循環経済新聞・バックナンバー“2019年8月度”

8月5日号ダイジェスト
◇亜臨界融合装置で樹脂複合材原料を生産
愛知県一宮市に工場新設
- エコネコル -
 エンビプロHDグループのエコネコル(本社・静岡県富士宮市、佐野文勝社長)は7月3日、愛知県一宮市に新工場「エコネコル一宮工場」を開設した。亜臨界融合技術を活用した高充填樹脂複合材原料の製造装置を2基設けており、1時間当たり約340キログラムの製品を製造できる。複合樹脂に混ぜる充填物には、木くずなどのバイオマスに加えてリサイクル炭素繊維などの処理困難な物質も利用可能だという。

◇日量24.16tの処理能力
RPF施設を追加設置
- チューサイ -
 サーマル・マテリアルのプラスチックリサイクルなどを手掛けるチューサイ(静岡県焼津市、渡辺和良社長)は焼津市内の同社アースプロテクション第1工場内にRPF製造施設を追加導入した。

◇事業系混廃から良質なプラ回収
東京工場で破砕機の入替を実施/処理能力約1.5倍に
- 東港金属 -
 鉄スクラップ大手の東港金属(東京工場:東京・港、福田隆社長)は今夏、東京工場で破砕機の入れ替えを行った。廃プラスチックの処理能力は1日当たり59.6トンとなり、以前に比べて1.5倍ほどの処理が可能になった。事業系混合廃棄物など、金属分も含まれるがプラ成分の多い廃棄物を破砕する。良質な産業廃棄物固形燃料(RPF)の原料生産や焼却に回すものの減容を担う。

◇基本的考えを共同提言
地域型バイオマス推進で/全国7団体
 バイオマス分散型エネルギーの推進をしている全国7団体が7月19日、「地域型バイオマスフォーラム」を開催、全国から230人以上が参加した。7団体共同による「地域型バイオマス推進に向けた基本的考え方」を提言、地域におけるバイオマスの推進を協働で推進することを確認した。

◇企業評価高める経営戦略を
講演会や工場見学
- 石坂産業 -
 石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は7月5日、「石坂流 企業評価を高める経営戦略」としてリサイクル工場見学や講演会を交えたプログラムを開催し、多くの経営者をはじめ関係事業者や一般からの参加者が集った。講演では、同社の創業にはじまり、所沢ダイオキシン問題による風評被害からの逆転などについての流れを話し、企業価値を高めることの重要性について説明した。

◇“SDGsカードゲーム”セミナー
愛知で開催、幅広い業種が参加
- 加山興業 -
 総合リサイクル・廃棄物処理や解体事業を展開する加山興業(愛知県豊川市、加山順一郎社長)は7月5日、同市の豊川商工会議所で「~SDGs~2030カードゲームセミナー」を開催した。2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)の道のりや必要性をカードを使ったゲームで体験的に理解する催し。受講生からは「現実世界の問題やSDGsの本質を知ることができた」という声が挙がった。

◇遮熱シートを本格的に販売
貼るだけで熱中症対策に
- ゼロコン -
 ゼロコン(兵庫県尼崎市、小林俊之社長)は、窓ガラス用の透明遮熱シート「ZEROCOATシート」の本格的な販売に乗り出す。高温になりやすい作業現場や事務所、重機の運転室内などの熱中症対策に効果を発揮する。

◇期待の新人、信頼のリーダー
輝く社員! 新時代の主役
 かつてない人手不足時代だからこそ、一人一人が持てる力を発揮することが重要だ。それも一人一人をサポートする会社の積極的な姿勢があってこそといえる。本紙では3社に取材、9人の〈輝く社員〉を紹介する。皆、これからの時代の主役として周囲から期待される新人であり、信頼されるリーダーである。

