循環経済新聞・バックナンバー“2004年6月度”
6月7日号ダイジェストニュース
◇日量100tの焙焼炉が完成
野村興産(東京・中央、 兼丸 社長 )は5月26日、日量100tの処理能力を持つ大型焙焼炉をイトムカ鉱業所(北海道留辺蘂町) に新設、竣工式を行った。当日は地元自治体の関係者や収集運搬業者など約80人が参加。炉では主に使用済み乾電池と水銀を含む汚染土壌の処理を行う。 ◇容リ法見直しへ
経産省と環境省は、相次いで容器包装リサイクル法の見直しを行うことを表明した。これで、容リ法の附則第3条に書かれてあるとおり、2005年度の見直しに向けて検討する運びとなった。 ◇廃石膏の粉を固化材に
無機・有機に関わらず様々な廃材を有効利用するための技術開発を手掛けるクレーバーン技術研究所(栃木県河内町、居上英雄会長)は、廃石膏ボードから得られた石膏粉を用いて、湖沼・河川等のしゅんせつ土(スラッジ)や汚泥を即時固化する技術を開発、島根県の神西湖で地元の建設会社の協力を得て実証実験を始めようと研究を進めている。 ◇木質バイオマス利用をトータル提案
ワダケン(滋賀県水口町、和田賢社長)は、木質バイオマスを土壌形成材にする自社システムを、生成品の利用方法など含めてトータルで提案するための体制作りに乗り出した。 ◇汚泥などの活用システム拡販へ
御池鐵工所(広島市、小林由和社長)は有機汚泥や排水、生ごみ、廃油、家畜ふん尿などを分解・活用するシステムをユニット化、拡販に乗り出す。食品加工工場などを中心に展開し、今年度中に10-20件の受注を目指す。 ◇廃電子製品の回収利用技術研究が始動
上海科技重大プロジェクト「電子廃棄物回収利用技術研究」が先日、正式に始動した。まずは廃テレビと廃パソコン(PC)に狙いを定め、すでに、廃テレビ、廃PCの年間処理能力10万台のラインの工程設計が進められている。上海市科学委員会の同課題担当である華東理工大学と同済大学の科学研究員を取材した。 ◇水銀処理年間4万tへ
野村興産(東京・中央、兼丸惠社長)がイトムカ鉱業所に設置した大型焙焼炉は日量100t。使用済み乾電池と水銀を含む汚染土壌の処理を主に行う。汚染土壌はスポット的に発生することが多いことから、受け入れ状況により乾電池処理と切り替えるという。 ◇世界初水素圧縮100Mpa超
繊維機械や鋳製品、溶接品の製造を行う加地テック(大阪府三原町、樋口有三社長)は、世界で初めて1100気圧(110Mpa)以上の水素ガス圧縮機「WSA-60GH-OL型」を開発、商品化し、5月末から販売体制を整えた。 ◇廃棄物処理まで一貫の炉解体
化学プラント・環境設備などを手がける呉羽テクノエンジ(本社・福島県いわき市)は長年に渡り蓄積された焼却炉の技術を活かし、2001年9月から本格的に開始した廃棄物焼却施設解体事業でこれまでに110基以上の施工実績をあげている。
6月14日号ダイジェストニュース
◇ダイオキシン処理施設が竣工
運送業、産業廃棄物処理業などを手がける不二倉業(神奈川県寒川町、池田誠社長、環境事業部)では、ダイオキシン類を含む特別管理産業廃棄物の燃え殻・ばいじん、産業廃棄物のレンガくずを処理する「ダイオキシン類処理施設」が完成、4月26日に神奈川県から業許可を得て受託処理事業を開始した。 ◇「規制緩和」反対を確認
一般廃棄物処理業者らで組織する全国清掃事業連合会(全清連、三井崇裕会長)では、先に開かれた通常総会の中、今後も引き続き一廃処理業界の規制緩和に対して反対姿勢を貫いていく方針を確認した。 ◇木くず、プラでエコ建材
東京木工所(東京・渋谷、谷口正幸社長)は、千葉県木更津市内で準備を進めてきた木くず・廃プラスチックリサイクル施設について、今年8月半ばまでに産廃処理に関わる許可手続き等を終え、9月にも本格稼働に入る考えを明らかにした。 ◇食残25%混合は問題なし
東京都畜産試験場は、業務用生ごみ処理機の生成物を慣行飼料に混合し、養鶏用の飼料として利用する試験で、食品残さの処理物を25%まで加えても、従来の慣行飼料のみを与える場合と比べて、産卵率や産卵日量に悪影響を与えないことを確認した。 ◇生ごみ処理を効率化
日本リーイング(東京都西東京市)は、生ごみ処理機の前工程に適した高速粉砕機「RSCシリーズ」の最小モデル(処理能力300リットル/時)と、スクリュープレス式脱水機「RSDシリーズ」の改良型を発売した。 ◇水質汚濁防止法の排水基準を定める省令の改正(暫定排水基準の見直し)について
環境省は5月31日、水質汚濁防止法の「排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令」を公布した。平成16年7月1日から施行される。 ◇自動車R法に向け体制整備
