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1月1日号ダイジェストニュース
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2008新春特別号No.1
◇第2段階に入るリサイクル
個別法が順次見直し
リサイクル関連諸法が近年次々と見直され、それぞれのリサイクルが第2段階に入ろうとしている。
一昨年の容器包装リサイクル法の見直しと改正に続き、昨年12月には改正食品リサイクル法が施行された。さらに家電リサイクル法と建設リサイクル法の見直しの方向性も明らかになった。
資源有効利用促進法も近く改正されることになっている。日本の3Rの進むべき道があらためて問われる年がやってきた。
◇サミットを飛躍の糧に
由田秀人環境省廃棄物・リサイクル対策部長に聞く 3Rを世界に発信する/大規模不投克服の経験活かす 個別リサイクル法は次々見直し/循環基本計画は改定へ
環境を主要なテーマとした洞爺湖サミットが行われる2008年。地球温暖化防止とともに、3R推進、循環型社会形成が大きくクローズアップされる年になる。日本で築き上げてきた法制度と取り組みをさらに向上させるとともに、アジアや世界へその成果を発信する時代になった。これまでの経験と今年の抱負を由田秀人環境省廃棄物・リサイクル対策部長に聞いた。
◇寄稿 最近の行政処分の動向
(株)日本廃棄物管理機構 木川 仁 法改正に対応できない第1世代経営者への警鐘
◇産業界の産業廃棄物対策
最終処分量86%減へ/自主行動計画で成果あげる/新たな目標値を設定
日本経団連は、環境自主行動計画「廃棄物対策編」の表題を昨年取りまとめた2006年度フォローアップ調査結果から「循環型社会形成編」に改称している。これは、産業界が、これまでの産業廃棄物最終処分量の削減にとどまらず、循環型社会の形成に向けた幅広い取り組みへの意欲を示している。
フォローアップ調査結果では、環境自主行動計画で目標とした「産業廃棄物最終処分量を2010年度までに1990年度実績の75%を削減する」という産業界全体の目標値を4年連続して前倒しで達成した。
今回の取りまとめで産業廃棄物最終処分量は896万トンで90年度実績の84.7%を削減したことから、新たな目標値を86%減とすることを決めた。
業種別の独自目標も策定して循環型社会の形成に向けた取り組みを強化している。
◇電子マニフェスト その現状と展望をみる
08年度普及率30%へ 不法投棄防止の使命帯び/報告の義務化で加速か
21世紀は環境の世紀といわれる。環境を含めた企業の社会的責任も大きな課題になっているが、1997年6月の廃棄物処理法の改正によって創設された電子マニフェスト制度は、社会問題となっている産業廃棄物の不法投棄の未然防止に大きな役割を果たしつつある。
環境省は、2008年度に電子マニフェストの普及率30%を達成目標にしており、また、今年から県に対するマニフェストの報告の義務化が再開されるなど、関係団体等の特段の努力が求められている。その現状と展望を追った。
◇循環資源の現状と展望 廃プラ編
有効利用率が72%に/サーマル中心に拡大
近年、中国など新興国での急速な需要増、原油高の高騰といった背景から、廃プラリサイクルはサーマル・マテリアル両面で急速に進んでいる。特にここ数年では海外輸出という要素も相まって、循環資源としての市場を確立しつつあるとさえいえる。
本紙過去記事のダイジェストも織り交ぜながら、循環資源市場としての廃プラの現在と今後を追う。
◇循環資源の現状と展望 廃プラ編
関東中心にRPF設備が増加/ネットワーク化による事業拡大へ
製紙会社などの関連ボイラ新・増設によるRPF需要の急増で、サーマル利用が増加している。西日本を中心に、大型需要家の多い地域でRPF製造施設の建設が進んできたが、最近では関東などでもRPF製造への参入が増えている。
◇循環資源の現状と展望 木くず編
需要活発化で供給が混迷/各地で集荷合戦激化
数年前まで、時期や地域によっては供給過多とされてきた木くずが、急激な需要拡大で「循環資源」としての市場を形成しつつある。需要増加のスピードが急であったため、供給側は異業種からの新規参入や旧来の供給システムの崩れ、ダンピングなどの影響を受けており、集荷体制の強化や未利用バイオマスの活用など、様々な対策が行われている。
需要増加は今後も続く見通しで、業界全体で安定的な供給体制を維持するための対策も求められるようになっている。本紙紙面にて昨年取り上げた記事のダイジェストも織り交ぜながら、木くず市場の現在と今後をまとめた。
◇循環資源の現状と展望 木くず編
扱い幅拡大など対策進む/計画的な事業戦略で安定集荷へ
全国的に供給過多から供給不足に需給状況が移行したのを受け、木質チップ化事業における原料の安定確保は重要な命題の1つとなった。供給各社は地域密着性、解体工事業とのパイプなど従来の廃材確保策の強化とともに、新たな種類の廃木材の取り扱いなどの対応も進めている。
◇循環資源の現状と展望 木くず編
多様化・流動化する需要/積極的な確保策も
近年の木質チップ大型需要施設の増設は目覚しい。西日本でも08年に、紀州製紙の紀州工場(三重県紀宝町、年間3万トン予定)、日本製紙の岩国工場(山口県岩国市、年間26万トン予定)などをはじめ、新たな木質バイオマス発電施設が稼動を予定している。また住友大阪セメントでも07年度中に高知工場で破砕機の導入や炉の改造を完了、08年度以降の木くず利用量を年間3.9万トンから10万トン弱まで拡大するという。都市圏・地方に限らず発電施設の新設計画は未だ後を絶たず、一層加速している。
◇最終コーナーに差掛かる産廃の資源化
電力業界とゼロエミ対策
日本のエネルギーの一翼を支える電力事業10社では、産業廃棄物の再生利用が着々と進行している。大量に発生する火力発電所の石炭灰や脱硫石膏に関しては、100%もしくはそれに近い再資源化率を維持している。
総体的にがれき類の再生利用、金属くずの資源化も進んでおり、ゼロエミを目指しての最終段階へ入っていると言える。しかし、各社の事情によっては碍子くずや排水処理汚泥、保温材など一部で再資源化率が低い品目もあり、今後の課題となっている。
各社の2007年度版CSR報告書や環境・社会報告書などをもとに、産業廃棄物を中心にゼロエミッション化へ向けた取り組みの進捗を概観、確認するとともに現状を検証する。
◇温暖化対策の必要性は? 87.2%があり
京都議定書約束期間スタート〜廃棄物処理事業者のCSR・温暖化対策〜
2008年、いよいよ京都議定書の第一約束期間(2008年‐12年)のスタートを迎える。CO2の排出抑制やまたその対策は、事業者ごと、また個人ベースでも目下最大の命題となっている。
廃棄物処理事業者の取り組みに着目し、CSR(企業の社会的責任)の視点で、温暖化防止に対する行動や対応などをまとめ、また、これからの対策を探るべく、アンケート結果から読み取れる問題点の洗い出しと、温暖化対策にまつわる動向を紹介する。
◇2008年 中小企業の取り組み元年!
