循環経済新聞・バックナンバー“2002年10月度”
◇土砂、廃棄物扱いまで言及せず
廃棄物の定義・区分など廃棄物処理制度の基本問題の見直し議論を進める中環審廃棄物・リサイクル部会廃棄物リサイクル制度専門委員会(委員長・小早川光郎東京大学大学院法学政治学研究科教授)は9月30日、第5回目の会合を開き、汚染土壌や土砂の取り扱い、流入抑制措置や施設設置に当たっての住民同意など産廃行政に関する課題、不法投棄対策について検討した。 ◇PET収集対象人口98%に
環境省は9月25日、容器包装リサイクル法に基づく2003年度から5年間の分別収集見込み量の集計結果をまとめた。第3期となる収集計画を策定した特別区を含む市町村数は、3231に達し、全市町村数の99.7%とぼほ100%に達した。 ◇建設汚泥Rをトータルに再生
建設汚泥のリサイクル事業を展開する、リサイクル四国(愛媛県松前町)は、独自に開発した汚泥脱水ケーキ再生プラント「RPS」での建設汚泥の受入れを強化する。 ◇食リ事業化の準備着々
中央カンセー(神奈川県厚木市、尾島忠社長)は、食品リサイクル事業の立ち上げに向けて、2年前から行ってきた飼料化の実証規模を拡大、生成品の利用では豚に続き、神奈川県畜産研究所との共同研究で肉牛への給餌試験も進めている。 ◇汚泥を熱変成させて利用
栗田工業は、有機性汚泥を熱分解し、1日で土壌に施用できるようにする汚泥高速肥料化装置「スラッジ・ロースター」の拡販に乗り出す。 ◇持続的発展可能技術の要綱を公布
中国科学技術部が先ごろ公布した2001年−10年の『可持続発展技術綱要』(『持続的発展可能技術の要綱』)で、環境保護は同技術の中でも重要項目として位置付けられた。特殊汚染物の観察測定技術と設備、特殊危険廃棄物と廃家電の処理技術、エコロジーシステムの研究や生物人体侵入防止技術などが重要研究領域に定められている。 ◇4施設が一斉に着工
富山市が進めるエコタウン計画の中核を担う施設が、9月から10月にかけて岩瀬地区のエコタウン団地で相次いで着工する。シュレッダー業の豊富産業(富山県上市町、高倉可明社長)が出資する日本オートリサイクルは、10月中にも自動車再生工場の建設に着工。廃プラ再生、木質系廃棄物再生、バイオガスプラントといった施設もすでに着工しており、2003年3月までの竣工を目指す。 ◇環境サミット参加報告会
環境NGOのアジア環境連帯(ACE、東京・千代田、江口雄次郎代表)は9月18日、東京・千代田区の内神田社会教育会館でヨハネスブルグ環境サミット参加報告会を開催した。 ◇PCB安定器処理で報告書
環境事業団のポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業検討委員会技術部会(主査=酒井伸一・国立環境研究所循環型社会形成推進・廃棄物研究センター長)はPCBを使用した蛍光灯安定器の処理について、事業化を図るときに処理施設に求められる技術的条件などを内容とする報告書をまとめた。
◇全連続式の80t炉が完成
産業廃棄物中間処理・最終処分を手がける東北クリーン開発(本社・山形市、代表取締役・井上尚氏)では9月末までに、日量80t(24時間稼動)処理の新しい産廃焼却施設が完成した。試運転とダイオキシン類などの測定、使用前検査を経て、12月から営業運転を開始する。 ◇来年度再商品化義務量決定
経済産業省の産業構造審議会環境部会の容器包装ワーキンググループ(WG、座長・永田勝也早稲田大学教授)がこのほど開催され、2003年度から07年度までの再商品化計画(可能)量や容器包装リサイクル法の特定事業者の再商品化義務量算定に係る量、比率などを承認した。 ◇建廃総合中間処理工場を竣工
建設廃棄物を総合的に選別・再生利用化する大型中間処理工場の建設を進めてきた、響エコサイト(北九州市若松区、荘野英一社長)は10月10日、新工場を完成し竣工式を行った。 用地代含めた総工費は、約14億円。 ◇乳酸発酵で生ごみ再生
川合肥料(静岡県磐田市、川合秀美社長)は、事業系の食品残さを排出元で一次処理した後、一カ所に集めて乳酸発酵させ、飼料や肥料にリサイクルする「リアップ乳酸システム」の普及拡大に乗り出した。 ◇低価格で高い拡張性
