循環経済新聞・バックナンバー“2003年7月度”
7月7日号ダイジェストニュース
◇東京臨海エコ・プラント起工
高俊興業(東京・中野、高橋俊美社長)が東京都スーパーエコタウン事業の一環で大田区城南島に整備を進める建設混廃などの総合中間処理施設「東京臨海エコ・プラント」の起工式が今月11日に行われる。 ◇日量70t、フル稼働体制に
今年4月に空き缶の破砕・ペレット化工場を竣工した北九州空き缶リサイクルステーション(北九州市)は、入荷量の増加を受けて7月内にも24時間フル稼働の体制に入ることを明らかにした。同工場は日量最大70tの処理能力があり、国内最大規模。 ◇生木廃材を有機土壌に
建物解体や、木くず・がれき類のリサイクルを手掛ける阿部総業(岩手県胆沢町、阿部正幸社長)は胆沢ダムなど土木・建設工事に伴い排出される生木廃材の有効利用を促すため、廃材チップを用いた有機土壌「S(スーパー)エコ養土」の本格生産を始めた。 ◇畜ふんたい肥化施設完成
長崎県森山町は畜ふんや一般家庭の生ごみ、集落排水処理施設から出る有機汚泥などを月間約175tたい肥化する資源リサイクルセンターを建設、試運転を開始した。来年4月をめどに本格稼動を行う。 ◇バイオガスプラント発売
中部エコテック(名古屋市、新内康夫社長)は、DBE JAPAN(東京・中央)と提携し、ドイツ・ビイオフェルム社が手がける固形有機廃棄物の乾式バイオガスプラントを発売した。各自治体や畜産関連業者を対象に、実績のあるたい肥化装置とセットでの提案も行っていく。 ◇中国は日本の廃原材料の輸出先
中国などのアジア諸国での需要増に伴い、日本の廃棄紙、鉄などの回収原材料の輸出が大幅に増加してきている。日本では内需が低迷しているので、日本国内での稼働率が低く、原材料加工業も落ち込んでいる。中国はすでに、日本の廃棄原材料の主要輸出先となっている。 ◇防炎物品の再生利用に本腰
消防庁はカーテン、カーペットなど防炎物品の再生利用に本格的に着手する。2000年に設立した「防炎物品リサイクル専門部会」や、民間企業で構成する「繊維リサイクル研究会」が技術的な面にはめどを付けており、再生製品の利用も試験的に行っているところ。今後、回収ルートの構築や再生拠点の整備などに向けて、活動を具体化する考えだ。 ◇遠隔地での水質調査を実現
CPUボードの設計・製作やFA制御システムの開発などを手がけるグローリーAZシステム(兵庫県西宮市、吉村英夫社長)は、測定した水質調査データを電子メールに自動送信する水質遠隔監視システムのサービスを開始した。 ◇産廃税10月開始で施策強化
北九州市では、今年10月からの環境未来税(産業廃棄物税)制度導入に伴い、環境産業の推進政策を強化する。中小企業を中心に廃棄物処理・リサイクル技術開発などの支援、エコタウン立地企業への事業費助成に加えて、新たに用地購入費の補助も実施することを明らかにした。
7月14日号ダイジェストニュース
◇廃棄飲料食品の処理施設が本格稼働
安田産業グループの大剛(京都府八幡市)は長岡京工場(京都府長岡京市)に廃棄飲料食品の処理施設を竣工、7月から本格稼働をスタートした。 ◇ケミカルR9割近く
容器包装リサイクル法の指定法人・日本容器包装リサイクル協会(東京・港)がまとめたところによると、2002年度のプラスチック製容器包装(容リプラ)の再商品化実績は、18万162t(トレーを含む)と対前年度比で52%増の急激な増加になったことが明らかになった。このほかでは、紙製容器包装が2万4358tと同17%増加。PETボトルは11万2485tと同19%増加し、大幅な伸びを示している。 ◇東京湾岸2施設体制に
本紙前号既報のとおり、高俊興業(東京・中野、高橋俊美社長)は大田区城南島の一角に、建設混廃、廃石膏ボードなどを扱う総合中間処理施設「東京臨海エコ・プラント」を着工した。東京都スーパーエコタウン事業の一環で、安定5品目と木くず、紙くず、繊維くずの8品目を処理対象とし、24時間稼働で日量2500t以上の産廃を受け入れることができる。 ◇最適な処理システム提案
