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本則 厚生省生活衛生局水道環境部長から各都道府県知事・政令市長あて 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律(平成3年法律第95号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(平成4年政令第218号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成4年厚生省令第46号)の施行については、別途厚生省生衛第736号により厚生事務次官から通知されたところであるが、これらの運用に当たっては、なお下記事項に留意のうえ、遺憾のないようにされたい。 記 第1 総則的事項 1 目的 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)の改正により、廃棄物の排出を抑制することが新たに法の目的として加えられ、また、廃棄物の処理の内容として、保管、収集、運搬、再生、処分等が明示された。これは、廃棄物の処理においては、廃棄物として排出されたものを焼却等中間処理し、最終処分することにとどまらず、廃棄物の排出を抑制し、また、廃棄物の減量化、再生を推進することが重要であるとの考え方に基づくものであり、この趣旨を十分理解したうえで法の運用に当たられたいこと。 2 廃棄物の定義人の健康又は生活環境に被害を及ぼすおそれのある性状を有する廃棄物について、一般廃棄物と産業廃棄物の区分に応じ、各々特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の定義を新たに設けたが、廃棄物全般の定義、範囲、一般廃棄物と産業廃棄物との区分等については、変更するものでないこと。 廃棄物の適正処理を確保するためには、国民1人1人がごみの分別、再生品の使用等に主体的に取り組むこと等により、廃棄物の減量化に努めていくことが重要であること等から、新たに、国民の責務として、その旨を規定したこと。 4 事業者の責務(1) 製造者等の事業者の責務を明確化し、事業者は、製品、容器等が廃棄物となった場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難とならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等の具体的な措置を講ずることにより、廃棄物の適正処理が困難となることのないようにしなければならないこととしたこと。 (2) 事業者の責務を強化し、事業者は、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し、国及び地方公共団体の施策に協力しなければならないこととしたこと。 5 国及び地方公共団体の責務廃棄物の減量等その適正処理の確保のためには、家庭や地域における日常的な取組みが重要であることから、市町村は、廃棄物の減量化、再生利用に関する住民の地域活動を積極的に支援し、促進すべきこととしたこと。また、国及び地方公共団体は、国民各層が廃棄物の処理に関心を持ち、それぞれの立場で廃棄物の排出抑制及び適正処理に取り組むよう、国民及び事業者の意識の啓発に努めなければならないこととしたこと。 6 廃棄物減量等推進審議会及び廃棄物減量等推進員(1) 市町村における一般廃棄物の減量化対策を実効あるものとするため、廃棄物減量等推進審議会及び廃棄物減量等推進員の制度を設けたこと。 (2) 廃棄物減量等推進審議会は、一般廃棄物の減量化を推進していくための方策等について審議するものであるが、既存の審議会を必要に応じ拡充・改組して対応することも差し支えないこと。また、減量化の推進のためには関係者の幅広い参画が重要であるので、住民、学識経験者、事業者、廃棄物処理業者、廃棄物再生事業者等の関係者の参加を得ることにより、一般廃棄物の減量等に関する住民のコンセンサスを形成していく場として積極的に活用していくこと。 (3) 廃棄物減量等推進員は、市町村行政との密接な連携の下に、地域に密着して一般廃棄物の減量化、再生利用を促進していくためのリーダーとなるものであり、市町村は、地域の実態を踏まえ、その積極的な養成に努められたいこと。 第2 一般廃棄物に関する事項1 一般廃棄物処理計画 (1) 従来は、市町村長が政令で定める基準に従い指定する区域については計画を定めることを要しなかったが、今後は当該市町村の区域内全域について、市町村は、一般廃棄物処理計画を定めなければならないこととしたこと。 (2) 一般廃棄物処理計画は、当該市町村の区域内の一般廃棄物を管理するための基本となる計画であり、市町村が自ら処理する一般廃棄物のみならず、多量排出事業者に指示して処理させる一般廃棄物等自家処理される一般廃棄物も含まれるものであること。 (3) 一般廃棄物処理計画の記載事項の柱として、一般廃棄物の減量化、再生利用が位置付けられており、それらについては、具体的な推進方策や目標が明記されている必要があること。 2 多量の一般廃棄物の排出者に対する減量化計画作成の指示等市町村の清掃事業の円滑な実施及び一般廃棄物の適正処理の確保を図るため、市町村長は、事業活動に伴って多量の一般廃棄物を排出する土地又は建物の占有者に対し、一般廃棄物の減量に関する計画の作成その他必要な事項を指示することができること。 3 一般廃棄物の処理手数料の徴収市町村は、廃棄物の処理については、そのコストを負担するという意識が廃棄物の減量化に資するものであることも踏まえ、廃棄物の種類、特性、処理費用等を勘案した適正な額の手数料を徴収するようにすること。その際には、住民、事業者等に対して、廃棄物の処理には相当の費用がかかるものであることを説明し、廃棄物の処理は無料という考え方をなくすよう理解を求めること。 4 一般廃棄物処理業一般廃棄物処理業の許可の適正化を図るため、業の許可を収集運搬業と処分業に分け、収集運搬は一般廃棄物収集運搬業者に、処分は一般廃棄物処分業者に、それぞれ委託しなければならないこととするとともに、一般廃棄物処理業者のより一層の資質の向上と信頼性の確保を目的として、欠格条項の強化等を行うとともに、許可の有効期間を1年としたこと。 5 一般廃棄物の収集、運搬又は処分等の委託の基準一般廃棄物の処理においても、近年、広域処理が増加しており、その円滑な処理の確保のためには関係市町村間において十分にその状況が把握されていることが必要なことから、市町村においてその一般廃棄物の処分を委託する際には、当該市町村は、処分等の場所を指定し、その場所が他の市町村の区域内であるときは、処分先の市町村に対して必要事項をあらかじめ通知するとともに、委託が1年以上継続する場合にあっては、当該委託に係る処分の状況を実地に確認しなければならないこととしたこと。なお、処分の場所が、広域臨海環境整備センター法(昭和56年法律第76号)に規定する広域処理場である場合は、この限りでないこと。 6 特別管理一般廃棄物の収集、運搬又は処分等の委託の基準特別管理一般廃棄物の委託に当たっても、一般廃棄物の委託基準の例によるほか、その適正な処理の確保を図るため、受託業務に直接従事する者が十分な知識を有すること及び受託者が被害を防止するための必要な措置を講ずることができることという要件を設けたこと。なお、特別管理一般廃棄物については、その類型に応じた処理業の区分は設けず、一般廃棄物処理業の許可を受けている者がその許可を受けている事業の範囲で処理を行うことができること。また、特別管理産業廃棄物である感染性産業廃棄物及びばいじんの処理を行うことができる者は、特別管理一般廃棄物である感染性一般廃棄物及びばいじんの処理を行うことができること。 7 一般廃棄物処理施設市町村が一般廃棄物処理計画に従い一般廃棄物を処分するために一般廃棄物処理施設の設置等を行う場合を除き、一般廃棄物処理施設の設置等については従来の届出制から許可制とするとともに、使用前検査制の導入等を行い、一般廃棄物処理施設の安全性及び信頼性の向上並びに円滑な施設整備を図ることとしたこと。 第3 産業廃棄物に関する事項1 産業廃棄物処理計画 (1) 都道府県知事が定める産業廃棄物処理計画は、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の適正な処理が行われるように必要な措置を講ずるうえで基本となるものであるので、必要な事項について当該計画に規定すべきこととしたこと。 (2) 産業廃棄物が広域的に処理されている実態を踏まえ、厚生大臣は、都道府県知事が産業廃棄物処理計画を作成するに当たり、都道府県知事に対し、全国的な産業廃棄物の発生及び処理の状況につき必要な情報を提供し、及び必要な助言を行うことができることとしたこと。 