循環経済新聞・バックナンバー“2019年12月度”

12月2日号ダイジェストニュース
◇公共関与の管理型が完成
埋立容量9万m3で15年計画/4分割クローズド型で経費削減
- 沖縄県環境整備センター -
 沖縄県環境整備センター(沖縄県名護市、富川盛武社長/副知事)は、燃え殻、ばいじん等を中心とした公共関与の産業廃棄物管理型処分場「安和エコパーク」を名護市に完成させ、11月23日に関係者120人を集めて現地で落成式を開催した。12月中旬には受け入れを開始する。管理型処分場がひっ迫し、県外へ移送して処理せざるを得なかった現状から沖縄県内の産業界にとって、期待が大きい施設が誕生した。

◇国内再資源化が進展
ボトルtoボトルなど増加/輸出は中国以外が増加
- PETボトルリサイクル推進協議会 -
 PETボトルリサイクル推進協議会(佐藤澄人会長)は11月20日に東京都内で開催した年次報告書2019発刊の会見で、使用済みPETボトルに係る2018年度の推定実績は、国内向け回収量が42万2000トン、国内再資源化量が33万4000トン、海外向け回収量が26万3000トン、海外再資源化量が19万5000トンになったことを明らかにした。佐藤会長は、「リサイクル率(再資源化率)は84.6%になった。30年度までに(熱回収を加えて)100%有効利用を目指す」と述べた。

◇輪之内工場に蒸留塔を新設
年間6000tの溶剤を追加再生/海外展開にも注力継続
- リファインHD -
 溶剤リサイクル大手のリファインホールディングス(東京本社:東京・千代田、川瀬泰人社長)は、国内での溶剤リサイクル事業を担う日本リファイン輪之内工場(岐阜県輪之内町)で蒸留塔を追加新設する。設備を今年中に完成させ、来年1月からの本格稼働を狙う。新設する蒸留塔は年間6000トンの処理能力があり、さらなる有効資源活用に貢献する。さらに、海外での事業展開も堅調に進んでいる。

◇バイオガス発電で3社と連携
実績ある事業者の技術を活用/下水汚泥と生ごみで
- 静岡県藤枝市 -
 静岡県藤枝市は、全国で数少ない、下水汚泥と家庭系生ごみによるバイオガス発電に取り組むため、アーキアエナジー、月島機械、チューサイマネジメントの3社と連携、11月21日、協定を結んだ。生ごみの分別回収やバイオガス発電などで実績がある事業者の技術やノウハウを活用する。既設の下水処理場を利用、家庭系生ごみ処理に特化した行政と事業者との連携は国内初としている。

◇品質、物流、災害廃など
ユーザーと意見交換/国の担当者も参加
- 全国木材資源リサイクル協会連合会 -
 認定NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会(東京・中央、藤枝慎治理事長)は11月12日、都内でユーザー懇談会を開催し、藤枝理事長は「適合チップ認定制度を開始した関東協会でもまだ十分な成果が出ているとは言えない。新たなガイドラインを設定し、品質の標準化を徹底したい。またチップ輸送の効率化についても進めていきたい」と述べた。

◇地域循環と海外展開を議論
第32回会合を都内で開催
- 中央環境審議会循環型社会部会 -
 中央環境審議会循環型社会部会(酒井伸一部会長)の第32回会合が11月20日に東京都内で行われた。地域循環共生圏と循環産業の海外展開について議論が展開された。

◇飲料容器回収機の納入進む
分別促進でR業者を下支え
- エコフレンド -
 リサイクル機器の開発・販売を手掛けるエコフレンド(奈良市、筒井等社長)は、飲料容器の自動選別回収装置を大手飲料メーカーや公共交通機関、学校や行政などに納入を進める。2015年に開発、約2年前から販売し、これまでに約800台の納入実績を持つ。飲料容器の分別回収率の向上を通じて、リサイクル業者をサポートする。

◇10年以内に100%再利用へ
海外廃プラ禁輸の影響少/年次報告書2019を発刊
- PETボトルリサイクル推進協議会 -
 2017年の中国による輸入規制は、短期間のうちに日本国内の廃プラ流通に劇的な変化をもたらした。PETボトルも、中国へのフレークの輸出量は激減し、ベール輸出はゼロになった。一方で、他のアジア諸国への輸出量は増加傾向にある。特に台湾やインドネシア、マレーシアの増加が顕著だ。国内の動きでは、フレークの品質が向上したことに加え、ボトルtoボトル(BtoB)の増加やAグレードフレークの需要増もあり、全体としてリサイクル率の大幅な変動は見られなかった。

