循環経済新聞・バックナンバー“2008年12月度”

12月1日号ダイジェストニュース

◇埋立物の"質"が焦点
構造基準も一部強化か/安定型処分場のあり方検討で

- 環境省 -

環境省の「最終処分場に係る基準のあり方検討委員会」(座長=井上雄三国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター副センター長)は11月25日、東京都内で今年度第1回目の会合を開いた。主な論点は、安定型産業廃棄物最終処分場について、いわゆる安定型産業廃棄物の範囲と搬入管理、安定型最終処分場の構造強化で、安定品目の見直しは廃棄物の物理・化学的な特性を踏まえた「質」を焦点に議論が進むことになりそうだ。



◇廃プラ出荷が堅調
製紙向けサーマルで増加

- イイダ -

産業廃棄物収集運搬・処分、リサイクルなどを手掛けるイイダ(神奈川県秦野市、飯田稔社長)は、製紙工場のRPF原料向けの廃プラスチック圧縮加工品の出荷を順調に伸ばしており、現在月間平均で約450トンを取り扱っている。



◇月間受入1400tに到達
一廃処理も検討へ

- 富士見BMS -

富士見BMS(静岡県富士市、山本正信社長)の富士リサイクルセンターは、月間受入量1400トンを達成した。量の安定確保やリサイクル促進の観点から、今後は問い合わせの増えてきた一般廃棄物のせん定枝受け入れを視野に、処分業の許可取得なども検討していきたい考えだ。



◇PTP100%リサイクルへ
アルミを溶解会社に委託

- ラジエ工業 -

ラジエ工業(群馬県高崎市、富田惠一郎社長)はカプセル剤や錠剤など医薬品の包装に使用されている塩ビ製PTP(Press-Through-Pack)の100%マテリアルリサイクルをアルミ溶解会社と連携して年内にも開始できるよう準備を進めている。



◇機密文書から廃プラまで
4つの処理ラインを建設/12月に稼働開始

- 協業組合名取環境事業公社 -

協業組合名取環境事業公社(宮城県名取市、齋藤文雄理事)は、飲料などを扱うベンダー企業などから出る産業廃棄物の処理を行う中間処理施設を12月に本格稼働させる。同施設は今年8月に着工し、敷地面積は2500平方メートル、約4億円をかけて建設した。



◇建設混廃を洗浄選別
汚泥から再生砕石を製造/専用プラントが竣工

- エコ・ロックサービス -

信越ケイテック(長野市)の子会社エコ・ロックサービス(長野県須坂市)は、建設混合廃棄物や無機汚泥などを再資源化する中間処理施設を立ち上げた。建設混合廃棄物は強制洗浄分級技術で処理。汚泥は凝集沈殿・脱水後に石化(造粒固化)プラントで再生骨材、鉱さい、石膏ボード粉と混合して固化剤を加え、再生砕石として販売する。湿式洗浄のため上質な再生材ができるほか、脱水ケーキを再生材にすることで再資源化率が大幅に向上。ベントナイト、重金属・油含有汚染土壌、掘り起こし廃棄物などの受け入れも行う。



◇めっき廃水汚染解決へ
膜分離法処理技術/資源2次使用でコスト減も


電気めっき工業は中国の重要な加工業界で、急速に発達している。一方で、電気めっき工業は工場数が多く、規模が小さく、専門化のレベルがまだ低く、効率も悪いなどの事由により汚染状況が深刻な局面になっている。



◇産廃不投の情報提供で
10団体と協定を締結

- 奈良県 -

奈良県は11月12日、県内で事業活動を行う10団体と、産業廃棄物不法投棄の情報提供に関する協定を結んだ。締結式では、荒井正吾知事と各団体の代表者が協定書を交換。「県土の環境保全を共通の目的とし、不法投棄の未然防止に努める」と約束した。



◇OECD勧告に対応へ
排出者の利便性など考慮/優良性評価の見直し検討

- 環境省 -

環境省は今年度から2010年度までの間に、現行の産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評価制度について、同制度の運用開始から4年が経過することから、制度の見直しなどのための調査・検討や普及啓発と研修の実施、ネットワークシステムの構築に着手する。制度の見直しのための調査・検討については、経済協力開発機構(OECD)による「廃棄物の適正処理に関するOECD理事会勧告」にも対応する。



