循環経済新聞・バックナンバー“2020年4月度”

4月6日号ダイジェストニュース
◇木質チップ事業を強化
「川口ウッドリサイクル」竣工/県内3施設目、年6万t生産へ
- クワバラ・パンぷキン -
 解体工事と建廃処理兼業のクワバラ・パンぷキン(さいたま市中央区)は埼玉県川口市の工業地域に木質チップの新プラント「川口ウッドリサイクル」を竣工。4月から営業運転を開始した。加須市内に稼働する既設の「パンぷキン・デポ」、「ほくさいウッドリサイクル」に続く県内3施設目の開設で、1日11時間稼働で日量約230トンの処理能力を持つ。

◇落札単価平均4万6751円/t
“ボトル to ボトル”など影響か/指定法人のPET有償入札で
 (公財)日本容器包装リサイクル協会が3月に発表した2020年度上半期における指定法人ルートの廃PETボトルの落札結果発表で、有償分の落札単価の加重平均は1トン当たり4万6751円となったことが明らかにされた。市町村/再商品化事業者別にみると、関東では有償分で1トン当たり6万7000~6万8000円と、近年の中で高かった昨年よりも高値のケースがある。一方、新材のPET樹脂価格の安値が続いており、再商品化事業者や再生材ユーザーの間では、高値になっている再生PET樹脂価格とのスプレッドが看過できない状況になりつつある。

◇混廃・廃プラ類を燃料向原料化
受入物の性状に合わせて柔軟に対応/第1エコ・プラザに新ライン設置
- 旭商会 -
 汚泥の資源化事業などを行う旭商会(相模原市、市川公豪社長)は2020年、物流拠点だった第1エコ・プラザに破砕・選別・圧縮梱包が可能なラインを設置し、本格稼働を開始した。焼却処分されていた廃プラスチック類や混合廃棄物を選別し、RPF原料やセメント工場での熱エネルギー代替として利用できる性状に整えるための設備となっている。

◇肥料の販路を積極的に拡大
食Rループ構築目指す
- パブリック -
 パブリック(香川県観音寺市、川崎佳日出社長)グループの丸亀リサイクルプラザ(同県丸亀市)は、食品リサイクルループの構築を目指し、肥料の販路や用途を積極的に広げている。三豊オーガニックステーション(同県三豊市)と満濃工場(同県まんのう町)の2施設で堆肥化を展開しており、近隣農家や全国のホームセンターなどに出荷する他、自社農場でも活用。栽培した野菜は地元市民に販売し、好評を得ている。

◇廃瓦を骨材に緑化コンクリート開発
特許を申請、来年度に製品化へ
- 金沢工業大学/小松製瓦/エコシステム -
 金沢工業大学や小松製瓦(石川県小松市)、エコシステム(石川県能美市)ら3者による研究グループは、廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートの実証実験を、2018年10月から金沢工業大学白山麓キャンパスで実施。このほど実用化に向けた一定の成果を得られ、共同で特許を申請した。今後も実験を通じて改善を行い、製品化は21年度を予定している。

◇8000Bq/kg以下、8割超に
栃木で放射能濃度を再測定
- 指定廃棄物 -
 環境省は3月19日、栃木県内の農家が保管する指定廃棄物(8000ベクレル/キログラム超で10万ベクレル/キログラム以下)について、昨年7月下旬から11月下旬にかけて実施した放射能濃度の再測定結果を公表した。総量2993.2トンの内、8000ベクレル/キログラム以下のものは2416.9トン(80.7%)となったことがわかった。

◇木質ガス化熱電併給、試験運用実施
2段階でタール熱分解
- サナース -
 廃棄物処理やバイオマス、林業などさまざまな機械の輸入販売を進めるサナース(横浜市港北区、海老原豊社長)は、木質バイオマスガス化熱電併給装置であるLiPROの輸入販売を開始し、今年2月には木更津マシンパークにて、1回目の試験運用を実施した。

4月13日号ダイジェストニュース
◇混廃の大型選別ラインを導入
埋立量削減と作業環境改善へ/処理能力は127.2t/日
- タイヨー -
 一廃と産廃の収集運搬・処理や各種リサイクル事業を展開するタイヨー(広島市、元山琢然社長)は、中間処理工場に混合廃棄物の大型選別ラインを導入し、4月から本格的な受け入れを開始した。処理能力は日量127.2トン。総工費は約1億5000万円で、うち半額は県の補助金を活用した。リサイクル率の大幅アップによる埋立処分量の削減とともに、従業員の作業環境の改善につなげていく。

◇雑プラ増加で総合R提案
提携先がマスク生産
- アプライズ -
 リサイクル事業で実績を重ねるアプライズ(大阪市東淀川区、平良尚子社長)は、PP・PEのポリオレフィン系が8割以上あれば、混ざったプラスチック「雑プラ」も受けることができる。これがユーザーから評価され、扱い量が月2000トン以上になり、輸出が厳しくなった今でも引き合いは増えた。