富士通総研(ビジネスデザインコンサルティング事業部)は、食品廃棄物の処理で、排出事業所ごとに最適なシステムを構築するためのコンサルティングを開始した。処理機の導入を検討している食品関連事業者と納入する側のメーカー、双方を対象にしたサービスで、廃棄物の排出段階から生成物がリサイクルされるまでのトータルでみて、効果的なシステムや売り先を提案する。 ◇畜ふん尿を10日で安定化
環境工学研究所(茨城県土浦市、土田優二社長)は、家畜ふん尿や汚泥、生ごみなどの生物系廃棄物を、季節の温度差や処理対象物の発酵発熱量に左右されず、10日間程度で悪臭のない、安定した品質のたい肥にリサイクルする技術を開発した。 ◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律
一部の事項を除き、今年12月1日から施行される廃棄物処理法の、新旧対照表を掲載する。(環境省の資料から抜粋・傍線部が変更部分) ◇海運輸送の中間処理施設が本格稼動
神戸ポートリサイクル(神戸市、松本隆也社長)は7月1日、廃プラ、廃タイヤ、木くずの中間処理工場が竣工し、本格稼動を始めた。神戸港湾地区から発生する産廃を処理する。国内でも珍しい船着場が隣接する中間処理工場で、海運を生かした大量輸送を展開する。 ◇汚泥溶融スラグなどを資材活用
建設用コンクリート製品の製造・施工などを行う日本興業(香川県さぬき市、杉山敏文社長)は、製鉄所から出される高炉スラグを有価購入し、コンクリート製品の素材に活用した「エコロアクアシリーズ」の製造販売を強化する。 ◇焼却事業で今年度は10億円目指す
三光(鳥取県境港市、三輪博美社長)は、潮見工場(境港市潮見町)の産廃焼却事業について、2003年度は10億円の売り上げを目指す。焼却炉は02年11月に稼動したキルンストーカー型で、規模は1日当たり93.6t。最近は廃プラの焼却が減る傾向にあり、再生利用にも力を入れる方針だ。 ◇2003夏季特集号(抜粋)
■食リ法施行3年目の状況 ■改正廃棄物処理法について ■廃タイヤリサイクル特集 ■中四国特集 ■九州特集
7月21日号ダイジェストニュース
◇処理水の再利用を実現
建設事業や廃棄物の収集運搬・総合的な中間処理事業で実績を重ねるオオノ開發(松山市)は、一層の安全性と付加価値の高い処理事業の追求のため、処理水の再利用と石膏ボードの分離処理施設を完成、本格稼働を始める。 ◇新工場設置で総合Rを確立
廃棄物処理大手の安田産業グループ(本部・京都市、安田奉春社長)は昨秋、京都府長岡京市に新工場を建設したが、このほど、当初の事業計画に盛り込まれていた空き缶、段ボール、RPF、金属廃材、中身入り飲料容器などの各種処理ラインが完備。総合リサイクル体制を確立した。 ◇廃石膏の分離施設完成
土木・解体から各種産廃の中間処理を行う、オオノ開發(川内事業所)は、廃石膏ボードを石膏と紙に分離するプラントを導入、1時間当たり3.5t分離処理できる施設を完成させた。 ◇外食、コンビニの取組
外食、コンビニなど1店舗ごとの生ごみ排出量が少ない食品関連事業者のうち、直営店舗への生ごみ処理機導入を打ち出した企業の取り組みが加速しつつある。食品リサイクル法で再生利用等20%の実施が求められる2006年度まで3年弱となり、各社の導入プランも具体化している。過去に本紙で紹介したジョナサン(東京都武蔵野市)、モスフードサービス(東京・新宿)、ファミリーマート(東京・豊島)の3社について、その後の経過を追ってみた。 ◇ごみ焼却を遠隔監視・制御
キンセイ産業(群馬県高崎市、金子正元社長)は全国の排出事業者や処理業者に納めた自社製の乾留式ごみ焼却炉の運転を本社で常時監視・制御できるシステムを開発した。 ◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律
◇廃液処理に経営資源集中
日本ケミテック(埼玉県川口市、福田國幹社長)は、廃液処理に経営資源を集中することで、グループ連結の今期売上高16億円、経常利益1億円の見通しとなった。信用回復に努めて廃液の受注量を増やすとともに、キレート作用が強いものや高濃度の硫酸、フッ酸系などの廃液を処理する設備を整えて高付加価値の分野を強化する。 ◇トリアジン系の藻除去剤