12月8日号ダイジェストニュース

◇民活でプラリサイクルが軌道に
焼却量も大幅減少

- 兵庫県宝塚市 -

兵庫県の宝塚市は、容器包装プラスチックおよびそれ以外のプラスチックごみを一括して分別収集、市民への負担を軽減しつつ、焼却ごみの減量と再資源化で成果を上げている。



◇廃棄物管理をプロデュース
OA機器等は素材分別/プラは自社中国工場でペレット化

- ナカダイ -

ナカダイ(本社・東京、中台正四社長)はマテリアルリサイクル推進の一環として、排出業者の廃棄物管理のトータルプロデュース「NIFシステム」を各種工場や事業所に提案している。現在4社が利用しており、高いリサイクル率と廃棄物に関するコスト削減など高い成果を上げている。



◇食リ製品認証制度 食品リサイクル肥料を認証
農産物には識別マーク/09年度から運用開始へ


(財)食品産業センターが検討を行ってきた食品リサイクル製品認証制度の実施要綱案がほぼ固まった。第三者機関による2009年度からの運用を目指す同制度は、食品循環資源からつくられた肥料の第三者認証と、その肥料を用いた農産物などへの識別マークの付与により食品リサイクルの取り組みを推進するもので、11月からは食品循環資源を原料に使う肥料製造者7社の協力による認証試行事業がスタートした。



◇プラ残さを高純度選別
乾式比重選別と静電選別で

- ハイパーサイクルシステムズ -

三菱電機のグループ会社であるハイパーサイクルシステムズ(千葉県市川市、菱孝社長)は家電Bグループ(三菱電機、シャープ、ソニーなど)の指定工場で、使用済み家電を高度選別する独自の技術により純度の高い資源を取り出している。



◇国内54ヤード体制に
一般古紙から機密文書まで対応

- 宮崎 -

古紙問屋の宮崎(愛知県清須市、梅田慎吾社長)は今年、3ヤードを開設し、国内54ヤードの体制となった。日本最大級の古紙回収および再資源化を進めている。



◇燃料需要、年間300万t規模に
機運の落ち込み懸念も/関東周辺、木くず動向


昨年6月の建築基準法改正以降、木くずのリサイクル市場は動揺が収まらない。CO2排出抑制を背景に、ここ数年、バイオマスボイラーや発電施設の計画、稼働が相次ぐ。一方、需要過多の状況では、住宅着工数の減少や景気の影響なども木くずの安定供給への不安要素となる。「急激な需要の増加がリサイクルの機運をそぐ結果にならなければよい」と懸念する生産者もいる。



◇ごみ収集車マイクシステム
作業者の声のみ感知

- 市光工業 -

自動車用ランプやミラーの専門メーカーとして実績を持つ、市光工業(東京・品川)は11月から、ごみ収集車用のマイクシステム「MS-100」を発売した。車両の後方で収集作業をする人の声のみを感知して、ドライバーはスピーカーから状況を把握することができる。収集車メーカーなどを対象に、年間1500台の販売を目指していく。



◇産廃協と不投防止パトロール
出発式で連帯協力を確認

- 福岡県 -

福岡県と県産業廃棄物協会は11月27日、産廃の不法投棄防止に向けた啓発パトロールを実施した。県庁の正面玄関前で行われた出発式には、県と産廃協会から約40人が参加。脊戸俊介県環境部長と梅田佳暉産廃協会会長があいさつし、行政と業界の連帯協力を確認し合った。



◇処分場拡張、次への弾みに
開業20周年で記念式典

- ジャパンクリーン -

ジャパンクリーン(仙台市青葉区、杉澤養康社長)は同社安定型処分場(青葉区芋沢)の開業20周年を記念して11月28日、地元住民や関係者など約160人が参加して記念式典を開催した。



---- 納刊のお知らせ ----

2008年は12月8日号で納刊となります。
新年は1月1日号および5日号の新年特集号からの発行です。


バックナンバーに戻る