循環経済新聞・バックナンバー“2021年8月度”

8月2日号ダイジェストニュース
◇廃棄物・金属の複合リサイクル
宮城に新施設が竣工
工業団地内、6400坪の敷地

- イーストコア -
 鉄・非鉄リサイクルから建廃を主力とする産廃処理、解体工事、土木工事まで事業の多角化を進めるイーストコア(本社・仙台市、田中信行社長)は、岩沼市の二ノ倉工業団地内に廃棄物破砕施設、鉄・非鉄スクラップの複合リサイクルセンター「EAST CORE 岩沼 ENSA」を竣工した。

◇R製品の回収袋まで完全再生品
4社の協力で日本初ループ
- 大阪和田化学工業ほか -
 製袋メーカーの老舗の大阪和田化学工業(大阪市天王寺区、前田宗幸社長)は、食品容器大手のエフピコの製品を包装するポリ袋を製造しているが、この度全量再生ペレットを原料として、スーパーマーケットに設置された使用済み食品トレーの回収ボックスで使用される袋を製造することに成功した。

◇筑西市下江連の新工場に移転完了
省人化と高効率化で能力10倍に/ビードワイヤー抜きも自動処理
- 黒沢産業 -
 黒沢産業(茨城県筑西市、黒沢輝一社長)は、工場・本社移転に伴って筑西市下江連に廃タイヤ処理工場を新設し、このたび稼働を開始した。中核となる設備設計はウエノテックス(新潟県上越市)が引き受け、国内初となる設備を複数導入した最新施設を竣工した。敷地面積は1万5000平方メートル。処理能力は379.8トン(12時間稼働)となり、旧工場の約10倍に増強した。

◇持続可能な食料戦略へ
食残、消化液の活用も/食リ推進に追い風?
- 農水省 -
 農林水産省は、持続可能な食料システムの構築に向けた施策を強化している。5月には「みどりの食料システム戦略」を策定し、この中で資材・エネルギー調達における脱輸入・脱炭素・環境負荷軽減に向けた取り組みとして、食品残さ・汚泥からの肥料成分の回収・活用や、バイオ液肥の活用も盛り込んだ。今後、食品リサイクル事業への追い風となるか注目される。

◇JIS規格等制定目指し
分科会立ち上げ
- 生コン・残コンソリューション技術研究会 -
 (一社)生コン・残コンソリューション技術研究会(東京・港、野口貴文代表理事)は7月17日、同研究会の活動内容の主要項目ごとに分科会立ち上げ、活動を進めていくことを発表した。

◇日本初のデカフェ製造工場
超臨界流体技術でカフェイン抽出
- KECグループ -
 産廃の収集・中間処理、最終処分まで一貫した豊富な処理実績を持つKECグループは、カフェインを90%以上除去した安心安全でおいしいデカフェコーヒーを生産して専門店やユーザーに提供できる新規事業のデカフェ和泉工場(三重県桑名市)を立ち上げた。

◇新型オートソートを導入
試験センター内で稼働開始
- アーステクニカ/トムラソーティング -
 破砕・粉砕機や環境リサイクル機器等の製造・販売事業を展開するアーステクニカ(東京・千代田、西昌彦社長)は6月、八千代工場敷地内の試験センターにトムラソーティング製の新型近赤外線選別機「新型オートソート」を導入した。顧客の要望に合わせて順次テストを受け付ける。

◇産業構造から見る産廃発生動向
中部エリアの概況
 中部エリアは、東海道新幹線や名神・東名高速道路などの大動脈が通り、水資源、港湾に恵まれて工業が発達。特に、自動車をはじめとする輸送用機械製品や電気機械器具、ゴム製造などで全国をけん引している。製造品出荷額等では、全国シェアの2割を占めている(表参照)。世界有数の企業がいくつもある上、リニア中央新幹線の建設も重なり、国内経済を支える。ここでは、中部エリア(愛知・岐阜・三重)の産業構造ならびに産業廃棄物の排出動向をまとめた。

◇全体的に目標値を上回るR率
一方で、発生抑制で課題も/中部/建設廃棄物~現状と課題~
 中部エリアでは、2027年の運行開始を目指しリニア中央新幹線の建設工事が着工。名古屋駅を中心に再開発事業が進んでいた。しかし、長引くコロナ禍の影響に伴い、これまで比較的影響の少なかった建設や解体、建廃処理業界でも大きな痛手を受けている。中部エリアで解体・建廃処理を手掛ける業者からは、「夏以降、白紙になった新規の解体案件が次々と出ている。徐々に廃棄物の受け入れが減ってきている」などの声が上がり、依然として厳しい状況が続く。ここでは、中部地方建設副産物対策連絡協議会が公表する建設リサイクル推進計画を基に、建設廃棄物の発生から再資源化の動向、どのように廃棄物の発生抑制を進めていくのかを見る。また、実績を伸ばしている処理業者の事例も紹介する。