「京都議定書と言われてもあまりピンとこない」大半の廃棄物処理事業者の意見である。しかし、温暖化対策の必要性を尋ねると、実に87.2%が「非常に必要」または「必要だと思う」と回答している。「温暖化対策を講じなければいけない」と感じていることが伝わる数字だ。今後の対策に目を向けてみたい。
◇「循環ビジネス創出会議」で企業間連携促進
多様分野の先進事業が続々
愛知県環境部は、県内で事業化される最新のリサイクルビジネスの計画内容を発表し、ビジネスパートナーの募集等を行う「循環ビジネス創出会議」を11月19・20・21日の3日間、愛知県東大手庁舎の会議室で開催した。
先の会合では、使用済み製品や食品廃棄物、農業廃棄物から建設副産物、廃棄物由来の新エネルギー関連まで、9社10事業について説明があった。循環ビジネスに関心を持ち、参画を希望する企業が聴講した。その発表の概要を紹介する。
◇家庭ごみ有料化の現在〜北九州市の事例を中心に〜
政令指定都市として初めて実施/脱・温暖化への身近な取り組み
当協会では06年度から3年間の予定で、独立行政法人環境再生保全機構による地球環境基金の助成を受け、家庭ごみ有料化に関する調査等の活動を実施している。
その一環として各自治体のヒアリング調査も行っており、本稿ではその中でも政令指定都市として初めて家庭ごみ有料化を実施し、06年7月には料金を大幅に値上げした北九州市の事例を通じて、有料化をめぐる現状を概観してみたい。
◇三重県産業廃棄物の適正な処理に関する条例(仮称)のあり方について【中間報告(案)】抜粋
2007年12月
- 三重県環境審議会産業廃棄物部会 -
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1月7日号ダイジェストニュース
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2008新春特別号No.2
◇建廃08 事業の大転換期/個別リサイクル、もう一歩前へ
具体化に向け課題克服へ/まずは現行法の運用徹底が欠かせない建リ法
08年の建廃対策としては、まず第一に建設リサイクル法の見直し検討が始まっている。環境相・国交相の諮問機関などで識者を交えて議論している。
◇建廃08 事業の大転換期/建設廃棄物の排出・処理・リサイクルの今後
処分減、混廃減、リサイクル増、排出量は必ずしも減らず
資源循環型社会の構築が叫ばれて久しいが、その実現には廃棄物の排出量と天然資源及び再生資源の利用バランスをいかにとるかが鍵になる。建廃排出量は07年の建築基準法の影響は別として、通常の事業形態のなかでは決して減少傾向とは言えない。新築系は分別や排出抑制がすすんでも、建て替えや再開発で解体系の排出増は避けて通れない。
◇建廃08 事業の大転換期/建リ法見直しのポイント
あさって論点整理
建設リサイクル法が満5年を経過した昨年11月6日、国土交通省、環境省の第1回合同会合が行われた。第2回目となる1月9日から論点整理に入り、年度末にかけて審議が行われる。合同会合に先立ち、国交省は昨年1月、建設リサイクル推進施策検討小委員会を立ち上げて、昨年11月28日に建設リサイクル推進方策の中間とりまとめを行っている。このとりまとめの一部が下敷きとなって今後の審議が進んでいくものとみられる。建リ法施行後5年間の成果、中間とりまとめから建リ法見直しの今後の方向性をみる。
◇建廃08 事業の大転換期/ インタビュー エコシス・コンサルティング代表取締役 環境プランナーER 平田耕一氏
建設リサイクル法見直しの論点
環境省、国土交通省諮問機関の合同会合による建設リサイクル法の見直しが始まった。両委員を兼任する平田耕一氏に、建リ法見直しのポイントと今後の制度設計のあり方を聞いた――。
◇建廃08 事業の大転換期/解体工事と解体廃棄物の問題、建設リサイクル法の見直しで求めたいこと
元(社)全国解体工事業団体連合会専務理事、(株)クワバラ・パンぷキン代表取締役社長 桑原一男
◇建廃08 事業の大転換期/大手ゼネコンと建設廃棄物対策の現状
各社で進む取り組みと今後の課題
大手ゼネコン各社では、建設廃棄物対策が成熟化し、リサイクル率も軒並み9割を超える時代となった。取り組みは、最後の課題となった建設汚泥や複合残さ等への対応の本格化を目指すステージへと進みつつある。特集では、2007年度版の大手ゼネコン5社のCSR報告書や環境・社会報告書などをもとに、再生利用およびゼロエミッション化の直近の進捗状況を確認するとともに、取り組みの方向性を検証する。
◇建廃08 事業の大転換期/ハウスメーカーと資源循環対策
発生抑制から再生利用まで進む取り組み
ハウスメーカー各社では、大手を中心に資源循環に関する取り組みが進行している。自社の部材・資材工場とも連携し、プレカット加工を徹底するなど施工段階での産廃排出を極小化しようとする試みがなされている。また、現場へ搬入される部材・資材の梱包材1つをとっても、簡素化また再使用可能素材に変更する等、多角的な対策が講じられている。株式上場中のハウスメーカーの中から、公表されている2007年度版のCSR報告書や環境・社会報告書などから、循環資源に関する部分に注目、現状の取り組み状況を概観する。
◇建廃08 事業の大転換期/総合環境企業をめざして
タケエイ 三本 守代表取締役
昨年は関東最大手の建設廃棄物処理業として東証マザーズ上場、業界大手同士による持ち株会社の設立など、廃棄物処理業界の新たな局面を印象づけたタケエイ。建廃処理専門業の立ち上げから法律改正を読んだリサイクル業への進出、年商150億円企業となり総合環境企業をめざす今後の取り組みまでを、同社三本守代表取締役に聞いた。同社長は今後の事業展開のポイントに「連携」を挙げた。
◇建廃08 事業の大転換期/増え続けるチップ需要
有効利用可能量は1150万t
バイオマス利用、特に木くずチップの需要はここ数年で急速に拡大している。一方、チップ生産側にとっては、新規参入業者が増えた影響による廃材不足や処理料金の低下といった事態を招いている。
◇建廃08 事業の大転換期/寄稿 廃石膏ボードのリサイクル
埼玉県環境科学国際センター廃棄物管理担当部長 小野雄策氏
◇建廃08 事業の大転換期/石膏ボードリサイクルの現状と課題
石膏粉の用途開拓で様々な検討
06年6月1日、石膏ボードの安定型処分を全面禁止する「廃石膏ボードから付着している紙を除去したものの取り扱いについて」環境省廃棄物・リサイクル対策部長通知が、全国各都道府県知事・政令市長あてに送付された。
◇建廃08 事業の大転換期/廃石膏ボードの処理市場
年500億円まで成長するマーケット/天然石膏の価格は2倍近くに
分離古紙の繊維を道路舗装材に
廃石膏ボードの処理市場は、近い将来には、年間500億円にまで成長すると推測されている。石膏ボードの生産量は、年間500万トン程度だが、ライフスタイルの変化から石膏ボードは厚くなっており、数年後には約600万トンまで増加すると推測されている。石膏原料は、火力発電など工場からの副産物と海外からの天然石膏の2つがあるが、工場副産物は、減少傾向にあり、天然石膏もこの3年程度で、1トン当たりの価格が20ドルから40ドル弱まで2倍近く値上がった。結果原料確保がタイトになり、結果的に廃石膏ボードのリサイクルに期待が集まり関心は高まってきた。
◇建廃08 事業の大転換期/廃石膏ボードR技術業者を紹介
廃石膏ボードの安定型処分を全面的に禁止する環境省の通知から1年以上が経過した。通知以後、処理業者が集まって研究会を立ち上げたり、学識者との連携を深めるなど具体策の検討を行うなどして、少しずつではあるが全国に進展し始めている。一方、未だに排出後のルートが確立されていないケースも多いという。そこで、石膏ボードの処理から再生利用までを手掛け、着実に実績を積む各社の取り組みを取材し、紹介する。
◇建廃08 事業の大転換期/
現状は埋立処分も、無害化探る動き/廃石綿等と石綿含有廃棄物の規制導入から1年強
飛散性で特別管理廃棄物の吹付け石綿などを廃石綿等、非飛散性で石綿を重量比で0.1%以上含む廃材などを石綿含有廃棄物と位置付けた廃棄物処理法の改正施行令・施行規則が06年10月に施行してから丸1年以上過ぎた。石綿関連の廃棄物対策について、06年から07年にかけての1年あまりは、地方自治体が制度の運用方針を固めるのに費やされたと言える。その間、排出から処理に至るルートは埋立処分を中心に構築されてきた。多少、緊急非難的に当面の処理対策に奔走した側面があったが、今年以降は、物流面、技術面でいっそう地に足の着いた仕組みがつくられそうだ。
