循環経済新聞・バックナンバー“2001年10月度”


10月1日号ダイジェストニュース

◇一廃・産廃を生活系・事業系に
廃棄物の区分・定義で提言

- (社)全産廃連 -

廃棄物処理法上の廃棄物の区分・定義等の見直しを審議する中環審廃棄物・リサイクル部会の廃棄物・リサイクル基本問題専門委員会(委員長・古市徹北海道大学教授)で今月から環境団体等へのヒアリングが始まるが、(社)全国産業廃棄物連合会(國中賢吉会長)は産廃処理業界として「廃棄物の定義・区分及び感染性廃棄物の客観的定義について」の意見書をまとめた。廃棄物の定義や区分・分類、感染性廃棄物の客観的定義について考えを示したもの。有価・無価にかかわらず保有者が廃棄しようとするものを廃棄物とし、廃棄物の区分・分類ではこれまでの一般廃棄物、産業廃棄物のカテゴリーを撤廃し、生活系廃棄物、事業系廃棄物、リサイクル可能物、管理廃棄物、特殊廃棄物などの区分を設定した。



◇古紙原料の発泡体で協組
プラント受注と製造・販売

- 鈴木工業など6社 -

鈴木工業(仙台市若林区、TEL: 022-288-9201)は、古紙問屋など6社と共同で、古紙を原料にした発泡体の製造・販売、プラントの受注を行う「パルフォーム事業協同組合」を設立した。10月から生産を開始。年間3000m3を生産、売上げ7000万円を目指す。



◇建汚資源化、年間4万t目標
仙台に造粒・固化システム

- ジャイワット -

建設汚泥を山砂相当と言われる改良土に改質しているジャイワット(本社・仙台市、社長・高崎三晴氏)は今年度の建設汚泥の受入目標量を4万tとした。建設汚泥を天然高分子配合の改質材で造粒固化するもので日量480m3の処理能力と200m3の貯泥容量を持つ。同社は昨年6月に仙台市宮城野区内で改質中間処理業を立ち上げ、昨年6月から今年8月までで計1万8千tの処理実績を挙げている。土木工事が下火の今年の4-8月で1万t強の処理実績を挙げ、公共工事等が盛んになる今秋以降はこれを上回るペースでの汚泥搬入と改良土出荷が見込めるとしている。



◇22t飼料化施設完成
処分業にも進出

- ニューロン興業 -

ニューロン興業(本社・仙台市、TEL: 022-782-3155、代表取締役・天江新六郎氏)はこのほど、仙台市内に日量22t処理の有機性廃棄物の飼料化施設を完成させた。



◇生ごみ分解に新素材
球状繊維成型物を利用

- 東京都立産業技術研究所 -

東京都立産業技術研究所は、炭素繊維の廃材から作った球状繊維成型物を生ごみ処理機の担体に利用する実験を行い、従来の木質チップと同様の減量効果があり、かつ繰り返しの使用にも耐えられることを確認した。今後、生ごみ処理機メーカーとの共同開発や要望に応じて技術移転も検討していく。



◇廃プラ製品を買い取り
中国で成形品に再生

- セイコーインターナショナル -

セイコーインターナショナル(東京都江東区、TEL: 03-5858-3767)は、加工メーカーから出るプラスチック製品の不良品や試作品、産業廃棄物の中間処理会社から出るパソコンなどの外枠を中国の工場で再生ペレット化、成形品を製造する一貫ラインを構築している。



◇雨水利用タンクを展示
廃ガラスの発泡体がろ過し保水

- フォレスト群弘 -

フォレスト群弘(群馬県前橋市、TEL: 027-223-9004)が開発した雨水を廃ガラスびんから製造した発泡体でろ過してタンクに溜め、散水などに利用する「ステルス」がこのほど、埼玉園芸市場(埼玉県加須市)に展示された。



◇定義・区分、許認可見直しへ
EPR、利権整理など課題山積

- 中央環境審議会 -

本紙既報のとおり、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の廃棄物・リサイクル基本問題専門委員会(委員長=古市徹・北海道大学教授)は現在、廃棄物処理法上の廃棄物の定義について議論を進めている。



10月8日号ダイジェストニュース

◇焼却炉の冷却解体工法で初受注
2003年までに20件の獲得目指す

- エア・ウォーター、西原産業 -

エア・ウォーター(本社・大阪市)と西原産業(本社・大阪府東大阪市)は、冷却工法による焼却炉の解体をはじめて受注、10月9日から施工を開始する。今後、ダイオキシン類対策特別措置法に伴なう焼却炉の解体需要が2003年度の上期にピークを迎えると見ており、自治体を中心に20件の受注を目指す。