◇18件中11件が稼働を開始
総発電規模は計画含め約61万kW/中部/木質バイオマス発電動向
 中部エリアでは、FITが施行されて以降、発電出力が1000キロワットを超える規模の新設もしくは建設・計画中の木質バイオマス発電所が18件(当社調べ・一部FIT非対象)あり、すでに11件が稼働(表1参照)。残す計画は、▽SGET土岐バイオマス合同会社▽合同会社美濃加茂バイオマス発電所▽ぎふ西濃グリーンパワー合同会社▽愛知田原バイオマス発電合同会社▽愛知蒲郡バイオマス発電合同会社▽中部電力▽多気第二バイオパワー――の7件となった。

◇地域の課題解決に貢献
新たなサービスで付加価値向上/中部/食品リサイクル事例
 中部エリアは、食品リサイクルの先進地域として知られ、多くの事業者がそれぞれの強みを生かしたリサイクル事業を展開している。ここでは、地域ごとの課題に向き合って新たなサービスや施設、技術などを展開し、事業の付加価値を向上させている事例を紹介する。

◇資源効率と持続可能性を追求
処理困難物Rにカギ/多彩な事例が中部から
中部/循環経済ビジネス特集

 SDGsや気候変動など、持続可能な経済活動への関心が高まる中で、資源の持続可能性と経済成長を両立する社会モデルとして、サーキュラー・エコノミー(CE/循環経済)への注目も高まっている。日本国内でもさまざまな取り組みが始まっており、ここ中部地域でも、サプライチェーンの一体的な循環を実現した事例、処理困難物をマテリアルリサイクルする事例など、意欲的な取り組みが現れている。

◇SDG s目標と経営理念をマッチ
廃石膏を新方式で再生に/中部/地域で活躍する企業
SDGsの実装支援サービス開始
- 加山興業 -
 産業廃棄物の中間処理・リサイクル事業を中核とした環境ソリューション事業を生業とし、創業60年を迎える加山興業(愛知県豊川市、加山順一郎社長)は、SDGs経営を推進する自治体や企業、個人団体と一緒に伴走する「SDGs実装支援サービス」の提供を本格化した。

---- 8月9日号は休刊です。----

8月16日号ダイジェストニュース
◇第2期管理型を開設
容量74万m3、6層遮水
- ジャパンクリーン -
 管理型最終処分と中間処理業のジャパンクリーン(仙台市、杉澤養康社長)は、青葉区芋沢に産業廃棄物の第2期管理型最終処分場を開設した。埋立容量は約74万立方メートルで、隣接する第1期処分場の増設工事として整備を進めてきたもの。第1期の104万立方メートルと合わせて全体容量約178万立方メートルの処分場となり、計画では今後約15年にわたって共用していく。

◇異物低減でプロジェクト
浜松市と岡崎市で検証/新たな自販機リサイクルボックス使い
- 全国清涼飲料連合会 -
 (一社)全国清涼飲料連合会(東京・千代田、米女太一会長)は8月2日、東京都内で「自動販売機リサイクルボックス異物低減プロジェクト2021(以下、「RFRプロジェクト」)について記者説明会を開いた。2020年度に渋谷駅周辺で専用のリサイクルボックスを20カ所設置して行った検証で異物混入割合が43%から29%に低減した結果を受けて、21年度のRFRプロジェクトでは静岡県浜松市と愛知県岡崎市に新機能リサイクルボックスをそれぞれ40台設置して異物低減効果を検証することにした。

◇パネル循環の構築へ
独自の工夫で付加価値
- 浜田 -
 PCB廃棄物や水銀廃棄物の処理など環境ソリューション事業を展開する浜田(大阪府高槻市、濵田篤介社長)は、京都府八幡市に「京都PVリサイクルセンター」(KPRC)を新設した。太陽光(PV)パネルの循環ビジネスモデル構築の拠点として、将来的な多分野とのパートナーシップも視野に展開。廃棄後も含めたパネルの環境負荷低減により、太陽光発電の持続可能性向上に寄与する。