◇建廃08 事業の大転換期/アスベスト処理の市場動向と現状
除去処理の市場は潜在的に500億円/管理型で1m35万円前後に
法的整備がマーケットを正常化
天然に産する鉱物繊維のアスベストは、蛇紋岩系のクリソタイル(白石綿)や角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)など多種類あり、日本でも1975年には石綿5%を超える製品を規制対象にすることや石綿吹き付け作業の原則禁止が行われ、95年にはアモサイトやクロシドライトの製造・輸入・譲渡・使用が禁止されるとともに1%を超える製品まで対象が広げられた。さらに、06年9月からは、規制対象とする建材などの製品の含有量が0.1%を超えるものとなり、本格的に厳しさを増して適正処理が求められるようになった。アスベスト処理の現状と市場を探ってみた。
◇建廃08 事業の大転換期/樹脂選別でプラリサイクル
建設系にも資源化の波
樹脂種や排出量・排出時期がはっきりしている工場系や、容器包装リサイクル法や地方自治体の指導で分別のすすんでいる生活系に比べて、建設系の廃プラスチック類はリサイクルに関して遅れをとっていた。
◇建廃08 事業の大転換期/
機械精選別が重視される混合廃棄物/分別、手選別体制ひとまず確立
混合廃棄物の処理対策のポイントが選別残さの精選技術の向上に移りつつある。新築系は排出側の発生抑制と分別排出がすすみ、中間処理施設でも処理前の品目ごとの分別が徹底されるようになった。解体系も鉄や木材の資源価値が上がってきたことから分別解体が一般化しつつある。中間処理が担うべき分別の役割が減り、手選別で分けきれなかった残さの選別機能の向上が求められる。わずかかもしれないが、残さに有機分や石膏粉が混入しており、見た目は砂粒状でも残さの安定型処分や有効利用の取り扱いを処分場でも、行政でも厳しくし始めている。
◇土壌汚染対策の現状と今後の課題
ブラウンフィールド等課題に/搬出汚染土処理も検討/法改正は今秋以降に
土壌汚染による健康被害を防止するために、土壌汚染地の状況を把握して的確な対策を推進するための土壌汚染対策法が2003年2月に施行されてまもなく満5年になる。この間に、汚染地から搬出される汚染土の不適正処理や土壌汚染のために有効に活用されない土地(ブラウンフィールド)問題などが大きな課題になっている。環境省は、こうした課題を含めた新たな土壌汚染の施策のあり方を検討するために、土壌環境施策に関するあり方懇談会(座長・高橋滋一橋大学大学院教授)を昨年6月に立ち上げて審議を進めている。今年の3月には報告書を取りまとめ、これを受けて中央環境審議会に諮って、土壌汚染対策法の改正に取り組むことになる。
◇拡大する汚染土処理・浄化ビジネス
各社、着々実績伸張
土壌汚染対策法が2003年2月に施行してから4年が経過した。これまでの対策は大企業の工場や工場跡地、公的な開発に伴い汚染が発覚した場所の原状回復がメインだった。技術的には揮発性有機化合物(VOC)や重金属、油汚染などについて様々な汚染レベルやロケーションを想定したものが出てきた。着実に実績を積んでいる業者と大手ゼネコンの汚染土壌処理技術を紹介する。
◇(社)土壌環境センター/土壌汚染状況調査・対策に関する実態調査結果(2006年度)に傾向を見る
続伸する土壌汚染関連市場/自主対策・調査が急増
(社)土壌環境センターが公表した、2006年度の「土壌汚染調査・対策に関する実態調査」(08年10月10日)の結果によると、受注件数は1万4790件で対前年比137%、同じく受注高は1993億円で同じく対前年比123%をマーク。同業界の好調さを示す結果となった。調査は、(社)土壌環境センターに加入する171社を対象に実施。回答のあった135社のうち、116社で受注実績があった。受注実績のあった企業数を02年度と比較すると約120%。件数は432%と4倍以上に伸びている。また受注高も360%、金額ベースで1440億円の増加となっている。土壌汚染の調査および対策は、いずれも自主的な取り組みが大多数を占めており、土地売買にともなう理由のほか、環境ISOの認証取得・運用が動機付けになるケースも増え続けている。
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1月14日号ダイジェストニュース
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2008新春特別号No.3
◇バイオマス発電施設が完成
木くず日量221t焼却炉稼働
- 日本ノボパン工業 -
日本ノボパン工業・堺工場は、木質チップや廃木材など多彩な木質材料を受け入れ、ボード製造と同時に、原料に適さない木質材料は焼却処理で熱回収し、工場内の電力と熱源など全エネルギーをまかなう自給自足型の「バイオマスリサイクル工場」を完成、07年末から試運転を開始した。
◇浙江省に古紙ヤード完成
独自販売網の構築目指す
- 関西製紙原料事業協同組合 -
古紙問屋7社で構成される関西製紙原料事業協同組合(大阪市中央区、山上春美代表理事)が出資・設立した関組(富陽)紙業有限公司は、中国浙江省富陽市に古紙ヤードを完成、11月に竣工式を開催した。
◇情報セキュリティに対応
ISO27001認証取得/建廃業先駆の4種統合認証
- 石坂産業 -
総合建廃処理業の石坂産業(埼玉県三好町、畝本典子社長)は情報セキュリティの国際規格、ISO27001の認証を取得。すでに取得している品質管理のISO9001、環境管理のISO14001、労働安全衛生のOHSAS18001との統合認証式を12月1日に、同社の本社内で開催した。同社は、07年夏までに各処理プラントごとに全天候化の施設改造を終えたばかり。27001を含む4種の統合認証は埼玉県内の廃棄物処理業者では初めてで、全国でも先駆的な取り組みだ。
◇処理体制拡充へ
4月から燃料本格供給/せん定枝受け入れも好調
- 富士リバース -
せん定枝など生木のチップ・たい肥化事業を行う富士リバース(山梨県富士吉田市、山田芳弘社長)は、破砕処理施設を拡張する計画を明らかにした。自治体を中心とした生木の受け入れと製品の販売がともに好調で、チップの燃料としての需要も伸びていることから、破砕機を増設し生産体制を強化したい考え。
◇資源の集荷ネットワーク構築へ
難再生古紙から本格着手
- 京都府再資源化事業協同組合 -
京都府再資源化事業協同組合(京都府城陽市、中谷延幸理事長)は、製紙工場とタイアップし、難再生の産廃系紙くずや一廃系古紙の資源化事業を本格化する。
◇ダイオキシン類に係る環境調査結果
地下水質などでは基準値超過
- 環境省 -
◇膜ろ過装置の欠点を克服
ユニット型膜ろ過装置/食品、中水利用などに
- エコ・クリエイティブ・ジャパン -
エコ・クリエイティブ・ジャパン(東京・中央、山本修己社長)では昨年8月に販売を開始したユニット式全自動洗浄型膜ろ過装置「Lava Pod」(特許出願中)について、食品工場や容器包装リサイクル工場、貴金属回収処理工場などから受注が続いていることを受けて、本格的な営業展開を図ることになった。
◇条例改正案で意見公募
東京都環境確保条例/CO2削減の義務付け等
東京都環境審議会(会長:小早川光郎東京大学教授)が昨年12月21日都内で行われ、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)の改正のあり方について中間のまとめを行った。
◇環境省に石綿対策で勧告
立入検査の実効性求める
- 総務省 -
総務省は各省庁のアスベスト対策について、行政評価・監視の観点で調査し、その結果を12月にまとめた。環境省については、90年に示した立入検査表の案に、06年10月1日からの規制強化分を含めて、91年以降の廃棄物処理法などの改正で規制が強化された事項を盛り込んでおらず、都道府県等に提示していない点が指摘された。
◇建設業法などより厳しい内容
協同組合のあり方も課題に/リスク管理としての欠格要件対応
産業廃棄物処理事業に携わっている事業者として、現在最大のリスク対策は、いかに欠格要件に該当しないように事業を進めるかということに尽きるのではないか。産業廃棄物処理業者でも対応策を練り、一定の心得もできつつあるとも言われる昨今、国の見直し検討会の報告も出された状況で、業界としてはどう考えているのか。(社)全国産業廃棄物連合会の大塚元一専務理事に話を聞いた。
◇新年廃棄物処理法インタビュー
(社)埼玉県産業廃棄物協会青年部会部会長 亀井産業代表取締役社長 亀井寿之氏
リサイクルには、明確な定義、法制化が必要
◇寄稿 行政OBからみた廃棄物処理法とその運用の改善点