◇事業領域・規模を拡大
処理・リサイクルに発電も/関東甲信越静岡で活躍する企業
近年はBtoCを強化/創業50年を超え事業拡大
- 仲田総業 -
 昨年創業50周年を迎えた仲田総業(宇都宮市、仲田陽介社長)は、一般廃棄物収集運搬事業や産業廃棄物収集運搬・処理事業にとどまらず、建築物解体業、総合ビルメンテナンス業、機密文書・情報処理事業「SDM」と事業領域を拡大してきた。近年ではBtoB事業だけでなく、片付けごみ回収や遺品整理などのBtoC事業を強化している。

◇「“今”をどうするか」
様々な取り組みが交錯/再生から焼却までで動き
廃プラスチック展望

 中国の本格的なプラスチックくず輸入規制から1年半が過ぎ、その代替国となった東南アジアなどでも汚れたプラくずの輸入などが大きな問題となり、各国政府が動く事態となった。大量発生地域である関東などの現状を一言で言えば、「再生や燃料化などそれぞれの手法ごとに『質の良い廃プラ』に絞り込んでおり、『質があまり良くない廃プラ』が滞留している」ということだ。「有力な中間処理業者には6時間待ちもある」(関東の産業廃棄物処理業者)という異常事態はいつまで続くのか。解決の道はあるのか。

8月19日号ダイジェスト
◇良質フレーク生産工場稼働
PETアルカリ洗浄でA級に
- 明融産業 -
 明融産業(兵庫県姫路市、毛瑜兵社長)は、PETボトルを回収して、A級フレークを生産する事業をスタートした。集めたPETボトルは工場でキャップ・ラベルを外し、アルカリ洗浄をすることで品質の高いフレークになる。PETフレークは、国内外の繊維原料などに再生利用できる。同社は、中国大手の繊維リサイクル事業者の福建省金綸高纖股份有限公司がサポートしている。

◇半年累計44万t台、前年17%減
マレーシア最大で12万t台/国別の廃プラ輸出量
 今年の6月までの廃プラ輸出量が出そろった。累計は、44万3118トンで昨年の83%となった。17%少ないが、昨年は後半が少なく、18年7~12月は、47万トン台で終了した。今のペースだと今年は、90万トン前後まで伸びることが推測される。

◇環境R事業で業務提携
廃棄物処理などで協業拡大へ
- 共英製鋼/東京鉄鋼 -
 大手電炉の共英製鋼(大阪市、廣冨靖以社長)と、同じく電炉メーカーの東京鉄鋼(東京・千代田、吉原毎文社長)は7月31日、環境リサイクル事業での業務提携を発表した。廃棄物処理技術などの情報共有や、処理事業における相互補完などを進める。

◇林業で地方創生
那珂川モデルを視察
- 群馬バイオマス活用協議会 -
 元環境副大臣の加藤修一氏が会長を務める群馬バイオマス活用協議会は7月26日、日本最大の国産材製材メーカー、トーセン(栃木県矢板市、東泉清寿社長)のグループが同県那珂川町で運営する木質バイオマス発電・熱利用施設を視察した。当日は製材工場、発電所、熱利用ボイラーを一体とした“那珂川モデル”の事業について、トーセンの東泉社長から詳細な説明があり、視察した加藤会長らと熱心な意見を交わした。

◇県内初、電動自走式破砕機を導入
日量680tの処理能力に
- 石本建設 -
 がれき類や木くず、廃石膏ボードのリサイクルなどを手掛ける石本建設(長崎市、石本喜也社長)のリサイクル事業部長崎営業所(長崎市)は、電動自走式がれき破砕機「Dendoman(デンドマン) NE250J」(中山鉄工所製)を導入、試験稼働を経て本格稼働に入った。電動自走式がれき破砕機の採用は県内で初めて。また、0.8立方メートルクラスの油圧ショベル(キャタピラー製)、マグネット付小割圧砕機(古河ロックドリル製)も導入。需要が続く解体工事に伴う廃棄物の増加に対応する体制を整えた。

