循環経済新聞・バックナンバー“2019年6月度”

6月3日号ダイジェスト
◇岡山県笠岡市で1万kW発電所が稼働
世界初のサーマル利用
- サラ -
 サラ(岡山県笠岡市、小林健伸社長)が笠岡湾の干拓地で建設を進めていた木質バイオマス発電施設「SARAパワー発電所」が完成し、4月1日から稼働を開始した。発電規模は1万キロワット。サラからバイオマス発電設備と燃焼ガス浄化装置を受注したタクマグループが、稼働開始後20年間の設備運転管理とメンテナンスを一括して受託。併設した国内最大規模となる13ヘクタールの半閉鎖型グリーンハウスに、発電所から電気・熱・炭酸ガスを供給し、菜園内でミニトマトやパプリカ、リーフレタスを年間4500トン栽培する。

◇廃プラ処理困難に地域差
料金値上げも増加傾向/環境省が自治体、処理業に調査
 本紙先週号既報のとおり、環境省は5月20日、中国などの輸入規制で国内に滞貨している廃プラスチック類について、都道府県政令市に対して処理の円滑化に関する通知を出した。通知と合わせて同日発表された都道府県・政令市(自治体)と産業廃棄物処理業者への輸入規制等に係る影響について実施したアンケート調査での自治体からの回答によると、廃プラ類の保管基準違反と保管量の増加傾向を確認したとする地域は東北と中部、関東での割合が多いなどの結果が明らかになった。

◇国内初のRE100工場化
製品製造段階から環境配慮/6月からはグループ内再エネも利用
- 東洋ゴムチップ -
 エンビプロHDグループの東洋ゴムチップ(本社工場・前橋市、桑原厚二社長)は5月、再生可能エネルギー由来の電力のみで稼働する「RE100工場」への体制移行を完了した。リサイクル業界では国内初の取り組みとなる。さらに、同グループ内で太陽光発電事業を行うしんえこ(小宮太陽光発電所・長野県松本市)で発電した電力を使うシステムの導入も今年6月をめどに行う予定だ。

◇山梨県でバイオマス発電
未利用材で800kW
- 長大 -
 建設コンサルタント事業を中心にさまざまな関連事業を進める長大は、山梨県の南部町にて、新たに木質バイオマス発電事業を開始することを明らかにした。現在すでに工事に関する契約などの締結を行っており、来年の春をめどに発電を開始する計画となる。発電規模は800キロワット、高効率のガス化発電を行う。そのため、発電事を行う特別目的会社として、南部町バイオマスエナジーを設立。また木材の収集などについては、南部グリーンエナジーを設立した。

◇市街地に積替え保管施設開設へ
地域雇用創出へ新事業次々
- スパット北上 -
 スパット北上(本社・岩手県北上市、千葉智英社長)はこのたび、北上市内に産業廃棄物12品目の積替え保管施設「まるっとセンターむらさきの」を開所する方向になった。許可を取得してからオープンする。本社社屋と建物解体などを手掛ける工事部の拠点も同じ場所に移転した。営業エリアにある排出事業所や建物解体工事現場と同市内郊外にある中間処理施設・安定型最終処分場「まるっとセンターいなせ」とを結び、産業廃棄物の運搬効率や処理の効率化、CO2排出抑制を図る。

◇民事再生申請企業を支援
汚泥再生事業にも参入
- 新東京グループ -
 環境プロデュース事業等を展開する新東京グループは、関東ミキシングコンクリート(千葉県白井市)の汚泥再生プラント取得と、民事再生を申請したグリーンシステムズ(川崎市)・全建設事業協同組合(東京都東村山市)の2社とのスポンサー契約締結について、今年4月に公表した。

◇1.8t積FCフォークリフトを開発
今秋より販売開始
- トヨタL&F -
 トヨタL&Fは5月17日、今秋から1.8トン積燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)の販売を開始することを発表した。販売価格は標準仕様で1340万円を予定している。