行政書士 元埼玉県廃棄物行政担当 北川捷(はやし)
◇排出者にとっての廃棄物処理法
環境コンサルタント 木村博昌氏に聞く 不適正処理に結びつく輸出は問題/リスク管理の視点必要/横流しの不安を払拭する
廃棄物処理業者にとってと同様に、排出事業者にとっても廃棄物処理法の正確な把握は難しい。コンプライアンス重視、順法といっても、何が適法で何が違法になるのか。リサイクルが日常的に行われるようになった現在、現場での行為が廃棄物処理法からみて適法なのか違法なのか。実務はどのように行っていけばよいのか。小紙編集部に寄せられた排出事業者からの質問について、環境コンサルタント・木村博昌氏に対応策の糸口を聞いた。
◇2006年度の産廃不法投棄 554件13.1万tに
現状と対策とりまとめ/過去10年で最低水準
環境省は12月26日、2006年度の産業廃棄物の不法投棄等の状況を取りまとめた。06年度に新たに発覚した不法投棄件数は554件、不法投棄量は13.1万トンで、この10年で見ると件数、投棄量ともこれまでの最低水準となっている。しかし、残存件数や残存量は横ばい状況にあり、不法投棄撲滅に向けた対策の一層の強化が望まれている。
◇容器包装リサイクルの現状と課題
同志社大学経済学部教授 郡嶌孝氏 資源循環型社会の構築へ/EPRは3R推進への「手段」
家庭から排出される容器包装廃棄物の減量・再資源化を進める「改正容器包装リサイクル法」(容リ法)が昨年6月の通常国会で成立し、同年4月に施行された。
同法の改正により、容器包装の使用量が年間50トン以上の小売事業者に、使用量や排出抑制に向けた取り組みの進ちょく状況を主務大臣に年1回報告することが義務付けられた。また、今年4月には市町村の負担軽減を狙った資金拠出制度が始まり、容器包装リサイクルに関する一連の動きが活発化している。
同法の検討を進めてきた経済産業省産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ(WG)座長の郡嶌孝・同志社大学経済学部教授に、容器包装リサイクル法とリサイクルにおける課題を解説してもらった。
◇バイオ燃料の今を追う【エタノール編】
燃料高騰に高まる期待/廃棄物利用が活発化/実証試験から事業化へ
CO2排出量の削減に向け、カーボンニュートラルの特性をもつバイオ燃料に関心が高まっている。化石燃料の高騰などを要因に積極的な導入も進んでいる。ただ一方で、飼料・食料用作物の減産や栽培地の環境負荷を懸念する声もある。国内においては、廃棄物系を含む未利用バイオマスの燃料化を進めており、一般車両への市場投入の体制も整いつつある。ここでは事業化に向けた全国の取り組みを燃料分類別に紹介する。
◇バイオ燃料の今を追う【BDF編】
大型施設や新技術が登場/地域でのネット化進む/大規模事業で海外進出も
◇バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大」より(一部省略)
バイオ燃料市場の確立へ/廃棄物利用率を80%に
集荷コスト削減が不可欠/資源作物との競合留意
経済産業省と農林水産省は昨年11月、「バイオ燃料技術革新協議会」を開催、セルロース系バイオマスからバイオ燃料を効率的に生産するための「バイオ燃料技術革新計画」(仮称)を今年3月をめどに策定する。2015年までにバイオ燃料を実用化させる想定で、原料、酵素にかかるコストを重点的に低減し、エタノール生産の低コスト化を目指す。同計画では、ガソリンとの価格競争や米国の目標価格(1リットルあたり34円)を考慮し、国内生産コストのベンチマークを設定。エタノール生産に関わる技術課題を時系列で整理したロードマップの策定などを行う。
経済産業省の「次世代自動車・燃料イニシアティブ」とともに、計画策定の検討資料となったバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議の「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大」(昨年2月発表)を紹介する。
◇廃食用油・異業種対談
全国油脂事業協同組合連合会 会長 水野泰幸氏 (社)日本フードサービス協会 理事・事務局長 中井尚氏
排出・処理連携で協業化/食リ推進のスキーム構築へ/飼料・燃料化をめぐる情勢
食品リサイクル法の施行以前から廃食用油は単体でのリサイクルルートが確立されていたが、近年、バイオ燃料が注目を集めていることなどもあり、需要が拡大の一途をたどっている。廃食用油の排出元である食品関連事業者と、回収・精製などを行う処理業者から、それぞれの視点で見た廃食用油をめぐる現状について話しを聞き、今後の課題などを探る。
◇広がるバイオマスマーク
(社)日本有機資源協会事務局 加藤俊明氏に聞く アクティブな環境活動のしるし/制度の普及に尽力
「飽食の国」日本。輸入した食糧のうち、3分の1が搬送や加工段階、さらには食べ残し・賞味期限切れなどが原因で、廃棄処分されている。
「いつまでもこんなことが続くわけがない。続けていてはいけない」という考えが端を発し、バイオマス資源を最大限に活用していくことを目的とした「バイオマス・ニッポン総合戦略」が2002年2月に発足した。
その推進策の1つである「バイオマスマーク認証制度」について(社)日本有機資源協会事務局の加藤俊明氏に話を伺った。
◇セロテープからマネキンまで
バイオマスマーク商品の一例
バイオマスマーク認定商品はじつに多種多様だ。(社)日本有機資源協会のホームページをみると、認定商品のジャンルの幅広さに驚くことだろう。バイオマス資源の有効利用の可能性が見て取れる。
その中から日常的に利用できる製品や最近認定されたユニークな製品など7品目を紹介する。
◇増加する回収量、高騰する資源
業界をリードするPETボトル再商品化事業者/逆風の中での事業拡大
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PETボトルリサイクル推進協議会がまとめた「2007年次報告書」によると、06年度のPETボトル販売量は54万4000トンで05年度の53万トンを2.6%上回った。また、市町村分別収集量と事業系ボトル回収量の合計となるPETボトル全回収量は36万1000トンで、05年度の32万7000トンと比較し10.3%増となった。これらの数値から算定した結果、PETボトル回収率は66.3%で、欧州36.8%、米国23.5%という回収率と比較し、従来通り世界最高水準を維持している。
◇紙製容器包装 2010年を目標に進むリデュース
関係3団体インタビュー 3R推進の現状と実績/市民との協力で取り組み進める
2007年12月、容器包装の3R推進のための自主行動計画2007年フォローアップ報告会が、容器包装に係るリサイクル8団体によって行なわれた。
これは06年3月、04年度実績を基に、2010年度を目標年次として発表された「事業者による3R推進に向けた自主行動計画」と「主体間の連携に資する取り組み」についてフォローアップ調査したものを取りまとめ、報告された。
紙製容器包装に係る飲料用紙容器リサイクル協議会と紙製容器包装リサイクル推進協議会、段ボールリサイクル協議会に3R推進の現状と実績を聞いた。
◇07年度PETボトルリサイクル年次報告書
回収率66.3%を達成/自主行動計画に着手
PETボトル・樹脂の製造メーカーと、清涼飲料、しょうゆ、酒類メーカー等のPETボトルを利用する業界団体で構成されるPETボトルリサイクル推進協議会(服部政夫会長)は「2007年度版PETボトルリサイクル年次報告書」を取りまとめた。同報告書は01年初刊で今回7回目。使用済みPETボトルの回収率の定義の改訂を行い、05、06年度の新旧回収率を公表した。
◇行政と企業の再資源化事業が新たな展開に
容器包装リサイクル法改正からの1年後/関東近郊の再商品化事業者を紹介
昨年のPETボトルの再商品化事業の指定法人入札での有償化が、今年はさらに進み、市町村の独自ルートによる再資源化が、ついに上回った。貴重な資源のこれからの行方、回収・資源化する時代をいくリサイクル工場、中間処理工場の現在を、関東地方の企業を中心に紹介する。
◇2008年度指定法人(日本容器包装リサイクル協会)に登録した再商品化事業者
◇容リ法の分別収集計画を公表
PETボトル回収見込量は34万t
- 環境省 廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室資料 -
環境省は昨年末、容器包装リサイクル法に基づく、2008年度を始期とする5年間の市町村分別収集計画の策定状況について取りまとめた。
