循環経済新聞・バックナンバー“2003年10月度”
10月6日号ダイジェストニュース
◇焼却灰・貝殻の溶融施設完成
フェロニッケルのトップメーカー、大平洋金属(本社・青森県八戸市、村井浩介社長)では焼却灰とホタテ貝殻などを溶融、リサイクルする施設が完成した。篩い分けなどの前処理設備と乾燥炉、直流抵抗式電気炉からなり、溶融の処理能力は1日あたり50t。一般廃棄物処分業、産業廃棄物処分業の許可を取得次第、営業運転に入る。 ◇リサイクル率50%突破
PETボトルリサイクル推進協議会(東京・中央)は9月25日、2002年度のPETボトル回収率が事業系のものを含めて50%を突破したことを明らかにした。これは、欧州の回収率の倍に当たり、世界的も高水準に達したことになる。 ◇エルムの街SCで採用
産業廃棄物処理・リサイクルなどを手がけるマナック青森(青森県五所川原市、今博社長)が販売する木くずペレット焚きボイラを利用した融雪設備が、五所川原市内のエルムの街ショッピングセンター(SC)で採用され、改修工事が完了した。 ◇埼玉にたい肥工場建設へ
よりいコンポスト(埼玉県寄居町、岩田厚生社長)は、埼玉県が寄居町三ヶ山地区に計画している「彩の国資源循環工場」内に、汚泥、動植物性残さなど日量200tの処理能力を持つコンポスト製造施設を来春着工、2005年度にも操業を開始する。 ◇省エネと安全運転のナビ
産業廃棄物処理など総合環境事業を手がけるミヤマ(本社・長野市、南栄嗣社長)が開発した、省エネと安全運転を指示する車載型エコドライブナビゲーションシステム「MHS-01」が今夏の発表以来、幅広い分野から注目を集めている。1台ごとに運転条件が違う車に対して、速度超過やアクセル操作などの最適な操縦法を表示するもので、世界的にも例がない。 ◇中国、環境小衛星打ち上げへ
8月5日の国家環境保護総局・環境衛星リモート・センシング応用専門家委員会の第1回全体会議によると、中国は2006年までに小型光学衛星2基と小型レーダー衛星1基を打ち上げ、環境・災害観測予報に利用する。「小衛星」の使用開始後、中国の環境災害予報レベルは大幅に向上する。 ◇RPFプラントが順調稼動
エビス紙料(大阪市、海田周治社長)はリサイクルセンター(香川県観音寺市)について、年内をめどに設備を増強、RPF製造を安定した生産体制を確立する。 ◇ディーゼルのPMを除去
オパーツ(大阪府交野市)は、金属材料を取り扱う日新製鋼と共同で、金属箔を特殊加工した多孔体(パルブラット)を用い、ディーゼル排ガス中の粒子状物質(PM)を燃焼させて捕集するDPF装置を開発した。 ◇乾留ガス化燃焼システムが稼働
丸徳商事(本社・静岡市、岩間雄一社長)は乾留ガス化燃焼システムを新たに設置、稼働させている。処理能力は医療廃棄物など約25t/日。既設の高分子系焼却炉1基、ロータリーキルン炉2基に続いて4基目で、廃棄物の受け入れ処理量は合計で最大128t/日となる。乾留ガス化燃焼システムの稼働率は、早くも60%を越えている。
10月13日号ダイジェストニュース
◇岩手に焼却・溶融施設竣工
クボタリテックス(本社・大阪府八尾市、佐賀茂社長)では、医療廃棄物や廃プラスチック類、肉骨粉などを焼却、溶融する中間処理施設「北上資源化センター」(岩手県北上市後藤野工業団地)が完成、10月3日に竣工式を行った。 ◇ガラスびん再生工場を新設
島根再資源化研究所(島根県出雲市)は新たに廃ガラスびんの再生工場を同市内に建設し、11月から操業を開始する。島根県と出雲市は同社との工場立地に関する覚書に調印済みで、資金や雇用の確保など支援を行う。 ◇廃石膏ボード本格受入れ
建設系の廃棄物の再生利用処理を行う、梶井工業リサイクルセンター(奈良県、梶井勝見社長)は、独自で開発した廃石膏ボードの再生利用システムを活用して、本格的な受け入れを開始した。 ◇食品循環事業に進出へ
埼玉県が寄居町三ヶ山地区に計画している「彩の国資源循環工場」で、参加指定企業のアイル・クリーンテック(さいたま市、籠島延隆社長)は、新技術の「パレット式自動倉庫」を利用したたい肥化事業に乗り出す。 ◇発酵優先で高い減量率