◇残さ・燃え殻等の品質安定
再生利用にらみ設備改良

- 兼松環境 -

千葉県船橋市で日量150tの焼却炉を中心に破砕機や圧縮機を設置し建設混廃を主力業務とする産業廃棄物処理業を営む兼松環境(本社・千葉、社長・牧勝久氏)は、ダイオキシン類対策に基づく廃棄物処理法上の構造・維持管理基準に対応する設備改善を終了するとともに、燃え殻や安定型残さの再生利用の促進に着手した。再生利用は現在テスト運転の段階で、約80%以上のマテリアルリサイクル率を目標値に掲げている。



◇PET再生材からごみ袋
国内で初めて製品化に成功

- 内海企画 -

PETボトルの受入れからフレーク化、シート・玉子パックなどの成型、製品販売まで一貫リサイクル事業を手がける内海企画(大阪市)では、PET再生材を使ったごみ袋の製品化に国内で初めて成功したことを明らかにした。すでに近畿の自治体から受注し量産体制に入っている。



◇PETボトル伸び悩む
プラ製再商品化量は4倍に

- 容器包装リサイクル法実績 -

環境省によると、プラスチック製容器包装の再商品化量が4〜6月の対前年度比で4倍を超え、紙製も同3.4倍と大幅に増加している一方で、昨年度まで飛躍的な伸びを示していたPETボトルの分別収集量が1.4倍止まりと伸び悩んでいることが分かった。



◇畳リサイクル工場が稼働
木くずリサイクルとセットで

- グリーンサイクル -

グリーンサイクル(本社・名古屋市、社長・高取美樹氏)は、化学畳総合リサイクルセンター(CRC、事務局・東京)から1,000万円の資金援助および技術支援を受け、畳のリサイクル工場(名古屋市港区昭和町)を完成、10月1日から操業を開始した。



◇大手ハウスメーカーから都下現場受注
今月から段ボールを巡回回収

- 東建エコリーグ -

都内の回収業者の有志が集まり、収集運搬効率を考えて地割りし建設現場から発生する段ボール等の資源回収に取り組む東建エコリーグ(事務局・東邦興運内)は、今月から大手ハウスメーカーの東京都下の住宅建設現場から段ボールを回収することになった。この1社だけで年間600tを回収する見込みだ。



◇生ごみ発酵物を牧場に
処理機の生成品で畜ふんの発酵促進

- フードサイクルシステムズ -

環境システム販売のフードサイクルシステムズ(本社・埼玉)は、食品関連事業者などを対象に、業務用生ごみ処理機を販売して生成品を牛ふんの発酵促進材として酪農家などに提供する、独自のリサイクルシステムを提案している。食品リサイクル法の施行を受けて事業を拡大。今後2、3年のうちには処理機の販売で1,000台突破を目指す。



◇京都駅ビルの生ごみ回収へ
コンポスト化実証を開始

- ジャパン・エコ・テックス -

京都の魚あらリサイクル業者が設立した新会社ジャパン・エコ・テックス(JET)は、廃棄物処理業大手の太誠産業(東京)と協力して10月からJR京都駅ビルで発生する食品残さの肥料化テストを本格スタートした。食品リサイクル法に伴なう関連ニーズへの対応に向けて事業化の可能性を探る。



◇ダイオキシン対策で施設減少
43事業所中16カ所で廃止へ

- 東京の産廃焼却施設 -

東京都のまとめによると今年7月現在、都内にある43事業所(52炉)の産業廃棄物焼却施設(廃棄物処理法施行令第15条施設)のうち、16事業所が廃止することがわかった。来年12月から完全施行されるダイオキシン類対策のための新しい構造基準・維持管理基準への対応に伴なうもの。43事業所の炉の合計処理能力は日量523tで、このうち廃止16事業所の合計は日量69tだった。



10月15日号ダイジェストニュース

◇食肉処理残さ、産廃扱いへ
肉骨粉、認定制度でセメント原料化も

- 環境省 -

狂牛病問題に関連して、環境省は現状では一般廃棄物に該当する食肉残さについて廃棄物処理法の政令改正を行い、動植物性残さの定義を変更して産廃に位置付けることを検討する。肉骨粉は一般廃棄物に位置付けるが、清掃工場の炉改善や廃止が続いていることから、環境大臣の広域再生利用の認定制度を活用してセメント焼成原料で利用できる仕組みを作る意向を固めた。



◇ダイオキシン含有のばいじん・汚泥などが特管産廃に
ジクロロメタンも追加

- 環境省 -

環境省はジクロロメタンを含む廃油・汚泥・廃酸・廃アルカリとダイオキシン特措法関連で廃棄物焼却施設などの特定施設で発生するダイオキシン類を含む汚泥、廃酸、廃アルカリ、製鋼用電気炉などから生ずるダイオキシン類を含むばいじんなどを特別管理産業廃棄物として新たに追加する。特措法の特定施設に、硫酸カリウム製造の用に供する廃ガス洗浄施設などを追加する政令の改正が進められており、これらの施設にも対応する。