市町村分別収集計画は、3年ごとに、5年を1期とする計画を策定することとされており、97年度を始期とする5年間の計画(第1期分別収集計画)以降、06年度を始期とする5年間の計画(第4期分別収集計画)まで、4回にわたり策定されてきた。
容器包装リサイクル法および関係省令の改正に伴ない、08年度を始期とする5年間の計画(第5期分別収集計画)が策定されたため、集計結果について、抜粋して紹介する。
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1月21日号ダイジェストニュース
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2008新春特別号No.4
◇有価物「選別」後押し
コスト削減今後課題に
- 規制改革会議 -
政府の規制改革会議は昨年12月25日、規制改革推進のための第2次答申を決定した。環境関連の問題意識については「環境への負荷が少ない循環型社会の実現に向け、未利用資源の取扱に係る制約をできる限り取り除き、資源の再利用、リサイクル、廃棄物処理のスムーズな流れが実現するための仕組を整備する必要がある」と掲げ、廃棄物・リサイクル関連の見直しが必要との見方に立った。
◇資源物受託事業を拡大
PETボトルは42%増
- 藤野興業 -
資源物の中間処理を手掛ける藤野興業(大阪府富田林市)は、2007年度の処理実績が、PETボトル600トン、その他プラスチック800トン、缶・びん2200トンに達する見込みとなった。04年度実績と比較し、PETボトルは42%増、その他プラは50%増となった。
◇チップ供給子会社設立
燃料の安定量確保図る
- ファーストエスコ -
ファーストエスコは、木質バイオマス発電所の燃料供給を目的とした子会社、バイオネンサービス(東京・中央、滝澤誠社長、資本金750万円)を今年1月末をめどに設立する。燃料チップ利用施設の増加から市場がタイトとなるなか、木質チップのロット確保がねらいとなる。
◇下水汚泥燃料を開始
火力発電所に供給
- 東京都 -
東京都は、水再生センター・東部スラッジプラント(東京・江東)で、汚泥炭化施設の稼働を開始した。下水汚泥から製造した炭化物を、石炭代替のバイオマス燃料として火力発電所に供給する事業で、処理能力は1日当たり300トン、脱水汚泥ベースで年間発生量の約1割相当を再資源化し、販売する。
◇1都13県にシステム拡大
ぱちんこ台等のリサイクル
- 有限責任中間法人遊技機リサイクル協会 -
有限責任中間法人遊技機リサイクル協会(東京・千代田、大城正準代表理事)が手がけるぱちんこ台とスロットの回収・リサイクルシステムが1都13県にまで広がった。2000年に前身である首都圏遊技機リサイクル協議会が1都3県でスタートさせ、実績を重ねてエリアも広げ、昨年2月に全国的な取り組みを目指して有限責任中間法人となった。
◇廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について【抜粋】
(2007年12月18日)
- 環境省 -
環境省は、2006年4月1日から07年3月31日までの1年間の全国の廃棄物焼却施設(一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設)における排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等について、調査結果を報告した。
◇野菜くずを細かく破砕
さいたま市ビジネス大賞特別賞受賞/飼料化・肥料化が容易に
- 氏家製作所 -
氏家製作所(本社・さいたま市、氏家哲男社長)が開発製造した食品リサイクル用破砕機「タベタカッター」がさいたま市ニュービジネス大賞の優秀特別賞を受賞した。従来、焼却処理などがなされていたカット野菜くずなどをリサイクルにまわすことができるもので、各種食品加工業者などに販売している。
◇オールグリーン電化へ
98店舗で360万kWhを利用
- ヤマダ電機 -
ヤマダ電機は昨年12月13日、住友商事グループのサミットエナジー(東京・中央、川辺豊明社長)と、電力と環境価値のグリーン電力証書をセットにした「グリーンPPS」による電力供給契約を締結した。今年1月以降、関東地区98店舗の使用電力年間約360万キロワットhをグリーン電力で賄う。CO2削減効果は約2000トンになるという。
◇税制改正内容まとまる
バイオガソリンを優遇
- 与野党税制協議会 -
昨年12月の与野党税制協議会で来年度の税制改正大綱が決定し、改正の内容が固まった。バイオエタノール混合ガソリン(E3およびETBEガソリン)については、2013年3月31日までの間、バイオマス由来のエタノール分に相当する揮発油税・地方税の軽減措置が行われる。
◇改正食リ法がスタート
発生抑制は切り離して設定/ループの取り組み強化 12年度に最大10%向上/定期報告義務が創設
昨年12月に施行された改正食品リサイクル法は、規制の強化と再生利用の円滑化措置を重点的に行い、再生利用の順位を明確化するなど資源有効利用の精神を強調している。法制度や基本方針、政省令の変更点を紹介するとともに、農水省の審議会の座長を務めた東京農業大学・牛久保明邦教授と、農水省食品環境対策室・瀬戸一美室長、環境省廃棄物対策課・関荘一郎課長の3氏から改正のポイントを聞いた。
◇食リ法 登録再生利用事業者 アンケート調査結果
改正が事業展開に影響/全国の受入体制整う/再生利用事業計画の認定取得へ
改正食品リサイクル法の施行に伴い、再生利用率のさらなる底上げが求められている。昨年11月、農水省が発表した「食品循環資源の再生利用等実態調査」によると、06年度は対策として処理業者でリサイクルするケースが食品産業全体の51%を占めており、外部委託の有力な選択肢として登録再生利用事業者の動向に関心が集まっている。業許可などの個別情報のほか、改正法により追加された再生利用手法や再生利用事業計画に関するアンケート調査結果を報告する。
◇食品リサイクル法 登録再生利用事業者117社早見表
◇食リ法 登録再生利用事業者事例
登録認定の更新も着々/一廃受け皿が伸長
異業種から新規参入も/関東圏外も整備進む
食品リサイクル法における登録再生利用事業者の認定数は、昨年10月の時点で117社を数える。2001年の旧法施行からすでに6年余りが経過し、第1回目の更新を終えた事業者はすでに14社となった。昨年12月に施行された改正法では、再生利用等実施率について規制が強化され、5年間で最大10%の向上が食品関連事業者に義務付けられることとなった。今後ますます需要は拡大することが予想される。本紙では02年から登録再生利用事業者の取り組みを紹介する連載を開始、現在89社を掲載した。昨年1年間で掲載した14社を、ダイジェストで紹介する。
◇業務用生ごみ処理機の展望
本紙実態調査から
改正法施行の期待増/環境対応を法令順守に 主戦場は食品産業へ ユーザーの動向は
本紙編集部は食品リサイクル法が施行された2001年以来、毎年12月に業務用生ごみ処理機に関する市場調査を実施してきた。開始時をピークに市場は縮小傾向にあり、また、撤退するメーカーも相次いだことから、昨年までのアンケートを一新してさまざまなアプローチで生ごみ処理機業界の今後をさぐる。
◇寄稿 食品残さの飼料化事例と求められるリサイクル飼料
宮崎大学農学部教授 入江正和
◇廃棄物・リサイクルガバナンス
登録・支援事業の現状と展望/産環協の取り組みをみる 7社35組織が登録/現場の士気高揚にも効果
企業の社会的責任(CSR)が高まる中で、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みが進み、廃棄物の適正処理も進展しつつあるものの、対応を誤ると時には、不法投棄に巻き込まれて企業経営に多大な影響を与える可能性もある。こうしたことから、廃棄物・リサイクルガバナンス(WRG)の必要性が高まっているが、(社)産業環境管理協会(産環協)は、経済産業省が策定した「ガイドライン」に基づいて「廃棄物・リサイクルガバナンス登録・支援事業」を実施している。これまで、7社35組織が登録されており、支援事業にも積極的に取り組んでいる。こうした事業の展開によって、廃棄物の適正処理が進み循環型社会の形成が促進されるものと期待されている。
◇"エブリデイ・ゼロエミ"
神奈川県内陸工業団地協組の取組 古紙共同回収でスタート/木くず・プラへも試行拡大
