循環経済新聞・バックナンバー“2004年2月度”

2月2日号ダイジェストニュース

◇管理型が受け入れ開始
約57万m3で大阪府民間唯一

- 大栄環境 -

廃棄物の一貫処理システム構築とリサイクル製品の開発・生産を目指す、大栄環境(兵庫県神戸市、下地一正社長)は、大阪府和泉市平井町に、府内では民間唯一の管理型最終処分場「平井管理型最終処分場」を開設、本格的な受け入れを開始した。


◇事業所から出る古紙を周知
処理法改正も従来通り

- 経産省 -

経済産業省紙業生活文化用品課古紙係は1月19日、事業所から出る古紙の取り扱いについて、事業者に対する周知文を発表した。今回、廃棄物処理法の改正により、事業者が一般廃棄物の処理の委託基準を定め、措置命令の対象者に委託事業者を加えるなど制度が厳しくなったため、古紙の取扱いについて、市町村によって周知態勢がまちまちであったことから、従来通りであることを周知することにしたもの。


◇建廃R工場が新展開
再生品の販売先も確保

- アースリックジャパン -

建設系廃棄物の処理や再生品の販売を行なうアースリックジャパン(山口県宇部市・國弘基昭社長)は、昨年末から日量900t以上の処理能力を持つ中間処理工場の本格的な受け入れを開始した。事業協力会を立ち上げて安定的な荷の確保に努める。


◇食品残さの受け入れ開始
年間3717tをたい肥化

- JA熊本うき -

JA熊本うき(熊本県松橋町)は、畜ふんたい肥化施設「健康土づくりセンター」(熊本県宇土市)で食品残さの処理を本格的に開始、昨年4月から12月までに畜ふんと合わせて3717tを処理した。昨年までに一廃の施設設置許可、産廃の中間処理業許可を取得しており、宇土市の家庭系生ごみや食品加工工場から出る果物かすなどを1日に約10t受け入れている。


◇ピン付バネで異物除去
ガラ、砂利処理に新技術

- アズサ工機 -

アズサ工機(長野県梓川村、樋口亀三人社長)は、コンクリートガラや砂利の中から、従来にない乾式の技術で機械的に異物を取り除く回転式ごみ除去機「ハリネズミくん」を開発、新発売した。


◇ごみ処理施設を15建設
2008年まで32億元を投資

- 北京市 -

北京市市政管理委員会副主任・梁広生氏は、「北京―ソウル重点工作研究討論会」の席で、北京市は2008年までに32億元の資金を投入し、市場化方式によって15のごみ処理施設を建設すると述べた。


◇半年間で約1万2205本
硫酸ピッチ不適正処分が急増

- 環境省 -

環境省のまとめによると、全国の硫酸ピッチの不適正処分の発見数は年々増え続け、2003年度は4月1日から10月1日までの半年間で27件約1万2205本だった。発見された114件についてみると、千葉県と埼玉県がそれぞれ19件、茨城県と栃木県がそれぞれ10件などと多くなっている。


◇自然エネルギーでカメラ作動
不投防止全国普及の一歩

- NPOエコ・テクル -

ICタグやGPS(全地球測位システム)によるIT技術で廃棄物の処理や移動情報を管理する「環境ガードシステム」を構築、不法投棄防止などの環境保全を目指すNPO法人エコ・テクル(事務局・福岡市博多区)は全国普及の第一歩として2月4日、新たに岐阜県での法人設立準備会が開かれることを明らかにした。



2月9日号ダイジェストニュース

◇あわせ産廃処理で制度創設
都道府県等部局長会議で方針

- 環境省 -

環境省は、市町村の一般廃棄物処理施設(ごみ焼却施設・埋立処分施設)整備で民間企業からの産業廃棄物を処理するいわゆる「あわせ産廃」処理を行う場合、2004年度の1年限りのモデル事業として国庫補助の対象とすることにした。一方、既設のごみ焼却施設などについては、処理能力に余裕がある場合は環境大臣の承認を得れば産業廃棄物を受け入れることができることになる。これらの制度を実施するための要綱を3月をめどにまとめる。


