【概 要】 |
◆発酵槽内を微生物が活性化しやすい状態に整え、加温・攪拌しながら生ごみを微生物分解させて生成品を有機肥料や土壌改良効果のある特殊肥料、または飼料の原料として活用する。
◆生成品を取り出すまでの発酵時間(期間)で大別すると、(1)短時間発酵型:数時間から1週間程度、(2)長期間発酵型:1カ月から数カ月の2タイプに分類される。
◆水分または肥効成分の調整材として、米ぬかや乾燥オカラ、生成品の一部などが用いられる。
◆発酵を促進するため、ほとんどのメーカーが特殊培養した微生物を併用するシステムを採用している。 |
【特 徴】 |
(1)短時間(短期間)発酵型
60℃以上の高温で活躍する特殊な微生物を使い、短時間で高温発酵と乾燥を行う。装置によって、魚アラなど窒素分が多く、炭素率の低い原料を主に処理する場合は、土壌改良材というよりも肥料効果の高い有機質資材が得られる場合がある。飼料化にも対応しやすい。短時間処理だけに、処理量の割に装置はコンパクトになる。
(2)長期間発酵型
長期間連続投入できるメリットに加え、減量・減容効果に優れている。一般に処理品の腐熟度が高く、肥料効果よりも土壌改良効果が期待できる。槽内の滞留時間が長い分、処理量の割に装置の嵩が大きくなる傾向にある。 |
【留意点】 |
◆リサイクル目的で導入する場合は、生成品の適切なルートを確保する必要がある。生成品の一次保管スペースも必要。
◆装置の特性や生ごみの内容、調整材の種類などに応じて、生成品の質にも差が出てくる。
◆飼料化など付加価値の高い資材の用途を考える場合は、焦げ付きなどで品質にばらつきが出ないよう、加熱・攪拌方法に十分留意する必要がある。
◆残飯など粘度質の生ごみが中心の時は、発酵槽内で団子にならないよう、調整材を添加するなど工夫が必要になる。油脂分が多い場合も、ユーザー側で何らかの投入の工夫が必要。
◆異物除去や水分調整以外に、pH調整や温度・湿度の管理も重要。
◆安全・衛生面からは、雑菌の殺菌効果があるかどうかも重要になる。
◆長期発酵型と減容・消滅型は明確に区別できるわけではなく、処理目的に応じて水分調整剤(菌床)の材質を考慮する必要がある。
◆臭気対策として脱臭機内蔵か否か、オプションの場合の価格がどれくらいになるかなど、事前に確認したうえで装置を購入するのが得策。
◆生成品をメーカーが持ち帰り、リサイクルするという場合でも、排出者責任の観点から確実にリサイクルされているかどうかの確認は重要。 |
【食品リサイクル法対応】 |
食品関連事業者が自ら行う再生利用または減量化の手段として有効。また、関連事業者から委託を受けて再生利用を行う処理業者が利用することも可能だが、再生利用事業者として登録する場合には、日量5t処理以上の規模でなければ要件を満たさない。 |