◇焼却処理を約42万t実施
再生利用は約147万tに/対策地域の処理状況
 環境省は8月2日、福島県対策地域内の災害廃棄物等処理進捗状況(6月末時点)を公表した。仮置場へ搬入された災害廃棄物等の数量は約235万トンに上り、その内約42万トンを焼却処理、約147万トンを再生利用、約7万トンを埋立処分した。

◇大型クールミストファン発売
広範囲を濡らさず強力冷却
- 東横サポート -
 東横サポート(東京都町田市、山田一徳社長)は、大型冷却装置「クールミストファン風神」を発売した。10メートル以上先までの広範囲を強力に冷却可能で、屋外や工場、倉庫などでの熱中症対策に効果を発揮。冬場の加湿・帯電防止にも役立つとして提案を進めている。

◇処分場、プラリサイクル、バイオマスなど幅広く
北海道の処理・リサイクル・再エネ企業/多様な事業が展開
管理型処分場が開始へ/最新のGNSS用い透明化
- さんぱい -
 室蘭に本社を置き、安定型処分場の運営や、木くずの処理業務を行うさんぱい(北海道室蘭市、藤本誠司社長)は8月下旬に登別市千歳町での管理型最終処分場を供用開始する。

◇再使用から焼却、埋立まで
処理困難物を再資源化/地域密着と産業インフラ活用
広域収集運搬の展開も/東北で活躍する企業

3期処分場が操業開始/積替保管施設も所有
- 青森クリーン -
 青森県に管理型最終処分場を構える青森クリーン(本社・青森県むつ市、加藤秀人社長)は4月、新しく3期処分場の操業を開始した。埋立面積は3万1759平方メートルで、埋立容積は43万1717立方メートル。総工費は約30億円。未着工の区域も含めて15年間で埋め立てを完了する計画だ。今後は県内シェアを拡大していく予定だが、自社でしか処分できないものを主に受け入れるという。7月時点で、累計約1万立方メートルの廃棄物を処分している。

◇林地残材・バークなど、進む低質材利用
供給側は持続可能な経営を/東北の木質バイオマス利用
 九州に続き、東北で木質バイオマス発電施設が増加している。

◇「今後どうなっていくのか」
小ロット・多品種への対応/パニックではないが困惑
廃プラスチック展望

 中国の輸入禁止や東南アジアの輸入規制の動きがある中、東北地方でもプラくず再生や廃プラ処理が課題となっている。一方で、広大な面積がある東北地方は、地域や処理処分の業態によって状況に温度差があるが、「パニックというほどとは言えないものの、先が読めない。何か新しい処理方式はないだろうか」という悩みは同様だろう。廃プラ滞留の状況や再生利用、RPF製造、セメント原燃料化、焼却などを巡る状況をみてみよう。

◇アメリカ視察レポート 広域行政府の廃棄物管理
動向や最先端技術を調査/環境先進都市におけるリサイクル
供給量を超える堆肥需要

 今年4月30日から5月8日にかけて、日報ビジネスとティ・シィ・アィ・ジャパンの共同企画による「米国の廃棄物管理の動向と廃棄物処理最先端技術調査」が実施された。環境関連法を主な専門とする佐藤泉法律事務所の佐藤泉氏が団長を務め、米国内の廃棄物収集や管理の在り方等を調査するため、先進的な自治体や処理企業を訪問。ポートランド、サクラメント、シアトルといった各地で、紙やプラスチック、アルミなど多種多様な資源ごみをまとめて回収・処理するシングルストリーム形式が採用されていた。その概要を報告する。

8月26日号ダイジェスト
◇ベトナムでペレット工場が完成
日本向けに年12万t生産
- TAN KY サビース&貿易 -
 ベトナムの現地法人「TAN KY サビース&貿易」(クァンチ省、ボー・スヮン・ダン社長)は、クァンチ省のクアンガン工業団地内に木質ペレット製造工場を建設した。6月26日から操業を開始。日量約20トン製造可能なペレット成型機を20台設置しており、年間12万トンの製造能力を持つ。総工費は約30億円。日本では昨今、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の認定を受けた木質バイオマス発電施設が相次いで稼働しており、高まるペレット需要に応えるための施設とした。