◇PET再生強化へ、新工場
計1.6万tの処理能力に

- ウツミリサイクルシステムズ -

PETボトルの再商品化事業者で、再生シートや成型品などを製造・販売するウツミリサイクルシステムズ(大阪市、内海正顕社長)は、業務拡張に伴い、大阪府泉南市に処理能力・年間8000tの新工場を建設する。今年4月稼働の予定で、既存の小牧工場(愛知県小牧市)と合わせたPET再商品化能力は年間1万6000t。国内最大級となる。


◇石膏ボード処理量増加
全天候型の受入ヤードも

- 大成プレザント -

廃石膏ボードの処理を専門に行う大成プレザント(愛知県豊田市、篠原秀則社長)は、受け入れ量の増加に伴い、大型容量の集じん機を設置、全天候型の受け入れヤードを完成させ、日量100m3を処理して、月間2000m3以上の受入・処理を可能にした。


◇処理機の問題を解決
母材提供、生成物は引取

- グリーンアップ -

グリーンアップ(愛知県稲沢市、大菅秀延社長)は、稼働状況が思わしくない、既設業務用生ごみ処理機のユーザーやメンテナンス業者に独自の母材(菌床材)を提供し、問題の解決にあたると同時に、残さを引き取ってリサイクルする事業に乗り出した。


◇メタン発酵機の販売を開始
菌体固定担体で発酵速める

- エコネックス -

エコネックス(大阪市、麻生春彦社長)は、穀物系をはじめとする食品残さや家畜ふん尿、焼酎かすなどの処理に適した二槽式高速メタン発酵装置を発売した。独自開発の菌体固定担体を発酵槽内に設置して発酵速度を高めたこと、最低限の発酵工程のみを新設し、現場の従来設備を活用してコストダウンを図ったことなどが大きな特徴だ。


◇廃棄物・リサイクル対策に係る課題への対応について 平成16年1月28日

- 中央環境審議会 廃棄物・リサイクル部会 -

中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会は1月28日、環境省が昨年発表した「『環境立国』実現のための廃棄物・リサイクル対策」と題する政策パッケージに関する具体的な対応策を取りまとめた。これは昨年11月から4回にわたって行われた審議を元に作成されたもので、環境省はこの内容を踏まえて廃棄物処理法の改正に着手する。


◇中古厨房業者が京都に進出
産廃業者からルート確保

- テンポスバスターズ -

中古厨房機器販売のテンポスバスターズ(東京・大田、森下篤史社長)は2月1日、京都店(京都市)を開店した。関西地区では東大阪店、西宮店に次いで3店舗目の出店。京都市内を中心とした飲食店を対象に初年度売り上げ3億6000万円を目指していく。


◇壁面緑化材にRウールなど
開発事業者外も技術利用可

- 食とみどりの総合技術センター -

大阪府の研究機関である食とみどりの総合技術センター(大阪府羽曳野市)と産業デザインセンター(大阪市)は、再生ウールや砕石残土発泡体を基盤材にした壁面緑化研究の成果を発表した。実証の結果、緑化基盤材のみでの断熱効果と、植栽・かん水により気温上昇の抑制効果があることが分かった。


◇循環ビジネス戦略を論議
近く中間報告を発表

- 産構審・地域循環ビジネス専門委員会 -

産業構造審議会・環境部会産業と環境小委員会の地域循環ビジネス専門委員会(委員長・細田衛士慶応義塾大学経済学部長)は1月28日、第4回会合を開き、中間報告案について論議を行った。



2月16日号ダイジェストニュース

◇蛍光灯リサイクル工場竣工
丸形、コンパクト形は専用ライン/年間処理能力5000tに

- JFE環境 -

JFE環境(本社・横浜市、福武諄社長)では廃蛍光灯リサイクルの新工場が完成、本格稼働を開始した。従来の年間2500t(実績)から5000t(処理能力ベース)へと倍増する。将来の需要拡大にも対応できるように、関東圏の事業系蛍光灯の消費量に相当する1万2000tまでの処理ができる基盤を整備する。