12月9日号ダイジェストニュース
◇愛知県半田市で5万KW発電所が竣工
PKSやリサイクルチップを年28万t
- フルハシEPO/シーエナジー -
 フルハシEPO(名古屋市、山口直彦社長)と中部電力子会社のシーエナジーが共同で設立した「CEPO半田バイオマス発電」が運営するCEPO半田バイオマス発電所が10月1日に営業運転を開始し、11月22日に竣工式を開催した。FITの認定を受けており、発電出力は5万キロワット。年間約28万トンの燃料を活用する。

◇10月累計73万tで前年87%に
マレーシア20万t超える/廃プラ輸出動向
 2019年10月の廃プラ輸出量は、7万6344トン(金額32億7596万円、4万2911円/トン)前年同月より6%減、4826トン少ない。金額は3億5860万円減で、単価は1865円下がった。10月累計では、73万6610トン(金額318億4887万円、4万3237円/トン)で、前年同時期の87%で10万6226トン少ない。全品目中でPEくずとその他廃プラだけが前年よりも増えた。

◇千葉に大型リユース拠点を開設
ストック・保管機能で流通円滑化
- トライシクル -
 東港金属グループのトライシクル(本社:東京・品川、福田隆社長)は11月27日、千葉県富津市で「ReSACOリサイクルセンター」の本格稼働を開始した。約2万3000坪の敷地面積を活用し、同社が運営する企業の不用品専門プラットフォーム「ReSACO」のサービスで受け入れたリユース品を保管しながら、アップサイクルやリメイクを行う施設として運営する。

◇約21万3000tで史上最多
マレーシア産が初の9万t超/PKS貿易統計
 10月のパームヤシ殻(PKS)の輸入量は21万3228トンで、統計史上最多を記録した。前月より5万8969トン(138.2%)、前年同月より6万9688トン(148.5%)もの増加。マレーシア産が9万トンを突破したことが影響した。また、6月から続いていたタイからの輸入は今回、見られなかった。

◇CO2で再生骨材を改質など
技術認定講習会で
- ACRAC -
 再生骨材コンクリート普及連絡協議会(ACRAC、東京・港、柴谷啓一会長)は11月22日、都内で第8回技術認定講習会を開催し、4人の講師が業界の基礎や再生骨材コンクリートなどをテーマに講演し、東京テクノ(東京都町田市)の松田信広工場長が、共同研究の内容として、CO2を用いた再生骨材の改質としてLクラスをMクラスへの改質が可能であることを示した。

◇大型複合施設の商業棟を取得
本部移転し、地域活性化も
- 大栄環境 -
 大栄環境(本部・神戸市、金子文雄社長)は11月14日、神戸港内にある人工島・六甲アイランドの大型複合施設「神戸ファッションプラザ」の商業棟(RINK)を取得したと発表した。同グループの業容拡大に伴う大幅な人員増加に対応するため、来春をめどに本部オフィスを移転する。テナント等の誘致を積極的に行い、地域活性化にもつなげる考えだ。

◇収集車が「グッドデザイン賞」
「人手不足の解決に希望」と評価
- モリタエコノス -
 モリタグループでパッカー車などの特装車事業を展開するモリタエコノス(兵庫県三田市、白井幸喜社長)が開発した「プレス式塵芥収集車プレスマスターPB7型」はこのたび、(公財)日本デザイン振興会主催の「2019年度グッドデザイン賞」を受賞した。

◇岡山県の仮置場など視察
発災後2年間で約44万tを処理/災害廃棄物処理の現状と見通し
 認定NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会(東京・中央、藤枝慎治理事長)は10月29~30日、岡山県内に設けられた災害廃棄物の一次仮置場や二次仮置場、協会員のチップユーザーである大建工業の視察会を開催した。

◇木質ペレットが131万t超える
PKSは現地選別ヤード完成で増加/FIT発電の燃料は4000万tに
海外材の輸入動向

 今年に入り木質ペレットの輸入量が急増した。FIT制度のバイオマス発電施設で燃料使用が追い風になったことが大きな原因といえる。
 1~10月累計の木質ペレットの輸入量は、131万7017トン(金額254億566万円、19.3円/キロ)。ベトナムから約70万トン、カナダから50万トン台というように、2国で120万トン、9割以上を占める。

◇写真で振り返る2019年1~12月
 2019年は新元号「令和」の始まりの年となった。産業廃棄物業界では、一昨年から続く使用済みプラスチックの海外での受け入れ停止の影響で、各処理施設での余力が少なくなった。災害に関しては、8月に大雨があり、9月には台風15号、10月には台風19号がそれぞれ大きな被害をもたらした。特に台風19号は多くの河川を氾濫させ、多量に発生した災害廃棄物によって復旧・復興作業が長期にわたる見通しとなっている。

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