循環経済新聞・バックナンバー“2002年12月度”
◇環境大臣に意見具申
中央環境審議会(森嶌昭夫会長)は11月22日、廃棄物・リサイクル部会の取りまとめを受けて、鈴木俊一環境大臣に「今後の廃棄物・リサイクル制度の在り方について」で意見具申した。リサイクルを促すために環境大臣の広域再生利用の指定制度について新たに指定基準の明確化と拡充を図り、認定制度の対象範囲も広げる。 ◇独自開発のPR分離技術
南信リサイクル(本社・長野県諏訪市、小塩繁實社長)は、PETボトルのリサイクル工程に自社で開発したPP(ポリプロピレン)分離機を導入し、高純度のPETフレークを生産している。10月には、PETボトルリサイクル事業で、国が後援する3R推進協議会の会長賞を受けている。 ◇建設分野で発泡スチリサイクル事業伸長
シスクワック(愛知県弥富町)は、建設現場で発生する発泡スチロール資材の再生利用事業を展開、11月には鉄道高架化の仮設線路下で使用されたEPSブロック約2500m3の再生利用を完了した。 ◇生ごみ利用のルート拡大へ
共栄美化(神奈川県海老名市、菅野二郎社長)は、生ごみのリサイクル事業を強化する。昨年まで試験研究を重ねてきた養豚向けの飼料化に続いて、生ごみを養鶏用飼料や付加価値の高いたい肥化資材に活用する研究に注力。 ◇医廃向けに実機第1号決定
ピー・エフ・アイ(長野県松本市)が手がける「ZET(ゼット)ガス高温溶融炉」の実機第1号の納入が決まった。医療廃棄物処理業者向けで、これ以外にも様々な企業から数十件の引き合いがある。 ◇容器包装リサイクル法再商品化受託状況等(1997-2002年度)
容器包装リサイクル法の指定法人・日本容器包装リサイクル協会(東京・港)はこのほど、1997-2002年度の再商品化受託状況などをまとめた。 ◇再生利用事業に注力
石崎産業(富山県魚津市、石崎由則社長)は、今夏に県都市計画審議会から了承された敷地拡張について、廃プラ燃料化施設の導入を進めている。従来の焼却や廃液処理に加え、再生利用事業に注力していく考えだ。 ◇大松土建らが大賞受賞
グリーン購入ネットワーク(=GPN、東京・渋谷、中原秀樹代表)は11月13日、東京都千代田区の中央大学駿河台記念館で、第5回グリーン購入大賞の表彰式と発表会を行った。 ◇エコタウンを分散計画
高知市は、「エコタウン事業」の分散化計画をまとめた。同事業の分散化は、市の計画によると現在稼動している発泡スチロールリサイクル事業の「エコ産業団地」を主軸にして、他にも1.魚あらの飼料化事業2.たい肥化センター事業3.廃プラスチック等リサイクルおよびエコエネルギーセンター事業等4カ所に分散する。
◇燃え殻等の再資源化開始
新潟環境開発(本社・新潟県長岡市、代表取締役・星野実氏)では田代工場(新潟県小千谷市)に、燃え殻、ばいじん、汚泥を無害化・資源化する装置「EADS(イーデス)システム」の実証設備が完成した。処理能力は1日(24時間)あたり8m3。 ◇12月から相次ぐ施設稼働
各地で建設中だったRDF(ごみ固形燃料)の発電施設が相次ぎ完成し、今年12月から運転を開始する。約10年前から自治体での採用が本格化したRDF技術は当初、小規模の自治体も導入しやすく、貯蔵性・輸送効率に優れ、エネルギー利用につながるなど、ごみ処理の“切り札”として期待された。 ◇石膏粉肥料をモデル施用
建築、解体、建廃中間処理を手掛け、自ら開発した紙・石膏分離機で廃石膏ボードのリサイクルに取り組んでいるビルクリーン(岩手県滝沢村、熊谷稔社長)は、地元農家の協力を得て南部小麦やほうれん草の生育用で、同社が生産した石膏粉肥料「プラスエコ」の試験施用を始めた。 ◇生ごみ炭化実証プラント完成
中和(奈良県当麻町)は、奈良県橿原市に日量10tの炭化実証工場を完成、橿原市の一廃処理業の許可を得て、本格稼働させた。 ◇超臨界水酸化装置を開発
栗田工業とコマツは、各種の廃液や汚泥を分解、無害化する超臨界水酸化装置の実用機を開発した。塩のたい積による装置の閉塞、装置本体の腐食など、超臨界水酸化(SCWO)技術を使った処理で従来、課題であった点をクリアする機構が特徴。 ◇産廃総排出6割が農業系
鹿児島県は、産廃の総排出量のうち6割強を農業系の動物ふん尿が占める農業の県で、象徴的な焼酎産業も有名で、発生する焼酎カスの発生量もトップクラスだ。離島も多く、廃棄物処理で苦労している島も多い反面ごみゼロを目指す屋久島もある。特色のある処理状況の鹿児島県の廃棄物事情を紹介する。 ◇廃PCのR網を構築
収集運搬の深川運送と産廃処理業のともやま商店、システム開発などを手掛けるトダドットコムは、廃棄パソコン内のデータ完全消去と本体の再生利用を図るトダドットリサイクルセンター(広島県賀茂郡、近藤博之社長)の本格稼動をスタートした。年間2―3000台の取り扱いを目指す。 ◇キトサン含む生分解性繊維
オーミケンシ(大阪市)は、紅ズワイガニの殻から抽出したキチン・キトサンと木材パルプを溶解・融合させた生分解性の繊維「クラビオン」を年間15億円売り上げており、海外受注への対応も拡大する。 ◇廃液事業を核に会社再建
廃液・汚泥、有害産廃処理大手の日本ケミテック(埼玉県川口市)は、今年2月、民事再生法適用を申請した。これに対して、独立系ベンチャーキャピタルの日本アジア投資(JAIC、東京・千代田、立岡登與次社長)が支援元となり、企業再建に乗り出した。 ◇産廃の環境物流拡大
名門大洋フェリー(大阪市西区、阿部哲夫社長)は、産廃の収集運搬業の許可を取得し、トラックで集荷・運送を行う関連企業のフェニックス物流(大阪市北区)と協力して環境物流を拡大する。同じ距離のトラック輸送と比較して二酸化炭素の発生が3分の1になることから環境負荷を低減する物流システムとして関係者からの関心も高まっている。 ---- 納刊のお知らせ ---- 本年は12月9日号で納刊となります。
12月2日号ダイジェスト
今後の廃棄物等の在り方でまとめ
PETボトルのフレーク化工程に
EPSブロック2500m3の再生完了
高温発酵の処理機活用/養鶏飼料、馬ふんたい肥に
ブラウンガスで高温溶融
敷地拡張で今期売上65億円見込む
グリーン購入大賞表彰式を開催
廃木材を主軸に具体化
12月9日号ダイジェスト
EADSシステム、日量8m3処理/茨城大学と用途研究
日量300tの最大規模も/RDF発電施設の稼働状況
実績重ね広い認知めざす
一廃の処理業許可を取得
高濃度塩に対応、来春展開へ
海洋投入から陸上処理へ
データ消去し中古売却
海外受注も拡大へ
日本ケミテックの民事再生計画
船積で収運許可取得
新年は1月1日号からの発行です。