アイオンサプライ(名古屋市西区、小島智浩社長)は、主成分にトリアジン系化合物を用い、用廃水系や噴水池などの藻類を発生抑制、水質改善する藻類防除剤「ミラクルアルゲノン3000」の販売を強化する。 ◇医廃処理に電炉利用、溶融
医療廃棄物の電炉処理や燃えがら・ダスト類の無害化処理などで実績を持つ星野産商(愛知県十四山村、星野熊夫社長)では、電炉から発生する酸化スラグが6月20日付で骨材としてJIS化認定されたことを受け、今後、コンクリート資材へのリサイクル事業を強化する。
7月28日号ダイジェストニュース
◇ケミカル手法でPET再生
PETボトルのケミカルリサイクル技術を提案するアイエス(東京・港)は、宮崎県高岡町で建設を進めていた「宮崎研究・開発センター」が完成し、7月17日、現地で竣工式を行った。 ◇PET再商品化工場が稼働
鹿児島ペットボトルリサイクル(鹿児島市)はこのほど、鹿児島県末吉町に建設していたPETボトルの再商品化工場が完成し本格運転を開始した。県内では初のPET再生拠点となる。 ◇建設廃をRPF燃料に
総合的な処理事業を行う九州産廃(熊本県菊池市、前田博憲社長)は、建設系廃棄物を主体とした産廃を選別した後の廃プラ・木くず・紙くずを原料とした固形燃料化(RPF)製造設備を完成した。 ◇牛50頭の畜ふんを24時間で分解
おがくずを使ったバイオトイレを開発、販売する正和電工(北海道旭川市、橘井敏弘社長)は牛50頭が1日に排出するふん尿2tあまりを約24時間で水と二酸化炭素に分解する家畜用バイオトイレを開発した。 ◇今夏実証プラント稼働へ
ノーウエイスト・ジャパン(代表・榎本毅氏、さいたま市)は、カナダのノーウエイスト社が世界特許を有している紙おむつ専用のリサイクルシステムの国内販売を行っているが、今夏をめどに国内第1号の実証プラントを稼働させる。 ◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律
◇廃ゴムを20メッシュ以下に微細化
シグマ精機(奈良県生駒市、落合昭尋社長)は7月、タイヤチップなどの廃ゴムを粉砕する「ラバーミルOSM-1000」を開発した。従来、廃ゴムは燃料代替材などが主な用途だったが、1mm以下に粉砕することで、ゴム製品の再生原料などに用途を拡大できる。 ◇廃食油をバイオディーゼルに
ガソリンスタンド(GS)経営を行う油藤商事(滋賀県豊郷町、青山金吾社長)は、自社敷地内に日量100リットルのバイオディーゼル製造機を設置し、家庭用廃食油を精製して販売するサービスを開始した。 ◇管理型70万m3に拡張へ
宮崎県内で産廃・一廃の管理型処分場を設置しているニシムロ開発(野尻町、吉岡文喜社長)では、現在の処分容量57万m3を70万m3まで拡張することを明らかにした。近く、環境アセスメントなどに着手する予定で、2年内にも完工を目指す。
選別・破砕など日量2500t/許可範囲で建設系埋設残置物も
自治体ルートなど入荷順調
チップと赤土を加熱殺菌
生ごみや汚泥の処理も
独製の乾式タイプを採用
廃棄紙、鉄など大幅増加
回収システムと拠点整備が課題
既存計測器に取り付け可能
ベンチャー育成や用地補助
中身の飼料や肥料化も構想
02年度の再商品化実績
「東京臨海エコ・プラント」/高精度の選別・集塵促す
食リ法対応をサポート/対象は排出者とメーカー
事前脱水が不要に/大型プラント技術を開発
廃棄物処理法新旧対照表
自動車Rの拠点として10億円の売上目指す
R材含有率73%を実現
廃プラ再生利用も拡大
廃石膏で汚泥固化材にも
空き缶・段ボ・RPFなど
建設汚泥の固化材に活用/1時間3.5t処理可能
処理機導入が加速?/直営店への設置増える
常時対応で顧客支援
廃棄物処理法新旧対照表
処理困難廃液等の営業強化/民事再生が軌道に乗る
他水質浄化と組み合わせも
スラグR骨材でJIS認定
研究・開発センターが竣工
日量5t、将来は能力増へ
製造能力36t/日で稼働
養豚農家に2号機を納入
毎時1t処理、国内第一号/紙おむつリサイクル
廃棄物処理法新旧対照表
小型タイプも今秋発表へ
リットル85円でGS販売
九州圏で一廃・産廃に対応