循環経済新聞・バックナンバー“2021年12月度”

12月6日号ダイジェストニュース
◇高度選別ラインを新設
金属資源を徹底回収
- トピー工業グループ -
 電炉メーカーで自動車部品大手のトピー工業の連結子会社で、リサイクル事業を担う明海リサイクルセンター(愛知県豊橋市、鎌形和男社長)は、金属高度選別ラインを新設した。同社が保有するシュレッダープラントで発生するシュレッダーダストを再度破砕したうえで精選別することにより、ダスト中の金属資源を徹底して回収。同時に、電炉副資材としての高品質化を図る。

◇半年5万円台の高値持続
10月急減、前年66%に/廃プラ輸出動向
 2021年10月の廃プラ輸出量は、5万7979トン(金額30億3574万円、5万2359円/トン)で前年同月比が66%となった。原油高が続くことで再生プラ単価も高値のまま。輸出数量が累計で78%で前年減だが、累計金額は、105%の前年増の逆転現象となった。

◇シュレッダーダストを精選別
電炉でトータル循環を
- 明海リサイクルセンター -
 トピー工業の連結子会社で、リサイクル事業を展開する明海リサイクルセンター(愛知県豊橋市、鎌形和男社長)は、新たな金属高度選別ラインを導入・稼働した。シュレッダーダストから金属資源を精選別により回収し、有価金属の販売増とともに、ダストを活用した電炉副資材を高品質化。電炉に入る不純物元素を抑制することで、より効率的な鉄リサイクルが可能となり、ゼロエミッションとCO2排出抑制に貢献する。

◇もみ殻からシリカを短時間抽出
農業利用で地産地消の構築へ
- WEF技術開発 -
 環境関連事業を手掛けるWEF技術開発(滋賀県大津市、青山章社長)は、空気中の酸素から活性酸素を生成させる特許技術を活用し、もみ殻からシリカを短時間で抽出することに成功した。近年、農業分野でシリカの需要が高まっていることなどから問い合わせが増えている中、試験装置を製作し実験。約3時間での抽出に成功した。今後は連続処理装置の開発に着手し、抽出したシリカを地域利用する地産地消システムの構築を目指す。

◇大東市と協定を締結
災害時の木くず処理や発電で
- TJグループホールディングス -
 大阪府大東市内で廃木材処理やバイオマス発電事業等を手掛けるTJグループホールディングス(大阪府大東市、東野隼士社長)は11月10日、大東市と「災害時等における用地、施設の使用および災害廃棄物の処理等に関する協定」を締結した。協定に基づき災害時、市内の倒木や解体木材等を受け入れ、迅速に処理する体制を構築する。

◇東彼杵町と支援協定締結
災害復旧をサポート
- 長崎循環協 -
 (一社)長崎県産業資源循環協会(吉村純男会長)は11月1日、東彼杵町と「災害時における災害廃棄物の処理等の協力に関する協定」の締結式を行った。同町内で台風や地震、豪雨などで災害廃棄物が発生した際、撤去や収集運搬について、町内の廃棄物処理業者での対応が困難な場合、同協会が災害復旧を行うことが目的。

◇自動選別機で経済産業大臣賞
国内初の完全自社製AI搭載
- ウエノテックス -
 破砕機メーカー大手のウエノテックス(新潟県上越市、上野光陽社長)は、国内初となる完全自社製AIを搭載した廃棄物自動選別装置「URANOS」の開発等を通じた3Rの促進が評価を受け、「3R推進功労者等表彰」の経済産業大臣賞を受賞した。

12月13日号ダイジェストニュース
◇大型処理施設が新春開業
木更津市に1万7000坪/建廃を破砕選別
- 和幸 -
 解体工事や建廃処理の和幸(千葉県木更津市、前橋和則社長)は来年1月、同市に1万7000坪の処理工場を開業する。混合物や土混じりの下ごみの精選別に力を入れ、東京湾を囲うように立地するグループ企業由来の廃棄物が新工場の荷物の中心になるという。