◇発災から間もなく1年
復旧・復興へ処理着々と/岡山・広島・愛媛で計200万t
中四国/西日本豪雨の災害廃棄物

 全国各地で甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害の発生から間もなく1年が経つ。特に大きい被害が出た岡山県、広島県、愛媛県の災害廃棄物発生量の総計は約200万トン。現在、迅速な復旧・復興に向けて着々と処理を進める3県の動向などをまとめた。

◇インタビュー 発電所と融合した新しい農業事業
野菜栽培に電気や熱、炭酸ガス活用
中四国/木質チップのサーマル利用

- サラ 取締役 最高執行責任者 佐野泰三氏 -
 サラは、岡山県笠岡湾の広大な干拓地に、木質バイオマス発電施設(出力1万キロワット)を活用した新しい農業事業を4月1日より開始した。発電所から供給される電気・温熱・冷熱・炭酸ガスを使い、広大な半閉鎖型グリーンハウスの生育環境をコントロール。国内外から注目を集め、「未来の農業カンパニー」を目指す同社・最高執行責任者である佐野泰三氏に、事業の経緯と展望を聞いた。

◇R率・縮減率ともに上昇
顕在化する空き家問題/空き家率、四国全県で全国10位以内に
中四国/建廃廃棄物の処理・発生の最新動向

 建設業法の一部改正に伴い、今年6月1日に「解体工事業」が本格的にスタートした。乗り越えなければならない課題はあるものの、四十数年ぶりに業法改正に伴い新たな業種の誕生は大きな可能性を秘める。老朽化に伴う建て替え需要に加え、近年急増する災害廃棄物の撤去・処理を通じ、解体工事業者をはじめ、建設・解体副産物の受け皿となる中間処理業者の社会的使命は以前より増して大きくなっている。

◇新たな課題への挑戦が続々
金属資源のトータル循環へ/地域に根差した取り組みの深化
中四国/金属リサイクル新時代

 瀬戸内工業地帯を擁した中四国エリアでは、鉄鋼や造船、重化学工業など日本を支える企業が数多く所在する。そうした産業の下支えとなってきたが、地場の循環企業だ。産業の発展に伴って新たな課題が登場する中、意欲的な取り組みを展開する金属スクラップ事業者を紹介する。

◇汚染土壌や熱分解施設で処理
可燃ごみを多彩な技術で燃料化/地域未来牽引企業で表彰
中四国/活躍する企業

解体から埋立まで処理事業サポート
- オオノ開發 -
 解体から特管・産廃の収運、中間処理、管理型処分場など有するオオノ開發(松山市、大野剛嗣社長)は、PCBや水銀、ダイオキシン類など、全ての特定有害物質に対応できる汚染土壌処理施設を昨年5月にオープンして1年が経過した。

◇中国は全県、四国は愛媛のみ導入
公募中の事業をピックアップ/最終処分業者特別徴収方式で課税
中四国/産廃税を活用した補助金制度

 産業廃棄物の最終処分場への搬入に課税する産廃税は現在、全国27都道府県で導入されている。中国エリアでは鳥取・岡山・広島の3県が全国2番目となる2003年度から一斉スタートしたのを皮切りに5県全てが導入。四国エリアでは愛媛県だけが導入している。いずれも、最終処分場への搬入量1トン当たり1000円を課税する「最終処分業者特別徴収方式」を採用。ここでは、その税収を活用した事業の中から、申請受付中のものをピックアップして紹介する。

◇処分料金は地域水準にも影響
各県の最新状況を総覧
中四国/公共関与の最終処分場

 廃棄物の適正処理と資源循環を推進する上で、基盤となるのが最終処分場の存在である。近年、新たな処分場の確保が難しくなる中、その希少価値は増している。各地域で民間の中間処理や最終処分の料金水準に少なからず影響するのが、公共関与最終処分場の料金設定だ。処理単価と各施設の状況を総覧する。

