循環経済新聞・バックナンバー“2001年11月度”


11月5日号ダイジェストニュース

◇3セク産廃施設建設へ
日量84トンの溶融炉ほか

- 佐賀県 -

佐賀県の県有地に産廃処分場の建設計画を進めてきた第3セクター佐賀県環境クリーン財団は、日量84トンのガス化溶融炉と日量12トンの破砕施設、41万5,000m3の管理型処分場の施設設計に着手することを決めた。2002年度着工予定で、04年度中の完成見通しだ。



◇廃掃法の改正要望へ
一廃施設許可問題を検討

- 古紙再生促進センター -

古紙再生促進センターは10月16日、古紙価格の下落で問題となる廃掃法の一般廃棄物処理施設の許可問題を検討するための勉強会を設置した。古紙問屋では、古紙を逆有償で引き取る場合に一廃処理施設の許可が問題となることから、その対象となるかどうかの検討を行う。



◇廃石膏ボ処分で新受入れ基準
12月から紙類付着物不可に

- 北九州市 -

北九州市は、市の海面埋立処分場「北九州市響灘西地区廃棄物処分場(北九州市若松区)」及び「北九州市日明積出基地(北九州市小倉北区)」での廃石膏ボードの受入れ基準を強化。12月1日から紙類の付着した廃石膏ボードの受入れを全面的に中止する。



◇1日12tリキッド飼料化
中間処理業許可も取得

- エコ・フードシステム -

(有)エコ・フードシステム(社長・熱田正行氏、千葉県匝瑳郡野栄町、TEL:0479-67-1025)は食品残さから1日12トンのリキッド飼料を製造する設備を稼働させている。今年6月には産業廃棄物中間処理業の許可を取得した。今後、能力増強とフランチャイズ展開も計画している。



◇感染廃を溶融、無害化
プラズマ技術を活用

- 小池酸素工業 -

小池酸素工業(環境システム部・千葉県市川市、TEL:047-376-1063)は、V字アークプラズマ技術を使った感染性廃棄物溶融処理システム「DOMIWS(ドミュウス)」を開発、千葉県市川市内で10月3、4日の2日間、完成発表会を実施、実演などを行った。



◇独自ルートの家電再生を展開
一台2,500円で回収可能に

- カンポリサイクルプラザ -

カンポリサイクルプラザ(京都府園部町)は10月22日に使用済み家電再生プラントを竣工、焼却事業と同じく11月から家電再生事業をスタートする。従来のA・Bルートに属さず独自の回収網を構築しているのが特徴だ。



◇再生資源回収利用法など相次ぎ制定
廃液、廃ガス、固形廃をリサイクル

- 中国情報 -

9月20日に開催された中国資源総合利用協会第2回代表大会で、国家経済貿易委員会の張志剛副主任は、今年度から始まった第10次5カ年計画中に『再生資源回収利用法』『金属尾鉱(処理屑)総合利用管理法』『使用済み家電・コンピュータ管理法』などの法律を速やかに制定し、資源の総合利用を促進すると発言した。共存鉱・共生鉱(鉱物集合として産する鉱物)物資源の総合利用や廃液、廃ガス、固形廃棄物のいわゆる“三廃”のリサイクルなどをモデルとして実施するという。



◇鉄鋼スラグで保水性舗装
ヒートアイランドの抑止に

- 川崎製鉄/鹿島道路 -

川崎製鉄(東京都千代田区、TEL:03-3597-3844)は、鉄鋼スラグから保水性固化体を作る技術を開発。さらに、鹿島道路(東京都文京区)と共同で、同固化体とアスファルトを複合化したヒートアイランド現象を抑制する保水性舗装技術を開発した。



◇焼却炉煙突洗浄サービスを受注開始
遠隔操作ロボットで安全に施工

- 環協エンジニアリング -

環協エンジニアリング(本社・京都市、TEL:075-622-3236)は、焼却炉煙突の自動洗浄サービスについて、本格的な受注活動を開始した。ワイヤーで吊り下げた洗浄ロボットを遠隔操作して作業を行うのが特徴。2002年度は月間3本を受注し、5,000万円の売上げを目指す、としている。