2 多量の産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の排出事業者の処理計画都道府県又は政令市の区域内の事業場のうち多量に産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物を排出するものについては、都道府県又は政令市が、当該事業場に係る産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の排出や処理の状況を十分把握した上で当該排出事業者に対して必要な監督指導を行い、その適正な処理を確保することが、当該都道府県又は政令市の区域における産業廃棄物全般の適正な処理を確保する上で極めて重要であるという観点から、都道府県知事は、当該事業場の排出事業者に処理計画の策定を指示できることとしたこと。なお、この処理計画には、減量に関する内容が含まれること。 3 産業廃棄物の運搬又は処分等の委託の基準(1) 産業廃棄物の処理の委託が適正に行われることは、産業廃棄物の適正処理を確保するための基本となるものであることに鑑み、委託基準を強化したところであり、改正後の委託基準に基づき適正な委託が行われるよう事業者に対し十分指導されたいこと。 (2) 排出事業者は、その排出する産業廃棄物の処理を委託しようとする者が他人の産業廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者であって、委託しようとする産業廃棄物の運搬又は処分若しくは再生が事業の範囲に含まれている者であることを十分確認し、その者に委託をしなければならないことはもちろんであるが、今回新たに書面による委託契約を締結して委託しなければならないこととし、かつ、当該委託契約書に委託する産業廃棄物の種類及び数量等一定の事項についての条項が含まれていなければならないこととしたこと。 4 産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業(1) 産業廃棄物処理業についても、一般廃棄物と同様、産業廃棄物収集運搬業と産業廃棄物処分業に区分し業の許可を行うこととしたところであり、運搬は産業廃棄物収集運搬業者に、処分は産業廃棄物処分業者に、それぞれ委託しなければならないこととするとともに、許可の有効期間を5年としたこと。 (2) 産業廃棄物のうち一定のものを特別管理産業廃棄物として指定したことに伴い、他人の特別管理産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分若しくは再生を業として行おうとする者は、それぞれ特別管理産業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物処分業の許可を得なければならないこととし、欠格条項を強化したほか、許可の有効期間を5年としたこと。また、今回、運搬のみならず、処分に係る再委託についても、基準の整備を図ったこと。 5 特別管理産業廃棄物の収集、運搬又は処分等の委託の基準特別管理産業廃棄物の排出事業者は、特別管理産業廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を他人に委託する場合には、委託しようとする者に対し、委託に先立って委託業務の遂行に必要な情報を文書に記載して提供しなければならないこと。 6 特別管理産業廃棄物管理票特別管理産業廃棄物管理票制度は、排出事業者がその処理を委託した特別管理産業廃棄物の移動及び処理の状況を自ら把握し、あわせて、不法投棄等の不適正処理を未然に防止する等のために設けられたものであるので、関係の排出事業者及び処理業者に周知徹底し、その円滑な定着を図ること。 7 産業廃棄物処理施設(1) 産業廃棄物処理施設の設置等については信頼性、安全性の高い施設の設置が円滑に行われるようにするため、届出制から許可制に改め、施設の使用前検査を義務付けたこと。 (2) 1日当たりの処理能力が5トンを超える産業廃棄物の焼却施設であって、従来産業廃棄物処理施設として指定されていなかったものを新たに産業廃棄物処理施設に追加したこと。 第4 廃棄物処理センターに関する事項1 廃棄物処理センターは、その基本財産に地方公共団体が出資しているものを申請に基づき都道府県ごとに1個に限り指定するものであるため、現在すでに地方公共団体が出資しているいわゆる「廃棄物処理公社」等がある場合にあっては、その業務内容や地域における廃棄物処理の実態を十分勘案のうえ、当該公社等を廃棄物処理センターとすることも考慮すること。 