◇“魅力ある職場づくり”を目指す
経営者の挑戦、その思い
中四国/「働き方改革」インタビュー

 4月に関連法が施行された「働き方改革」とは、多種多様な人材を受け入れ、多種多様な働き方を選択できるようにするもの。深刻さを増す働き手不足への対策として重要なキーワードであり、すでに業界内でも柔軟なアイデアを生かした新たな事例が次々と生まれている。地域に先駆け、「魅力ある職場づくり」に挑戦する経営者から話を聞いた。

6月10日号ダイジェスト
◇バイオマス発電を開始
未利用、建廃系チップを18万~20万t使用
- ジャパン・リニューアブル・エナジー -
 国内最大級の規模で再生可能エネルギー事業を進めるジャパン・リニューアブル・エナジー(東京・港、竹内一弘社長)は、5月からJRE神栖バイオマス発電所(茨城県神栖市)の商業運転を開始したことを明らかにした。

◇廃プラ受入を強化
買い取りペレット化
- 国土興産 -
 国土興産(山梨県韮崎市、浅川新社長)は、国内の廃プラスチックの受け入れを強化する。見た目にきれいで種類ごとに分別されたものは有価で買い取り、ペレット化する。1月当たり(16時間)1000トンまで受け入れが可能。中国の環境規制でリサイクル先に困っている廃プラスチックも受け入れる。

◇焼却実証試験を実施
塗膜くずや汚泥などで/低濃度PCB処理
 環境省は6月6~28日の日程で、全国4カ所の焼却処理施設で低濃度PCB廃棄物の焼却実証試験を実施する。今後排出の増加が予想されるPCB含有塗膜くずや感圧複写紙、汚泥など、新たな課題となりつつある処理対象物の無害化について確認する予定だ。

◇食リ法基本方針案を答申
“原価相当”で意見も/国の具体的支援は?
- 中環審 -
 食品リサイクル法に基づく新たな基本方針案等が5月29日、東京都内で開催された中央環境審議会循環型社会部会に答申され、事務局が提出した案の通り承認された。基本方針案等は、昨年10月から中環審と食料・農業・農村政策審議会の両委員会が計4回の合同会合を重ね、今年4月に取りまとめたもので、すでに食農審の食料産業部会へは、4月12日に答申を終えている。

◇石膏ボ、ガイドライン発行へ
リサイクル推進
- 国立環境研究所/泥土リサイクル協会 -
 (国研)国立環境研究所が再生石膏粉の有効利用ガイドラインの発行に至ることが明らかになった。

◇環境省と災害対策で意見交換
豪雨期控えた対応も協議
- 日本災害対応システムズ -
 全国の有力産廃処理業者など13社で構成する(一社)日本災害対応システムズ(JDTS、上野篤理事長)は5月29日、都内の会場で2019年度通常総会を開催した。18年度の事業報告や19年度の事業計画案を審議した他、環境省・災害廃棄物対策室から福永健一郎主査を講師に招き、災害廃棄物対策の講習と意見交換も行った。

◇油圧ショベル新発売
燃費約20%削減
- 日本キャタピラー -
 日本キャタピラーは5月16日から、次世代油圧ショベルCat308CR/SRを新たに発売した。環境性能とともに燃費約20%削減を実現している。

6月17日号ダイジェスト
◇焼却能力38.4t、燃え殻も有効利用
資源リサイクル施設が竣工/バイナリー発電も整備
- 公清企業 -
 今年4月に協業組合から株式会社に改組した公清企業(札幌市中央区、原田利明社長)は、東区中沼町のリサイクル団地内に産廃焼却炉や破砕機を備えた「資源リサイクル施設」を竣工。同敷地内で先行稼働していた廃石膏ボードリサイクル施設と合わせて、「第2エコパーク」が完工した。今後は同じ団地内で汚泥処理などを担う第1エコパークとの2施設体制で、適正処理とリサイクル促進に臨む。