前澤工業(産業施設部)は、1次、2次の発酵を1台で行う業務用生ごみ処理機「セブシリーズ」を発売した。発酵を優先にしたシステムで生ごみを農地に施用しやすい状態にするほか、減量率が95%以上と高く、従来は分解が難しかった油脂類やでんぷん、人毛の処理にも対応できるのが特徴。 ◇建設発生土等の有効利用に関する検討会報告
◇研削装置等のリサイクルを開始
半導体研削切断装置、精密ダイヤモンド工具などを製造販売するディスコ(本社・東京)は10月から、同社製の使用済み機械装置を回収、解体・リサイクルする事業を始めた。 ◇省エネ製品販売業者を評価
資源エネルギー庁は、省エネルギー型製品の普及をより広く促進させるために、販売事業者への対策が必要との考えから、「省エネルギー型製品販売事業者評価制度」を創設することになった。今年度末には「2003年度省エネ型製品普及推進優良店」を決定し、ランキングを含め公表されることになる。 ◇産廃税の導入向け検討
鹿児島県は、新たな地方財源についての調査研究を行い、「法定外目的税検討の中間報告」としてまとめ「産業廃棄物の排出に対する課税」と「水源かん養の観点からの課税」の2つに関して具体的な構想を示して、実施に向けた検討を進めることを明らかにした。
10月20日号ダイジェストニュース
◇有機汚泥乾燥プラント竣工
アース・コーポレーション(富山県小杉町、野崎俊雄社長)は10月、有機汚泥乾燥プラントを竣工、稼働を開始した。投資額は10億円。処理能力は1日当たり81tとなっている。9月にはISO14001の認証も取得しており、総合的な汚泥の再生事業を展開していく方針だ。 ◇来年度再商品化義務総量が決定
東京・霞が関の経産省本館で10月9日、行われた容器包装リサイクルワーキンググループ(座長・郡嶌孝同志社大学教授)で、来年度の容リ法の基づく自社の再商品化義務量算定に必要な資料が発表された。特定事業者に掛けられる再商品化義務総量を発表する。 ◇古畳処理施設が完成
古畳資源化事業者連絡協議会のワイ・コンポ(名古屋市港区、岩本由弘社長)は、月間2万枚の古畳を粉砕してコンポスト処理する中間処理施設を本年10月に完成した。 ◇バイオガス施設が順調稼働
北海道滝川市など3市2町からなる中空知衛生施設組合は、家庭系と事業系一般廃棄物の生ごみを対象に、1日55tの処理能力を持つバイオガス化施設の本格稼働に入った。試験稼働を経て、8月から構成町村の一般家庭と事業所から日量約30tの生ごみを受け入れており、稼働状況は良好という。 ◇車載型で刈草を固形化
栗本鐵工所(大阪市、横内誠三社長)は、国土交通省と共同で、河川堤防などの刈草を除草現場で固形・炭化する車載型の装置を開発した。すでに30カ所以上で実証実験が完了している。 ◇特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成二十四年度までの間に ◇来年にも年24万t
同和鉱業子会社の花岡鉱業(秋田県大館市、恩田達也社長)の土壌洗浄プラントで浄化する汚染土壌処理量が、来年にも同施設の年間最大処理量24万tに達する見込みだ。今年7月に土壌汚染対策法上の浄化施設として全国で初めて認定された同施設に続き、今月には、汚染土壌を熱処理する同和クリーンテックス(同、島田和明社長)の施設も認定されるなど同社の土壌浄化事業は拡大傾向にある。同事業の売上(連結)は昨年度が約70億円、今年度は約100億円を目指す。 ◇100%再生材屋上緑化マット
建材メーカーの東邦レオ(大阪市、橘俊夫社長)は、緑化園芸資材研究開発のアースコンシャス(徳島県)、環境用品メーカー山崎産業(大阪市)らと共同で、縫製裁断端材などの繊維くずや使用済みペットボトル、プラスチックなどを100%再生利用した屋上緑化用植物栽培マット「エコグリーンマット」を開発した。 ◇溶融飛灰を製錬原料に利用
沖縄県浦添市はこのほど、同市の清掃工場の焼却灰を溶融処理した後に出る溶融飛灰をさらに再生利用する新たな試みを開始した。従来、飛灰は埋立処分されていたが、今回の取り組みにより、ほぼ100%のリサイクル率を達成。全国的に珍しい自治体のゼロエミッション化にこぎつけた。
10月27日号ダイジェストニュース
◇多摩地域に焼却施設が竣工
リスト(本社・東京都国立市、社長・遠藤邦教氏)が、汚泥や廃プラ、医廃などを焼却できる施設(処理能力48t/日)を完成、10月16日竣工式を行った。東京の西部、多摩地域に新しい焼却施設が誕生した。 ◇容器包装リサイクル法