◇再生から製品化まで
一貫工場でリサイクル

- ヨコタ東北 -

ヨコタ東北(山形県新庄市、横田健二社長)は、新庄市内にあるリサイクル・アメニティセンターで、回収したトレーや弁当箱などを再生ペレット化、トレーなどの容器の成型まで一貫して行っている。工場は、アメニティセンターと渡り廊下でつながっており、同センターには、広いギャラリーと子どもたちにアニメで環境教育を施すシアターや創作家の、みのわむねひろ氏がガラスでデザインした壁画が壁に掛けられている休憩室や同氏のギャラリーなどがあり、一般のリサイクル施設とはかけ離れた“環境教育施設”となっている。


◇廃棄物情報を一括管理
PDA利用しJWNETとも連携

- フルハシ工業 -

フルハシ工業(名古屋市、山口直彦社長)は新築副産物リサイクル部門で、電子マニフェスト対応の廃棄物情報管理システム「廃材代官」を開発し、導入を始めた。12月17日に本格的に木質リサイクル、建設副産物リサイクル、物流資材リサイクルの3事業を開始した同社の千葉リサイクルランド(千葉市中央区)でも、今月末をめどにシステムの運用を始める予定だ。


◇畜ふんを高価値の肥料に
嫌気発酵で養分を保持/試験稼働で実用化にめど

- 醗酵インベンション -

醗酵インベンション(神奈川県平塚市、糸洲義人社長)は、今年11月に迫った家畜排せつ物法の完全施行に向けて、ふん尿に食品廃棄物を混合し、乳酸醗酵技術で付加価値の高い肥料にリサイクルするシステムを開発した。静岡県・朝霧高原の牧場で昨年7月から実証試験を行って、実用化のめどをつけており、栽培試験の結果を待って、今夏からプラントの販売に乗り出す。


◇果物搾りかすを消滅型で
食リ法対応に新機種追加/厨房向け小型機も開発

- エバラ機工 -

エバラ機工(東京・台東、江原秀雄社長)は、消滅型生ごみ処理機の技術をベースに、食品工場等から排出される果実類の搾りかすを処理するプラントと、レストランなどの厨房に設置する小型タイプの処理機を開発した。食品リサイクル法への対応を図る関連事業者を主な対象に、4月から発売する。


◇廃石膏ボード再生の現状
リサイクルの受け皿がカギ/解体系の排出量は年々増加


建築工事や解体工事で発生する廃石膏ボードは、1999年の廃棄物処理法改正で安定型処分が禁止された。これにより、埋め立ては管理型が義務づけられたことになるが、処分場のひっ迫による料金の高騰や、建設リサイクル法で特定建設資材への追加が示唆されたことなどを背景に、リサイクルへの取り組みが急速に進んだ。(社)石膏ボード工業会では、今年の廃石膏ボードの排出量は140万tと試算し、その後も増え続け、2013年には199万tに達すると予測している。現在、石膏ボードリサイクルの最大の課題は分離後の石膏粉や紙の用途。増え続ける排出量に対応するためにも、受け皿の拡大が待たれるところだ。ここでは、技術開発やリサイクルへの取り組みなど、廃石膏ボードリサイクルの現状をまとめてみたい。


◇エンジンからアルミを回収
回転炉を導入し増産体制へ

- 平安 -

エンジンブロックからベースメタルを再生する平安(京都府久御山町、山本泰社長)は、溶融用の7t級回転炉を新たに導入、月間8000tの生産体制を整えた。増設投資額は1億5000万円。これに伴い運搬用の25tトラックを3台導入している。


◇環境配慮型商品は約50兆円
グリーン購入調査結果

- GPN -

グリーン購入ネットワーク(GPN、東京・渋谷)はこのほど、第8回グリーン購入アンケート調査結果を報告した。組織的にグリーン購入に取り組む団体は83%。うち大企業では96%が組織的取り組みを行い、56%が実績把握などを行っていた。一方、都道府県・政令指定都市は97%が組織的取り組みを行い、90%が実績把握を行っていることが分かった。


◇独自の産廃条例、4月施行
無許可業者も除去命令など

- 京都市 -

京都市は2月3日、「京都市産業廃棄物の不適正な処理の防止等に関する条例」の制定・公布を発表した。今年4月から施行する。自家処理に伴う保管用地の届出義務化や立入検査、無許可業者・土地所有者への除去命令、命令違反者への罰則規定など、全国の中でもより厳格な内容で、現行の廃棄物処理法を補完できる市独自の制度として、抑止効果を期待している。