◇2030年に向け宣言
国の資源循環戦略に対応/4省の代表もコメント
- プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 -
 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の中井敏雄会長は6月6日に東京都内で開いた第22期定時総会の懇親会で、「今月G20が開催され、(政府から『プラスチック資源循環戦略』が打ち出されるとともに)レジ袋有料化の方針も出された。私どもも『プラスチック容器包装の資源循環2030宣言』を発表した。欧州ではさまざまな企業が(環境対策に関する)宣言を出して取り組みを進めているが、日本でもそのような取り組みが重要だ」と述べた。

◇水銀廃国際WSを開催
20カ国の専門家が議論
- 水俣条約 -
 環境省、水俣条約事務局、国連環境計画国際環境技術センター(UNEP・IETC)は5月30~31日、「水銀廃棄物の適正管理に関連したワークショップ」を開催した。大阪市の鶴見ノ森迎賓館を会場に、アジア太平洋、アフリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカなど世界20カ国の担当官や国際機関・研究機関などの専門家など、総計50人以上が参加。水銀廃棄物の適正管理のための協力などについて、意見交換を行った。

◇し尿・畜ふんを受入
液肥と堆肥で農地還元
- 行方市玉造有機肥料供給センター -
 茨城県行方市は、し尿・浄化槽汚泥と家畜ふん尿を受け入れ、土づくりに生かすための「玉造有機肥料供給センター」を市内に構え、製造した液肥と堆肥を市内の農家などに供給する取り組みを19年間継続している。し尿と家畜ふん尿を1カ所の施設で処理し、かつ処理液を一切放流せずに、全量を液肥として循環させている事例として注目される。

◇滋賀県に栗東工場竣工、営業運転開始
月1600tの木質チップ生産
- フィニティ -
 フィニティ(名古屋市、服部義彦社長)は4月25日、滋賀県栗東市手原に建設していた栗東工場が完成し、竣工式を開催した。産業廃棄物処理業の許可(木くず)を取得し、解体系廃材等を受け入れる。破砕機や磁選機などの木質バイオマスチップ製造ラインを工場内に設置。チップの生産能力は月間1600トンに上る。竣工式には、服部社長をはじめ、工事関係者が参加し工場の完成を祝った。

◇今年度の総会を開催
職場環境改善で人材確保
- 大分循環協 -
 (一社)大分県産業資源循環協会(加藤晴夫会長)は5月31日、大分市内のホテルで「第7回定時総会」を開催した。加藤会長は「循環型社会構築の一翼を担ってきた。中国が廃プラスチックの輸入を禁止したことに伴い、さまざまな問題が浮き彫りになった。地方でも、その影響を感じるようになってきた。また、人材不足が続き深刻な状況が続いている。他産業と比べて労災発生率が高い業界にある。優秀な人材を確保し、業界を成長させていくには安全で安心した労働環境の提供が必要不可欠である」と述べた。

◇冷却ヘルメットファンを発売
働く人の熱中症対策に
- 東京ファン -
 熱中症対策用品を手掛ける東京ファン(埼玉県川越市、豊田哲郎社長)は、「冷却ヘルメットファン」を発売した。同機は取り付け式の小型冷風機となっており、ヘルメットの中を冷やすだけでなく、シャツの中へ風を送り込んで汗を蒸発させる機能も兼ね備えている。

◇生産性向上や人手不足解消へ
多様なニーズに応える/特集 輝く技術
 廃棄物の適正処理や資源循環、低炭素社会を構築するためには優れた技術やシステムが欠かせない。加えて、近年、産業廃棄物処理・循環資源業界でも生産労働人口の減少や高齢化が叫ばれ、生産性の向上や人手不足の解消が求められている。そうした中、多様なニーズに応える技術やシステム、新たなイノベーションの動きを紹介する。

6月24日号ダイジェスト
◇海洋プラごみに新たな枠組
実効性のある対策が始まる/G20環境閣僚会合
 長野県軽井沢で6月15・16日と2日間にわたり開催されたG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合で、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた新しい枠組みとして「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が合意された。新興国だけでなく発展途上国も参加し、各国が自主的でかつ具体的な対策を行い、その取り組みを定期的に報告、共有する実効性のある国際的な枠組みとして創設される。