共英製鋼グループの共英リサイクル(山口県小野田市、永田紘文社長)は6月、自動車解体ラインを稼働する。自動車リサイクル法に定められたASR処理委託事業と全部利用者としての事業展開にあわせた設備投資の一つで、手分解による精緻な解体を行い、月間800台を処理していく。 ◇廃床材R率が51%
コクヨエンジニアリング(東京支店、東京・港)はこのほど、産業廃棄物の収集運搬・中間処理業者の御美商(東京・葛飾)などと共同で、廃床材のリサイクルシステムを確立。 ◇密閉、漏洩防止など求める
廃棄物処理法などでPCB廃棄物の収集・運搬に係る基準が示されたことを受けて、環境省は今年3月、「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」をとりまとめた。 ◇2003年度環境装置受注状況
(社)日本産業機械工業会が大手プラントメーカーなどの会員140社を対象に調査する環境装置受注状況で、2003年度(4-3月)の受注額が明らかになった。ここでは、2003年度の環境装置全体について、需要部門別と各装置別の受注状況の概略を紹介する。 ◇第14回・通常総会を開催
(社)広島県産業廃棄物協会は5月24日、広島市内で第14回通常総会を開催し、2003年度事業ならびに収支報告、04年度の事業、収支計画を発表・承認。新たな年度のスタートをきった。
6月21日号ダイジェストニュース
◇「紙おむつto紙おむつ」を事業化
トータルケア・システム(福岡市、長武志社長)は使用済み紙おむつのリサイクル事業展開に伴い、大牟田エコタウン(福岡県大牟田市)内に専門工場を建設する。8月内の完成、9月からの稼働を予定している。使用後の紙おむつ再生事業は、国内では初のケースとなる。 ◇創業55周年迎え、記念式典
一般廃棄物処理業の山本清掃(京都市、山本敏裕社長)は5月30日、京都市内で創業55周年記念式典を開催した。同社は市内でも老舗の許可業者で現在、空き缶やPETボトルなどの資源リサイクルのほか、機密書類処理ビジネスを展開。式典の中で、事業強化の一環として、産廃などの積替保管・選別に対応した新工場の建設計画を明らかにした。 ◇木くずチップ40万tめざす
フルハシ工業(名古屋市、山口直彦社長)は、木くずチップの出荷量について、今期は40万tを目指す。解体材の発生量や、チップの受け皿として最大の市場である関東に注力することで実績を伸ばす考えだ。 ◇バイオディーゼル燃料化施設を完成
京都市は廃食油のバイオディーゼル燃料化施設を一般廃棄物処理施設の「南部クリーンセンター」内に完成、稼動を開始した。各家庭から出る廃食油と事業系の廃食油を回収し、1日に5000リットル、年間で150万リットルを燃料に精製する。 ◇小型炉3社に“優良”認定
(社)日本産業機械工業会優良小型焼却炉機能評価委員会(委員長・田中勝岡山大学大学院教授)は、ダイオキシン対策が施された優良な小型焼却炉の機能評価で、2003年度に申請のあった中からJFEメカニカル、日本プライブリコ、三浦工業の3社・3炉を「優良」と評価した。 ◇環境行動計画(案)
国土交通省は6月1日、環境行動計画案を発表、意見の募集を行った。国土交通行政のグリーン化に向け、1.行政の全段階を通じた環境負荷の低減2.広域・流域の視点重視3.施策の総合的・集中的投入4.国民各界各層の主体的な行動、連携・協働の促進を掲げ、6つの改革を具体的に挙げている。 ◇オイルフィルター再生事業に着手
ホンダは自動車用使用済みオイルフィルターの再生量が6月、10万個に達する見通しだ。回収は全国約3000カ所にある自社系列ディーラーからのもの。 ◇最大3kw対応の風力発電機
放送設備機器や電気通信工事業を手がける山陽電子工業(岡山市、坂口正憲社長)は、風力発電による大容量の電源確保を視野に入れ、クリーンエネルギー関連機器の開発設計に本腰を入れる。 ◇2002年度温室効果ガス総排出量13億t
地球環境保全に関する関係閣僚会議と地球温暖化対策推進本部が今年5月に発表したデータによると、日本の2002年度(平成14年度)の温室効果ガスの総排出量は、13億3100万tで、前年度の総排出量と比べると2.2%増加した。さらに、地球温暖化防止の国際的な取り組み・目標を定めた京都議定書の規定による基準年90年(原則)の総排出量と比べると、7.6%上回っている。 ◇DXN除染・炉解体で実績60件
東京トリムテック(東京・品川、最上修社長)は廃棄物焼却炉のダイオキシン類除染と撤去・解体処理事業で、廃石綿処理のノウハウを活かした除染工法や洗浄水循環利用システム、煙突解体の「ルーズソックス工法」など独自の技術を開発・導入し、これまでに約60件の実績をあげている。
6月28日号ダイジェストニュース
◇土壌浄化施設に認定指針