◇焼酎かすを減圧乾燥し飼料化へ
7社の共同、日量20tの処理プラント着工

- 西薩クリーンサンセット事業協同組合 -

鹿児島県内の焼酎メーカー7社が出資した「西薩クリーンサンセット事業協同組合」は10月14日、各社の焼酎かすを減圧乾燥・飼料化する共同処理プラントを着工した。処理能力は日量210t。処理物を飼料会社へ販売するルートも確保し、来春から事業に乗り出す。県内ではサザングリーン事業協同組合に続いて2番目の広域処理体制となる。



◇PFIのたい肥施設が稼働開始
畜ふん、生ごみを日量30t処理

- オーガニック金ヶ崎 -

家畜ふんや生ごみをPFI方式でたい肥化するオーガニック金ヶ崎(岩手県金ヶ崎町)の施設が、試運転期間を経て本格稼働を開始した。1日あたり最大30tを処理し、4tのたい肥を製造する。円形発酵槽と平面発酵槽の2つの処理ラインを備える。たい肥は、岩手ふるさと農業協同組合が1t4,000円で買い取る。



◇車載型圧縮梱包で初受注
容器包装プラ処理を請負

- 日本通運 -

日本通運は日本鋼管と共同で開発した容器包装プラの車載型圧縮梱包システムを活用した選別・圧縮・梱包業務を神奈川県大磯町から初めて受託した。簡易舗装などの保管場所の整備や年間1,500t程度の容器包装プラの異物の選別・除去、圧縮梱包などを行う。



◇繊維製品を共同で再生へ
ユニフォームなどを3Rへ

- 帝人など3社 -

帝人、日清紡績、日本毛織の3社は10月から新たに繊維製品の共同リサイクル事業を開始した。3社が運営する「トライアングルリサイクルシステム」が窓口となり、エンドユーザーから製品を回収する。マテリアル、ケミカル、サーマルの3方式でリサイクルする。当面、ユニフォームや白衣、学生服などから着手していく。



◇塩ビ管回収、前倒しで全国50カ所に
下水道用管材にも再生原料

- 塩化ビニル管・継手協会 -

塩化ビニル管・継手協会(東京)は、来年3月末までに全国50カ所に使用済み塩ビ管・継手回収拠点を置く目標を立てていたが、12月中にも前倒しで達成できる見通しになった。用途拡大としても、新たに下水道用リサイクル3層硬質塩化ビニル管(規格名、AS62)に再生原料を利用する方針を固めた。



◇再生業者の中古扱い増える
パソコンリサイクル、独自技術で差別化も

- 事業系PC再生業者 -

今年4月の改正リサイクル法で事業系パソコンの再生利用がメーカーに義務づけられたが、広域再生利用指定の遅れで再生業者の多くは入荷量がほとんど増えていない。排出者が中古販売業者に販売するケースが増え、これに対して再生業者がリユース品の取り扱いを開始するなど競争は激化。ノートPC再生の技術開発に力を入れる再生業者もあり、液晶をモジュールごと溶融して貴金属を回収する研究などを進めている。



◇緑地囲みの安定型最終処分場が完成
容量30万m3、市の公共工事系を受入

- 小野田市 -

山口県小野田市は、緑地と安定型最終処分場が一体となった全国でも珍しい処理施設「有帆(ありほ)緑地」が完成し、受け入れを開始した。容量は30万m3で、基本的に市内の公共工事などで発生する残土と建設系の産廃のみを受け入れる。緑地は7.1haで、40種約2万5,000本の樹木を植え、芝生広場、アスレチックなどを備える。



10月22日号ダイジェストニュース

◇焼却灰等の溶融施設が竣工
建設混廃の破砕・選別ラインも

- リフレックス -

リフレックス(本社・横須賀市、社長・古敷谷裕二氏)は横須賀市浦郷町に焼却灰・ばいじんの大型溶融施設を、同市内川に混合廃棄物の破砕・選別施設をそれぞれ竣工、今秋から本格稼働の運びとなった。溶融施設は横須賀市から一般廃棄物処分施設の許可を得て日量120tの処理能力を持ち、一廃系の焼却灰を中心に受け入れる。破砕・選別ラインでは主に建設系の混廃が対象で、120m3の受入能力を持つ。



