなる施策を
- 近畿農政局 -
 近畿農政局は1月25日、神戸地方合同庁舎(神戸市)で「平成29年度食品リサイクル肥料の利用促進に向けた意見交換会」を開催した。肥料化事業が縮小傾向にある中、食リ肥料の利用促進に向け、地域段階で再生利用事業者と農業者、食品関連事業者、府県の普及組織、JAの営農組織が連携体制を構築していく必要があるとして、各地域の農政局で順次開催しているもの。6ブロック目となる今回は、食リループ関連事業者をはじめ、近畿圏の府県関係者など38人が参加した。

◇瓦チップ受注や用途増で利用拡大
新たなリサイクル製品を開発
- 瓦チップ研究会 -
 (一社)瓦チップ研究会(岐阜県富加町、亀井則幸代表理事)は1月26日、APAホテル祇園京都(京都市)で第6回通常総会を開催し、2017年度事業報告や来年度予算案の承認、事業計画などを話し合った。研究会は17年度、瓦チップを活用したインターロッキングブロック「和みブロック」の製品開発に取り組んでおり、今年4月から新たな瓦リサイクル製品として販売することを明らかにした。

◇山口大学と合同研修会を開催
「業界の課題」テーマに討論
- 山口産廃協 -
 (一社)山口県産業廃棄物協会はこのほど、山口大学と合同研修会を開催した。はじめに、同産廃協青年部の上村誠紀部会長が「産業廃棄物の現状と課題」と題し講演。業界の課題を三つ挙げ、工学部循環環境工学科の学生と協会員によるグループ討論を行った。その後は、都市産業(同県宇部市)の産廃処理施設を見学。特別管理廃棄物を含む廃油・廃酸・廃アルカリなどの中間処理工程を真剣に見入る学生に、業界の取り組みを伝えた。

◇遠隔監視でインドの排水処理管理
調査事業がJICAから採択
- 日吉 -
 日吉(滋賀県近江八幡市、村田弘司社長)は、「遠隔監視システムを用いた生活排水処理施設の総合維持管理事業案件化調査」(インド)の提案が、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択された。

2月19日号ダイジェストニュース
◇中国規制で廃プラ転換期に
輸出、処理が大きく変わる例も/国際循環資源(上)
 中国の環境規制が循環資源の輸出にも現れ始めた。廃プラ、古紙、古着などの品目が絞り込まれている。金属スクラップも一部影響がある。パームやし殻(PKS)の輸入も含めた国際循環資源の今年の動きを追った。

◇国内循環で議論白熱
輸出ルートも動き加速/PETボトルリサイクル
 PETボトルの国内循環の安定化を進める議論や中国の輸入禁止策を反映し、リサイクル事業を巡る環境が大きく変わる兆しが見られる。安定した国内循環を支える指定法人ルートへの移行について、昨年環境省から示された「希望入札制度」が新たな制限を付けて議論される一方で、喫緊の課題として中国に輸出されていた独自処理や事業系のものを巡り、国内外の関連企業が東南アジアルートや再生ペレット化による中国輸出などで動きつつある。

◇小型家電リサイクル効率化
雑品スクラップ規制受け/集荷増は協議会で対応
- リーテム -
 電子電気機器をはじめとする金属リサイクルを手掛けるリーテム(東京・千代田、中島彰良CEO)は、雑品スクラップへの規制強化で処理量が増えることを想定して、小型家電などの処理体制の効率向上を図る。フロンや蛍光灯、二次電池、混入ごみなどの事前選別は徹底しつつ、破砕・機械選別工程の技術開発を進め、手作業の合理化で時間当たりの処理量アップを目指すとともに、破砕残さの減量化にも努める。

◇廃食用油発電事業へ
事例を見学、検討開始
- 勝田環境 -
 家庭系や事業系の廃食用油を回収、バイオディーゼル燃料(BDF)に精製している勝田環境(茨城県ひたちなか市、望月福男社長)は需要が減少している現状から新たに発電事業の検討を始めた。本紙の取材で明らかにした。今後、先行事例を見学、情報収集し、導入設備の検討を進める。

◇建設系受注順調で利益増
バイオマス発電も
- タケエイ -
 建廃大手のタケエイは、2月7日第3四半期の決算説明会を行い、建設業の良好な受注により、また木質バイオマス発電を行う津軽バイオマスエナジーと花巻バイオマスエナジーが順調に稼働していることで、計画以上の業績寄与があったことが報告された。

