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本則 (各都道府県知事・各政令市市長あて環境事務・厚生事務次官通達) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)は、本年九月二四日から施行された。 これに伴い、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三○○号。以下「令」という。)および廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四六年厚生省令第三五号)は、本年九月二三日公布され、翌二四日から施行された。これらの法令の施行に関しては、別途昭和四六年一○月一六日付厚生省環第七八四号により厚生事務次官名で通達したところであるが、令第三条および第六条に規定する廃棄物の収集、運搬および処分の基準の施行については、左記事項に留意され、遺憾のないようにされたい。 以上命により通達する。 記 一 基本的な考え方 廃棄物の収集、運搬および処分の基準を設定するにあたつては、収集、運搬および処分が、生活環境の保全および公衆衛生の向上に支障をきたさないように配慮した。具体的には次のとおりである。 ア 廃棄物の収集、運搬および処分にあたつては、廃棄物が飛散し、および流出しないようにすること等一般的な基準を明らかにする。 イ 廃棄物の処分の基準は、廃棄物の埋立処分および海洋投入処分について設定することとする。なお、廃棄物の河川投入処分等海洋以外の公共の水域への投入処分については、その基準が設定されていないので、法第一六条の規定により原則的には禁止されることとなる。 ウ 廃棄物の最終処分は、海洋を廃棄物の投入処分の場所とすることは極力回避すべきであるという基本的な考え方にたつて、埋立処分を原則とする。従つて、廃棄物は、原則としてすべて埋立処分を行うことができることとし、その海洋投入処分は、水産動植物の生育環境、その他海洋の環境保全に対する悪影響が少く、かつ、海洋投入処分を行なうことがやむを得ないと認められるものに限り行なうことができることとする。なお、海洋投入処分を行なうことができるものとして特に定められた廃棄物であつても、埋立処分を行なうのに特に支障がないと認められる場合には、海洋投入処分を行なわないようにすることとする。 エ 廃棄物の最終処分にあたつては、その自然界への還元を円滑化する等のため中間処理を行なう必要があるものについては、所要の中間処理を行なうことを義務づけることとする。 オ 水銀、カドミウム等の有害物質を含む産業廃棄物の最終処分に関しては、人の健康の保護に万全を期する見地から、特にきびしい基準を設けることとする。 カ アからオまでに掲げるほか、廃棄物の最終処分を行なうにあたつて、生活環境の保全および公衆衛生の向上に支障をきたさないようにするための所要の基準を明らかにする。 なお、海域において船舶から行なう廃棄物の排出海域および排出方法ならびに海洋施設から行なう廃棄物の排出方法については、別途、昭和四七年六月二五日から施行される海洋汚染防止法(昭和四五年法律第一三六号)第一○条第二項第二号および第三号ならびに第一八条第二項第二号の規定に基づく政令で定めることとされていることにかんがみ、法に基づく政令においては、それまでの間概括的な基準を設けるにとどめることとする。 二 廃棄物の埋立処分の基準 (一) 対象廃棄物 廃棄物の埋立処分は、原則として、すべての廃棄物につき行なうことができることとしている(令第三条第四号および第六条第一項第一号)。ただし、有害物質を含む廃酸および廃アルカリは、埋立処分を行なうことができないこととされた(令第 六条第二項第二号)。 (二) 中間処理 廃棄物の埋立処分を行なうにあたつて所要の中間処理を必要とするものは、一般廃棄物にあたつてはし尿浄化槽に係る汚でいおよびし尿であり(令第三条第四号ハからヘまで)、産業廃棄物にあつては汚でい、廃油(タールピッチ類を除く。)、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくずおよびダスト類である(令第六条第一項第一号イからトまで)。特に、有害物質を含む汚でいについては、コンクリート固型化する等きびしい中間処理をしなければならないことに留意しなければならない(令第六条第二項第一号ハおよびニ)。 (三) 埋立処分実施の基準 廃棄物の埋立処分を行なうにあたつては、所定の廃棄物については土壌還元を促進するため層状埋立を行なう等、所要の基準を定めている(令第三条第四号イ、ロおよびトからヌまでならびに第六条第一項第一号チおよびリ)。 有害物質を含む汚でいおよび鉱さいの埋立処分を行なうにあたつては、その埋立地を公共の水域および地上水と完全にしや断すること等特にきびしい基準が定められている(令第六条第二項第一号イおよびロ)。 三 廃棄物の海洋投入処分の基準 (一) 対象廃棄物 廃棄物の海洋投入処分は、特に定められたものに限り行なうことができることとされた(令第三条第五号ならびに第六条第一項第二号および第二項第三号)。ただし、これらのものであつても、埋立処分を行なうのに特に支障がないと認められる場合には、海洋投入処分は行なわないようにすることと定められた(令第三条第六号ならびに第六条第一項第三号および第二項第四号)。 なお、これらのものは、海洋汚染防止法第一〇条第二項第三号で規定する「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号)第六条第三項又は第一二条第二項の政令において海洋を投入処分の場所とすることができるものと定めた廃棄物」となるので、その点留意されたい。 (二) 海洋投入処分実施の基準 廃棄物の海洋投入処分を行なうにあたつての基準として、水産動植物の生育環境に支障が生じないようにすること、廃棄物の種類に応じてすみやかに海底に沈降堆積または海中拡散するように必要な措置をとること等が定められた(令第三条第七号ならびに第六条第一項第四号および第二項第五号)。 四 経過措置 廃棄物の最終処分にあたつて、令第三条または第六条の規定により義務づけられた中間処理については、一定の廃棄物に限り、法施行後一定期間中における中間処理義務を免除または緩和する等の経過措置が定められた(令附則第二条)。 なお、この場合、環境庁長官が別に期日を定めたときにおいては、前記の経過措置の期間は短縮されることとされており(令附則第二条第一項かつこ書き参照)、この期日が、昭和四六年一〇月五日付けで昭和四六年環境庁告示第六号として告示されたので留意されたい。 |
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