11月12日号ダイジェストニュース

◇食リ飼料施設が稼働
畜ふん、汚泥は肥料に

- 岩手再資源開発 -

岩手再資源開発(岩手県東山町、社長・那須健三氏)は、食品加工残さを飼料化して養豚・養鶏農家に販売し、各農家からは畜ふんを引き取り肥料化するという、循環型の処理事業に乗り出した。



◇レジ袋税を上程
「エコシール」制度も導入

- 東京都杉並区 -

東京都杉並区は11月2日、議会にレジ袋税の条例案を上程した。区内で年間約1億7,000枚使用されているレジ袋を初年度で20%、将来的には60%の削減を目指しており、年間1億円とされる処理費の削減を図る。名称は「すぎなみ環境目的税」とし、レジ袋1枚に付き5円課税する。税収は、廃棄物の減量やリサイクルの推進など環境保全に関する施策の費用に充てる。先行してレジ袋を辞退した消費者に配付する「エコシール」制度を導入する方針。



◇帯広に石膏ボード設備
時間2tの処理能力

- マテック -

各種廃棄物の処理・再生・管理型処分まで広く手掛けるマテック(北海道帯広市、社長・杉山博康氏)は、新たに廃石膏ボードの石膏・紙分離システムを導入した。石膏は土壌改良材や肥料として、紙の一部は敷料として有効利用する。カネト製作所の技術を導入し、1軸の1次破砕機で粗破砕した後、2軸の2次破砕機で粗破砕したボード同士をたたくように砕いて石膏と紙を分離する。粒度選別装置で石膏粉と紙に分別してそれぞれ搬出するもの。



◇高速発酵式で生ごみリサイクル実証
養豚飼料やコンポストに

- 太陽クリーナー -

市の受入単価は現在、10キログラム84円。主に事業系一廃を取り扱う太陽クリーナーではこれまで生ごみなど可燃物の大半を広島市の焼却炉で処分しており、コストは月間で1,500万円にものぼっている。



◇酸素燃焼方式で飛灰を溶融
焼却施設に売込み図る

- 東邦ガス -

東邦ガス(本社・愛知県)は、大同特殊鋼(本社・愛知県)、日本酸素(本社・東京都)と共同で、ごみ焼却施設から発生する飛灰を高温で溶融処理できる「都市ガス火炎式酸素バーナ」を開発した。酸素燃焼方式により1,800℃以上の高温で飛灰を燃焼、溶融して5分の1程度に減容する。装置の販売は大同特殊鋼が担当。酸素バーナーを組み込んだ飛灰溶融システムとして、自治体や小規模焼却施設などを中心に売り込みを図る。



◇5秒で200本のくぎ抜き
廃パチンコ台処理向けに

- クツワキカイ -

クツワキカイ(本社・京都府八幡市)は、廃パチンコ台専用の高速くぎ抜き機「M-V型」の本格的な製造・販売に乗り出した。5秒で約200本の自動くぎ抜きが可能で、これまでに名古屋などを中心に10台の納入実績を持つ。今後は年間50台の販売を目指す。



◇エコデザイン賞を受賞
ガラス再資源化ネットワークで

- クリスタルクレイ -

クリスタルクレイ(東京都荒川区)は10月30日、グッドデザイン賞のエコロジーデザイン賞・新領域部門を受賞した。



◇鳥取は条例案、九州は広域で検討
中間処理搬入に課税の案も

- 産業廃棄物税 -

2002年4月から実施する三重県での産廃税の導入をきっかけに、全国各地で産廃税導入が検討されている。



11月19日号ダイジェストニュース

◇木材は40〜50km圏で資源化義務
間もなく建設リサイクル法政省令案

- 国土交通省 -

建設リサイクル法の政省令案が間もなく国土交通省から公表され、12月中にも公布される。再資源化の義務規定については、コンクリートとアスファルト・コンクリートは全量リサイクル施設に持ち込むことを求める。木材は半径40km、または50km圏内の距離規定を設け、圏内にリサイクル施設がある場合は同施設への持ち込みを義務付け、圏内にリサイクル施設がなければ縮減(焼却処理)を認める。



