循環経済新聞・バックナンバー“2001年12月度”
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◇有機汚泥発酵プラントを増設
オオブユニティ(本社・愛知県大府市、社長・相木邦昭氏)は、東浦廃棄物処理第2工場(愛知県東浦町)で有機汚泥醗酵プラントを増設。処理能力を倍加させ40m3/日とした。1号機は、2000年8月に設置したが、ニーズの拡大に応えるため増設に踏み切った。
◇全国に100基プラント設置
ソニーは1999年、再生材の専門メーカーやプラスチック成形品メーカーなどと共同で、同社のリサイクルシステムにより取れた再生ペレットを全量引き取る「オレンジリサイクル再生ポリスチレン機構」(略称・オレンジプロ)を発足。幹事会社である再生材メーカーのいその(名古屋市東区)、大塚産業(東京都墨田区)と、再生ペレットを最低1キログラム20円で引き取る契約を結んでいる。現在では同30円で実際に引き取られているという。このほか、協賛企業として成形品メーカーの積水化成品工業、日立化成工業、三菱科学フォームプラスティック、ぺんてる、リンテック、旭化成工業など14社が参加しており、将来的には1,000社に拡大する方針。
◇処理料、過去最低の水準
関東地方の建設汚泥の処理料金が運賃込みで1m3当たり5,000円を大きく割り込み、残土処分料と大差ない過去最低の水準になっている。安値で引き取った汚泥は適正な処理・リサイクルが困難で、千葉県の残土処分場等に投棄されてきた。同県は今年9月に建設汚泥の取り扱いについて関係団体等に通知し、建設汚泥を中間処理した改良土について、原則として残土処分場への搬入を禁止した。千葉に大量に流入していた首都圏汚泥は埼玉・栃木の内陸処分にルートを移したようだが、正規な処分や再生利用が行われているのは一部に過ぎず、地元行政で処理問題が深刻化し始めたとの情報もある。
◇食リ肥料施設を設置
生ごみリサイクル事業への参入を目指すエコファースト(埼玉県戸田市、社長・神野義次氏)は、埼玉県春日部市内に事業系の生ごみを肥料化する施設を設置、試験稼働を開始した。当面は関東地区の飲食店などから原料となる生ごみを1キログラム1円で買い取り、日量5トン処理の規模で特殊肥料を生産、農業協同組合などに販売していく。
◇焼却灰中DXNを無害化
長崎菱電テクニカ(本社・長崎市)は、焼却灰中のダイオキシンや重金属類を無害化、粉末にして土壌改良材やレンガなどに再生するリサイクルプラント「エコソイルシステム」を発売した。一般廃棄物焼却場から出る飛灰と主灰を、混合して同時に処理できる。自治体などを中心に営業を展開していく。
◇廃パチンコ処理年間10万台に
廃パチンコ台を再生利用する共和リサイクル工業(本社・愛知県春日井市中新町、TEL: 0568-36-2660)は、2001年度の処理量が10万台に上る見込みとなった。10月度の処理量は1万4千台。愛知県のパチンコホールなどを中心に廃台を収集運搬、解体して再利用可能な部品をリサイクル業者へと販売している。今後、部品の再生用途拡大に注力し、年間1億円の売上を目指す。
◇中関村を環境産業の新拠点に
2008年の北京五輪を目指し、北京市は市内の中関村地区を環境保護科学技術モデル拠点として開発することを決定した。同市は、環境保護産業市場の振興が第10期5カ年計画期間中の最優先項目の一つになっている。今年初め、国家経済貿易委員会が同市を「全国環境保護産業モデル都市」としたことを受け、市経済委員会が中関村を建設地の一つとして指定したもの。
◇グリーン購入スタイルブック
グリーン購入ネットワーク(GPN・東京都渋谷区、TEL: 03-3406-5155)は、「グリーン購入スタイルブック──環境を考えた暮らしをしたい、あなたへ。」と題した消費者啓発用パンフレットを発刊した。
◇警報多重化や緊急停止を検討
北九州市のPCB広域処理事業の承諾を受けて、施設の設置・運営主体となる環境事業団PCB廃棄物処理事業検討委員会(委員長=永田勝也・早稲田大学教授)は施設の処理方式と環境安全対策の検討を開始した。11月20日に東京都内で行われた会合で、環境安全対策として分離・洗浄工程での警報の多重化や緊急停止装置の設置などが挙げられた。
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◇75社で累計1万2,000台超
