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本則 (各都道府県知事・各政令市長あて環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成一三年政令第三三一号。以下「改正令」という。)は、平成一三年一〇月一七日に公布され、平成一三年一〇月二七日から施行されることとなった。また、これに伴い、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成一三年環境省令第三二号。以下「改正省令」という。)は、平成一三年一〇月一七日に公布され、平成一三年一〇月二七日から施行されることとなった。 これらの改正の趣旨及び内容については、左記のとおりであるので、その運用に当たっては十分に留意の上、遺漏なきを期されたい。 記 第一 改正の趣旨 牛海綿状脳症の国内での発生に伴い、厚生労働省において、牛肉等の安全確保の観点から、牛の特定危険部位の除去・焼却が通知され、本日付け公布のと〈、〉畜場法施行規則の一部を改正する省令(平成一三年厚生労働省令第二〇九号)により、平成一三年一〇月一八日より法令上義務付けられることとなったところである。また、農林水産省において、食肉全体の円滑な流通・消費を確保する観点から、飼料用・肥料用の肉骨粉及び肉骨粉を含む飼料・肥料の製造・販売の一時停止が通知されたところである。これに伴い、牛の特定危険部位については、今後不要となるものと考えられるほか、これまで肉骨粉の原料として利用され、不要となることがほとんどなかったと畜場及び食鳥処理場において家畜の解体等により生ずる骨等の残さについても、今後、不要となるものが生じてくることが考えられる。 こうしたと畜場及び食鳥処理場における家畜の解体等に伴って生ずる不要物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号。以下「施行令」という。)第二条第四号に規定する食品製造業等において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物及び同条第一一号に規定する家畜の死体(畜産農業に係るものに限る。)と性状的に動物に係る不要物としての類似性を有し、かつ、と畜場及び食鳥処理場における事業活動に伴い一定量が発生するものであること等から、改正令によりこうした不要物について、と畜場においてとさつし、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理をした食鳥に係る固形状の不要物(以下「動物系固形不要物」という。)として、産業廃棄物としての位置付けを明確にし、これにより、新たに廃棄物として生ずる動物系固形不要物について、産業廃棄物として廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)に基づき、委託基準及び産業廃棄物管理票等の各種規制により、その適正な処理を確保することとしたものである。 なお、もとより、と畜場においてとさつし、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理をした食鳥に係る固形状のものであっても、引き続き、不要でないものは廃棄物ではなく、改正令は、と畜場においてとさつし、又は解体した獣畜及び食鳥処理場において食鳥処理をした食鳥に係る固形状のもの全体を産業廃棄物とするものではない。 第二 改正令の内容 一 産業廃棄物としての位置付けの明確化等 動物系固形不要物について、改正令による改正後の施行令第二条第四号の二に追加するとともに、同条第四号の動植物性残さ及び同条第一一号の家畜の死体と同様、施行令第六条第一項第三号ヲに規定する腐敗物に係る埋立て処分の基準を適用するため、同号ヲに規定する腐敗物として、当該産業廃棄物を追加したこと。 二 経過措置 廃棄物処理業の許可及び廃棄物処理施設の設置許可申請並びに廃棄物処理施設の設置許可に関し、所要の経過措置を設けたこと。 具体的には、廃棄物処理業の許可に関し、平成一三年一〇月二七日の時点において一般廃棄物の処理業者であって動物系固形不要物の収集若しくは運搬又は処分を業として行うことができる者は、平成一四年一〇月二六日までの間に限り、動物系固形不要物の取扱いを事業の範囲とする産業廃棄物処理業者とみなすこととしたこと。 また、廃棄物処理施設の設置許可申請に関し、平成一三年一〇月二六日以前に、動物系固形不要物の処分の用に供されるごみ処理施設のうち焼却施設又は一般廃棄物の最終処分場(以下「動物系固形不要物処理施設」という。)について、法第八条第一項の許可の申請を行った者であって、平成一三年一〇月二七日の時点において許可又は不許可の処分を受けていないものは、動物系固形不要物の処分の用に供される産業廃棄物処理施設として法第一五条第一項の許可の申請を行ったものとみなすこととしたこと。 同様に、廃棄物処理施設の設置許可に関し、平成一三年一〇月二六日以前に、動物系固形不要物処理施設について法第八条第一項の許可を受けた者は、動物系固形不要物の処分の用に供される産業廃棄物処理施設として法第一五条第一項の許可を受けたものとみなすこととしたこと。 第三 その他留意事項 一 動物系固形不要物のうち、牛の特定危険部位については、牛肉等の安全確保の観点から、厚生労働省において焼却することが義務付けられることとなったことから、食品衛生部局及び畜産部局と連絡調整を行いつつ、牛の特定危険部位の処分に当たっては食品衛生部局及び畜産部局の指導に従い焼却を行うよう、事業者を指導されたいこと。 二 動物系固形不要物について、収集運搬及び処分を委託する場合には、法に基づき委託契約書の締結等の委託基準の遵守及び産業廃棄物管理票の交付等義務が課せられることとなるため、その円滑な実施につき、食品衛生部局及び畜産部局と連携して、事業者に対する指導方御配意願いたいこと。 三 動物系固形不要物の処分を事業として行おうとする者により、新規に産業廃棄物処分業の許可申請が行われた場合、又は既に産業廃棄物処分業の許可を有している者により処分業に係る変更許可申請が行われた場合、並びに産業廃棄物処理施設の設置許可申請がなされた場合にあっては、当該産業廃棄物の円滑な処理の確保が要請されている状況にかんがみ、法に基づき可能な限り速やかに適切な処分を行われたいこと。 四 改正令の施行に併せ、改正省令により、動物系固形不要物のみの収集又は運搬を行う者については、産業廃棄物の収集運搬業の許可を要しないものとされたところであるが、これは政令が緊急に施行されたことに照らし、当分の間、収集運搬業の許可を不要とした趣旨であるので了知願いたいこと。 五 廃棄物となった肉骨粉の処理については、本年一〇月二日付け当職通知環廃対三九五号により、市町村において必要と認める場合にあっては必要な費用を徴収しながら焼却処理を行うことを検討する旨市町村に対して周知方願ったところであるが、産業廃棄物である動物系固形不要物については、法第一一条第二項に基づき市町村は、一般廃棄物とあわせてその事務として処理することができることから、動物系固形不要物についても、市町村において必要と認める場合にあっては必要な費用を徴収しながら焼却処理を行うことを検討するよう周知願いたいこと。 |
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