容リ法で特定事業者が自社の再商品化義務量算定に必要な2004年度の資料が10月9日、第5回容器包装リサイクルワーキンググループ(座長・郡島孝同志社大学教授)で公開された。ここでは、その際、必要となるデータを紹介する。 ◇日量960t処理能力施設が完成
山口県と宇部市の両土地開発公社が事業主体となって造成した宇部テクノパークの進出第1号の企業として、建設系の廃棄物処理と再生利用を行う「アースリックジャパン」の施設完工式が行われ、10月から本格稼働がスタートした。 ◇イモ皮など5.2tバイオガス化
食品製造会社のポテトデリカ(長野県穂高町、小椋勇雄社長)はクボタ(大阪市)とバイオガスプラントのリース契約を行い、製造工場で発生するジャガイモの皮などのバイオガス化を開始した。 ◇廃プラ小型油化装置を開発
ブレスト(東京・港、伊東昭典社長)は、連続式廃プラスチック小型油化装置を開発した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実証開発を進めてきたもので、熱源に独自の省エネ型ヒーターを採用し、小型規模で低ランニングコストの連続油化を可能にした。11月4〜7日には、NEDO主催の「2003実用化助成事業成果展示会」が東京ビッグサイトで行われ、同社もこれに出展する。 ◇特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成二十四年度までの間に ◇今年度15万台規模に
同和鉱業子会社のエコリサイクル(秋田県大館市、大日方司郎社長)の廃家電等の処理量が、今年度15万台に達する見込みだ。 ◇廃床材でタイルカーペット
廃床材をバッキング材の原料に利用したタイルカーペット「セルコン・ハイテクポイント・エコ」を販売するセルコンテクノス(大阪市、石田孝昭社長)は、デザイン性に考慮したシリーズを新たにラインナップに加え、「ハイテクポイント・エコグラフィック」として商品化し発売した。 ◇情報開示、水対策を徹底
フクシマエコテック(福島県富岡町、佐々木功社長)の管理型最終処分場「エコテッククリーンセンター」は2001年3月の営業稼働開始以来、受入廃棄物の性状や水処理の状況、放流水質などの情報を積極的に開示している。浸出水処理、漏水検知システムなど水対策も徹底している。稼働中の第1期分の埋立容量は約23万立方bで、現在、第2期分約88万m3についても県と協議中だ。 ◇2003秋季特集号(抜粋)
■循環型経済・社会の構築に向けて ■中部特集 ■北陸特集
八戸エコタウンで日量50t/大型のスラグ製品などを製造
ボトルtoボトルが実用化
融雪に木くずペレットボイラ/車イスの利便性を考慮
汚泥、動植残など200t/d /減圧併流発酵法を採用
条件に応じて最適操縦表示/産廃収運の合理化から発想
環境・災害測定予報に突破口
2工場で月2000tを製造
金属を採用した燃焼方式で
医廃など25t/日を処理
医廃、廃プラなど日量47.5t/グループ初の処理事業参入
破砕・発泡し、土木資材に
日量30m3を土木資材
パレット式自動倉庫を採用/ "彩の国"で108t/d
循環型生ごみ処理機発売
建設発生土等の有効利用に関する対応方針/「行動計画に盛り込むべき内容」(抜粋)
広域再生利用指定を受け/組立の従業員が解体・分別兼務
普及推進優良店を公表
1t1000円を基本に
処理能力計400t/日に
容器包装プラは58万tに
日量20tで年間24万枚
生ごみで55t/dの規模
除草現場で炭化も可能に
計画的かつ着実に推進するための基本的な方針(上)
熱処理施設、対策法の認定施設に/土壌洗浄プラントの汚染土壌処理量
3年で5万m2施工目指す
清掃工場のゼロエミを実現
汚泥、廃プラ、医廃など48t/日を焼却
来年度の自社再商品化義務量算定データ
建設汚泥や石膏ボードも
プラントのリース方式を採用
NEDO展示会で発表へ/省エネヒータで連続処理
計画的かつ着実に推進するための基本的な方針(下)
廃家電処理量、ヤード新設も検討
デザイン考慮しエコマーク認定も
管理型第1期23万m3/県と第2期目を協議中
―東日本、エリア別適正処理・リサイクル施設の設置状況―