◇布団から羽毛を回収
リユース原料として出荷
- REREX -
 REREX(山梨県都留市、佐藤俊邦社長)は一般家庭や宿泊施設等で不要となった羽毛布団を有価で買い取り、取り出した羽毛(ダウン)をリユース原料として羽毛布団製造業者等へ出荷(販売)している。

◇国際フォーラムを開催
日中韓欧米で情報共有
- 日本鉄リサイクル工業会 -
 (一社)日本鉄リサイクル工業会(東京・中央、鈴木徹会長)は6月15日、神戸ポートオアシス(神戸市)を会場に、「第8回国際鉄リサイクルフォーラム」を開催した。「鉄リサイクルビジネスはよりグローバルに」をメインテーマに、会員企業や海外ゲストなどが参加。中国の貿易規制に揺れる鉄スクラップ市場の今を、グローバルな視点で議論した。

◇県内最大の木質専焼発電所
2021年7月稼働へ起工式
- 沖縄うるまニューエナジー -
 新電力大手のイーレックスなど計11社が出資する「沖縄うるまニューエナジー」(沖縄県うるま市、本名均社長)は5月30日、「中城バイオマス発電所」の建設予定地(中城湾港新港地区工業団地内)で起工式を行った。発電所の低格出力は4万9000キロワットで、木質バイオマス専焼としては県内最大となる。2021年7月末の営業運転開始を目指す。

◇剥離紙の質向上目指し設備導入
補助金交付決定を受け
- グリーンアローズ中部・九州 -
 廃石膏ボードリサイクル大手のグリーンアローズ中部(愛知県東海市、山本浩也社長)は、分離後の剥離紙の品質を上げるための設備を導入した。「廃石膏ボードから発生する剥離紙の処理工程追加による再資源化品の品質向上と用途拡大」とする事業名称で、2018年度愛知県循環型社会形成推進事業費補助金の交付が決定。それを受け、今回の設備導入となった。

◇資源やエネルギーの作り手に
30周年、小泉議員が講演
- 神奈川循環協 -
 (公社)神奈川県産業資源循環協会が6月12日に横浜市内で開いた定時社員総会・設立30周年記念式典で、藤枝慎治代表理事会長は、「産業廃棄物の適正処理を進めるために設立され、今や循環型社会・低炭素社会を担い、資源やエネルギーをつくる産業になった。中国の禁輸による廃プラスチック対策については、実態を踏まえて対応したい」と述べた。

◇金属選別機等を販売
リサイクル品質を向上
- エム・エルエンジニアリング -
 プラスチック成型加工周辺機器等の製造・販売を手掛けるエム・エルエンジニアリング(静岡県藤枝市)は、リサイクル原料の品質を向上させるための各種金属選別機「RAPID VARIO―FS」「PROTECTOR」「GF」(いずれもセソテック製)や、微粉末除去装置「MAGIC DUST SEPARATOR」「DUST SEPARATE LOADER」(いずれもオリジナル製品)を展開している。

◇愛知、三重の2県が導入
税収額は全国トップクラス/中部/産廃税の運用状況等
 産業廃棄物税(産廃税)は、産廃の排出量や処分量に応じて課税される法定外目的税のことで、2000年4月の地方分権一括法の施行を契機に創設された。税収は産廃の発生抑制や減量、リサイクル率の向上、不適正処理の対策強化などに役立てられており、課税の有無やその方式、使途は各自治体に委ねられている。中部エリア3県(愛知・三重・岐阜)では、愛知と三重の2県が導入しており、その税収は全国でもトップクラスだ。ここでは、その概要を整理するとともに、各県の廃棄物関連事業等について紹介したい。