◇日本のリサイクルシステムを自国へ
フィリピン、ディナルピハン市長が施設訪問
- チューサイ -
 廃プラスチック類などのサーマル・マテリアルリサイクルなどを手掛けるチューサイ(静岡県焼津市、渡辺和良社長)は、グループ会社を通じてフィリピンのソービック市内に、有価購入した透明な廃ポリエチレンフィルムから再生ペレットを生産する工場を稼働し、日本からフィリピンへの直輸出の事業化も準備を進めている。7月11日にはソービック市を管轄するディナルピハン市長のマリア・ガルシア氏が日本の環境施設の視察等の公務で来日し、チューサイおよびグループ会社のエコライフアシスト(静岡県藤枝市)を訪問。地元市および同社の都市ごみ分別やリサイクルシステムの概要についてヒヤリングを受けた。

◇適正処理セミナーを開催
プラ循環戦略をテーマに
- 京都府産業廃棄物3R支援センター -
 (一社)京都府産業廃棄物3R支援センターは8月19日、「廃棄物3R・適正処理セミナー」を開催した。京都経済センターを会場に、排出事業者や廃棄物処理業者など約200人が参加。プラスチック資源循環をテーマに、産官学の講師が概況から政策動向、排出側での取り組みなどについて情報提供した。

◇3社合同審査を実施
優良認定制度が始動/転売防止策などチェック
- 全食リ連 -
 (一社)全国食品リサイクル連合会(高橋巧一会長)は8月13日、食品リサイクル優良業者認定制度に基づく現地審査を、モデル審査を実施済みの3社を対象に実施した。モデル審査時からチェック項目が一部改定・追加されたことを踏まえ、本審査に合わせた再審査と追加審査を補完的に行ったもので、日本フードエコロジーセンター(J・FEC、相模原市)、三功(三重県津市)、サニタリーセンター(埼玉県本庄市)の3社が受審した。

◇売上・利益ともに増
新社長に阿部氏が就任
- タケエイ -
 タケエイは8月8日、2020年3月期第1四半期決算説明会を行い、連結での売上、営業利益がともに増加し、大きく業績を伸ばしたことを報告した。今回は、6月の株主総会で新たに就任した阿部光男社長による最初の決算説明会となる。阿部社長は最初のあいさつで、今後の方向性としてSDGsの項目の「海洋の豊かさを守る」、「陸の豊かさを守る」や「気候変動に具体的な対策を」などについて触れながら、同社の取り組みが一致している点を説明し、「山口前社長の築いた路線をしっかり受け継いでいきたい」と話した。

◇受入・分別施設の運転を開始
大熊・双葉で合計9施設に/中間貯蔵施設
 環境省は8月8日、中間貯蔵施設の大熊④工区の受入・分別施設の運転を開始したと発表した。中間貯蔵施設内の受入・分別施設は大熊と双葉の両工区で合計9施設(大熊工区6施設、双葉工区3施設)となり、整備予定だった施設が全て運転を開始した。

◇振動ふるい機をモデルチェンジ
出張デモなどの事業も展開
- 林製作所 -
 環境リサイクル機器の製造を手掛ける林製作所(大阪市)は、販売してきた振動ふるい機「パーフェクトスクリーンユニット」と「パーフェクトミンチキラー」をフルモデルチェンジした。

◇優良業者の保管上限を緩和
根本的な解決には時間が必要/滞留するプラスチック
 一部の外国で使用済プラスチック等が輸入禁止となってから1年以上が経過した。使用済プラスチック等を処理・リサイクルしていた事業者にとっては排出先が限られるようになり、場内での保管を余儀なくされている事業者も多い。環境省では今年5月20日に「廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について(通知)」を都道府県・政令市に発出した。また、廃棄物処理法の施行規則の一部改正を8月下旬に予定しているが、この問題が根本的に解決するまでには、時間が必要だ。

バックナンバーに戻る