歴 史
■過去20年とNEW環境展の変遷
廃棄物処理展を初開催した1990年代初頭は、廃棄物の埋立処分場不足が深刻で、とにかく廃棄物の減量化を徹底しようと、焼却施設や各種リサイクル装置が積極的に出展されてきました。まだ、市町村のごみ分別も始まったばかりで、政策面でもスポットが当たり、政党の出展や党首の来訪、当時の環境庁長官の視察もありました。
90年代半ばになりますとリサイクルシステムの構築が世界的な課題になり、96年にはドイツのDSD社が出展するなど海外からの出展、来場が増えます。海外企業の出展は、'96廃棄物処理展に日本貿易振興会(ジェトロ)が出展したことにはじまり、’99年の開催では韓国機械工業振興会も出展。双方とも数年にわたり連続参加していただきました。以降、海外の企業が単独で出展するケースが年々増え、2005年(平成17年)の開催では22社の海外企業にご出展いただきました。
90年代後半になりますと、92年に開かれた世界初の元首級の地球温暖化防止締約国会議(ブラジルサミット)から4、5年経っていたのですが、世界的な気象変動や環境問題が顕在化し始め、地球環境問題が急速にクローズアップされるようになりました。廃棄物に代表される生活環境問題ももちろんですが、温暖化対策を始めとする地球環境問題への対応が欠かせなくなってきました。
そのような背景を経て、当展は2000年に環境対策の総合展「NEW環境展」に名称を変更し、廃棄物に加えて温暖化対策や水・大気・土壌分野など環境分野を広くカバーしていくことになりました。この年は循環型社会形成推進基本法が制定された年で、廃棄物対策もリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の3Rが基本となり、廃棄物対策の出展分野もリサイクルの専門機器やIT化などいっそうの技術革新が見られるようになります。
2002年(平成14年)には東京ビッグサイト東展示棟を6館全館使用する規模となり、、2005NEW環境展以降は分野別の会場構成を敷くようになり、今日に至っています。各分野の特性を前面に出し、専門性を高めたことで姉妹展の「地球温暖化防止展」が派生し、2010年(平成22年)からは「NEW環境展」と「地球温暖化防止展」を同時開催し、より広い意味での環境関連の展示会として存在感を強めてまいりました。
「2011NEW環境展&地球温暖化防止展」はご存じの通り、3月11日の東日本大震災の影響を受け、開催の是非をぎりぎりまで検討しましたが、実施に踏み切ったところ、無事に運営・終了することが出来ました。また、出展社様の中には復興支援のための装置・技術・アイテムを展開するところも数多く、例年にも増して内容の濃い開催となりました。
今後も時代の要請に合わせ、社会に世間に必要とされるイベントづくりを心掛けてまいります。
出展社、来場者の皆様には心から感謝申し上げます。
■NEW環境展・東京会場 20年の歩み
- 1992年
- 「廃棄物処理展」として第1回開催、併催行事で廃棄物学会シンポジウム。
- 1993年
- 政党から公明党と日本社会党が出展。 石田幸四郎公明党委員長、山花貞夫日本社会党委員長が来場。 日本テレビのドラマ「彼女が嫌いな彼女」(原田三技子、石田ゆり子主演)のロケに 展示会場使用。
- 1994年
- 浜四津敏子環境庁長官、広中和歌子前環境庁長官が会場視察。 中国から視察団。
- 1995年
- ジャージー牛が生ごみ処理機として登場。 生ごみ処理機が出展の5分の1を占める。
- 1996年
- JETROブースでドイツDSD社が出展。ヴォルフラム・ブリュック社長来日。 JETRO自体も初出展。 元気なごみ仲間の会および同会加盟の7団体など市民団体が出展。会議棟で元気な ごみ仲間の会の結成交流集会を開催。
- 1997年
- アトリウム内のオープンスペースで元気なごみ仲間の会の全国交流集会を初開催。
- 1998年
- 来場者が初めて10万人超。
- 1999年
- JETROに加えて韓国機械工業振興会が出展し、国際色豊かに。 真鍋賢二環境庁長官が視察。
- 2000年
- 「NEW環境展」への名称変更で非廃棄物分野の出展が本格化。
- 2001年
- 初開催から数えて10回目の開催。
- 2002年
- 地方自治体の支援で環境ベンチャー技術群が特設ステージで発表。 (環境プロジェクトin東京)
- 2003年
- NPO法人地球子どもクラブが出展。10大学の出展による環境学術研究コーナーを設置。
- 2004年
- CNGなど低公害車の出展。
- 2005年
- 環境保全功労者等 環境大臣表彰を受賞。 来場者が初めて15万人を超える。
- 2006年
- 世界的な地球環境問題の権威で「プランB」等の著者、レスター・ブラウン氏が来日し、 「環境時代の新しい経済」と題して記念セミナーで講演。
- 2007年
- マイバッグ運動の一環で、環境展オリジナルのバッグを配布。
- 2008年
- 来場者が18万人超に。インド経済・環境セミナー実施。
- 2009年
- 金融不況やインフルエンザ問題があったにも関わらず、アジア最大級の出展規模を維持。
- 2010年
- 地球温暖化防止展と初併催。壁面緑化やLED照明など非廃棄物の出展際立つ。