熱処理施設などを土壌汚染対策法の汚染土壌浄化施設として都道府県等が認定する際の指針を、環境省が今月4日付けで都道府県等に通知していたことが分かった。 ◇プラ製品のLCA的評価
プラスチック処理促進協会(東京・中央)は6月16日、「プラスチック製品のLCA(ライフサイクルアセスメント)的評価」と題する報告書を発表した。今回は、プラ製品の代表的な用途の中から(1)自動車分野(2)液体洗浄容器(3)飲料の輸送包装資材――を取り上げ、LCIデータをもとに定量的に分析した。 ◇廃瓦を再生資材に
廃瓦をリサイクル処理する國陽(京都市伏見区)は、廃瓦の再生利用の拡大のため同社が原料化した廃瓦で作った再生舗装材などのエコ建材を「京瓦道」というエコマーク商品のブランド名にして昨年から事業展開してきたが、今期から各地の瓦メーカーとも協力して再生利用ルートを拡大してきたことで処理量もエコ建材の生産量も5割アップが見込まれている。 ◇廃食用油を地域循環
染谷商店グループのユーズ(東京・墨田、染谷ゆみ社長)は、軽油代替燃料化を核にした廃食用油のリサイクルに多角的に取り組んでいる。 ◇経産大臣賞にタクマ
(社)日本産業機械工業会が実施する2003年度(第30回)優秀環境装置表彰事業で、経済産業大臣賞に「新乾式排ガスクリーン化システム」で応募したタクマが選ばれた。経産省産業技術環境局長賞には、オルガノの「無薬品型純水製造装置(D2EDI型電気脱円装置)」、中小企業長官賞には山伸工業の「機械撹拌エアーミルク混合圧送装置」、日本産業機械工業会会長賞にはササクラの「フッ酸回収装置」など7件の受賞が決定している。各受賞者の表彰式は24日、東京都内で行われた。 ◇改正廃棄物処理法等に基づく政省令事項に係る今後の対応
「廃棄物・リサイクル対策に係る課題への対応について」(中央環境審議会・04年1月28日、意見具申)の内容のうち、政省令改正により今後措置を講ずべき事項について環境省がまとめたものを紹介する。 ◇原則認定行わず
環境省が都道府県等に通知した「汚染土壌浄化施設の構造および維持管理の指針」の適用にあたっての留意事項には、PCB汚染土壌の浄化について、社会的な合意が得られていないことから当面の間は原則として認定を行わないこととすることなど、3点が盛り込まれた。 ◇環境部署設立で本格参入
電設資材や電子機器、情報機器などの販売を手がける昭和電気(大阪市、松原俊光社長)は、4月から環境営業部を立ち上げ、クレイ工業(鹿児島県川内市)製の300W級(風速12.5m)風力発電機の販売を開始した。 ◇國中賢吉会長が再選
(社)全国産業廃棄物連合会(東京・港、國中賢吉会長)の第20回通常総会が6月18日、東京・明治記念館で開催された。任期満了に伴う役員改選で、國中会長が再選された。 ◇「2004広島パック&リサイクル展」いよいよ開催へ
「包装・物流の新技術と環境保全・再資源化への挑戦」をテーマに、7月8日から10日までの3日間、広島県立広島産業会館・西展示館にて「2004広島パック&リサイクル展」(主催・日報イベント、特別協力・日報アイ・ビー)が開催される。予定来場者数は3万人規模を想定。入場登録料は500円。
汚染土壌の受入増加に対応
産構審・中環審で表明
しゅんせつ土で実証へ
生成品使用先の確保へ
食品加工工場中心に展開
まず廃棄テレビと廃棄パソコンに焦点/年間解体量10万台規模の処理ラインを建設/技術研究と関連の法制定作業を展開中
受入拡大へ体制整備進める
供給ステーション普及に貢献
独自の工法、110基以上の実績/DXN系もグループで処理
燃え殻・ばいじん等48m3/日/低コストの適正処理を実現
業界内外の攻防は続く
トピアの技術で9月稼働へ
養鶏への飼料利用で成果
粉砕機、脱水機に新機種
解体ラインを今月稼働へ
塩ビタイルを再生・販売
PCB廃棄物の運搬容器/ガイドラインで基準示す/UNマークなどの検査必要
8月にも大牟田で工場完成
新工場建設で選別R強化へ
関東に計4拠点を整備
年間で150万リットルを精製
いずれも乾留ガス化式/独自の上乗せ基準適用
循環型社会の形成/国交省まとめる
総発生量の7割回収目指す
電源需要の拡大視野に
国がまとめ、90年比7.6%増/廃棄物部門はCO2で43%増
石綿処理のノウハウ活かし/研究会で独自マニュアル
廃棄物処理法15条施設などが対象/都道府県等に環境省通知
容器・包装資材など発表
エコ建材が5割増
軽油代替燃料などに再生
日造、荏原は工業会長賞/(社)日本産業機械工業会の第30回優秀環境装置表彰
PCB汚染土壌の浄化/洗浄PCB抽出方式は保留
ハイブリッド小型風力発電機など
(社)全産廃連の第20回通常総会/国、排出事業者などと業者の優良化推進へ
7月8日(木)〜10日(土)県立広島産業会館・西展示館にて