CRCソリューションズ(東京・江東、建設技術部)は、同社が開発した産業廃棄物管理票ソフト「マニフェスト21」の販売を強化する。Web版の建設廃棄物向け同時10ユーザライセンスのもので250万円(税別)という低価格や、顧客に応じたカスタマイズとしてCO2排出量換算やリサイクル量のデータ集計など、高い拡張性をもつことを押し出す。 ◇難航する公共関与の施設設置
山梨県は、従来から廃棄物処分場の不足に悩んできた。この問題に対して、県は公共関与による最終処分場と再生利用施設の建設という切り札をきったが、反対運動の中、計画は難航している。市町村によってはごみの搬入先が確保できない懸念もあるという。 ◇フロン破壊事業を開始
大林商店(大阪府堺市、大林勝宏社長)は9月21日、フロン破壊装置の本格稼働を開始した。フロン類破壊業者の許可は9月10日に取得しており、大阪府内の自治体から受託している家電製品から回収したフロンの破壊を行うとともに、他の業者からのフロン受入も近く開始する。 ◇エコ商品認定制度導入
沖電気工業(地球環境部・東京都港区)は、消費者に環境負荷の少ない製品を提供し、関連企業から購入する場合の環境基準「OKIエコ商品」の認定制度を導入、グリーン調達の基準をホームページで公開した。今後、同社は、取引先の企業に対して説明会などで徹底していく。 ◇R法で循環経済を高度化
経済産業省の産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会(小委員長・平岡正勝京都大学名誉教授)が10月3日、東京・霞が関の経産省別館で行われ、事務局が検討課題について説明。資源有効利用促進法(改正リサイクル法)の指定製品と特定業種の追加などリサイクルに関する事業者の拡大生産者責任(EPR)の強化などの提案が事務局から示された。
◇再生認定制で対象品目拡大
18日に開会した今臨時国会にも、現行の諸制度の規制緩和などの特例措置を設ける構造改革特区に関する制度が定められる見込みだが、環境省は同省所管の特例措置のプログラムとして、廃棄物処理法に基づく再生利用認定制度の対象品目を拡大できるとの項目を盛り込んだ。 ◇自前施設で空き缶などR
自販機オペレーターのタケショウ(愛知県半田市)は環境対応の一環として、自社で回収した空き缶などのリサイクル事業を展開。アルミやスチールをほぼ100%の高純度で回収できる新システムを採用しており、外部企業などからの委託も含めて現在、月間約500tまで処理実績を伸ばしている。 ◇利用率を上方修正へ
日本繊維板工業会は木質ボード用原料に占める建築解体廃木材の利用率について、05年までに50%の目標を掲げていたのが01年に達成したのを受けて、上方修正する意向を明らかにした。 ◇エコタウンで食品リサイクル施設着工
鹿島が主体となって設立した富山グリーンフードリサイクル(富山市、松尾勲社長)は、富山市エコタウン内で、生ごみバイオガス化・剪定枝たい肥化プラントの建設に着工した。来年4月の本格稼働を目指す。 ◇100%再生PETフレークを利用
青木固研究所(長野県埴科郡坂城町、青木茂人社長)は10月9日、使用済みPETボトルから再商品化した再生フレーク100%の原料を直接、ボトルに成形加工するプラントを開発したと発表した。 ◇処理計画の策定義務拡大へ
長野県が新しく導入する施策の計画や廃棄物処理の状況(「長野県廃棄物処理計画(2002年6月)」)などについて紹介する。 ◇研磨スラッジを再生資源に
油圧プレス装置製造の森鉄工(佐賀県鹿島市、森孝一社長)は、金属切粉再生プラントや研磨スラッジ再生プラントなど環境機器事業部門が好調なことから、同部門の総売上に対する比率を近い将来に30%まで高める方針だ。 ◇80%以上を有効利用
日本環境協会(東京・港)のエコマーク類型・基準制定委員会は10月1日、「使用後回収・リサイクルされるスーツケースバージョン2」の認定基準を制定した。現行の商品類型は同日付けで廃止した。 ◇132t炉が12月竣工
ミダックふじの宮(静岡県富士宮市、熊谷勝弘社長)は12月に、処理能力132t/日(24時間)の焼却施設を中心とする廃棄物処理プラントを竣工する。
◇古紙Rビジネスを強化へ