神奈川県内陸工業団地協同組合(神奈川県厚木市、内田正勝理事長)は2001年から取り組んでいる工業団地のゼロエミッション化で、着実に成果をあげてきた。これまでに古紙の共同回収・リサイクル化を図った他、現在では木くずと廃プラスチックの共同回収などの試行を続けている。大規模な工業団地による共同の取り組みは国内にあまり例がなく、多くの関係者から注目されている。
◇環境は「対策」から「事業化」の時代へ
循環型社会と企業経営/進む、顧客満足含めたシステム化
循環型社会への移行が本格化するなか、日本の産業界では各企業の適正処理と再生利用に関する対策が進み、成熟しつつある。リサイクルを自らの内に取り込み、単なるコストダウンのみならず、本業の利益率の向上につなげようとする動きが活発化している。自社のメリットのみならず、客先のサービスまで包含した資源循環システムを構築している企業も少なくない。特集では、昨年に事業化、もしくは近く事業化する事例に注目し、それぞれの概要を紹介する。
◇グリーンフィールドの創造に向けて 一部抜粋
リスク評価の理論構築を/信頼関係づくりが鍵に
淡海環境デザイン 姜永根氏
土壌汚染対策措置法の施行後、汚染土壌対策が各地で進められる一方で、全面掘削除去処理が主流となったことで費用対効果が合わず、汚染状態が改善されない土地が放置される「ブラウンフィールド問題」が深刻化している。土壌汚染に係るコンサルティング業務を手がけ、日本クリーニング環境保全センター理事、大阪産業大学人間環境学部非常勤講師なども務めている淡海環境デザインの姜永根氏の研究論文「グリーンフィールドの創造に向けて」から一部を抜粋して紹介する。
◇廃棄物由来燃料を巡る課題と対応
利用拡大に伴い変容する制度、管理
木くずやRPF、タイヤチップなどに代表される廃棄物由来燃料は、大型発電施設の急増を背景に、史上空前の利用拡大が続いている。それに伴い、燃料生産にあたっての原料の調達・確保はもとより、生産者および需要サイド、そして監督する行政など各関係分野では新たな諸課題が浮上しつつある。特集では、各分野における課題への取り組み状況を紹介する。
◇全国バイオマスタウン(2007年度公表分)
公表数は100自治体を突破/多様な地域資源の活用に工夫
「バイオマス・ニッポン」の推進母体であるバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、環境省)は、地域のバイオマスの総合的・効率的な利活用を図る「バスオマスタウン構想」の募集を2004年8月末から実施している。
2007年度(4月以降)に構想書が公表された自治体を、バイオマス情報ヘッドクォーターのデータをもとに総覧する。
◇寄稿 排出、処理の双方をサポート
NPO法人エコ・テクル理事長 森田英徳 IT活用で「安心・安全」の廃棄物管理システム
◇全国民間処分場の主な動向
各社独自色を出し受け入れ安定目指す
民間処分場各社、独自色を出し、安定的な受け入れを目指す。2007年に本紙で取り上げた業者の一部をダイジェスト版で紹介する。
◇寄稿 産業廃棄物最終処分場の適正管理とは 〜プロ集団化を目指して〜
福岡大学工学部 松藤康司教授 見える処分場に向けて
◇最終処分場維持管理研修会・ルポ
日常業務の工夫を学ぶ
(社)全国産業廃棄物連合会、(社)福岡産業廃棄物は昨年11月7-9日にかけて、産業廃棄物最終処分場維持管理研修会を開催した。今回で5回目となる研修会には、現場作業者を中心に全国から35人が参加。準好気性埋立の紹介や福岡市西部埋立場(中田埋立場)における埋立・維持管理のノウハウ、ガス抜き管かさ上げ作業の見学、シート補修実習などを行った。
◇岡山県税制懇話会報告書
岡山県産業廃棄物処理税に関する検討
- 岡山県税制懇話会 -
岡山県は、2003年に「岡山県産業廃棄物処理税」を導入して以来、約5年にわたり実施してきた。それにより得た税金は、3Rの推進や不法投棄の防止、発生抑制の促進等に関する事業で活用してきた。これまでの成果を踏まえ、県税制懇話会が取りまとめた報告書の内容を、抜粋・紹介する。
◇容器包装廃棄物の再使用の推進等に関する実態調査結果
44%の市町村がリターナブルびんを分別収集
- 環境省 廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室資料 -
環境省は昨年、市町村によるリターナブルびんの分別収集の実態および公共施設におけるリターナブル容器の使用の実態を把握するため「容器包装廃棄物の再使用の推進等に関する実態調査」の結果を取りまとめた。この調査結果について紹介する。
◇経済産業省 産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会基本政策ワーキンググループ報告書 (一部抜粋)
世界水準の省資源社会の実現へ向けて 〜グリーン化を基軸とする次世代ものづくりの促進〜
経済産業省の産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会基本政策ワーキンググループは1月10日、3R政策ビジョンについてまとめた報告書を公表した。報告書は資源有効利用促進法に関係する事業者や団体からのヒアリングなどを基に作成しており、今後の持続可能社会の構築に向けた新たな3R政策のビジョンについて検討している。その内容から第5章「新たな検討の方向性から見た現状認識(課題)」と、第6章「各課題に対する具体的な取組方策」の概要版を一部抜粋して紹介する。
◇コンサルタントの現状と今後
専門家集団として向上へ/廃コン協の取組をみる/行政に対して要望まとめ
廃棄物コンサルタントをめぐる状況は、公共事業の縮減や低価格入札の横行、談合疑惑などによって、厳しさが増している。(社)日本廃棄物コンサルタント協会(廃コン協、井出宏会長)は、こうした経営環境の悪化や社会的信用失墜の閉塞状況からの脱却に向けて、環境省や地方自治体に対して「廃棄物コンサルタントからの要望と提案」をまとめて改善を要請している。
◇環境関連融資が活発化
手法多様化や同業者間ネットワーク構築も/環境融資の現在を追う
ここ数年で、金融機関が環境対策融資、環境融資に力を入れる動きが活発化している。環境保全に配慮した経営を行う企業への優遇金利策や、環境関連事業を行う企業そのものへの融資を通じて、自社のCSR活動とするとともに、優良顧客を囲い込むという狙いもあるようだ。銀行同士のネットワーク構築から流動資産を担保資産とする新たな融資手法の導入など、関連業務拡大に工夫を凝らしている。実施事例の紹介とともに、動向をまとめた。
◇リスクアセス推進事業の状況
産廃処理業の安全向上へ/各地の協会で研修会実施 中災防、連合会、産廃協で取組/労災の死傷者増加に対応
産業廃棄物処理業の労働災害に占める割合が増加傾向にあり、労働安全対策の大きな課題になっている。2007年4月に施行された改正労働安全衛生法では、「危険性又は有害性等の調査」(リスクアセスメント)の実施が事業者に努力義務化され、厚生労働省は、中央労働災害防止協会(中災防)に委託して、産業廃棄物処理業を対象にリスクアセスメント実施促進のための各種の支援事業を実施している。
◇リスク管理としての労働安全
都道府県協会に委員会設置へ/排出者との情報交換も重要/経営に直結の認識必要
産業廃棄物処理業界は度重なる法規制強化などを乗り越えて、大きく成長してきた。(社)全国産業廃棄物連合会や各都道府県の産業廃棄物協会では不法投棄撲滅などに業界をあげて取り組み、成果もあげた。その一方で、あらゆる業種の要素があることや業界としての歴史も浅いこともあって、労働安全対策はまだ大きな課題となっている。業界としての取り組みや考え方について、梅田佳暉(社)全国産業廃棄物連合会副会長に聞いた。
◇産廃処理業界、次代へ向けての課題と対策
行政書士エース環境法律事務所 代表 行政書士 尾上雅典
業界規模は過去最大に
2004年度に、25万件と、過去最多の許可件数になった産業廃棄物処理業界。特に、97年以降は、対前年度比8%超増を7年続けており、廃棄物処理業の中には、「このまま永遠にライバルが増え続けるのか?」と危惧している方がいるかもしれない。少しだけ安心していただきたい。永遠に、この状態のまま業界の規模が大きくなり続けることはない。
◇数年で企業導入が本格化
マテリアルフローコスト会計(MFCA)の広がりと可能性/包括的な環境経営の実現へ
近年、工場におけるゼロエミッション推進などを目的として「マテリアルフローコスト会計」の導入が進んでいる。MFCAは製品の製造・流通工程のロスコストを可視化する手法で、環境負荷と製造コストの低減を同時に実施することを目的としている。経済産業省が07年に作成したマテリアルフローコスト会計手法導入ガイド(Ver.1)などを基に、MFCAの概要や導入事例などを紹介する。