◇批准は発効時、最短で03年
海洋投棄規制のロンドン条約

- 環境省 -

環境省はロンドン条約(廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する国際条約)について、日本は条約の発効時に批准するが、国会の法整備や発効手続きを考慮すると最短でも2003年以降に批准するとの見通しを示した。先月には、ロンドンの国際海事機関(IMO)で開かれた第23回締約国会議に出席し、日本として赤泥の海洋投入処分量を可能な限り削減し、投入処分について総合的な環境影響評価を行い環境影響を及ぼさないことを明らかにしていくと説明した。



◇九州初の本格建廃総合中間
処理能力150t/日で計画

- 中山リサイクル産業 -

中山リサイクル産業(福岡県)は、北九州市エコタウン事業の総合環境コンビナート(北九州市若松区)に、建設廃棄物の総合中間処理工場を建設する。年内に着工し、2002年7月には完成、10月までに本格稼働へ入る。能力は150t/日(8時間)で、月間25日稼働として3,750tを処理できる。



◇医廃の循環利用システムが始動
マテリアルリサイクルと固形燃料で全量再生

- 麻生鉱山 -

麻生鉱山(福岡県)は10月31日、北九州市エコタウンに建設していた医療廃棄物再生工場「エコノベイト響」を竣工した。来年1月に操業し、初年度は5,000tの回収を目指す。破砕機・高周波加熱滅菌装置、選別機、固形燃料製造機、成型機などを備え、処理能力は1日当たり24t。破砕・滅菌した後、素材ごとに選別する。マテリアルリサイクルできるプラスチックは工場内で医廃収集容器に再生し、契約先の病院で利用する。その他の素材は工場内で固形燃料にして麻生グループのセメント工場で利用。鉄やガラス分も、セメント原料として利用する。



◇フリースを店頭回収
断熱材、発電燃料に再生

- ファーストリテイリング -

カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(山口市)は9月から同社で販売したフリース素材の製品の店頭回収を全国的に開始した。東レと提携し、東レの関連会社の反毛処理工場で再生、断熱材に加工する。この処理能力を超える量が集まった場合には、サニックスの太田工場(群馬県太田市)で破砕して、建設中のサニックスの発電プラント(北海道苫小牧市)に輸送し、粒状化して燃料に利用する予定。



◇畳回収システム立ち上げ
素材選ばずセメント原燃料に

- 大建工業 -

大建工業は、太平洋セメントと宇部興産と連携した全国規模の古畳回収システムを考案。インシュレーションボードのみならず、スチレンフォーム及びわらを畳床とする製品を含めた回収システムを立ち上げた。宇部興産は宇部セメント工場(山口県)で太平洋セメントは秩父太平洋セメント(埼玉県)でそれぞれ廃畳を受け入れる。



◇生ごみたい肥の試験を実施
飼料化プラントも計画

- フジコー -

昨年10月にオープンし、1日約40tの食品廃棄物をたい肥化するフジコーの白井再資源堆肥化センター(千葉県白井市)では、製造したたい肥を使った生育試験を、(社)日本土壌協会に委託し実施している。今月中には作物を収穫して、詳細な分析に入る。また来年3月を目標に、同センター内に日量30トンクラスの飼料化施設を設置する計画で、現在プラント等の選定中だ。



◇留守番フィルターを開発
三菱地所との研究で発案

- 日本クリーンテック -

日本クリーンテック(さいたま市)は、フィルターの洗浄期間中に代替使用してもらう留守番フィルター「リリーフフィルター」を開発、付帯サービスとして供用を開始した。三菱地所との共同研究の中で発案したもので、日本クリーンテックによる使用済みフィルターの洗浄期間、顧客が予備用フィルターを保管する手間とスペースを不要にする。



◇使用済みマネキンから新マネキン作成
再生FRP製品でエコマーク

- モード工芸 -

マネキン製造のモード工芸(埼玉県富士見市)が製造販売する再生FRP製のマネキンと植栽用プランタ「Plaコンテナ」が、エコマーク製品として(財)日本環境協会から認定された。FRP(強化プラスチック)でつくられた使用済みマネキンを原料にした。FRPの再生による製品化はエコマーク製品の中でも前例がない。