廃棄物処理大手の安田産業(京都市)は既存の八幡工場に続き、このほど、新設の長岡京工場にも古紙の圧縮梱包設備を導入。古紙事業の強化に乗り出した。月間取扱量は1500t以上で、中堅規模の古紙問屋に匹敵する量。本業の廃棄物処理と併せて回収・選別業務を効率化し、収益拡大を図る。 ◇来年度の再商品化義務総量
容器包装リサイクル法で特定事業者が自社の義務量算定に必要な2003年度の資料が10月3日の産業構造審議会環境部会容器包装リサイクルワーキンググループ(座長・永田勝也早稲田大学教授)が開催され、同年度に容リ法の特定事業者が自社の再商品化義務量を算出する際、必要なデータを公開した。 ◇建設混合廃の広域集荷に着手
中山リサイクル産業(本社・福岡県)は、北九州市が進めるエコタウン事業の総合環境コンビナートに新設した「建設混合廃棄物リサイクル工場(北九州市若松区)で、建廃の大量発生地である関東圏からの海上輸送を利用した広域集荷を本格化させる。 ◇PFI式の汚泥R施設竣工
日本環境管理センター(牧野清美社長)は10月17日、岐阜県平田町とタイアップして、PFI方式のし尿汚泥リサイクル施設を完成させた。一廃の処分業許可は取得済みで、現在、産廃の業許可を申請している。竣工式には、関連業者や行政関係者などが出席した。 ◇ほたて貝殻資源化で実証試験
ジェット・リ・サイクル(東京・港、代表取締役・古川治人氏)は、同社の粉砕・乾燥装置「ジェットリサイクルシステム」でほたて貝殻を資源化する実証試験を行い、良好な結果を得た。 ◇日通の広域指定を取消し
環境省は10月18日付けで、日本通運に対して付与している産業廃棄物の広域再生利用指定全18件を取り消した。引越ごみに係るマニフェストの記載義務違反など廃棄物処理法上の違法行為が明らかになったことから、広域再生利用指定を受ける適格性を欠くと判断されたため。 ◇炭入りの緑化基板材を発売
島原産業(長崎県有明町、元山豊昭社長)は、炭化した木くずなどからできた緑化基板材「炭パワーソイル」を発売した。長崎県の土木資材優先使用品目に指定されたほか、国土交通省の公共工事用の技術データベース「新技術情報提供システム(NETIS)」にも登録された。 ◇循環型社会ビジネスを育成
環境省中央環境審議会の循環型社会計画部会の第13回会議が9月24日、東京・霞が関の環境省第一会議室で行われ、循環型社会形成推進基本計画(以下、基本計画)のたたき台について論議が行われた。基本計画は、10月に全国6地区で地域ヒアリングを行った後、11月に再び審議が行われ、来年3月に閣議決定される予定。 ◇2002NEW環境展・福岡会場
今回で3回目を迎える「2002NEW環境展・福岡会場」は、「ごみゼロ・循環型社会とよりよい環境をめざす」をテーマに、11月7日(木)から9日(土)までの3日間、マリンメッセ福岡(福岡市博多区)で開催される。
10月7日号ダイジェスト
今日、報告骨子案を審議
プラも07年までに8割超
独自開発技術でシステム化
飼肥料施設が04年稼動へ/肉牛への給餌試験も開始
腐植物質が1日で生成/高速肥料化装置を拡販
10年間の重要研究領域項目
自動車は2500台/月を再生
江口雄次郎代表らが報告
都の広域処理事業に適用
10月14日号ダイジェスト
処理・リサイクルの体制確立/ウォーキングフロア式の供給装置
再商品化可能量など発表
ゼネコン主体では初の事業化
高度利用のシステム提案/一次処理品を飼肥料に
マニフェスト管理ソフト/Web方式、リサイクル集計も
埋立場僅少、産廃は安定型1カ所/民間業者は施設高度化へ
自治体からの家電受託好調
G購入の基準も策定
指定製品、特定業種を追加
10月21日号ダイジェスト
構造改革特区の特例措置
純度99%の金属回収を実現/処理実績は月間500tに
解体木くずの原料化が好調
来年4月に本格稼働へ
ボトル・ツー・ボトルを実現
年内にも検討委員会を設置/許可番号表示義務も検討
環境部門の比率30%目指す
スーツケースの認定基準改定
焼却・破砕・中和等5設備/産廃と一廃で発電・熱利用
10月28日号ダイジェスト
月間取扱量1500tに
自社の義務量算定に必要
関東圏視野に海上輸送
乾燥と炭化で日量4t処理
青森の組合などと共同で/ジェットで粉砕・乾燥
パチンコ台、建材、PC全18件/引越ごみ管理票の違法性問われ
県の公共工事で優先使用へ
循環基本計画のたたき台(概要)
九州発環境リサイクル産業創出へ/11月7日〜9日/マリンメッセ福岡