◇株式上場に係る会見を開催
資金は処理設備等に充当
- リバーHD -
 リバーホールディングスは3月25日、都内で記者会見を開催し、東京証券取引所市場第二部に上場したことを報告した。その中で、自己株式処分によって調達した資金をリバーグループ各社・各工場の設備投資等に充当することを発表。破砕機などの設備を新設・更新するために使用するとした。

◇高品質肥料化で安定操業
農家から飼料米買取も/地元貢献の姿勢強める
- 岩手環境事業センター -
 岩手環境事業センター(岩手県北上市、濱田博社長)は、食品廃棄物や有機性汚泥を使った肥料化事業で、高品質肥料の製造と、地元行政や排出事業者、農家との信頼関係をベースに、施設の安定操業を継続している。昨年9月には本社社屋を新築し、社屋の2階に農家支援のための研修室を設けるなど、地元貢献の姿勢もいっそう強めている。

◇マニフェスト適正使用を喚起
建設工事で元請業者の責任
- 大阪府 -
 大阪府環境農林水産部循環型社会推進室・産業廃棄物指導課は3月23日、関係各所に建設工事における産業廃棄物管理票の適正な使用について通知を行った。2018年度に府内の水道工事など公共工事で、架空の産廃管理票を作成した疑いが多数見つかった。調査の結果、架空のマニフェストを作成した理由は、設計上の排出量と実際の処理量にかい離が生じたことで、設計上の量に合わせるためや、過積載を隠すため。また、マニフェスト伝票の交付を受けずに土砂に混じった路盤廃材(産業廃棄物)を土砂として収集運搬した疑いがある。

◇現場公開や情報発信を継続
来年度の計画を発表/中間貯蔵除去土壌
 除去土壌の再資源化等の理解醸成に向けた方策を検討する「中間貯蔵除去土壌等の減溶・再生利用技術開発戦略検討会コミュニケーション推進チーム(第3回)」(座長・細見正明氏)が3月26日、都内で行われた。来年度の活動計画として、現場公開やイベントでの発信、広報誌等の掲載、海外への発信を継続して行っていく方針を確認している。

◇高出力で大容量の蓄電システム
災害時の電力確保にも利用
- CONNEXX SYSTEMS -
 蓄電池メーカーのCONNEXX SYSTEMS(京都府精華町、塚本壽社長)は、業務用の中型蓄電システム「Bleu POWER」を今夏から発売する。鉛電池とリチウムイオン電池を一体化したバッテリーを搭載。30キロワットの高出力、108キロワット時の大容量を持ち、災害時の電力確保にも使用できる。初年度は100台の販売を目指す。

4月20日号ダイジェストニュース
◇処理事業の継続を求める
緊急事態宣言を受けて通知/新型コロナウイルス対策
- 環境省 -
 環境省は4月7日、各都道府県知事・政令市市長宛てに「緊急事態宣言を踏まえた新型コロナウイルス感染症に係る廃棄物の円滑な処理ついて(通知)」を発出した。廃棄物処理を「社会インフラ」と位置付け、事業継続に必要な対策や宿泊・自宅療養で排出される廃棄物の取り扱いについてまとめている。

◇紙おむつの完結型リサイクル
3社が事業展開で協議開始
- 凸版印刷/住友重機械エンバイロメント/トータルケア・システム -
 凸版印刷と住友重機械エンバイロメント、トータルケア・システム(福岡市、長武志社長)の3社は4月7日、使用済み紙おむつをリサイクルする「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築とその後の事業展開に関する協議を開始することに合意した。

◇廃電池回収システムを整備
建設現場から一括回収/積替保管を活用してコスト低減
- エスアール -
 エスアール(本社・神奈川県厚木市、渋谷清心社長)はこのたび、建設現場から排出される廃電池を効率的に回収するシステムを建設廃棄物協同組合(冨山盛貴理事長)と協力考案した。組合員事業者の協力の下で行う事業として計画しており、少量かつ処理が困難な廃電池を効率的に回収することで運搬費を抑え、排出事業者の負担を低減できる。昨今では建設業界全体でコンプライアンスを重視していることから需要が高まると見込んでおり、この取り組みに賛同・参加する意思がある複数の事業者も現れている。

◇堆肥化・エネ利用推進へ
第4次基本方針を策定/改正肥料法も踏まえる
家畜排せつ物法

 農水省は、家畜排せつ物法に基づく第4次「家畜排せつ物の利用の促進を図るための基本方針」を策定した。▽堆肥の利用拡大▽家畜排せつ物のエネルギー利用推進▽畜産環境問題への対応――を柱とするもので、2030年度を目標に、地域ごとの必要性や効果を考慮したうえで、各都道府県計画で優先的に整備する処理高度化施設の内容と、導入にあたっての考え方を明示することが重要としている。