◇リサイクルは5素材で達成
自主行動計画の目標に対して/国内資源循環を後押し
- 3R推進団体連絡会 -
 容器包装の3R(リデュース、リユース・リサイクル)に取り組む8団体でつくる3R推進団体連絡会は12月3日、東京都内で自主行動計画2020年度フォローアップ報告を行った。リサイクルについては8素材中、PETボトルとスチール缶、アルミ缶、プラスチック容器包装、段ボールの5素材が自主行動計画2020で設定した20年度の当初目標を達成したことを明らかにした。

◇適正な自動車循環構築
事業開始40周年を迎え
- USSグループ -
 中古車オークション最大手のUSSは、2022年にオートオークション事業開始40周年を迎える。公平・公正なオークションシステムを構築し、自動車リユースの適正化に寄与。リサイクル業者と連携して再資源化にも取り組み、自動車循環ビジネスの先駆けとして業容を拡大している。

◇「みどりくん」製造へ
食品残さ加工肥料で初登録/東京農大からプラント移設
- 大村商事 -
 埼玉県志木市・朝霞市を拠点とする一般廃棄物処理業者の大村商事(本社・志木市、大村相哲社長)は、東京農業大学から引き継いだ「みどりくん」生ごみ肥料化プラントの実用化を目指す。12月1日には、プラントを移設した朝霞支社で、開発者の後藤逸男・東京農業大学名誉教授ら関係者約40人を招いてオープニングセレモニーを開催した。

◇タケエイ、リバーHD両社増収増益
中間処理順調、スクラップ高値推移など
- TREホールディングス -
 TREホールディングスは11月25日、2022年3月期の決算説明についての動画を公開し、阿部光男社長は、タケエイ、リバーホールディングスの両グループで売上・利益共に大きく伸ばしたことを明らかにした。

◇AIで判別、処理費を提示
公式LINEにボットを導入
- 信州ウェイスト -
 産業・一般廃棄物の処理・リサイクル事業等を展開する信州ウェイスト(長野県伊那市、小林源吾社長)は、同社が運営するLINE公式アカウント「源さんのLINE」に、顧客から送付された粗大ごみの画像をAIによって自動で判別して処理費を提示するシステム(ボット)を導入した。

◇素材の由来を追跡管理するシステム
Circular Naviをリリース
- JEMS -
 排出企業向けの環境コンプライアンス管理BPOサービス等を手掛けるJEMS(本社:茨城県つくば市、須永裕毅社長)は、ブロックチェーンを活用した循環型サプライチェーンを実現するためのトレーサビリティシステム「Circular Navi(仮称)」をリリースした。販売開始は2022年1月の予定で、現在は共創パートナーとなる企業を募集している。

◇全国で計画される木質バイオマス発電
木質バイオマス発電所マップ
 ここでは、全国各地で計画される木質バイオマス発電事業(石炭混焼や非FIT電源含む)を全国MAP化・一覧化し、どの地域でどれほどの規模の発電所の建設が進んでいるのかを紹介する。
 全国MAP(8面)には、今年12月以降に稼働する53件の発電計画のみを掲載。9面のリストでは、すでに完成した施設も含めた163件の発電事業を、稼働順に一覧化した。

◇記事で振り返る<2021年1~11月>
 2021年は、新型コロナウイルス感染症拡大を起因とする緊急事態宣言が長期化し、極めて異例となる無観客(一部例外有)でのオリンピック・パラリンピックが開催された。産業廃棄物処理業では、プラスチック資源循環法が成立した他、各種通知の発出、マニュアルの整備等、制度面でも大きな変化が生じた年となっている。テレワークやリモート会議が普及したことで各団体の総会やイベントもオンラインを活用する事例が増えてきた。時代の変化に合わせた取り組みが普及しつつある。

---- 納刊のお知らせ ----

本年は12月13日号で納刊となります。新年は1月1日・3日合併号の新春特別号からの発行です。

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