◇記念プロジェクト始動
業界の社会的地位向上へ
- 油脂連 -
 全国油脂事業協同組合連合会(高橋康寿会長)の「創立20年記念プロジェクト」が本格始動した。20年を機に新しいロゴデザインを作成、特設ウェブページによる専門情報のネット配信を積極的に展開する。組合員企業を巻き込み、業界の社会的地位向上を目指す。

◇森林再生プロジェクト始動
千葉県内3地域から
- エコグリーンホールディングス -
 木質チップのリサイクルを行うエコグリーンホールディングス(本社:東京・中央、石井光暢社長)は、千葉県内の3地域(富里市、山武市、東金市)の森林において、森林再生プロジェクトを開始することを明らかにした。第1弾としては、7月1日に同社グループ、富里市、東邦大学と土地所有者による覚書を締結、富里市が推進する「森林再生プラン」にて早生樹を活用したモデル森林の造林に着手した。

◇災害時に運転手を相互支援
2社の間で協定を締結
- ミダック/三共 -
 廃棄物処理事業を展開するミダック(浜松市、加藤恵子社長)は7月12日、廃棄物収集運搬事業を展開する三共(浜松市、吉川行男社長)との間で「パンデミック等災害時における一般廃棄物収集運搬運転手の相互支援に関する協定」を締結した。災害発生時に一般廃棄物の円滑な収集運搬を遂行して地域住民の生活環境の保全を図ることが目的で、両社間で支援に関する基本事項を定めている。

◇有線式電動ショベルを販売
排ガスゼロなど環境に配慮
- コマツ -
 コマツは、有線式電動油圧ショベル「PC78USE-11」を開発、販売を開始した。「電動油圧ショベルを長時間にわたり連続して使用したい」というユーザーからの声を受け、これまでの技術をベースにエンジン駆動式と同等の性能を実現。排気ガスを排出しない他、騒音や排熱、振動を大幅に抑えた環境に配慮した中小型クラスの有線式電動油圧ショベルとなっている。

8月23日号ダイジェストニュース
◇木質バイオマス実態調査を公表
間伐材や被災木も使用、雇用も拡大/一部他業種への影響も
- 総務省 -
 総務省は7月30日、木質バイオマス発電をめぐる木材需給の実態を把握することを目的とした調査の結果を公表した。これを踏まえ、木質バイオマス発電の拡大が地域の木材需給のひっ迫を招かぬよう、農林水産大臣および経済産業大臣に意見を通知した。

◇廃棄漁網の回収・リサイクル
基本合意を締結、取組開始へ
- WWFジャパン/テラサイクル -
 (公財)世界自然保護基金ジャパン(東京・港、末吉竹二郎会長、以下「WWFジャパン」)とテラサイクルジャパン(横浜市、アジア太平洋統括責任者=エリック・カワバタ氏、以下「テラサイクル」)は、海洋生態系に深刻な被害をもたらす漁具の海洋への流出を防ぐべく、漁具を適切に管理し、使い終わった漁網の回収・リサイクルを促進していくための基本合意を今年6月に締結したことを明らかにした。今後、WWFジャパンとテラサイクルは、地域の漁業協同組合や自治体などと連携し、使われなくなった漁網を回収し、廃棄漁網を資源として再度活用できるような取り組みを開始する。

◇循環経済の新計画
製造側の参画を推進
- 中国政府 -
 中国の国家発展改革委員会は7月、「循環経済の発展に関する第14次5カ年(2021~25年)規画」を発表。このなかで、期間内の数値目標と三つの重点政策、11項目の重点プロジェクトを設定。製造分野においての資源利用率の向上と、使用済み製品の循環利用システムの構築を重点政策に掲げた。同国現政権が最重要課題に位置付ける環境対策と、世界的なカーボンニュートラルとサーキュラー・エコノミー(CE)の潮流のなかで競争力の強化を図る。

◇一廃生ごみで積保許可
搬入先メンテ時に対応/食リ対応の収運強化
- 田邉商店 -
 東京都多摩地域を拠点に、一廃・産廃の収集運搬・処分業を展開する田邉商店(東京都立川市、田邉力社長)は、今年に入り、同社工場のある国立市から積替え・保管を含む一般廃棄物収集運搬業の許可を取得し、事業系一廃の食品廃棄物を食品リサイクル施設へ搬入する体制を強化している。