◇ISHIZAKA START-UP LABを開設
都内に新拠点
- 石坂産業 -
 石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は4月1日、無駄・ごみ・浪費をなくす“ゼロ・ウェイスト”を推進するための新拠点「ISHIZAKA START-UP LAB」(東京・千代田)を開設した。

◇水質改善・再資源化技術を開発
助成事業の選定結果を発表
- 産業廃棄物処理事業振興財団 -
 (公財)産業廃棄物処理事業振興財団(加藤幸男理事長)は4月、2020年度の産業廃棄物処理助成事業の選定結果を発表した。大青工業(仙台市)が「安定型処分場の浸透水質改善のための廃棄物層内排水促進技術開発」(助成金額200万円)、ダイセキ環境ソリューションが「残コンクリート・戻りコンクリートの再資源化技術の開発」(助成金額300万円、2年目助成)をそれぞれ実施する。

◇導入コストを最大半減
汚水処理の新システム
- クイックリン -
 クイックリン(東京・台東、折井誠・日本事務所長)は、工場排水、下水処理などの汚水処理分野で、導入コストが最大半減する新システムを提案する。日本の技術をベースに石井裕之氏が独自に改良、完成した「QCL―SDAF加圧浮上処理システム」や「QCL凝集剤」などで構成。非溶解性物質の物理処理、化学処理、生物処理の全てでワンストップサービスが可能。廃棄物処理施設の排水処理分野でも優れたパフォーマンスが期待できるという。

4月27日号ダイジェストニュース
◇月1万tのPETボトル資源化
機械化推進、作業環境向上/国内最大の異物除去・洗浄・圧縮
- ガラスリソーシング -
ガラスリソーシング(本社・千葉県銚子市、伊藤憲一会長)はこの度、同社の「成田工場」(千葉県成田市)に廃PETボトルの異物除去と洗浄、圧縮を一貫で行う専用の新施設を竣工、本格稼働を開始した。

◇「新システムを全国へ」
ベストトレーディングをグループ化/混合飲料容器選別も機械化
- ガラスリソーシング -
ガラスリソーシング(本社・千葉県銚子市、伊藤憲一会長)は、同社の「成田工場」(千葉県成田市)に廃PETボトルの異物除去と洗浄、圧縮を一貫で行う新施設「C棟」を竣工した。それとともに、PETボトルとスチール缶、アルミ缶、ガラスびんなどの混合飲料容器を選別する「B棟」について、従来の機械選別後の手選別工程を光学選別機に転換した。

◇メーカーと協力し処理実現
塗料混じりブラスト砂R
- ワコー産業 -
再生砕石や建廃処理などに取り組むワコー産業(和歌山県印南町、山本雅弘社長)は、塗料を含むサンドブラスト廃砂のリサイクル事業の拡大を図る。環境装置メーカーの近畿工業(神戸市)の協力のもと、独自の処理技術で残渣物を発生させずに再資源化。幅広い顧客ニーズに対応していきたい考えだ。

◇食品ロスは612万t
2017年度推計値を公表/事業系で24万t減少
- 環境省/農水省 -
環境省と農林水産省は、2017年度の食品廃棄物等および食品ロス発生量の推計結果を公表した。食品リサイクル法に基づく事業者からの報告などをもとに推計したもので、食品廃棄物等の発生量2550万㌧のうち、食品ロスの発生量は、推計を開始した12年度以降で最少の約612万㌧となり、前年度の643万㌧から31万㌧減少していることがわかった。

◇自社再生砕石がエコ製品に
地域貢献でマスク贈呈も
- 渡辺産業 -
産業廃棄物(燃え殻・鉱さい等)・一般廃棄物(焼却灰・溶融スラグ)の再生処理で実績を重ねる渡辺産業(栃木県日光市、神山昌彦社長)は、自社リサイクル製品のエコクラッシュ(再生砕石)が3月17日付で「栃木県リサイクル製品認定制度~とちの環エコ製品~」に認定された。

◇災害廃の代行処理が完了
倉敷・総社市の計30万6426t
- 岡山県 -
岡山県は4月16日、西日本豪雨で甚大な被害が出た倉敷市と総社市から事務委託を受け、代行していた災害廃棄物の処理業務を完了した。処理量は計30万6426㌧。代行処理の費用約80億円は両市が負担し、97.5%は国庫補助金などで賄われる。

◇ショールーム併設の新社屋
プラスチックリサイクル機器展示/商談とテストの拠点に
- 日本シーム -
日本シーム(本社・埼玉県川口市、木口達也社長)は4月、プラスチックリサイクル関連機器のショールームを併設した鉄筋3階建ての新社屋を開設した。1階のショールームには廃プラ全般のリサイクルのための一貫ラインや各種粉砕機などを展示。

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