2月23日号ダイジェストニュース

◇汚泥処理で工場増設
排出側に無害化提案

- 関西クリアセンター -

関西クリアセンター(大阪府八尾市、伊山権一社長)は2月、汚泥処理工場の施設増強を完了、本格的な稼働を開始した。今後は許可の拡大を図って扱い品目を増やし、来期は5億円の売上を目指す。


◇食品安全委が審査に着手
国の最終答申、4月にも?/PET「BtoB」秒読みへ


使用済みPETボトルを化学分解、原料モノマーに戻し、再び飲料用ボトルに製品化する「ボトルtoボトル」(BtoB)リサイクルが秒読み段階に入った。このほど、厚生労働省の諮問機関、食品安全委員会では「BtoB」の安全性に関する初の「器具・容器包装専門調査会」を開催。答申の手続きが順調に進めば、早ければ今春にもボトル向け再生PET樹脂の出荷がスタートする見込みで、今後、帝人グループなどが展開するケミカルリサイクルの本格的な到来となるのか、業界関係者から多くの関心を集めている。


◇1日当たり60tの木材を炭化
建廃等の木くずも受入

- フリーウッド -

木材の炭化等を手掛けているフリーウッド(本社工場・茨城県岩間町、藤田功社長)が炭化処理している木くずや間伐材の量が、1日当たり約60tに及んでいることがわかった。 もともと同社は森林保護を目指し間伐材を再利用するために立ち上げた会社で、質の良い間伐材を乾燥させるなど手を加える際、それ以外の木で炭を作り熱源にあててきた経緯がある。現在は炭を作る部門を1つの事業として独立させた形だ。


◇生ごみ処理機の設置動向
活用例少ない高額補助/食リ法対応へまだ様子見?


業務用生ごみ処理機を設置する事業者に対して、2000年度以降、1部の市町村が100万円以上の高額な補助金を交付する制度を設けたものの、実際に制度を活用している事業者は少ないという現状が、本紙編集部の調査で明らかになった。ほとんどの市町村は、申請自体が少ないとしている。要因として、事業者に制度自体が十分に浸透していない可能性があることや、高額な補助があっても現時点では設置に踏み切れずにいる事業者が多いことが考えられる。


◇廃棄物管理に位置・画像情報
JWNETとも連動

- アースデザインインターナショナル -

アースデザインインターナショナル(東京・港、塚本英樹社長)はGPSと画像情報を利用した電子マニフェスト対応のシステムを開発し、大手企業数社と代理店契約を結び、導入をすすめている。なおこのシステムは廃棄物処理状況の追跡管理システムとして特許を取得している。


◇廃棄物・リサイクル対策に係る課題への対応について 平成16年1月28日

- 中央環境審議会 廃棄物・リサイクル部会 -


◇HDDデータ消去装置が好調
今年は60台の販売目指す

- プラットフォーム・オブ・ジャパン -

プラットフォーム・オブ・ジャパン(大阪市、七山美智賜社長)はハードディスクのデータ消去装置「データキラー」シリーズについて、今年は60台の納入を目指す。2月にはキヤノンに大型装置を納入するなど順調な滑り出し。リサイクル業者からの引き合いも好調で、パソコンリサイクルやセキュリティ意識の向上などを追い風とする考えだ。


◇監査マニュアルを導入
エコマーク不正使用で対応

- (財)日本環境協会 -

(財)日本環境協会はこのほど、エコマーク運用の適正化と消費者などへのさらなる信頼性向上のため、エコマーク商品の不正使用・表示などへの監査マニュアルを策定し、2月2日から開始した。


◇一廃業者ら協業で医廃処理
市内シェア9割まで拡大

- 大阪廃棄物処理 -

大阪市内の一廃業者らで組織し、医療廃棄物の共同処理を行う大阪廃棄物処理(大阪市、川崎博繁社長)は近年、月間約70万リットルの受入量で市内シェアの90%以上を占めるなど、顧客からの信用と実績を拡大している。事業の発足にあたり、一廃業界の混乱を防ぐため、行政指導の下で経営の透明化を図り、市域内処理を徹底する取り組みは、全国的なモデルとして今後の動向が注目される。



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