◇県外産廃に届出制度
施設設置で住民説明会も義務化

- 愛知県 -

愛知県は、「愛知県産業廃棄物適正処理指導要綱」の改正を実施した。2002年1月から施行となる。県外産廃の搬入について、排出事業者は県外産廃を県内の中間処理・最終処分場に搬入しようとする場合、搬入時の30日前までに知事への届出などが義務化された。処理施設設置については、住民説明会の開催なども義務付けられた。



11月26日号ダイジェストニュース

◇一廃・産廃発電に証書制度
新法案提出も想定

- 総合エネルギー調査会小委員会 -

ごみ発電の418万kw/hなど国が2010年度の新エネルギー導入目標を掲げたのを受けて、経産相の諮問機関になる総合エネルギー調査会の小委員会は今月19日、新エネなど再生可能エネルギーの電力導入を促すためのPSP制度(Renewables Portfolio Standard証書を用いた再生可能エネルギーの導入基準制度)を活用する方針を固めた。



◇日量69tのたい肥化施設が完成
3セクで本格稼働へ

- 大分県山香町 -

大分県山香町と県が建設していた日量69t処理のたい肥化施設「山香グリーンエコランド」が総事業費約9億円で完成、町内から出る乳牛・肉牛・豚・鶏の排せつ物の受け入れを開始した。施設の運営は第3セクターの「町地域活性センター」に委託。たい肥はすべて持ち込みでふん尿1tにつき300円を農家が負担する。



◇高崎に発泡スチロールリサイクル工場
溶剤減容物を買い取り、ペレット化

- メディック -

メディック(東京・新宿)は12月15日、群馬県高崎市内に発泡スチロールのリサイクル工場を完成する。店頭などで排出した発泡スチロールを溶剤で減容したものを買い取り、ポリスチレン(PS)をリサイクル装置で分離、ペレット化する。処理能力100kg/hのリサイクル装置を設置。埼玉県戸田市にも工場があり、12月から2工場で月間20〜30tの処理を行なう予定。



◇廃畳リサイクル工場が本格稼働
大阪で月間5,000枚の受入体制

- ASDエコシステム -

ASDエコシステム(本社・大阪市)は、大阪府藤井寺市内に廃畳のリサイクル工場を完成。10月30日付で産業廃棄物中間処理業の許可も取得しており、解体現場の発生物などを中心に集荷・受け入れを本格化させる。処理能力は月間5,000枚。処理対象物はわら畳及び発泡ポリスチレンフォームを畳床に使用した化学畳を中心とする。



◇新築系リサイクル率50%に
解体系排出、試算値下回る

- (社)石膏ボード工業会 -

(社)石膏ボード工業会は、新築系の石膏ボードのリサイクル率が2000年度の目標値38.3%に対して約50%に達しており、同年の解体系の排出量も当初試算した約118万tではなく、60万t弱にとどまっているとの現状見通しを示した。



◇木くずリサイクル事業を立ち上げ
チップ化から炭化製品化まで

- 清本組 -

一般土木及び解体、産廃中間処理事業などを手掛ける清本組(本社・和歌山県上富田町)は、木くず破砕施設及び連続炭化プラントを新設した。20t/hの処理能力で、解体系木くずから伐開材など生木系までをチップ化できる。生産した木くずチップは自社グループ会社の連続炭化プラントで処理し、炭化製品原料化していく。



◇食品リサイクルたい肥の施設が着工
日量10t規模で来年1月にも完成へ

- 百姓倶楽部 -

茨城県下妻市内で、農事組合法人百姓倶楽部(代表理事・鶴見清忠氏)が計画を進めてきた食品廃棄物のたい肥化施設が10月末までに着工した。日量10tの食品廃棄物を受け入れ、組合員が自ら使用するたい肥を製造する施設で、早ければ来年1月中にも完成し、試運転期間を経て本格稼働に入る。



◇栃木にPETボトルリサイクル工場
東日本最大、年間1万6,000tの処理能力

- ジャパンテック -

東日本最大の処理能力を持つジャパンテック(栃木県上都賀郡栗野町)のPETボトルリサイクル工場が今年4月に稼働を開始。現在、指定法人ルートで回収したPETボトルの再商品化を行っている。同工場の処理能力は年間1万6,000t。宇都宮西中核工場団地内にあり、今年は市町村と約9,000t弱のPETボトルの処理を契約している。



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