◇産廃破砕施設を新設
168t/日のがれきを処理

- 環境開発公社エムシーエム -

環境開発公社エムシーエム(本社・宮城県古川市、社長・本郷雅昭氏)は、産業廃棄物の破砕施設を新設した。破砕施設にはロータリーハンマーを採用。処理能力は、木くずが61.2t/日、がれき類が168t/日。ほかに廃プラスチック類、紙くず、繊維くず、金属くず、ゴムくず、ガラスくず及び陶磁器くず。



◇広島で焼却・溶融炉が稼働
ダイオキシン対応と再生利用を推進

- 将英運送 -

広島県内で産業廃棄物の処理を手掛ける将英運送(本社・広島県府中町、社長・池田英明氏)は、瀬野町内の保管処理場に乾留ガス化による焼却と灰溶融を一貫で行なう処理施設を設置、稼働を開始した。ダイオキシン類対策のための構造・維持管理基準に適合し、日本政策投資銀行の融資を受けて設置。来年12月をめどにフル稼働を目指す。



◇PET再生事業を多角化
改質樹脂や成型品も販売へ

- 大剛 -

関西の廃棄物処理大手・安田産業グループでPETボトルなどを再商品化している大剛(京都府八幡市)は、クラレグループと提携して改質済み再生PET樹脂の外販やOEMによる射出成型品の製造販売など、PET関連事業の強化に乗り出すことを明らかにした。新たに大剛が再商品化したPETフレークに、クラレリビング(大阪市)が提供するアクリル系PET樹脂改質剤「パラフェイス」を添加、結晶化したペレットを販売する。



◇夜間、戸別収集が効果
カラス対策で報告書

- 東京都 -

東京都のカラス対策プロジェクトチームはこのほど、ごみの夜間収集や戸別収集が効果的だとする報告書をまとめた。緊急対策として、具体的には、2002年3月までトラップを設置してカラスを捕獲し、目に見える形で減少させるほか、夜間収集やごみ集積所の工夫などを市町村に提言。生息数などの調査を行う。



◇特殊なハエを使い、畜ふんを肥料に
自社農園でモデル事業

- フィールド -

フィールド(本社・宮崎市)は、特殊なイエバエの幼虫を使い、鶏ふんなどの畜産廃棄物を有機肥料に変える技術を実用化、全国から注目を集めているが、近々、宮崎県都農町の自社農園に大型プラントを設置、モデル事業をスタートさせる。



◇廃食油から燃料を再生
大量処理の事業所には無料貸与

- コマツ三重 -

コマツ三重(本社・三重県)は金沢大学と共同で、大量の廃食用油をバイオディーゼル燃料(BDF)に再生する装置を開発した。日量1,500リットル以上処理する食品事業所には本体を無料で貸し出し、製造したBDFを1リットル当たり60円で販売する。



◇高圧下で生ごみを蒸煮処理
プラ混入物の分別不要に

- 大和ハウス -

大和ハウス(本社・大阪市)は10月から、PETボトルなどが混入した生ごみを回収袋ごと高温高圧下で蒸煮処理する「有機性廃棄物リサイクルプラントマブチMZ」を発売した。肥料や飼料、土壌改良材などに再生できるという。有機性廃棄物を大量に排出する食品工場や自治体などを対象に営業を展開していく。



◇日量12tの専焼炉を新設
廃乾電池資源化を効率化

- 野村興産 -

野村興産(本社・東京)はこのほど、北海道留辺蘂町のイトムカ鉱業所の使用済み乾電池のリサイクルラインに、生産能力12tの専焼炉を新設した。従来、1次処理は多段式倍焼炉の3号ヘレショフ炉で行っていたが、この炉は、ソフトフェライト原料の再培焼にも併用、2ヵ月交替のため、コスト増の弊害を招いていた。



◇肉骨粉の受入処分開始
一廃許可、焼却溶融で対応

- シンシア -

シンシア(本社・東京、中西雄三社長)は10月6日から、同社の焼却・溶融施設「R・Cセンター」(東京都品川区)で肉骨粉の受入処分を開始した。1,300℃以上の高温で焼却・溶融して無害化する。廃棄処分される肉骨粉については環境省が「一般廃棄物」としたが、同社は産廃処分業・処分施設に加えて希少な一廃処分業・処分施設の許可をもっており、許可上の問題もない。



10月29日号ダイジェストニュース

◇2001NEW環境展・名古屋会場特集号
新産業創出へ、名古屋で127社425小間の規模

- 2001NEW環境展・名古屋会場 -

web情報はこちらから

 11月8日(木)から11日(日)の4日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催される「2001NEW環境展・名古屋会場」の特集。

* 中部産業界の環境ビジネス探求(2面)
* 名古屋市ごみ減量化への道のり(3面)
* 中部における生ごみ処理対策(7面)
* 出品案内(23〜31面)など



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