◇生コン汚泥の脱水・固化処理物
廃棄物処理法上の取扱いを周知
- 佐賀県 -
 佐賀県はこのほど、生コンクリート汚泥を脱水・固化等の処理を行ったものの廃棄物処理法上の取り扱いについて、関連団体向けに周知を依頼した。先日、産業廃棄物の汚泥として処理すべきコンクリートスラッジ(生コンクリートを製造するミキサーを洗った洗浄水から発生する汚泥)を、誤って「ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず」として、汚泥の処理業の許可を持たない産廃中間処理業者に処理を委託した事案が確認されたため。

◇特別協賛でプロ選手と野球教室
海岸清掃で児童とごみ回収
- 白兎環境開発 -
 山﨑砂利商店グループの白兎環境開発(鳥取市、奥田貴光社長)は6月20日、地元野球チームに所属する児童約50人を集めた新日本新聞社が主催した少年少女スポーツ応援企画の特別協賛として参加した。

◇重量約800gのアシストスーツ
作業者の腰の負担を軽減
- ダイヤ工業 -
 医療用品メーカーのダイヤ工業(岡山市、松尾浩紀社長)は、受注生産を行っていた、重量約800グラムの軽量アシストスーツ「DARWING Hakobelude(ダーウィンハコベルデ)」の量産販売を始めた。高反発ゴムと人工筋肉により、荷物の持ち上げや中腰姿勢の維持を補助することで、作業者の腰の負担を軽減。倉庫や工場などの現場に向けて、労働環境の改善につながるとして提案を進める。

8月30日号ダイジェストニュース
◇新焼却施設が9月に完成
産廃や特管物、一般廃を処理
- エコロジカル・サポート -
 長野県松本市で廃棄物処理を行うエコロジカル・サポート(長野県松本市、村井連峰社長)は9月1日、新焼却施設(アクトリー製ストーカ炉、処理能力=31.2トン/日)の完成に伴い火入竣工式を行う。産業廃棄物や特別管理産業廃棄物に加えて一般廃棄物の受け入れも可能となっており、今後災害廃棄物の処理にも協力していく。

◇新工場で再生ペレット生産
乾式洗浄機と連続フィルターも
- マツダ -
 古紙回収や資源の付加価値事業で実績多数のマツダ(神戸市東灘区、松田禎一社長)は、プラスチックの価値を高めるための再生ペレットラインを導入した新工場「尼崎プラスチックファクトリー」(兵庫県尼崎市)を立ち上げた。総工費は地代含めて5億5000万円で500坪の敷地面積、2階建てを生かした仕組みとなった。

◇レアメタル回収で共同研究契約
LiBの新リサイクルフロー確立へ
- エンビプロHD/EFT -
 エンビプロ・ホールディングスと、エマルションフローテクノロジーズ(茨城県東海村、鈴木裕士社長、以下EFT)は8月、EFTが有する溶媒抽出技術「エマルションフロー」を用いて、リチウムイオン電池(LiB)からレアメタルを回収することを目的とした共同研究契約を締結した。両社はそれぞれの強みを持ち寄り、新たなLiBのレアメタルリサイクルフローを確立することで、両社の持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指す。

◇廃油の副産物を洗剤原料に
製造工場を新設へ
- ケイナンクリーン -
 廃棄物処理やバイオ燃料研究開発などを手掛けるケイナンクリーン(岐阜県恵那市、近江則明社長)は、バイオディーゼル燃料(BDF)製造時の副産物であるグリセリンを活用した植物性天然アルカリ洗剤「グリポン」の製造工場を新設する。今秋をめどに着手し、来年3月の完成を目指す。場所は本社の約878平方メートルの敷地で、総工費は約9900万円を見込む。月間約2万本を生産する計画だ。

◇第1四半期として過去最高益
千葉で新たにバイオマス計画
- タケエイ -
 タケエイは8月6日、第1四半期の決算説明をオンライン上で行い、前年同期比13.2%増となる売上高102億2900万円、前年同期比43.5%増となる営業利益9億3300万円を達成し、当該四半期としては過去最高益となったことを明らかにした。

◇レジリエンス認証を取得
産廃処理業では全国初/コロナ感染など災害乗り越え
- エンタープライズ山要 -
 産廃の収集運搬で実績を重ねるエンタープライズ山要(大阪府寝屋川市、山口玉緒社長)は、「国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)」で認証を7月31日に取得した。産廃処理事業者では全国初の認証となった。

◇ROCKCRUSHERの総販売元に
バケットクラッシャー等を取り扱い
- 東方商事仲介 -
 中古アタッチメントの買取・販売を手掛ける東方商事仲介(相模原市、アベリアクルーズ条世代表)では、Rokla社(ドイツ・ランゲンブルク)のバケットクラッシャー「ROCKCRUSHER」等を取り扱っている。性能の高さが評判となって認知度が高まりつつある。