◇寄稿 関西〜北九州を結ぶ"瀬戸内静脈物流事業"について
瀬戸内静脈物流事業化推進協議会事務局/中電技術コンサルタント 乗越晃
◇寄稿 NPO日中再生資源協会の発足について
北九州市立大学大学院・マネジメント研究科&都市政策研究所准教授 松永裕己
関連団体の情報交換を目指し/両国の有効活用促進や温暖化防止に
◇寄稿 中国の環境政策
日中環境協力支援センター取締役(京都大学北京事務所連絡員兼任) 大野木昇司
第11次五カ年計画の環境保護計画が策定/民間投資呼び込み、多様な資金投入構造
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1月28日号ダイジェストニュース
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2008新春特別号No.5
◇RPF製造の新工場完成
60t/日追加し合計90t/日に
- フライトワン -
産業廃棄物収集運搬・処分などを手がけるフライトワン(栃木県足利市、斎藤睦美社長)では、廃プラスチック類や紙くず、木くず、繊維くずを原料に固形燃料をつくる新しいRPF製造工場「F3」が完成した。RPF製造の処理能力は日量60トンで、2005年に竣工した既存のRPF製造ライン日量30トン分を合わせ、日量90トンの製造能力を有することになった。
◇事業系PET回収強化へ
月間50tを再資源化
- 井本産業 -
井本産業(大阪府東大阪市、井本真澄社長)はPETボトル再資源化事業でベンダー業者を中心に月間50トンまで取扱量を伸張、地元小売店との連携を強化し事業拡大を図る。
◇リサイクル工場用地を取得
中部の廃石膏ボ回収拠点に
- ダイセキ環境ソリューション -
ダイセキ環境ソリューション(名古屋市、二宮利彦社長)は1月9日、廃石膏ボードリサイクル事業用地の取得を明らかにした。中部エリアにおける廃石膏ボードリサイクル事業を本格的に開始する。
◇初年度にたい肥1000t販売
地域連携で農業利用/受け入れ月間800t目指す
- タカヤマ -
タカヤマ(埼玉県、齊藤吉信社長)が運営する有機性廃棄物のたい肥化施設・エコジョイン富岡(福島県富岡町)は、稼働初年度の今年3月末までに、約1000トンのたい肥を販売する見通しを明らかにした。事業系一般廃棄物の受け入れを強化したい考えで、1カ月当たり800トンの受け入れと、年間2000トンのたい肥製造を目指す考え。
◇軟質系プラ対応のリサイクル工場
破砕、造粒から圧縮梱機まで完備
- 日本リソース -
日本リソース(福岡市中央区、麻生大輔社長)は、軟質系廃プラスチックの資源化に対応する「筑紫野リサイクル工場(福岡市筑紫野市)」を完成、本格稼働に入っている。
◇国内都市鉱山の貯蓄量を調査
(2008年1月11日公表)/世界有数の資源国に匹敵
- 独立行政法人物質・材料研究機構 -
独立行政法人物質・材料研究機構(岸輝雄理事長)、戦略クラスター長の原田幸明材料ラボ長は、危惧されている将来の金属資源の利用に対して、「都市鉱山」と呼ばれるこれまで国内に蓄積されリサイクルの対象となる金属の量を算定し、都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する規模になっていることを明らかにした。
◇廃油混合燃料化装置を発売
既存ボイラへの接続も可能に
- 太陽 -
太陽(高知市)は植物油、潤滑廃油、機械廃油などにバージン鉱油を混ぜて混合燃料を製造する装置「ECO(エコ)ミックス」を独自開発し、本格発売を開始した。既存のボイラや燃焼装置への接続も可能で、廃油を燃料として利用できる。
◇全国初、CO2排出量取引
削減証書の発行制度を決定
- 高知県 -
高知県は1月11日、2007年度からスタートした「排出量取引地域モデル事業」を進めるため設置した「CO2削減専門委員会」(委員長=郡嶌孝同志社大学教授)で、企業などがCO2の排出量をどれだけ削減したかを認証する制度の概要をまとめた。間伐材などの未利用木質バイオマスを石炭の代替燃料として活用することで得られるCO2削減量を、削減証書(クレジット)として発行する。
◇会員8社の見学会実施
技術向上と地域貢献に注力
- 千両松地域エコ協議会 -
千両松地域エコ協議会は、昨年12月13日に会員8社の見学会を実施、京都工業会のメンバーら45人が参加した。
◇家電リサイクル制度見直し
ようやく方向性見える/後払い方式は継続へ/国の審議会が報告書まとめへ
国の審議会は家電リサイクル法について、「施行後6年間、家電リサイクル法ルートにおける処理台数が着実に増加し、メーカーのリサイクルプラントにおける金属やプラスチックなどの再商品化重量も年々増加するなど、資源の有効利用と一般廃棄物の減量という期待された実績が上がっている。家電リサイクル法に基づきメーカーのリサイクルプラントがリサイクルする廃家電については、市町村は処理する必要がなくなり、その分市町村による処理台数は大幅に減少し、従来課題とされていた大型廃家電の適正処理困難問題は相当程度解決された」とその実績を評価している。
一方、同法については附則第3条で、「その施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」こととされている。
これを受け、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気電子機器リサイクルワーキンググループと中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会では、家電リサイクル制度の評価・見直しについて検討するための合同会合を十数回にわたって開催し、昨年12月10日に「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書(案)」と題するとりまとめを行った。
報告書(案)は1月10日までにパブリックコメントを終え、正式な報告書作成の作業に入っているが、この報告書(案)をベースにこれまでの成果、課題とこれまでの議論の整理、今後の具体的な方向性についてまとめてみた。
◇日欧の家電リサイクル制度
処理・資源化事情を探る 日本と欧州の制度の違いが技術や処理・再資源化業界に及ぼしたインパクトを分析
日本、欧州ともに、家電等の使用済み電気電子製品のリサイクル制度の見直しに着手し始めた。21世紀の初頭に、EPR(拡大生産者責任)政策として制度展開してきたが、ここに来て、その評価・見直しが、日欧で行われようとしている。そこで、制度の違いが、処理・資源化事情にどう影響しているか、日欧比較を通じて分析し、今後の展望、課題を整理することにしたい。
◇全国リサイクル製品認定制度総覧
全国に拡大する認定制度/地域連携で相乗効果も
地元以外の資源活用の動きも/強化相次ぐ認定基準
リサイクル製品認定制度は、約10年前から実施県が現れ、08年までに全国で類する制度の実施数は36府県まで伸長している。地域によっては、複数県が連携し、相乗効果を得ようとする試みも見受けられる。制度の創設は、大半が環境部局主導だが、なかには愛知のように建設部局がアクションを起こしている事例もある。また、環境対策に取り組む優良事業所・店舗の認定制度と並存する形で、総体としての資源循環を確保しようとする試みも出ている。各府県別に制度の基本情報を網羅するとともに、その特色を総覧する。
◇広がる蛍光灯リサイクル
排出事業者や市町村に浸透/関東などの事業事例をみる
水銀の除去回収に工夫/蛍光粉リサイクルも構想
ISO14001の認証を取得した排出事業者や処理困難物として悩む市町村、住民の分別意識の向上などによって、使用済み蛍光灯のリサイクルが徐々に広がっている。水銀の除去回収や市町村民からの回収など、各社も工夫を凝らす一方で、希少資源を含む蛍光粉のリサイクルも検討課題にあがってきた。関東を中心にリサイクル事業者、処理装置販売業者の動向をまとめた。
◇全国に広がる遊技機リサイクル
手選別で再使用、再資源化/懸念される海外での不適正処理/メーカー、ホールがシステム構築
使用済みのぱちんこ台、スロットの手選別などによるパーツ再使用、再資源化が広がりつつある。メーカーやホールの団体でつくられたシステムで回収が機能しつつある一方で、大量の台が中国などに流れ、一部では不適正な処理が懸念されている。国内でのシステムの状況やリサイクル業者の事例をまとめた。
◇廃携帯電話のリサイクル