◇インタビュー 木質チップ生産・活用の担い手に聞く
中部/木材資源リサイクルの歴史と展望
供給会社からユーザーへ/いち早くサーマル利用に着手

- フルハシEPO 代表取締役副社長 山口昭彦氏 -
 フルハシEPOは、中部エリア大手の木質チップ製造業者で、運営する木質バイオマスチップ製造施設は同社単独で13工場、グループ企業を含めると15工場に上る。約35年前に立ち上がった東海木材資源リサイクル協会の会長企業で、近年は木質バイオマス発電事業にも参画。同社・代表取締役副社長の山口昭彦氏に、事業の経緯と展望を聞いた。

◇バイオマス発電所13件中7件が稼働
森林整備を促進、減災に貢献/中部/木質チップ利活用
 中部エリアでは、2012年7月にFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)が施行されて以降、計画された木質バイオマス発電所が13件(当社調べ)あり、すでに7件が稼働。今年は、7月に愛知県豊橋市でサーラeパワーの「東三河バイオマス発電所」(発電出力2万2100キロワット)が、10月にシーエナジーやフルハシEPOによる「CEPO半田バイオマス発電所」(発電出力5万キロワット)の2施設が運転を開始する。

◇各社が“強み”生かし躍進
地域循環システム構築で貢献/中部/食品リサイクル推進へ
 中部エリアは、食品リサイクルの先進地域として知られ、多くの事業者がそれぞれの強みを生かし、特徴的なリサイクル事業を展開させている。ここでは、未利用資源の有効活用を通し、地域循環システムの構築に挑む事業者を紹介したい。

◇新たな課題への挑戦
蛍光管、PCB廃、ミックスメタル/困難物の課題解決へ
中部/使用済み製品特集

 近年の使用済み製品分野は、法改正の影響や新たな処理困難物の出現など、時代の変化に伴う課題が次々と現れている。こうしたなかでも、先を見据えた廃棄物処理・資源循環ビジネスの新たな取り組みも登場しつつある。ここでは、中部エリアにおける特徴的な事例を紹介する。

◇海外で日本の処理技術が輝く
廃棄物由来輸入した燃料拠点が整備/瓦の再生広がる事例
中部/活躍する地元企業

ラオスで医廃など焼却炉が竣工
- 加山興業 -
 加山興業(愛知県豊川市、加山順一郎社長)は5月27日、ラオス・ビエンチャン市で医療系廃棄物の処理などを対象にした、焼却炉の竣工式を行った。JICAラオス事務所、地元のビエンチャン都、環境省、商工省、保健省など関係する部局の所長、局長などが参加した。

◇全国平均上回る建設汚泥のR率
ドローン導入など進む省人化対策/中部エリアの建廃最前線~現状と課題~
 1960年代を中心とした十数年間、諸外国にも類を見ないほどの急速な経済成長を遂げた。この高度経済成長期には、建設投資やインフラ整備が積極的に行われ、多くの建物が建設された。それから50年超が経過。多くの建物などの構造物が更新時期を迎えている。また、近年はインバウンドの影響もあり、ホテルなどの宿泊施設が急ピッチで建設されている他、既存の建物をリノベーションするといった内装解体の需要も高まりも見せる。

◇南海トラフ地震等への備えが急務
広域の協力体制構築へ/中部/災害廃棄物処理対策の進捗
 近年、地震や大雨による大規模災害が毎年のように発生する中、復旧・復興の第一歩である災害廃棄物の処理対策の重要性はますます高まってきた。中部エリアでは、静岡県沖から四国・九州沖にかけて伸びる浅い海溝(トラフ)を震源とする東海地震、東南海地震、南海地震とその連動による南海トラフ地震が発生した際に甚大な被害が出ると懸念されている。政府の地震調査委員会は昨年、今後30年間に南海トラフ地震が発生する確率を従来の「70%程度」から「70~80%」に引き上げた。それに伴い、膨大な発生量が予想される災害廃棄物への備えも急務となっている。また、廃棄物処理事業者など民間の力を生かすためには平時からの連携が肝要だ。ここでは、各県が策定する計画の概要など対策の進捗をまとめた。

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