◇万博通じ、コロナ禍からの反転攻勢へ
産業から見る産廃排出動向/近畿/産廃動向
 日本を代表する阪神工業地帯を抱える近畿エリアは、工業に加え、京都の西陣織や京友禅、大阪・堺の刃物などといった伝統工芸品の生産も受け継がれており、商業都市としての一面も持つ。依然としてコロナ禍の影響が続いているものの、2025年には大阪・関西万博を控え、脱炭素やESG(環境・社会・企業統治)をキーワードに、近畿は大きく変わろうとしている。ここでは、近畿エリア(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)の産業構造ならびに産業廃棄物の排出動向をまとめた。

◇循環促進の新法が再生ペレットに弾み
付加価値化の工場が誕生/近畿/廃プラ最新動向
 近畿エリアでは、廃プラの処理単価の上昇が顕著になった。一部は頭打ちもあるが焼却は、40円/キロが常に見えているし、最終処分も35円を超えた埋立場が散見される。プラスチック成分が多い混合廃棄物の埋立は、30円前後で全国平均の40円よりも安いが、受け入れてくれる最終処分場は少ない。

◇飛躍の秘訣は社員教育
雑品・混合廃棄物の新工場が続々/近畿/活躍する企業群
特別教育プログラムで人材育成
- 西播グループ -
 廃棄物処理から発電事業など多彩なビジネスを展開する西播グループ(兵庫県姫路市、藤井美佳社長)は、将来の幹部候補を養成する特別教育プログラム「サブリーダー研修会」を立ち上げた。次世代を担うリーダーの育成を通じ、グループ全体のボトムアップを図っていく。

◇15件中9件が稼働を開始
近畿/木質バイオマス発電動向・インタビュー
 近畿エリアでは、FITが施行されて以降、新設もしくは建設(計画)中の木質バイオマス発電所が15件(当社調べ・一部FIT非対象)あり、すでに9件が稼働(表1参照)。FIT施行以降、現時点で125万トンほどの木質燃料需要が近畿エリアで創出された。残す計画は、▽大栄環境▽広畑バイオマス発電▽相生バイオエナジー▽フォレストエナジー▽エフオン新宮▽シン・エナジーの6件となった。ここでは、近畿エリアにおける木質バイオマス発電動向を紹介する。

◇創意工夫で地域活性へ
湖や工業地帯の課題を解決/近畿/バイオマスの有効活用
 近畿エリアは、阪神工業地帯で経済活動が活発な一方、日本最大の湖である琵琶湖など、豊かな自然にも恵まれ、都市と田舎が調和している。ここでは、SDGsへの社会的関心が高まる中、同エリアならではの再生可能なバイオマス資源を有効活用し、地域活性や課題解決に挑戦している事例を紹介する。

◇2050年カーボンニュートラルへ
SDGsの盛り上がりも後押しに/近畿/廃棄物処理業界における脱炭素の取り組み
 国内で脱炭素化の流れが加速している。今年3月には、5年ぶりに地球温暖化対策推進法が改正され、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ目標を明記。これにより、50年カーボンニュートラルは法的根拠に基づく取り組みとなった。同法に基づく「地球温暖化対策計画」の素案が7月26日に示された他、7月21日にはエネルギー政策の方針「第6次エネルギー基本計画案」が公表され、30年の電源構成について意見が交わされている。

◇SDGs達成や細やかな協会運営を推進
全国初の女性会長に就任/松田美代子氏に聞く
近畿/インタビュー・リサイクル製品認定

 今年6月に開催された(一社)和歌山県産業資源循環協会の総会で、全国初の女性会長が誕生した。会長職に就任したのは、松田商店(和歌山市)の松田美代子会長。創業者であり夫の松田洪毅氏の健康状態が悪化したため、1999年に代表を引き継ぎ、2016年に現社長である松田多永氏へ経営を任せるまで、第一線で事業をけん引してきた。

◇パネル循環の先進エリアへ
独自の技術で適正処理/ネットワークづくりにカギ
近畿/太陽光パネル循環最前線

 使用済み太陽光(PV)パネルの廃棄問題は、気候変動に関連して多様な視点から関心が高い。脱炭素に向けた再生可能エネルギーとしてはもちろん、2030年代に迎える大量排出時代への問題意識、気象災害の顕著化によって排出が増えた損壊パネル処理――など。ここでは、近畿エリアでの太陽光パネルの導入状況や先進の処理事例を紹介する。

バックナンバーに戻る