2 廃棄物処理センターに設けられる基金への事業者からの出えん金は、産業廃棄物に関しては処理に要する費用の前払い的な性格を持つものであり、また、法第6条の3第1項の指定に係る一般廃棄物に関しては協力金的な性格を持つものであるので、この旨、関係者に周知し、積極的に出えんを得ることにより、廃棄物処理センターの施設整備について初期投資に係る負担の軽減を図り健全な経営が確保されるようにすること。 3 廃棄物処理センターに係る厚生大臣の権限のうち、事業計画等の届出に関する事項、報告の徴収及び立入検査に関する事項並びに監督命令に関する事項については、都道府県知事に委任することとしたこと。なお、廃棄物処理センターの指定の取消しに関し必要な場合には、厚生大臣自ら報告の徴収及び立入検査を行うこととしているが、その必要性の有無について都道府県知事の報告に基づいて確認することとしているので、適宜、廃棄物処理センターの運営状況等につき報告されたいこと。 第5 その他の事項1 投棄禁止 廃棄物の不法投棄対策を強化するため、我が国の全域において廃棄物の不法投棄を禁止したこと。 (1) 法第19条の3に基づく命令については、従来、事業者による産業廃棄物の処理が処理基準に違反している場合に限定されていたが、委託を受けて産業廃棄物の処理を行う産業廃棄物処理業者に対する都道府県知事の改善命令及び一般廃棄物処理業者に対する市町村長の改善命令を追加したこと。 (2) 法第19条の4に基づく命令については、発動要件を緩和するとともに、期限を定めて措置を命ずることができることとしたこと。 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設である最終処分場については、埋立処分が終了した際には、都道府県知事に一定の事項を届け出なければならないこととするとともに、都道府県知事は、当該届出に係る最終処分場の台帳を調製し、これを保管しなければならないこととしたこと。 (1) 廃棄物再生事業者の登録制度は、廃棄物の再生を業として営んでいる者について一定の基準を充足していることを要件とする登録制度を設けることにより、これらの事業を営んでいる者の資質の向上及び市町村における一般廃棄物の再生への協力体制の整備を図ることを目的とするものであること。 (2) 再生の対象となる廃棄物は一般廃棄物に限るものではなく、また、登録の対象となる事業者には、公益法人、事業協同組合等で定款又は寄付行為上再生に係る事業を行うことができるものも含まれること。 (1) 廃棄物の最終処分場の信頼性、安全性を向上させる等管理体制の強化を図るため、一般廃棄物処理施設及び産業廃棄物処理施設である最終処分場については、すべて技術管理者を設置することとしたこと。また、法改正により、技術管理者の職務として、廃棄物処理施設の維持管理の事務に従事する他の職員を監督することが法律上明記されたことに伴い、技術管理者の資格の改正を行ったこと。 (2) 改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号。以下「省令」という。)第17条第1項第1号チの規定に該当する者は、次のア又はイのいずれかに該当する者であること。 ア 改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第17条第1項第8号に該当する者 イ 次の(ア)から(ウ)のいずれかに該当する者であって、厚生大臣が指定する講習を修了したものであること。 (ア) 学校教育法に基づく大学又は旧大学令に基づく大学を卒業した後、1年以上ごみ処理に関する技術上の実務に従事した経験を有する者 (イ) 学校教育法に基づく短期大学若しくは高等専門学校又は旧専門学校令に基づく専門学校を卒業した後、3年以上ごみ処理に関する技術上の実務に従事した経験を有する者 (ウ) (ア)及び(イ)以外の者で、5年以上ごみ処理に関する技術上の実務に従事した経験を有する者 (3) 省令第17条第1項第2号の規定に該当する者は、省令第17条第1項第1号イからチまでに該当する者であって、かつ、ごみ処理施設、し尿処理施設及び一般廃棄物の最終処分場の技術管理に携わる他の職員の監督の経験を相当年数有する者、及び省令第17条第1項第1号イからチまでに該当する者であって、かつ、省令第17条第1項第1号に規定する講習と同程度の内容を有する市町村独自の研修制度に基づく指導者養成研修等の修了者であること。 |
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