業務用生ごみ処理機メーカーを対象に本紙(週刊循環経済新聞)編集部が行なった実態調査で、有力メーカー75社の納入台数が累計で合計1万2,883台に達していることが明らかになった。調査は業務用生ごみ処理機の製造・販売で実績のあるメーカー170社をピックアップし、各社にアンケート調査票を送付して行なったもので、75社の回答(回収率44%)を得て、11月末までに集計結果を取りまとめた。
◇シュレッダーダスト炉建設へ
東金属(本社・東京)は、同社群馬工場(群馬県新田町)にシュレッダーダストの自社焼却施設を建設する。炉の形式はロータリーキルンで、処理能力は約50t/日。来年12月から施行されるダイオキシン類対策の構造基準などをクリアする設備で、2003年1月に稼動を開始する予定としている。
◇豊橋事業所がオープン
ミダック(本社・静岡県浜松市)では、容器入りの飲料などの廃却製品や汚染土壌、燃え殻など(特管産廃含む)を処理・リサイクルする豊橋事業所(愛知県豊橋市)を竣工した。廃却製品は破砕・選別(処理能力44t/日)、汚染土壌や燃え殻などは選別・混練(50m3/日)する。選別後のリサイクル可能なものはリサイクルにまわす。
◇PFIの処理事業落札
川崎製鉄は11月30日、岡山県倉敷市から民設・民営のPFI方式による資源循環型廃棄物処理施設整備事業を、同社など水島コンビ−ナート企業グループ10社で落札した。契約期間は2005年4月からの20年間。同社水島製鉄所内にガス化溶融炉を設置し、倉敷市の一般廃棄物と下水汚泥、さらに同コンビナートなどの産廃、合わせて日量550tを処理する。
◇30t/日の堆肥化施設完成
農事組合法人「むかしの青年団」(茨城県下妻市)は、一般廃棄物及び産業廃棄物系の生ごみを受入れて堆肥化する施設を完成した。近く一廃・産廃の中間処理業許可を取得し、本格稼動へ入る。処理能力は30t/日(24時間)。
◇来年度再商品化入札告示
日本容器包装リサイクル協会は11月29日、2002年度の再商品化に関する入札について告示した。ガラスびん、PETボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装について、分別基準適合物の再商品化業務について入札を行う。入札書の提出期限は、ガラスびんと容器包装プラが2002年1月15日、PETボトルと紙製容器包装は1月22日まで。
◇建設汚泥リサイクル施設が本格稼働
九州産廃(熊本県菊地市)は、建設汚泥リサイクル施設を完成、本格稼働に入った。洗浄・分級・分離設備(処理能力150m3/日[8時間])、流動化埋戻し材製造プラント(71t/日[8時間])などからなる。製造した流動化安定処理土は、利用先の現場へ搬送し、打設も行う。
◇来年12月までに溶融炉設置へ
キヨスミ産研(山形市)は、来年12月までに産業廃棄物の焼却施設を廃止し、溶融炉を設置する意向を固めた。処理能力は35〜40t/日を想定している。排ガス中のダイオキシン類濃度は0.1ナノgTEQ/m3Nを達成したいとしている。
◇肉骨粉5tを試験処理
太平洋セメント津久見工場(大分県津久見市)は、11月30日、基本データの収集のため行政の依頼を受ける形で、肉骨粉の焼成試験を実施した。試験は、5時間行われ合計で5tを実験的に処理する。セメントキルンによる焼成で肉骨粉を処理し、結果が良好な場合、肉骨粉の受け入れを検討する。
◇63社が焼却炉継続の意向
埼玉県が今秋、産業廃棄物焼却施設(廃棄物処理法第15条規定。処分業許可を取り消されたものと休止状態のものを除く)をもつ同県内の産廃処分業者と排出事業者合計161社に対して行ったアンケート調査で、10月末現在、回答のあった96社(回答率59.6%)のうち63社が焼却処分を継続する意向であることがわかった。
---- 納刊のお知らせ ---- 本年は12月10日号で納刊となります。
12月3日号ダイジェストニュース
能力倍増で臭気対策もクリア
発泡スチロール4万トン再生へ
残土扱いで行政も指導強化
首都圏の受け皿目指す
粉末化してブロックに再生
部品の再生利用拡大を図る
科学技術モデル地区に決定
消費者啓発用のパンフ発刊
北九州のPCB処理安全対策で
12月10日号ダイジェストニュース
業務用生ごみ処理機の納入実績調査
50t/日、選別・ヤード等も整備
廃却品、燃え殻、汚染土等を処理・リサイクル
倉敷市で日量550tをガス化
一廃から産廃系まで受入れ
再商品化登録事業者も発表
流動化埋戻し材を製造
処理能力40t/日規模を想定
欧州実例から施設選択
アンケート調査で、廃止は28社
新年は1月1日号からの発行です。