◇渋沢栄一ビジネス大賞を受賞
廃棄物自動選別が評価
- シタラ興産 -
 シタラ興産(埼玉県深谷市、設楽竜也社長)が今年1月、「第7回渋沢栄一ビジネス大賞」(主催=埼玉県)ベンチャースピリット部門の特別賞に輝いた。同社の廃棄物選別ロボット「ゼンロボティクスリサイクラー」の取り組みが評価されたもの。2月5日に大宮市内で開催された表彰式には同社の設楽社長が社員の代表とともに参加、全員で喜びをかみしめた。事務局を務めた県産業労働部産業支援課によると、廃棄物処理業での受賞は初めてという。

◇大型ユニッククレーン発売
大・中・小で最新モデルがそろう
- 古河ユニック -
 古河ユニックは、大型トラック搭載型クレーンを「ユニッククレーン|G‐FORCEシリーズ」としてフルモデルチェンジした「URG500シリーズ」を発売した。シリーズ全体で、年間800台の販売を目指す。

2月26日号ダイジェストニュース
◇PKS輸入に追い風
中国規制の雑品関心/国際循環資源(下)
 FIT制度ができて全国に木質バイオマス発電施設が次々稼働を始めて、パームやし殻(PKS)や輸入ペレットの輸入量が伸びてきた。国内で生産される木質チップのサポート材や代替品として、発電事業者は、着値11~13円/キロで買っている。国内木チップが豊富に生産されるとPKS輸入は少なくなる。PKSは、FIT制度では1キロワット時当たり24円で売電できる燃料として位置付けがされている。

◇“よい廃プラをゲットせよ”
再生利用から燃料化まで/中国規制、燃料値上げで
 中国による生活系固体廃棄物輸入規制や石炭価格上昇などで、廃プラスチックの再生利用(マテリアルリサイクル)からRPF製造販売、セメント原燃料化、焼却・エネルギー回収、埋立処分に至るさまざまな分野で影響が出ている。いみじくも共通するキーワードは、「質のよい廃プラ(プラスクラップ)を確保せよ」だ。一体、どういうことなのか。

◇弾性舗装材の供給拡大
3年以内の達成目指す/圧倒的なシェアNo.1へ
- 東洋ゴムチップ -
 廃TBタイヤや窓枠ゴム端材を原料にしてゴムチップなどを製造する東洋ゴムチップ(前橋市、桑原厚二社長)は、弾性舗装材用ゴムチップのシェアをさらに拡大する。すでに約60%と業界1位の実績を誇っているが、今年度からは圧倒的なシェアNo.1を目指しており、3年以内の達成を図る。

◇メタン発酵の普及に貢献
バイオガス施設を整備
- 富士クリーン -
 一廃・産廃の中間処理や最終処分を手掛ける富士クリーン(香川県綾川町、馬場一雄社長)は、国内初となる縦型乾式メタン発酵施設を整備中だ。NEDO事業の採択を受け、生ごみや紙ごみなど幅広い廃棄物系バイオマスの利活用の実証施設として建設。2018年3月に完工、4月から試験運用を開始し、10月からの本格稼働を目指す。

◇ガイドライン作成、最終段階
年度内完成へ
- 再生石膏粉の有効利用ガイドライン策定委員会 -
 廃石膏ボードのリサイクル率向上を目的とした「再生石膏粉の有効利用ガイドライン策定委員会」における再生石膏粉の有効利用ガイドライン作業部会(第3回)が2月14日に行われた。

◇正式発足後初の賀詞交歓会
1都4県から約55人が参加
- 全産連関東地域協議会女性部会 -
 (公社)全国産業廃棄物連合会関東地域協議会の女性部会(二木玲子部会長)は2月9日、埼玉県川越市内で賀詞交歓会を開催した。同会が昨年9月に正式な発足をしてから、初めての実施となる。当日は東京都、茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県の各協会に所属する企業の女性たち約55人が参加し、交流を図った。

◇受入量に合わせ設備提供
処理業者へ200台超を導入
- 細田企画 -
 石膏ボード分離機や特注機械の制作で実績を重ねる細田企画(鳥取県南部町、細田稔社長)は、解体・改修工事の需要増加に伴う廃石膏ボードの発生量増に対応するため、大量の処理を可能とするシリーズ「BIGターボ」など幅広い機種をそろえ、処理業者をサポートする。

バックナンバーに戻る