回収量本体558tの行方/レアメタルの残有年数は
電話料金の改定や新機種の発表など、何かと話題の多い携帯電話。リサイクルはどうなっているのだろうか。使用されている金属、特に白金や鉛などのレアメタルの回収の状況はどうか、今の状況を探ってみた。
◇廃タイヤ市場
熱利用増加で激変続く/製紙業界のインパクト大きく
新規参入含め集荷競争激化/ゴム粉製造など需要開拓も
製紙業界などでの代替燃料として、廃タイヤの需要が急増している。廃タイヤを収集・中間処理する業者の間では集荷競争が激しくなっており、一部の地域などでは値崩れを起こしているとも言われる。施設面では、従来の切断機に加えて、製紙会社が求めるより細かいタイヤチップを得られる破砕機を導入する事例が増えつつある。さらに、サーマルリサイクルだけにチップをまわすのではなく、ゴム粉製造など自ら需要を拓く動きもある。変化の著しいタイヤ処理業界の動きの一部を追ってみた。
◇品目別リサイクル
産構審ガイドライン品目から 8業界にインタビュー
資源有効利用促進法が改正されることとなっている中、業界や製品ごとの取り組みのベースとなっているのが産業構造審議会廃棄物・リサイクルガイドラインだ。この品目別ガイドラインの中から古紙、オフィス家具、パソコン、電線、スチール缶、アルミ缶、ガラスびん、発泡スチロールの8品目について、それぞれの業界団体に取組内容を聞いた。
◇フロン回収・破壊
回収率を5年間平均で60%に/法改正と取組の動向
業務用の冷凍冷蔵庫やエアコンには、大量のフロンが使われているが、これらが大気中に放出されると、オゾン層が破壊され地球温暖化の原因にもなるため、フロン回収・破壊法に基づいて、フロンの回収が進められている。しかし、フロンの回収率は3割程度とされていることから、昨年10月には、フロンの回収をさらに徹底するために改正フロン回収・破壊法が施行されて、フロン類の引渡しの状況を書面で管理する行程管理制度が導入され、整備時のフロン回収義務の明確化などが実施されている。
◇容リプラリサイクル動向
業界をリードする再商品化事業者/下落を続ける落札単価
環境省がまとめた容器包装リサイクル法に基づく市町村分別収集・再商品化実績によると、06年度のプラスチック製容器包装の分別収集量は60万9000トン、再商品化量は58万3000トンで再商品化率は同0.6ポイント減の95.7%となった。
一方で(財)日本容器包装リサイクル協会(東京・港)の07年度のプラスチック製容器包装落札単価は、前年度のマイナス8200円の1トン当たり7万6400円となった。原料確保が困難な状況となっているなかで事業拡大を続けるマテリアルリサイクル事業者を紹介する。
◇寄稿「在宅医療廃棄物ガイドライン」について
(社)日本医師会 医療福祉部地域医療第一課兼総務部施設課 原田優審議役
ディスポーザブル(使い捨て可能な)医療製品の開発は、医療現場において在宅医療の実現という画期的な変化をもたらした。在宅医療の実施件数は、1991年から05年で3.7倍に増加し、78万3000件に達している。
◇在宅医療廃棄物の現在
排出量増加に処理現場では
在宅医療廃棄物の処理については、医療制度の見直しと今後の方向性、廃棄物処理の実態に開きがある。法制度や費用負担という課題を抱えながら、医療機関や薬局、廃棄物処理の現場ではよりよい仕組みづくりを目指している。在宅医廃の現状を追った―。
◇鉄スクラップ探訪 輸出か国内増強か
人材の発掘と技術教育
国際的に取り引きされ、昨今価格の変動が激しい金属スクラップ。そのなかで、鉄スクラップを扱う各社を訪れ、それぞれの取り組みを聞いた。
◇機密文書リサイクルの現状
ニーズに応じサービス多様化/需要掘り起しへ意欲も
安全性向上で付加価値を/ISO27001認証取得など
個人情報保護法の施行以来、機密文書をめぐる商況は活発な動きを見せている。多種多様な業種から事業への参入が進んでおり、またその手法もさまざまだ。具体的な取り組み事例を幅広く紹介するとともに、顧客からの要請が高まっているプライバシーマークの認定状況などについて紹介する。
◇廃プラスチックの輸出動向
全体2割、800億円の市場形成/年間250万tまで伸びる可能性 中国人件費高まり次ステージに
廃プラ処理市場は、現在年間で約4000億円と推定されており、2007年の輸出に関する市場は、全体の2割弱の750億円-800億円とみられている。実際に貿易統計の07年1-11月までの価額は、712億円。12月までの推計は、800億円弱と見込まれ、確実な市場を形成している。原油高が追い風になり、廃プラの輸出量が年々増加している現在、中国のニーズの高まりは変わらず、廃プラを高値で買い取る状況に変化はない。ただし、ベトナム・マレーシア・シンガポール・インド・タイ・マカオなど東アジア諸国の需要も旺盛になりつつある。08年、北京五輪があることから中国優位は変わらないが、廃プラ輸出の次のステージの幕が上がろうとしている。
◇寄稿 廃プラスチックリサイクルについて考える
技術士 奥村昇 廃プラ循環の整備は急務/大量生産・消費からの脱却を/学習活動で動機醸成へ
プラスチック類は、どのような物流フローであるべきか。ごみとして出てくる由来は何か、生産活動や利活用について合理的な方法や全体的な概念にポイントがないだろうか―。廃プラスチックを中心に、ごみ処理業や資源に対する状況を振り返り、考えをまとめた。
◇廃プラリサイクルの現状
サーマル、マテリアル動き大きく
最近、原油高の高騰や中国など新興国での急速な需要増といった背景から、廃プラリサイクルはサーマル・マテリアル両面で急速に進んでいる。
選別など前処理が必要で、埋立て・単純焼却されてきた混合廃棄物に含まれる廃プラをマテリアル・サーマル利用したり、排出事業所自身が自社で排出する廃プラのリサイクル利用を進める動きも増えてきている。また、一廃関連でもPETボトルはじめ、容器包装プラの一部が有償化する事態となっている。
本紙過去記事のダイジェストを織り交ぜながら、循環資源市場としての廃プラの現状と、その廃プラの選別機器のメーカーを紹介する。
◇全国公共関与処分場調査
貴重なアスベスト対応施設/R率上昇で受入総量減少へ 受入態勢強化を目指す
最終処分場はその建設にあたり、地元住民の反対運動などから民間での新設が困難になりつつ現状もあり、公共関与の処分場の存在が一層、存在感を増している。
残余容量では、一廃・産廃ともに減少し続けているが、分別やリサイクル率のアップなどにより最終処分量が減少しているため、年数は微増傾向にある。しかし、大量発生源である都市部周辺で新たに処分場を確保することは、規制の強化と住民の反対運動で新規開業する施設が少なく危機的な状況になっている。
循環経済新聞の調査で公共関与による処分場の状況を表やレポートなどを使用し紹介していく。
◇ジャパン・エコ・ネット調査資料
大都市圏の廃棄物実態調査結果を公表/収集量の減少傾向続く
廃棄物・環境問題に取り組む関西圏の行政職員を中心に構成されるジャパン・エコ・ネット(大阪府茨木市)は、人口90万人以上の都市を中心に一般廃棄物と資源物の排出量実態調査を行った。昨今、容リ法の改正議論や家庭ごみの有料化、PETボトルの海外流出、事業系一廃の排出者責任の強化など、一廃と資源物を取り巻く環境は転換期を迎えている。調査内容の一部ではあるが全国13都市の一般廃棄物排出量の調査結果を公表する。
◇アジア・太平洋地域 3R推進のための専門家会合 〜アジア太平洋廃棄物専門家会議レポート
3R推進で問われる日本のリーダー力
2007年11月7-9日、岡山国際交流センター(岡山市)で、アジア・太平洋諸国地域における廃棄物の適正処理と3R推進、それに携る専門家のネットワーク構築を目的に「第3回アジア太平洋廃棄物専門家会議」が開催された。15カ国・地域から専門家が集まり、3Rを進めるための取り組み、廃棄物量の把握と改善方法などをテーマに研究発表を実施。活発な議論が交わされた。
会議の中心的なセッションの内容紹介と併せ、アジア・太平洋地域で、この課題における日本の役割を考えてみたい。
◇第6回「産業廃棄物と環境を考える全国大会」
"広島発・産学タッグで挑む3R"テーマに
「産業廃棄物と環境を考える全国大会」が2007年は11月22日、第6回目として"広島発・産学タッグで挑む3R"をテーマに広島市のリーガロイヤルホテルで開催された。当日は、全国の産業廃棄物協会の代表数百人が一同に会した。今回は式典のほか、基調講演や産学関係者による、パネルディスカッションも行われた。その概略を紹介する。
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